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記者会見

石破茂幹事長 記者会見

平成25年11月25日(月)10:11~10:33
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

石破茂幹事長

先程9時から、私と沖縄県選出自民党の5名の衆参両院議員の皆さん方との会合を開かせていただいた。結果、普天間基地の危険性を一日も早く除去するために、辺野古移設を含むあらゆる可能性を排除しないということで一致をいたしました。私どもとして、これを受けて、普天間基地の危険性の一日も早い除去のために、沖縄の国会議員とさらに連携を密にしながら、このことの実現のために全力を尽くしてまいります。

質疑応答

Q
朝日新聞の三輪です。辺野古移設含むあらゆる可能性を排除しないということで一致したということですが、具体的にどういうことか、詳しくお聞かせください。これは、辺野古移設に関して、5人の方が容認したと理解してよろしいのですか。
A
辺野古移設を含むあらゆる可能性を排除しない、ということです。わが党として、普天間基地の一日も早い危険性を除去するために、日米合意の着実な実施のために、まず行政手続きとしての沖縄県知事の承認を求めるということですので、そのようなご理解で結構です。
Q
朝日新聞の山岸です。今日の議論の経緯を詳しく伺いたいのですが、とりわけ国場議員と比嘉議員は、昨日までの段階では、県外という主張を変えていませんでした。どういった形で、両議員から説明があって、幹事長から説得されたのかお聞かせください。
A
これは先週末に、党本部の方針は変わらないという旨を申しました。それぞれの議員たちは、それぞれの選挙区で有権者の方々の信任を得て、議席を得ています。党本部方針は変わらないことを申し上げた上で、党本部方針はこうであるということを、それぞれの方々にお伝えするように、ということを、先週申して、今朝の段階に至っております。
それぞれの議員からそれぞれの地域における話し合い、党本部の意向伝達をしてもらいました。その上で、議員としての決断を今日承ったということです。それぞれの経緯は、いろいろありましたが、結論として、冒頭申し上げた通りのことです。県外移設を求めるという公約、そこをどうやって最大限実現していくかということにも、党、政府一体となって配意していかねばなりません。ですから、沖縄からいろいろなご意見やご要望があります。それを100%に近付けるべく、今後も我々は努力していかなければなりません。この普天間の危険性除去とともに、沖縄が負っている過大な負担をどうやって軽減をしていくかということについて、今までも努力してきましたが、我々が政権を取ってからの一年間、それを実現すべくここまでも努力してきました。これからもしていくということです。今、ご指摘の国場議員、比嘉議員、それぞれ厳しい立場の中で、組織の決定というものに従うということでありますし、そこは共に責任を負っていくということです。
Q
テレビ朝日の水頭です。沖縄県民にとっては、県外移設を唱えて、選挙で当選された議員の方針転換で、混乱と不信感が生まれる可能性もありますが、幹事長のご所見をお聞かせください。
A
それは私どもとして、普天間基地の危険性の一日も早い除去が原点でした。これは橋本総理がモンデール大使との間で、不可能とも思われた普天間基地の返還ということで全てが動き出しています。もう一度、この原点は何であったのか。世界で一番危険と言われる普天間基地、そしてその後の10年前、私は当時防衛庁長官でしたが、ヘリ墜落事故も起こりました。一日も早い危険性除去が原点だった。しかし、いろいろな事情があって、今日までそれが進捗を見ておりません。私どもの原点であった普天間基地の一日も早い危険性除去に、もう一度立ち戻ろうということであります。
Q
TBSの加古です。国場議員、比嘉議員を説得するに当たって、除籍処分等を突き付けられたのですか。
A
そのようなことはいたしておりません。それは同志として共に戦ってきたのです。それは、この一連の経緯もそうです。選挙もそうです。共に戦ってきた同志に対して、そのような今、ご指摘のような圧力を加えたことは、私はありません。「共に原点に立ち返って、その実現のために、共に責任を果たそう」と言ってまいりました。私自身として、あるいは党として、そのようなことを考えたこともなければ、あったこともない。同志の信頼関係とはそういうものだと私は思います。
Q
読売新聞の海谷です。幹事長は、普天間基地の危険性を一日も早く除去するという原点に立ち戻ったとおっしゃいましたが、幹事長の認識として公約の一番の本質は守られているという認識なのか、あるいはそれとも今回、選挙で掲げた公約を変更せざるを得なくなったという認識なのか、お聞かせください。
A
一番の原点はそこだと思います。どこからこの話は始まったのかと言えば、この普天間基地、住宅地の真ん中にある普天間基地、実際に墜落事故も起こっています。そこにおける負担をどのようにして、一日も早く除去するかということについて、我々の公約に違背したとは思っていません。それと同時に、沖縄が負っている負担を、どうやって沖縄全体の負担を軽減するか。これは普天間だけではありません。だから私がかねてから申し上げているように、「日本でできることは日本でやる」「日本全体で負うべき負担を沖縄に押し付けることがあってはならないのである」という全体の流れの中で、公約に違背するとは考えていません。これは選挙の度に申し上げていることですが、沖縄県の自由民主党として、その流れの中で県外移設を求めることは、私自身許容してまいりました。それは沖縄の気持ちを代弁する沖縄の国会議員として、中央政府に対して、あるいは党本部に対して、それを求めていくことは、それはある意味当然許容されることだと考えてまいりました。だから、それが100%実現したかと言われれば、そこは県民のご判断です。しかし、沖縄全体の負担をどうやって日本全体で分かち合うかということに向けて、今後私として、本土に対するいろいろなご理解を求めることは続けてまいりたいと思います。
Q
琉球新報です。今日のことによる知事の埋め立て承認への影響について、どのようにお考えですか。また、今後、今日のことは、知事の承認に向けた環境づくりの一環になると考えているとお考えですか。
A
それは知事のご判断ですから、私がこの場で影響を与えるとか与えないとか、そういうことを申し上げる立場にはありません。ただ、知事のいろいろな立場を私どもとして、自民党として支えてまいりました。自民党の考え方というものが、国会議員、そして県連というふうに段階を踏んでいくだろうと、そういうことになります。それを知事がお考えになるかということであり、これが影響を与えるとか与えないとかいうことを私が申し上げるべき立場におりません。ただ、我々責任政党として、この日本国の独立と平和をどのように守るか。近年厳しさを増している安全保障環境の中で、わが国はいかなる責任を果たすべきかということと、沖縄全体の負担をどう減らすかということと、普天間の一日も早い危険性除去、この3つを満たしてくことは、国政を預かる責任政党として当然のことだと思っています。
Q
沖縄タイムスの比屋根です。幹事長は、これまでは沖縄県の自民党が県外を求めることを許容してきたとおっしゃいましたが、これから先、沖縄県選出議員や沖縄県連が、県外、国外を掲げることは制限するのですか、それとも許容されるのですか。
A
これは、「辺野古を含むあらゆる可能性を排除しない」ということを、今日確認しました。党として、政府と一体となって、日米合意の早急な実現が、現時点で考えられる普天間の危険性の一日も早い除去ということに直結する一番の近道だと考えています。それはそれとして実現しながら、沖縄全体の負担をどうやって減らしていくかということについては、今後も沖縄県連と様々な話し合いをしながら、先ほど申し上げたように日本全体で考えることです。沖縄の負担や痛みをどうやって日本全体で分かち合うかということに変わっていくと思っています。殊、この普天間基地の移設について、辺野古を含むあらゆる可能性は排除しません。党として、政府と一体となって、辺野古移設に向けたステップを踏んでまいります。しかし、これから先ずっとこの問題は続いていくわけで、最終的に、これがいつかは別として、沖縄全体の負担がきちんと減った。それを日本全体で分かち合うことについては変わるものではありません。
Q
琉球新報です。あらゆる可能性は排除しないということですが、政府として辺野古以外の案を検討する考えはもうないのでしょうか。衆院選の時に、「辺野古移設は最終ゴールではない」という発言がありましたが、辺野古以外で実現できる移設先はもうないとお考えですか。
A
これは現時点において、これが普天間の危険性を除去するために、一番早い実現可能性のある道だということを申し上げました。ですから、普天間の危険性の一日も早い除去に向けた一歩となるものだと思っています。今後は辺野古を含めまして、他にも日本の米軍基地の占用部分ということで申し上げれば、大半が沖縄に集中している状況が変わるものではありません。 それをどうやって除去するかということについては、今後も、私はあまり「全力を尽くして」という言い方を多用する者ではありませんが、まさにあらゆる可能性をこれから先も見つけていかなければならないのであって、これが最終ゴールだとは思っていません。
Q
琉球新報です。沖縄県選出の5人の国会議員は、沖縄県民に対して、「県外移設」を公約して当選しましたが、この公約は今日で事実上撤回させたという認識でしょうか。
A
私は「させた」という言い方をするつもりはありません。辺野古移設を含めてあらゆる可能性を排除しない。そもそも原点は何であったかといえば、普天間の危険性を一日も早く除去しなければならない。まさしく住宅街の真ん中にあって、極めて危険な状況にあるものを一日も早く除去することも公約です。それは守っていかなければならないということです。その公約実現に向けて、いろいろな方策がある中で、今日の結論に至ったということであって、これが「撤回させた」とか、そんな認識は持っていません。あらゆる責任を、あらゆるご批判を、党は一体となって沖縄県民に対して負うものだと思っています。
Q
琉球新報です。これからも沖縄の国会議員が、県外移設と県民に説明しても何の問題もないということでしょうか。
A
先程申し上げたように、「辺野古移設も含めて、あらゆる可能性を排除しない」ということです。そこへ向けて、これから先、いろいろな手続きを踏んでいかなければなりません。いろいろな壁を乗り越えていかなければならないものです。そこへ向けて、党と沖縄の議員とは、当然自民党の同志として一体となって動くものです。
Q
琉球新報です。今日決断なさった各議員への評価をお聞かせください。
A
それは我々党として、沖縄の議員がどれだけ悩み、どれだけ苦しんできたかということ。日本全体の安全保障のみならず、このアジア太平洋地域において、わが日本国として何をしなければならないかということと、沖縄のいろいろな方々の思いと、その中でこれ以上ないほどに沖縄の議員たちが苦しい思いをしてきたのです。だから我々党として、本当につらい思いをお願いしたし、それは議員のみならず、沖縄県民の方々に対してもそうです。その負担をどれだけ、これから先も軽減できるかということに、それぞれの日本人が、日本国民が胸に手を当てて、自らに問い掛けていかなければならない問題だと思います。党の幹事長として、今まで随分とつらいことも共にしてきました。これから先、それは私自身の問題として、党の問題として、共に負ってまいります。そういうことです。
Q
毎日新聞の青木です。先程、幹事長は「辺野古移設が危険性除去に向けた一番の近道だ」とおっしゃいましたが。この移設までの時間をさらに短縮するために、党として何か取り組む考えはありますか。
A
今までも長い時間を費やしてまいりました。誰のせいだの、彼のせいだのと言うつもりはありません。そういう経緯を踏まえた上で、私どもは、今、政権を担っています。そうしますと、「一日も早い除去」をお題目みたいに言うのではなくて、どうやって原点である普天間の危険性を早く除去するかということ。そして除去するために、いろいろな手立てを講じます。私どもとして辺野古移設ということですが、その間は普天間基地で今まで通り飛行機が飛び続けるのかということにはなりません。安全保障全体を俯瞰しながら、仮に辺野古移設が進捗を見たとしても、その間、今の普天間の状況が維持されて良いとは全く思っていません。その間も安全保障ももちろん念頭に置いた上で、どうやって普天間の危険性が除去されるか。「できるまでは今のままよ」ということを言うつもりは全くありません。
Q
毎日新聞の青木です。具体的にどのような取り組みをお考えですか。
A
これはまず、仮に辺野古が進捗を見たとします。そこが10年近い長い時間がかかると言われていますが、これをどうやって短縮することができるかが一方にあります。もう一つは、普天間における飛行が、もちろん飛行機が飛んだり、降りたりだけが訓練ではありません。ヘリは輸送手段ですから、実際に訓練と一体のものですので、それがどれだけ本土で受けられるかについても、さらに詳細な検討を加えなければなりません。沖縄の負担を減らそうということについて、どれだけ本土が負えるかということに、真剣に正面から取り組むということです。
Q
朝日新聞の山岸です。完成までの普天間の負担軽減の話は、今日の話し合いで、幹事長が私案として披露して、2人が納得する材料になったと理解してよろしいのですか。
A
納得という問題ではないと思います。それは我々の姿勢の問題なのであって、私は意識してあちこちの会合で申し上げていることですが、本土で負えるものは本土で負うことについて、それぞれがその思いを持たなければなりません。これで沖縄の中で完結して、それで「良かった、良かった」という思いは断じて持つべきではありません。だから、それは今日の場で私が申し上げたわけではなくて、これはかなり前から、私自身が政調会長の頃からそのように申し上げてきたことだ。その思いは沖縄の皆さま方には理解いただいていると私は考えています。