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記者会見

石原伸晃幹事長記者会見(役員会後)

平成23年12月20日(火)10:15~10:30
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

石原伸晃幹事長

北朝鮮の金正日総書記の死亡を受けての政府の対応には、目を覆うばかりの惨状を見たような気がする。北朝鮮が特別放送を行うということは、昨日の午前中からご存じであったと思う。わが党は、先週のうちから19日(月)16時に外交部会をセットしている。こんな基本的なことがわかっていない。総理大臣がこの時期に街頭演説を行う是非もあるが、そこにノコノコと出かけて戻ってきた。さらには、我々が問責した山岡国家公安委員長は、外交部会において、内閣府の説明によれば、政務により欠席と説明を受けた。遅刻して出席したかは知らないが、保安院が原子力発電所等々の警備の強化を要請している中で、国家公安委員長が安全保障会議をすっぽかすようなことは、断じて容認できない。
閉会中であるが、衆院外務委員会は不正常な状態であるから、直ちに政府与党の責任で、委員会を正常化して、我々は拉致被害者がいるので、拉致特別委員会もやらなければいけないが、担当の山岡大臣がこの体たらくでは絶対にできない。政府与党が責任を持って、年内に両委員会、または予算委員会を開いて、この問題について、正式に国民の皆さま方に説明をする責任があると考えている。
昨日まで、北朝鮮の朝鮮中央放送に有名なアナウンサーが出ていなかったことも話題になっていた。このようなことも見過ごしていたのか、気にしなかったのか。これは、本当に極東アジアの安全保障の重要な問題なので、このようなことでは、まったく(政府の)体をなしていないのではないかと、強い憤りを覚える。

【谷垣禎一総裁発言】

「3月11日の大震災の発災以来、全力で対応してまいった。ご苦労をかけ、御礼申し上げる。年末にかけて、緊張する事態が続いている。日韓首脳会談や金正日総書記死亡など、外交関係の対応に、民主党政権は緊張感を持っていない。緊張感を持ってやることが必要であり、今の政府の対応に、疑問なしとしない。今年一年を通じて、政権の信頼は極めて危うい状態になっている。来年は、解散総選挙に持っていく年にすべく、心を一つにして、戦っていきたい」の発言があった。

【大島理森副総裁発言】

「今年、大変お世話になった。選挙の面から振り返ると、統一地方選挙で、次の総選挙を戦える環境をつくることができた」
「日韓首脳会談や山岡国家公安委員長の問題など、閉会中審査の議論をすることが必要ではないか」との発言があった。

【石原伸晃幹事長発言】

「今日をもって、本年の役員会は、不測の事態が発生しない限りは、終わりとなる。来年1月5日(木)13時から役員会を総裁応接室で開催する。また、同日12時半から新年仕事始めを901号室で行う」と発言した。

【岸田文雄国対委員長発言】

「閉会中審査を申し入れていくと共に、不正常となっている委員会を正常に戻すよう与党に求めていく。この後、公明党の皆さんと相談して、与党の国対に申し入れることになっている」との発言があった。

【脇雅史参議院国対委員長発言】

「22日(木)、環境委員会で、南アフリカで行われたCOP17の報告を受けることになっている。予算委員会も衆参共通であるが、積み残しになっているTPP・外交関連の集中審議を、問責された大臣を除き、新しい大臣の下でしっかり行うように求めている」との発言があった。

【中曽根弘文参議院会長発言】

「1年間大変お世話になった。問責可決、震災対応など、参議院らしい審議ができた」との発言があった。

【溝手顕正参議院幹事長発言】

1年間の御礼の発言があった。

【茂木敏充政調会長発言】

「一昨日の17時30分、嘉手納基地よりコブラボール(米軍電子偵察機)が離陸をしている。昨日午前中、北朝鮮の朝鮮中央放送が特別放送の情報があり、何らかの緊急事態が想定できたにもかかわらず、政府の対応は酷い。山岡国家公安委員長が安全保障会議を欠席したことのも異常なことだ」
「TPPについての考え方を取りまとめている。年内にFAXニュースの形で全議員に送る」
「平成24年度予算に関するわが党の基本的な考え方をまとめた。さらに正すべきポイントを作成している」
「選挙公約の作業を進めていく。ある段階で、全国政調会長会議やブロック政調会長会談を開いて、地方の意見をマニフェストの中に入れていきたい」との発言があった。

【塩谷立総務会長発言】

「1年間、お世話になった」との発言があった。

【河村建夫選対局長発言】

1年間の選挙結果についての発言があった。

【塩崎恭久報道局長発言】

世論調査についての発言があった。

【保利耕輔憲法改正推進本部長発言】

「起草委員会を立ち上げたい」
「1994年の金日成氏死亡の後、当時は自・社・さ政権だったが、社会党が窓口になって、弔問団を派遣するという弔問外交の話があった。来年以降、そのような話が出る可能性もあるので、しっかり対応しなければならない」との発言があった。

質疑応答

Q
政府与党の責任で外務委員会の正常化をとのことですが、問責を受けた山岡国家公安委員長や一川防衛大臣を交代させるべきとのお考えですか。
A
外務委員会では、強行採決しました。こちらに頼んでおいた条約などを、参院では筆頭理事がトイレに隠れたり、本会議でどうしても原子力協定を頼むと言われて、ギリギリの日程でかなりイレギュラーな形でやったら、20人くらい退席したり、頼んでおいた側の話がまとまっていない。
あるいは、衆院外務委員会は悲惨でした。私も見ましたが、国会議員が下を向いて、田中眞紀子委員長が「あなた誰なの」と言われていたけれども、本人ではない人が代理出席していました。これはまさに不正常。田中眞紀子委員長は、今は民主党ですから、その委員長がおかしいと言っていて、こんなの採決しても良いのと言っておいて、その一方で採決を頼んで、肝心な委員がいないというのは、不正常の極みで、学級崩壊ではありませんから。
これは与党の責任で、審議できる陣容にメンバーを差し替えるなら差し替えて、審議できる状態にしないと、いくら言っても、委員じゃない人が隠れて座っていて、委員じゃないから委員会を開かないということになっては、何のための委員会なのか。
拉致特別委員会でも問責を受けた大臣が、ましてや国家公安委員長が安全保障会議を政務でサボった。サボったというのは言い過ぎかもしれませんが、そんな人が本当に話の相手なのか。それは相手ではないと思います。そういうものを正常化する責任が、政府与党にはあると考えています。
Q
山岡大臣については、任命した野田総理の責任を追及していくということになりますか。
A
安全保障会議に国家公安委員長がいないのはまずいでしょう。金正日総書記が亡くなって、ミサイルも日本海に撃ったわけでしょう。因果関係はわかりませんが、軍事的な緊張が高まっています。第7艦隊も出動しましたし、韓国は非常事態宣言です。日本は極東アジアにいるわけですから、今の政権は危機意識が著しく欠落しています。私たちの安全保障上、非常に重要なことだと思います。
Q
弔問外交について、自民党としてはどのように対応していこうとお考えですか。
A
そういう話ではなくて、94年にそういう話があったので、今後、北朝鮮は弔問団の受け入れは拒否していますので、年を明けたらいろいろな事態が予想されるので、万全な態勢をとっていかなければならないという過去の歴史の話が、保利耕輔先生からありました。そういう話は一切ありませんし、考えていません。政権党に来る話ですから。
Q
自衛隊が導入する次期戦闘機について、本日にもF35とすることが正式決定しますが、日本の防衛産業の将来や安全保障の観点から、石原幹事長の受け止めをお聞かせください。
A
F22をもう少し早い段階で購入していれば、ここまでガタガタ、選定でしなかったと思います。ただF22は、ステルス性や性能から、なかなかアメリカが売らないという事情があって、そのうちに生産停止になってしまった。F35は、先日、アリゾナ州の上院議員と話しましたが、うちの州の基地ではもう飛んでいると。試験飛行は行われていますが、製品としてまだ生産過程に入っていない。それは何機購入するかによって、まず米軍が何機購入するか。これによって、大きく生産コストが変わってきます。
今の予定だと、全部合わせて2400機と言われていますが、防衛費の自動的な削減を含めて今後10年間で4900億ドルの防衛費の削減がアメリカが決めている中で、日本がこれにコミットすると。まずは数機だと思いますが、汎用性が高い機体なので、F15の代替機としての利用も見込める。そうすると日本にとっては、機材が統一されるというメリットがありますが、その分、日本の部品が入っているので、組み立ての部分では、F35にはまだ入っていない。
これからの交渉になると思いますが、ボーイング787を見ても分かるように、4割が日本の製品でできている。日本の技術も、武器の関係なのでクリアしないといけない部分もあると思いますが、こういうところも日米で協力して製作していくということは、日米同盟を深化させる意味でも意義がありますし、コストの面などでも影響してくると思います。
Q
公明党が郵政民営化法の修正案を提示しましたが、石原幹事長の受け止めをお聞かせください。
A
公明党の皆さま方の考え方で、4社化を3社化に、ホールディングカンパニーは別として、変更するということで常識的な案だとは思いますが、ただひとつの会社が非常に強大な企業になってしまう。NTTのときにもありましたが、東西分割ということも出てくるかもしれませんし、そういう細部については検討の余地があるのではないのかなという印象を受けています。
Q
本日、橋下大阪市長が自民党の幹部を表敬訪問するようですが、地方自治法の改正など、今後、どのようなスケジュールでやるかなど、具体的なお話はされますか。
A
そういうことはしないと思います。彼は常識的な人だから表敬だけだと思います。表敬で各党を回る話だと思いますので、お話しをうけて、詳細については、私がブリーフさせていただきます。