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記者会見

現職引退に伴う新たな選挙区支部長の選任について石破茂幹事長記者会見

平成24年10月15日(月)13:57~14:27
於:党本部平河クラブ会見場

【冒頭発言】

お手元に「現職引退に伴う新たな選挙区支部長の選任について」のペーパーをお配りしました。12日(金)付で、既に発出済みの文書です。宛先は、都道府県支部連合会の会長・幹事長となっています。差出人は幹事長たる私、参議院幹事長たる溝手顕正議員、幹事長代行たる菅義偉議員、組織運動本部長たる竹下亘議員、選挙対策局長たる河村建夫議員でございます。この差出人はどういうことなのかと言いますと、支部長選任委員会のメンバーです。自由民主党党則第11条7項の支部長選任委員会のメンバーが、今、申し上げた石破から河村です。
この支部長選任委員会なるものは、いかなる権能を有するのかと言いますと、選挙区支部長の選任等と選挙区支部長の見直し、この2つが所管事項と定められております。この「選挙区支部長の選任等」の等に基づきまして、この権限によって、この文書を発出したものです。この文書の性格はただ今申し上げた通りです。
内容につきましては、ここがポイントであって、「現在選挙区支部長の任にある現職衆議院議員の引退表明に伴い、その後継となる新たな選挙区支部長を選考する事例も生じております。党本部としては、可能な限り多くの党員の意思が反映された公正で透明感のある選考作業を行うべきとの観点から、今後、現職衆議院議員の引退表明に伴って新たな選挙区支部長を再選考する際には、各支部連合会において公募を行うことはもちろんのこと、最終決定に当たっては、対象者が1人であったとしても、必ず当該選挙区の党員による投票を実施するよう要請する」いうことです。これは解説の要はないと思っておりますが、今、現職の選挙区支部長がいる。次の選挙は、この人が出るのよとなっているが、いろいろな事情で次の人を見つけなければならないという事情が、いくつかの選挙区で生じております。その後継を選ぶにあたっては、公募はもちろんのこと、最後に決めるのは選挙区の党員の投票によるという要請をしたものであります。仮に1人しか手を上げませんでした。或いは選考委員会のようなものを、そこに作っていろいろな過程を経て1人しか残らなかった場合でも、総裁選挙が終わったばかりですので、直近の党員の名簿というものを各選挙区支部が持っているわけですから、これに基づいて、その人で良いですかということは、それぞれの地域党員が決めるということを決め、各都道府県宛に発出したものであります。
これはいわゆる世襲についても、いろいろなご意見があります。3親等以内の直系卑属あるいは配偶者であるから、即駄目だということにはなりません。その人が本当にふさわしいかどうか、わが党の党員によって決めるという原則、ルールを明らかにしたものです。これはいわゆる世襲と言われる人たち以外の候補者も一緒です。これはいつから有効になるかと言えば、10月12日以降ということです。正確に申し上げれば、このペーパーが向こうに到達し、向こうが認識した時からかもしれません。今後支部長が欠けた場合に、それを補う場合のルールです。

質疑応答

Q
日経新聞の地曳です。対象者が一人であったとしても、ルールに基づくというのは、どのような意味ですか。
A
ここに厳格なルールがあるわけではありませんが、例えば山田さんなら山田さんという人が1人残りました。しかし、そこにいる7000人とか5000人、4000人という党員、それは何人でも良いのですが、党員は山田さんという人は知りません。そうすると、その人の経歴とか、あるいは抱負とか、選考にあたって、1人しか残らなかったことの経緯とかを書いて、党員宛に文書を発出することになります。それで投票、それは信任投票になるかと思いますが、この人なんかだめよということになれば、それを受け取った当該選挙区支部がどのように判断するかということになります。その過程は、できるだけ世間様にオープンにしたいと考えておりますので、仮にご指摘のような、その人に対する信任が低いということになれば、選挙しても仕方がないので、それはやり直しということもございましょう。
Q
東京新聞の上野です。いわゆる世襲については、2009年の政権公約においても検討されたと思いますが、改めてこの文書をこのタイミングで発出された意図を教えてください。
A
新体制が発足した後に、支部長が代わるという事案がいくつか起こっております。その中に、このいわゆる世襲という方も複数名いらっしゃるということもあり、これは今までも世襲候補の制限について、いろいろな経緯がありました。直近は、昨年の6月30日に、党・政治制度改革実行本部の党改革委員会が谷垣総裁に出されたもの、「公募制度により、幅広く人材を発掘し候補者を決定することを原則とする。有能な人材が、ただ世襲というだけで排除されることがあってはならない。そのため、公平性を担保する制度を構築する」との提言がなされているものです。それを受けた形で、このようなことになっているわけでして、今、読み上げました提言は、昨年の6月30日のことですから、本来であればその時にこのような結論がなされているべきだったと認識しております。少し1年以上を途過しており、遅くなったと思いますが、遅きに失したとは認識してはいないと思っているところです。
Q
毎日新聞の念佛です。いわゆる世襲で、引退表明に伴う新たな選挙区支部長の選任がまだ行われていない選挙区、現段階で対象になるのは、例えば福田康夫さんや中川秀直さんだと思われますが、そういう選挙区はいくつになるのですか。
午前中に、日本維新の会の方々とお話をされたと思いますが、選挙区調整のことについて鋭意検討するとの話があったと報道されています。どういったやり取りがあったのか、選挙後の維新の会との連携について、幹事長がどのようにお考えなのか、お聞かせください。
A
最初の質問ですが、今いくつあるかというのはわかりません。これから引退だと突如おっしゃる方もいるかもしれませんし、その方がどういう方を後継にするのかも存じ上げません。2つの選挙区につきましても、そういう方が後継で考えられていることを正式には聞いておりませんので、今、ご指摘の選挙区がそういう対象になるのかなとは思いますが、それが確定したものではないということです。
維新の会との話ですが、選挙区調整の話が鋭意あったとは記憶いたしておりません。そのような選挙区について、向こうも300立てると言っておりますし、こちらも何とか300に近づくべく、公明党が候補者を立てられるところを除いて、候補者の擁立を最終的に進めているところですから、総裁選挙の時に、総裁も私も申し上げたわけですが、実際に選挙で戦うのに、これから協力しようも何もないわけです。有権者の審判を経た後に、さてどうなるのかということであり、選挙の時に、何を掲げて戦うのかということが一番重要ですので、この選挙に何を訴えたのか、それに対して有権者はどのような審判を下したかということに基づいて連携するならする、しないのならしないということだと思います。
Q
読売新聞の田島です。候補者が一人の時の発言がありました。仮に候補が2人にいて党員投票の結果と支部の判断が異なった時、党員投票の結果が覆されることも想定されますが、党員投票の拘束力についてどうお考えですか。
A
複数名あった場合には、どうも判断がつかない場合に限って、複数が出てくるケースだと思います。最初から10人いる中で、2人3人に絞るということをしないで、最初から10人対象で、皆で投票することもあるかもしれません。いろいろなケースがあると思いますが、例えば選考委員会なるものが2人に絞って、こっちが優で、こっちが劣ということを決めて党員投票にかけることは、実際には非常に想像しにくいことだと思います。
Q
東京新聞の上野です。選挙制度改革について、自民党は年内の解散総選挙を求めていると思いますが、0増5減含む定数是正が改正されなければ、年内解散になった場合、違憲状態の選挙となります。井上幹事長は、テレビでやむを得ないと発言をされていますが、自民党はどのような見解かお伺いします。
A
そういう状態が憲法に定められた総理の解散権を制約するかと言えば、制約しないという認識を私どもも持っております。だからそれでやったっていいでしょと言うことも可能。しかし、それを受けて、立法府としての何もしなくてもいいのかと言えば、そういうことにはならないでしょう。やはり立法府として違憲状態を解消すべくいかなる努力もするか。その努力の結実として、法律が成立していることだと思っております。
Q
時事通信の西垣です。党員投票のルールはあくまで次期衆議院選挙に限ったことなのでしょうか。あるいは更にその次、次々回以降も反映させていこうとするものなのでしょうか。
また、その効力について、大野功統議員のご子息であるとか、武部勤議員のご子息であるとか報道されていますが、これには適用されないという理解でよろしいのでしょうか。
A
効力を持つ時期は、この文書を各県連が受領した時からであると説明しました。これが遡及するということはありません。決まってしまったものをこれによって覆すというのは、法理論上からもあり得ないことだと思っています。
また、この文書から見ると次期衆議院選挙に限るということに読めなくもないですが、今回だけ、次回だけということではなく、これから先もこの適用はあるものと思っております。ですから、次期に限ってということは書いていません。ただこの書きぶりは、今、起っていることを念頭に書かれておりますので、これを恒久的なものにすることについては、何らかの文書の変更は必要であるという認識を持っております。