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記者会見

石破茂幹事長記者会見 (役員連絡会後)

平成25年11月19日(火)10:30~10:38
於:院内平河クラブ会見場
石破茂幹事長

質疑応答

Q
朝日新聞の三輪です。特定秘密保護法案の修正協議について、昨日、みんなの党からの総理を第三者的な機関としてきちんとチェックさせるという案を、自公は呑んだようです。総理が第三者的というのは、本当にそれでチェックになるのかどうか疑問を持っていますが、幹事長のご所見をお聞かせください。
A
そこは現場の協議です。ですから、司法・立法・行政という三権から言えば、第三者という言い方は必ずしもそぐわないのかもしれませんが、同時に議院内閣制でありますので、大臣にしても、あるいは内閣の長である総理大臣にいたしましても、国民から選ばれた国会議員、あるいは政治任用によって任ぜられる国会議員の席を持たないとしても、それは行政そのものとは少し出自を異にするということもあるでしょう。そうしますと、それが第三者的なという言い方は、それは可能なものだと思っております。ですから、議院内閣制と大統領制と違いますし、そこはよく議論を詰めなければいけませんが、いわゆる国民に対して、直接責任を持たない形の官僚とは違う、国民に対して直接責任を負う形の国務大臣あるいは内閣の長たる内閣総理大臣がそれをきちんと監督するということには意味があるものだと思っております。
Q
朝日新聞の三輪です。それで言うと、秘密を指定するのは各大臣で、大臣を指名するのは総理大臣ですから、きちんとチェックが果たせるのかどうか、疑問は残るのですが。
A
そうすると、どういう形が一番望ましいのか。これはだめだ、あれはだめだということを言うのは簡単なことですが、どういう形でそれをチェックするのかということです。ですから、きちんと基準を作り、恣意的に秘密の指定をしてはいけないという、まずチェックが働く。そしてまた、誰がそれを取り扱うかのかについてもチェックが働くということですから、いくつもそういう恣意的な秘密の指定を恣意的に行うことを回避する、そういう手だては講ぜられています。それを更になおチェックするとするならば、それは他の3つの権力の中の、他が分掌するという形を志向することになります。そこは国会に対する報告義務とか、そういうものをどのようにするかということが、今、修正協議の中で話をされているわけであって、よりよい形を求めて、今、いろいろな議論が進めてられていることは、それは評価ができるものだと思っております。
Q
NHKの西井です。今日の役員連絡会の中で、今後の審議方針等について、何か議論や確認した点はありましたか。
A
別に特に議論があったわけではありません。現場で非常に大変な努力をしていただいているところです。また、広報本部長から世論調査についての報告があり、特定秘密保護法案について、そのこと自体は、特定秘密保護法案の必要性自体は過半の国民の皆様方が理解をしていただいているということです。ただ、その次の設問で、「それは慎重に行うべきである」とか「丁寧に行うべきである」とか言われますと、「それはそうだよね。慎重にやるべきだよね。丁寧にやるべきだよね」ということで、それに対する賛同のご意見も多いわけです。
この国会において、私はかなり長い時間をかけて修正協議にも入っているわけですし、これは冒頭、予算委員会で私がお尋ねしたことでもありますが、どうして行政の恣意を防ぐのかということが最大の論点であるということを申し上げました。そこへ向けていろいろな議論が行われていて、私自身、その慎重とか丁寧ということを看過して、乱暴な議論がなされているという印象は持っておりません。ですから、国民の多くがそれは必要だということを認めていただいているということですから、その前提に立って、行政の恣意を防ぐための手だてはこのようなものだということを、どこかの時点できちんと整理をされて、国民の前にお示しをするという段階が来ようかと思います。
Q
NHKの西井です。みんなの党とは大筋合意しましたが、維新の会と、30年めどに公開するかどうか、あと第三者機関の設置、この2点について、自民党は妥協する余地があるとお考えですか。
A
30年経てば全部明らかにして良いということには、私としてはそこは違和感があります。そこは、NHKの日曜討論でも、まだこの法案が閣議決定されていない段階から、30年経っても明らかにできないことはあるのだということを、私はかなり早い段階で申し上げました。普通に考えれば、30年の年月を経れば、それは公開しても良いということなのでしょうが、それで全部出して良いかどうかということに私は断言できるだけの確証がありませんので、その旨申し上げました。それは今も変わることはありません。
第三者機関については、先程のご質問にお答えした通りです。第三者とは何なのだと言えば、それは行政権の外ということになるのでしょう。行政権の外ということになると、それはどのようなものであるか。例えば、欧米の各国で採用されているような情報委員会というものなのか、公文書を管理するというシステムなのか。例えばアメリカの場合にはもちろん特定秘密の量も日本と比べて格段に多いのだとは思いますが、そこにおいては3000人近くの膨大なスタッフがいて、それで管理しているという状況です。それが日本において可能なのだろうか。あるいは立法府にそういう委員会を設けるとした場合に、そこで委員会の運営をどのように行うのか、その委員たる者はどういうような者であるのかということを議論するには、かなり長い時間かかろうかと思っております。ですから、常に行政の恣意を防がなければならないということは、これから先も論ぜられていくべきことですが、今この時点において、いよいよ法案大詰めになっております。現場において、第三者の恣意を防ぐということについて、繰り返しになりますが、どれだけ国民の皆様方にご納得いただけるようなものが示せるかということは、与野党ともに負うべき責任だと思っております。
Q
NHKの西井です。今週中に衆議院を通過させるというスケジュール感は、変わりありませんか。
A
変わりありません。