記者会見

石原伸晃幹事長記者会見(役員会後)

平成23年7月26日(火)10:40~11:00
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

石原伸晃幹事長

昨日、谷垣総裁から2次補正予算の成立を受けて、コメントをさせていただいた。私からも申し述べたいと思う。昨日、参議院で2次補正予算と関連法案が共々成立した。原発事故への対応と二重ローンの問題等々の経費が含まれていたので、私どもは賛成したが、本格的な復興予算でないことは、皆さま方ご承知の通りだ。私たちが考える本格的な復興補正予算というものは、17兆円の規模で詳しく政調会の方から説明させていただいた。これと対比しても、非常にお寒い内容であることは、皆さま方ご承知の通りだと思う。
なぜこのような中途半端なものになってしまったのか。マニフェストの中で、民主党がうたった、いわゆる不要不急の部分をしっかりと削減することが党内事情でなかなか言い出せない。岡田幹事長は、率直に足らざるところを謝ったが、具体的にどこをどれだけ切らなければいけないのかというものがまだ示されていない。その顕著な例が、今、実務者レベルで協議が続いている子ども手当の問題だと思う。今日も役員会の中で、「国の総予算207兆円を全面組み替え。税金のムダづかいと天下りを根絶します。議員の世襲と企業団体献金は禁止し、衆院定数を80削減します。」という民主党のマニフェストの財源は、結局は天下りの人がいるところの政策がすべて無駄だ。12兆円だから半分近く無駄だから、そこで6兆円出す。埋蔵金、特別会計の中から4兆円出す。公務員2割削減して、1.1兆円出す。まったく実現可能性のない財源論を言って、政策を作ったから、このようなことになる。そういうバラマキマニフェストにけじめをつけないと、なかなかしっかりとした予算が組めない。そこに原因があるような気がする。1日も早い菅総理の退陣を求めて、新体制の下で本格的な復興予算を作らなければならないと思う。

【谷垣禎一総裁発言】

「2次補正予算には、規模が小さいなどいろいろな問題があったが、賛成した。残りの法案をどう処理していったらよいかということになるが、与党の動きを見ながら、協力できるところにはしっかり協力していきたい」との発言があった。

【大島理森副総裁発言】

「ポスターのキャッチコピーの『決める』『進める』を改めて見たが、現状に鑑み、誠に時宜を得たポスターである」との発言があった。

【石原伸晃幹事長発言】

2次補正予算の成立についてと、「故増岡博之・元国対委員長が逝去され、国対委員長経験であるので、準党葬に該当する。お別れの会が開かれることになる」と発言した。

【逢沢一郎国対委員長発言】

震災の復旧・復興関連の法案審議の日程についての発言があった。

【脇雅史参議院国対委員長発言】

法案審議の日程について、「明日27日から、与野党協議は決裂しているが、議員立法である二重ローン対策法案の審議に入る」との発言があった。

【中曽根弘文参議院会長発言】

「2次補正は成立したが、昨日の民主党の賛成討論は、政権の体をなしていないという民主党内部崩壊を物語る内容であった」との発言があった。

【石破茂政調会長発言】

「子ども手当の民主党の考え方は、我々と非常に乖離がある。引き続き実務者で協議する。その他の3Kについても、平成24年度概算要求で具体的に、どのように見直すのか問題だ」
「再生可能エネルギー買取法案は、特命委員会で考えをまとめて、修正協議に応じていく方針である」
「公約検討委員会を本日開催する」との発言があった。

【小池百合子総務会長発言】

本日の総務会についての発言があった。

【河村建夫選挙対策局長発言】

選挙日程についての発言があった。

【その他の発言】

「マニフェストの見直しについて、バラマキは認められない。原理原則を貫くべきだ。何が間違いだったか、まったくわからない」という厳しい本質論の意見のご開陳があった。
「菅総理の退陣3条件は、民主党内の問題だ。民主党が総理を辞めさせれば良い。我々はとやかく言うべきではない」との発言があった。

質疑応答

Q
次期衆院選について、本日の復興特別委員会で菅総理は、参院選との同日選挙が望ましいとの発言をしましたが、石原幹事長の受け止めをお聞かせください。
A
辞めるという総理がいつ選挙をやるということに言及されても、あまり意味がないのではないかと思います。
Q
解散総選挙の時期について、自民党内には、民主党がマニフェストを撤回するのだからすぐに行うべきだとの声と、新体制のもとで本格的な復興予算の議論をしたうえで行うべきとの声があるようですが。
A
党内は同じで、復興はともかく今日の役員会での総裁発言を見ても、協力すべきは協力する。復興予算を新体制で作って、すぐそれを通して選挙をやると、それがマニフェストを撤回した以上、公党としての責務ではないか。ここは考え方はまったく一緒だと思います。明日、選挙すべきという人は、いないのではないでしょうか。
Q
再生可能エネルギー法案について、自民党内には拙速な議論は避けるべきとの声があるようですが。
A
私は個人的にはまったく変わっていません。参院の公約で、全量ではありませんが、エネルギーの買取は、公約に入れてあります。現に、余剰電力の買い取りは、麻生政権で法案を出して、それを通しています。その後、何が大きく変わったかというと、原発が全部停まりそうだということです。あの法律案が出ているときは、原子力の割合が5割。これがゼロになることが、来年の春に起こるのではないかという状態で、同じ法律案で、その通り実行するのは無理だと思います。
また、これはなかなかあまり知られてない話ですが、エネルギーの特命委員会と合わせて、野田毅議員のところで議論している京都議定書との整合性をどうするかについて、政府の意見の開陳がまったくありません。これはしっかりと履行しなければならない。履行しないとペナルティーがかかってきます。それを払う余裕は日本にはない。さらに化石燃料を買うお金を出すということは、国富がどんどん減って行く。これからを考え合わせて、この法律案を処理することが今は求められていると思います。
Q
関連で、京都議定書について、代替エネルギーを考えたときに、化石燃料の活用などが出てくると、それだけでも議論に時間がかかってしまいますが、それでも再生可能エネルギー法案を速やかに成立させた方がいいとお考えになりますか。
A
それらの問題をクリアしないと。法律は通っても施行はできません。ですから施行日を考えればいいと。いろいろな問題が多いから、交付の日から1年以内と書いてあったと思いますが、それは無理です。今、言ったような問題を解決できないから、それはいろいろな知恵はあると思います。
Q
昨日、中曽根参議院会長は、問責を含む、参議院の意思を明確に示さなければならないと発言しましたが。
A
選挙は2年後が良いと辞める総理が言ったり、死に体なのに蘇ろうとしているような発言も垣間見られるというのが現状だと思います。それを受けて、中曽根参院会長は発言したのではないかと推察します。
Q
関連で、石原幹事長としては、どのようにお考えですか。
A
ゾンビ内閣には、鉄槌を下さないといけない。そこが大きな違いです。溺れている犬を棒でたたく必要はない。助けてあげないといけない。
Q
その鉄槌を下す時期をどのようにお考えですか。
A
今日の役員会でも、民主党の中で総理を辞めさせればよいという発言に、象徴されていると思います。我々は不信任案をどうしようもない人だからと思って出した。残念ながら否決された。民主党の人たちは菅総理を信任した。信任しておいて、おかしいと署名運動などをしているのだから、これは民主党内で菅さんに一日も早く辞めてもらう。新代表を選ぶことが公党としての責務だと思います。ただし、それをやらないのであれば、国益を損ねているので、何かしなければいけない。そこで中曽根会長などの発言が出て来ているのだと思います。
Q
子ども手当について、今後は自・公・民でどのように着地点を見つけていきたいとお考えですか。
A
実務者で示された案は、実現可能性のある案だと思います。年少扶養控除が現在はありません。私たちは給付より、控除ですから、年少扶養控除を復活、あるいは新しい形で控除を設立していくまでの間は、現実問題としては、この間示された案は、実現可能な案だと思います。
しかし、その後、公明党の方と話をさせていただくと、うちの住んでいるとことには、手取りで1000万円なんていう人はいないよと。これもある意味、事実なので、そうであれば所得制限を現実的な数字に下げる。そこでひとつ中心になってくる案は、当初、自民党と公明党の山口代表が提示された所得制限860万円が落とし所としては、良い数字なのではないか。それは我々が言う話ではなくて、民主党の皆様方が震災に関係なく、あるいは参院選の敗北に関係なく、先ほど示したように、ご丁寧に工程表まで載せています。これは全部うそ、できない。では、財政事情から考えて、年少扶養控除もなくなることを考えて、こんなところを国民の皆様方にお示ししましょうと。民主党が示すべき問題だと思っています。
Q
菅総理が訪朝を検討しているようですが。
A
菅総理の特性としては、自分が厳しい所になると新しいものをボンと打ち出す。なでしこジャパンは違うと思いたいですが、皆さまからご指摘のあった訪朝の話も、実は前から聞こえた話で、自らの延命のため、支持率の回復のために外交を利用するのであれば、これは国益を著しく損ねる。これは議運で、予算委員長の出張の件も含めて質していかなければならないと考えています。
Q
子ども手当について、現在は実務者レベルで協議が行われていますが、これを幹事長の協議などにステージを上げるお考えはありますか。
A
民主党からどういう案が提示されるのか。それを受けて、政調会長が判断されますが、次のレベルとしては、4月28日の3党政調会長会談の合意文書にあるように、歳出面で不要不急な部分をなくし、さらに年金財源の穴埋めをしたら、各党で特例公債法の成案に向けて真摯に努力すると書かれているので、子ども手当は不要不急の最たるものなので、しっかりと政調会長レベルで取りまとめていただき、具体的に、農業戸別所得補償、高校無償化は年度の途中なのでやめることはできません。では24年度からどのように変えていくのか。あるいは財政措置、財源をどうするのか。こういうことを具体的に詰めていくということを民主党が欲すれば、今、ご指摘の幹事長も出ていって話をする機会があるかもしれません。今のところは、政調会長が実務者で上がってきた案をどうするか。それを待っているところです。
Q
共同通信で過去の政治資金収支報告書を調べたところ、自民党の個人献金の多くが電力業界からされていたことがわかりましたが。
A
個別具体的に、どなたがどうのという話は承知していませんが、国民の皆さま方に誤解を電力行政で国民のことを考えないで、電力会社のことを重んじていると思われるようなことが過去にあったとすれば、それは正していかなければなりませんが、そんなことはないと今のところ考えています。
これからも今は原賠法のスキームの修正もされていますが、国家、国民のために政治資金は政治活動をしっかりとサポートするうえで、個人献金、企業団体献金があるので、良からぬ誤解を招かないように、しっかりと公正に国民の皆さま方に示していかなければならないという問題だと考えています。
Q
中井予算委員長の海外出張について、その理由次第では解任決議案の提出もあり得ますか。
A
これから一部報道ベースで、状況証拠はあるそうですが、これで同行するはないではないですし、議院運営委員会で、国会会期中の海外出張なので、その事由など、言われていることがあるのか、ないのかを、質していかなければならないと考えています。