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記者会見

石破茂幹事長記者会見 (役員連絡会後)

平成25年11月5日(火)10:15~10:33
於:院内平河クラブ会見場

冒頭発言

石破茂幹事長

【高村正彦副総裁発言】

「明日からインドネシアの国際会議に出席する。外務大臣が内務大臣にならないよう、国会改革を進めてほしい」という非常に含蓄のあるお言葉をおっしゃった。

【伊達忠一参議院国対委員長発言】

「山本太郎議員については、本日の議運で改めて協議をする。アントニオ猪木議員についても同様である」

【脇雅史参議院幹事長発言】

野党の理不尽な国会対応について、憂慮の念が示された。

質疑応答

Q
NHKの西井です。福島の帰還困難区域の問題について、先日のシンポジウムで、「帰れないということをいずれかの時点で発表すべきだ」というご発言ありましたが、今後、政府が、どのような手順で帰還が困難だということを決定し、住民に伝えるか、どのような対策を取るかということについて、現状、どのようにお考え、今後、党としてどのように対応されるのですか。
A
これは、現場の気持ちというのが一番重要であるということには何ら変わりはありません。現場の方々が、希望もなく、見通しもなく、今のままの状況が続くということだけは避けていかなければならないところです。ですから、今日、復興加速化本部の提言が党本部で了承され、その後、政府との間でいろいろな調整が行われることですが、一番大事なのは、現場の意向も尊重していかなければならないということです。同時に、希望も見通しもなく今の状況が推移するということは避けていかなければなりません。どういう形で、現場の方々のお気持ちを最大限に配慮するとともに、今のような、仮に、今の状況が見通しも希望もなく、日々が過ぎていくということであれば、それをどのようにして打開をするかということが、政府と党の間で真摯な議論が行われるということかと存じます。
Q
朝日新聞の三輪です。今後、そのようなことを具体的な方針として打ち出すスケジュールのようなものは、今あるのでしょうか。
A
スケジュールは、これから党と政府との間で話し合いがなされるのでしょう。ですから、党の提言の中にも、除染の基準についてという言及もありました。その点をどのように考えるかということで、これは大きく変わってくることです。そこは党と政府との間で、党の問題提起というのを踏まえ、政府がどのように考えるかということです。ですから、除染の基準を曖昧にして良いとか、どんどん緩めろとか、そのようなことを申し上げているわけではありません。これは、相当に突っ込んだ議論というものが必要になってまいります。ですから、党として、あのような問題提起ということになっているわけです。肝要なのは、繰り返して申し上げますが、何の見通しもないという形で現場の方々が苦しい日々を続けるということがあってはならないということであろうかと思います。そこにかかっていろいろな議論が行われるということだと思いますが、ああでもない、こうでもないというような形で一番つらい思いをするのは誰だろうかということだと思っております。
Q
テレビ朝日の水頭です。明日から社会保障プログラム法案が本格審議に入ります。高齢者の医療負担の2割に増える時期とと消費税が上がる時期が重なり、負担が増えるという懸念もありますが、改めて幹事長のお考えをお聞かせください。
A
プログラム法案において何が重要かといえば、本当に困難な状況にあり、そして手当てというもの、社会保障というものを一番必要としている方々に対して、十分な手当てが今後も行われるということでなければ、制度の持続可能性というものが維持することはできません。議論の中核にあるべきは、今はこれで良いというお話と、5年先、10年先に、本当にこの制度は持続可能なものであろうかということ、そして、本当に困窮しておられる方々に十分な手当てがなされるということについて、多くのご理解をいただくことはできるだろうかということです。ですから、この点は総理もおっしゃったことかと思いますが、制度の持続可能性の担保のために何をしなければいけないかという議論が真摯になされる。そのことによって、おのずから答えが出るのであって、本当に苦しんでいる方々に十分な手当てがなされるということでなければ、消費税を上げるということのご理解は頂けないものと思っております。
Q
日本テレビの槻木です。農業政策について伺います。現在、減反見直しの議論などもなされているところですが、これまで「猫の目農政」と批判されてきた面もあります。例えば、モデル農村として入植した後に減反が始まって苦しんだ秋田県大潟村などの例もありますが、こういった歴史を踏まえ、農政は今後どう進めていくべきだとお考えですか。
A
本当に稲作一本でやっていきたい、規模を拡大し、コストを下げ、良質なものを安い値段で提供したいという思いで大潟村等々の入植がなされ、そして、それに呼応する方々が参加されたということだと思っております。そういう方々に一律に生産調整を課してきたことは本当に良かったのだろうかということです。それは法律に違反をするものだということで、それは刑事事件として、あるいはそれに類するものとして摘発されるということは本当に良かったのだろうかということです。ですから、何を目的として農政というものはあったのか。規模の拡大、そしてまたコストの削減、それによって強い農業を目指していくというような政策と、2反、3反でやっておられる方々をどうするのかということを併せて論じるということが、私が農政、政府の中にいて農政に関わっていたときも、そこの議論を突き詰めることのないままここまで来たのではないだろうかと思っています。結果として、大規模農業をやろうという方々には大きな負担が伴っていった。そして、2反、3反でやっておられる方々が続けられないということで、耕作放棄地が続出しているということから考えれば、どちらにも良い顔をしよう、あるいは一方を重んじるということによって、本来の政策目標が達成されないということになっていく。それは、全てにおいてそうなのですが、何を目指そうとしているのかということについての焦点の当て方が十分ではなかったと思っております。そこは、それほど評論家的に申し上げるつもりはなく、その議論をしている中において、数的には2反、3反の方々が多かった、そして、その議論がなされた、私が農水大臣やっていたのは5年も前のことですが、あるいは、その前から大潟村の議論はあったことであって、そういう時点においては、この2反、3反というものの持続可能性というものが、まだそこまで危ぶまれてなかったということだと思います。そこのサスティナビリティー、持続可能性が極めて危ない。私が農林政務次官やっていたのは20年近く前のことであって、それから副大臣やっていたのは十数年前のことであって、大臣やっていたのが5年前のことですが、もうとにかく、その時その時で状況はどんどん悪くなっているわけです。ですから、今、もう農政改革というものが待ったなしの状況になってきたということ、別に、私、自分の予言が正しいと言って誇るつもりは全くないのですが、このまま行ったらどうなるのかということをもっと強く言うべきではなかったかという反省を自分自身としては持っているところです。
Q
北海道新聞の森です。復興本部の提言の話に戻りますが、今後、多くの分野について国の関与を求めています。財源確保のことは明記はされているのですが、除染だけでも5兆円と言われ、最終的にはいくらかわからないと言われております。財源確保の1つの方策として、復興法人税の前倒しの廃止をやっても理解を得られると思われますか。
A
復興法人税の廃止は、その分を廃止して、そのお金がなくなっちゃうということではなく、その他の税収によって、その分が充当できるということが明瞭になったので、廃止するということですから、そこは議論を間違えないほうが良いと思います。復興法人税の廃止、イコール、その部分の手当てがなされなくなるということではなくて、その財源が確保できる見通しがついたので、前倒してやるということなのであって、それが復興の遅れとか、全体の財源調達に支障を来すとか、そういうお話ではありません。
一方において、ご指摘のように、一体いくらかかるのだと、除染の基準をどうするのだということは、全てのスキームを決定する上において、ものすごく大きな要素になってくることです。しかしながら、それを決め打ちするということによって、それでは財源が大事で、住民の健康というものをどう考えるのかというようなご批判がワッと出てくるわけであって、そうすれば全ての議論が水泡に帰すということにもなりかねません。
ですから、IAEAがあのような形で出してきたということをどう考えるべきなのか、そのことで、国民のご理解を賜るためにどのような努力が必要なのか、どれぐらいの年月がかかるのかということが、あのレポートには書いてあるはずなのであって、そのことをどう捉えるかということです。ですから、あれもやらねばならん、これもやらねばならん、他方において原発がみんな止まっている、そして年間に、トータルすれば4兆円のお金が海外に出ていくということ、それが1日に100億円ということになるわけですから、どのようなお金が手当てできるのかということになります。それでも原発を直ちに動かせということにすぐはならないのであって、ではどういう状況であれば原発は動かせるのかというお話になります。これは事実は事実として申し上げると、日本の場合のいろいろな特殊性、特段の事情があって、アメリカでスリーマイルが事故を起こした、ソ連でチェルノブイリが事故を起こした、ではアメリカの原発が全て止まったか、ソ連の原発は止まったかと言えばそうではないという事実があって、そこにはまた日本の原子力行政、原子力政策というものと他国の原子力政策の相違というものは当然あるわけです。そういうものを全部検証していきながら、党として最もあるべき姿を示していくのであって、今の時点でそれぞれの事象を取って、じゃ、これはどうだ、あれはどうだということではなくて、トータルで国民の健康をどうやってきちんと保つか、そしてどうやって原子力事故からの復旧を一日も早くなすかということで、そこは四方八方目を配りながらやりますが、そんなに選択肢の幅は広くないと思っております。
ですから、大島理森本部長の下でまとめられた提言は、本当によく考えられて作られたものなのであって、それを受ける形で、これから政府与党として、あるいは政府・立法府両方の共同作業として何をやるのかということが求められているのです。ですから、日本の原子力のこれから先のあり方というものも含めた、そういう議論がなされなければいけないのであって、復興法人税のお話が、すぐ短絡的に結びつくものだとは私は思っておりません。
Q
NHKの西井です。除染の基準について、現在、年間1ミリシーベルトという目標があり、それが現場の負担になっているという指摘もありますが、幹事長もそれは無理がある基準だとお考えですか。
A
そこは、IAEAが述べていることをきちんと読んだ上で、分析、評価をすべきものです。ここで私が、与党の幹事長として、いや、それは重いとか、いや、それは緩和してしかるべきだとか言う立場にはありません。ですから、IAEAの報告書というものをどのように読んでいくのかということ、そして諸外国においてどのような基準であるのかということ。ですから復興を早くしなければいけないので、だからそれを緩めるというようなことを申し上げているつもりは全然ありません。そこが、次の世代、またその次の世代にわたって、放射性物質がもたらす人体への影響というものを、冷静に、科学的に判断されてしかるべきです。
Q
朝日新聞の三輪です。徳田毅議員の件について、東京地検に本人が聴取されていたということが判明していますが、改めて、党としての対応をお聞かせください。また、徳田議員は国対副委員長ですが、国会が10月15日に開会して以来、本会議や国対の会合にも出席されていません。このような事態について、どのようにお考えですか。
A
報道で、徳田議員に対して、あくまで任意ですが、聴取が行われたということは承知いたしております。それは、地検がどのような意図でそのようなことを行ったのか、そこにおいて徳田議員がどのような発言をしたのかということは、当然のことながら、私どもは承知をいたしておりません。現状において、何か徳田議員に対して、いろいろな報道はされておりますが、選挙の公正を害するというようなことがあったということが確認されていないという状況において、有権者から支持をされ、国会に議席を得ている議員の身分について、あれこれ申し上げるという立場に私どもはおりません。それは状況を糊塗するとか、そういうことを申し上げているのではなくて、何が起こっているのかということがきちんと判明しない状況において、軽々な対応はできないということを申し上げているのです。ですから、状況が、議員として、あるいは党として対応しなければならないという状況になれば、それは速やかにそういうことをしていかなければなりません。しかし、現状において、そのような段階にあると、私として認識をしていないということです。
一方、国会対策副委員長ということで、いろいろな国会の状況に対応しなければならないということが、今十分に行われているかといえば、それは、残念ながらそうではないということだと思っております。第一義的に、国会対策委員長、あるいは正副委員長において、この状況をどうするのかということについての議論がなされる、で、そこにおいて出た判断というものは尊重しなければなりません。それは、私が、国対におけるそういう議論ないままに、幹事長として命ずるのは、わが党の組織の動かし方として決して正しいものだとは思っておりません。