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記者会見

石破茂幹事長記者会見(役員連絡会後)

平成25年2月12日(火)10:30~10:45
於:院内平河クラブ会見場

冒頭発言

石破茂幹事長

【高村正彦副総裁発言】

「内閣支持率、政党支持率も上がっている。経済対策、危機対応に対する評価であると認識している。野党の皆様方にも責任野党としての行動をお願いしたい」

【山崎力人事局長発言】

人事案件についての発言があった。

【鴨下一郎国対委員長発言】

予算委員会の日程について、「明日、締めくくり総括質疑、採決の提案をしている」
「同意人事について、先週14機関、41名の人事案の提案を受けた。民主党は事前報道に反発している。民主党は、提示を受けていないと言っており、与野党で見解が異なっている。これは提示をしたと理解している」

【脇雅史参議院国対委員長発言】

「補正予算については、衆議院の動向を見ながら対応したい」
「同意人事の事後承認案件は、今週中に処理したい」

【中曽根弘文参議院会長発言】

「予算成立を急ぎたい」

【河村建夫選対委員長発言】

参議院選挙候補擁立状況と沖縄・浦添市長選挙、大阪・柏原市長選挙と府議補欠選挙結果についての発言があった。

質疑応答

Q
共同通信の下山です。先日のテレビ番組で、鴨下国対委員長が、選挙制度改革について、「今国会中の合意までで、法改正まではいくかどうかわからない」との趣旨の発言がありましたが、この認識について、幹事長の所見をお聞かせください。
A
その認識は全くずれていません。極めて困難な状況であることは認識していますが、公党間の約束ですので、わが党として、参議院選挙まで、つまり今国会中に、その成立に向けて最大限の努力をする。国対委員長と私との間で、意見の相違があるというものでは、全くありません。
Q
朝日新聞の石井です。「極めて困難な状況であると認識している」というのは、選挙制度の抜本改革まで含めたことが困難だということでしょうか。
A
0増5減というのは、憲法上の要請です。これを行うのは当然の話ですし、事務的にも作業は進捗していると思います。実際もその通りです。選挙制度まで、含めた抜本改革となりますと、選挙制度で、各党利害が錯綜してまいります。各党どころか、わが党の中でもいろいろな意見はあるわけでして、限られた時間の中でそれができるかと言えば、極めて困難な状況にあるのは事実ですが、しかしそこは、予算・税制というものに段々目途が着きつつあるわけであって、もちろんこれから先も丁寧な審議をお願いしなければいけませんし、十分な説明責任を果たさなければなりませんが、集中的にやっていくことによって、どこかに一致点を見出さなければならない。しかし、それがいかに困難なことであるかということは、皆さま方ご承知の通りです。わが党の中においても、細田幹事長代行を中心に、選挙制度の抜本改革に取り組んでいます。わが国は一院制ではなく、二院制を取っています。そうすると、衆議院はこうなったけれども、参議院はどうなるのという話が必ず連動しますので、そう簡単なお話ではありません。かねてからそういう自分たちの選挙のルールを決めるのは、自分たちで決める以上、どうにもならないのではないのという話はありますが、これは法律という形を取りますので、どうしても国会議員が関与するのは、今の法律の立て付けから言って、当然のことになるわけで、濃密な真剣な議論をやって、結論を見出す努力は最大限やっていくということだと思います。結論を何とか出すべく、今後も努力するということです。
Q
TBSの岩田です。最後は法律なので、国会議員が関与することになりますが、前国会でも難航したこともあり、議長の下で、第3者の協議機関を作るという形での打開策は検討されているのですか。
A
いろいろな工夫はあるのだと思います。今、ここで、私が「こういう打開策があって、こうすればできるのだ」という知恵を持ち合わせているわけではありません。ですから、第3者がいろいろな議論をして、「国会はそれを最大限尊重しなければならない」という議論もかつてありました。自分たちは今の選挙制度で出ているわけであって、それぞれの政党の利害得失があるわけで、国会議員が自分たちのルールを決めるというのは、極めて難しい状況にあります。それは国会議員が最終的に法律で決めることになっている以上、また他国の例も見てみましたが、国会が関与しない例はありません。そこはやはり国会議員が、己の利益を捨ててと言うと綺麗事みたいで恐縮ですが、決めなければいけない者だと思っています。議長の下に、そういう機関を置いて、そこで決めたことに皆従う、それは第3者が決めると言えば、綺麗で納得の良い、解決法みたいに思いますが、そればなかなか現行法制の下では、そうはならない。ベストの選挙制度はないわけで、利害得失をよく判断した上で、利害得失というよりメリット・デメリットですが、そういうものをよく判断した上で、国民のご意向を踏まえながら決めるということにならざるを得ないのではないでしょうか。すごく抽象的なお答えで恐縮ですが。
Q
産経新聞の水内です。補正予算の採決日程について、今朝の理事懇で、野党は明日の採決に反対して、集中審議をさらに求め、採決日程を延ばそうとしていますが、現在の採決日程について、幹事長の所見をお聞かせください。
A
これは13日という線を、動かすべきではないと思っています。現下の経済情勢で、いろいろな指標も好転していますが、15か月予算ということで、補正予算を通し、速やかに本予算を通すのは、一連の流れです。補正事由があるから、補正予算をやっているものであり、これを遅らせることが何の意味があるのだということです。国会審議を見ていても、いろいろな論点が提示されていますが、政府の側として、きちんとお答えもしています。15か月予算である以上、それは本予算においても、引き続き議論されるべき筋合いのものがたくさんあります。まず、補正予算は補正事由があるから出している。いろいろな経済指標の好転というものを、持続可能なものにしていかなければならない。総理大臣が申し上げているように、「一刻も早くこれを国民の下にお届けすることが国会の責務であり、我々与党側の責務である」とするならば、それは13日という線を決して崩すべきではないと思っていますし、国民の皆さま方のご期待にも応えるものだと思っています。ですので、私自身も予算委員会の野党筆頭理事をやっていましたが、それではなお尽くされていない論点をどのような形で議論していくかという場は作りますが、だからと言って、日程をどんどんずらして良いとは思っていません。
Q
日本経済新聞の地曳です。中国のレーダー照射の情報開示について、政府で是非が議論されています。幹事長ご自身は、中国側にこの事実を認めさせるという意味で、情報開示すべきとお考えでしょうか。
A
これは前回の会見でも申し上げましたが、「これを開示することは、手の内を明らかにすることになるので」ということを常套句、ジョーカーみたいに使うべきだとは思っていません。どこまで開示すれば、手の内がすべて明らかにならないかという工夫はしなければなりません。併せて、中国が何を言おうとも、こういうような事実があったということを、国際的に公表することは、極めて重要なことだと思っています。動かない証拠をきちんと海外に示すということは、かつての漁船衝突事案の時も、映像を流す、流さないということで、随分議論がありました。そこで流してしまえば、手の内を明かすことになるという話があって、「手の内も何もないだろう。そういうものを出して何が悪いのか」と、我々野党側でいたしました。結局、その開示は遅れたわけですが、そこは何を出して良くて、何を出してはいけないかという判断は極めて高度なものですが、しかしそうだからと言って、何も出さないということにはならないと思っています。そこは政治の側が、よく現場の意向を踏まえて、「とにかく手の内を明かすことになるから何も出さない」ということは取るべきではないと思っています。
Q
日本テレビの槻木です。小泉青年局長が、TPPについて、予算委員会の質問終了後のインタビューで、「日米首脳会談で、総理自身が良い感触を得られたなら、オバマ大統領との共同記者会見でも、交渉参加を表明すべき」と発言されましたが、この意見に対する幹事長の評価をお聞かせください。また、幹事長として、TPPについての決断の時期は、いつ頃にすべきとお考えですか。
A
それは小泉青年局長個人のご見解であると思っています。その時期がいつが良いのかということは、それは首脳会談がどういう推移を辿るかということがわからない段階で、いつが良いとか悪いとか、そういうことを、私の立場から申し上げるべきだと思っていません。この問題は、私もこのお休みの間、随分その関連の論文も改めて読み直してみました。賛成論、反対論の中に、お互い基本となる数字において、お互い齟齬があるとか、データの取り方がお互いに食い違っていることがあるとか、国際法の解釈において齟齬があるとか、そういう問題が随分あるように認識したところです。これを判断する上において、どこに食い違いがあるのだろうか、なぜこんなに議論が食い違っているのか、それはTPPが求めているのは、例外なき関税撤廃なのであって、WTOのように農業保護自体を削減せよと言っているわけではないのですが、それでは、その財源をどこに求めるのか。これは賛成の側も、反対の側も、農業に特化して申し上げれば、農業が衰退して良いとは誰も思っていないわけです。農業のいろいろな指標が上がっていかなければならない。自給力を高めていかなければならないことは一致しているわけで、そこにおいて、農業がどうなっても良いと言っている人はどこにもいません。ですから、同じ方向を向いているとするならば、そこに向かう過程の問題ですから、データの裏付けとなる数字の問題とか、一つ一つ明らかにしていくという作業が大事ではないでしょうか。私は、どっちだという結論、いつまでという結論を申し上げるつもりはありません。一連の議論を見ていて、こんなに議論が食い違うのかということを、まず解決していかないと、議論は次のステップにはいかないのではないかと思っています。