ニュースのカテゴリを選択する

記者会見

石原伸晃幹事長記者会見(役員会後)

平成23年6月14日(火)11:10~11:35
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

石原伸晃幹事長

今日の閣僚懇談会で、菅総理が2次補正予算編成の指示を財務大臣にされたことを聞いた。民主党の中からも菅降ろしの動きがある中で、新聞の紙面には、候補者の名前まで載っている中で、なぜこの時期に2次補正の編成に取り組もうとしているのか、本気でやろうとしているのか、甚だ疑問だ。総理の言葉では1.5次補正とのことだが、あれあれ、それは私たちが1か月前以上に言っていた話ではないか。遅すぎる。その時耳を傾けず、自分の首が危なくなってきたら、私たちの言っていることを真似する。どういうことなのか。菅降ろしの嵐がビュービュー吹いているので、この時期、このタイミングで編成を指示するのは、延命のためと思わざるを得ない。まさに、震災の復旧・復興を自身の総理任期に利用しようと言われても仕方がない。最悪の事態ではないか。一日も早く退陣することが、信頼関係を作って、次のステップにつながる唯一の道であると考えている。昨日、谷垣総裁のご令室である佳子様が逝去された。享年66歳であった。役員会でも、総務会でも謹んでお悔やみを申し上げたところである。谷垣総裁並びにご家族の意向として、今週は国会会期の話、民主党の両院議員総会等もあり、政局が緊迫している中で、通夜・葬儀等々は近親者のみでしめやかに行わせていただくという話をさせていただいた。なお、政治的に落ち着いた段階で、告別式等々が行われることになると思う。

【大島理森副総裁発言】

「谷垣総裁ご令室佳子様のご逝去について、総裁から『政治状況を見て、密葬としたい』とのことで、お電話でご連絡を頂いた」
「政治も梅雨のように、菅総理の居座りで停滞している状況だ。会期末に向けて、衆参一体で戦っていきたい」との発言があった。

【石原伸晃幹事長発言】

谷垣総裁ご令室佳子様のご逝去と、2次補正編成について「何を考えているのか」と発言した。

【逢沢一郎国対委員長発言】

「与党から会期末の対応について全く相談がない。わが党として震災対応に必要な法案、わが党が推進してきた法案の処理を粛々と進めていく」との発言があった。私(石原幹事長)も逢沢国対委員長に再確認したが、会期についての話は一切ないとのことであった。

【脇雅史参議院国対委員長発言】

東日本大震災復興特別委員会の日程についてと、「菅総理の韓国人献金問題について、返金をどのような形で行ったのか、資料を要求中である。この辞めるという内閣の閣僚が海外に出張して、また思い付きで発言することは国益を損なうことになるので、(閣僚の海外出張を)認めない方が良いのではないか」との発言があった。

【中曽根弘文参議院会長発言】

群馬県知事選挙についての発言があった。

【鴨下政調会長代理発言】

「会期末の様子を見ながら、2次補正予算や放射性物質が付いたがれきの処理の扱い等々について、対応を検討していく」との発言があった。

【河村建夫選対局長発言】

選挙日程についての発言があった。

【森英介組織運動本部長発言】

ネットによる入党システムの導入についての発言があった。

【茂木敏充広報本部長発言】

世論調査と、11日(土)に行われたチャリティーイベント「絆コンサート」についての発言があった。

【その他の発言】

「なぜ菅総理ではダメなのか。発災後の復旧対応が必要で、22年度補正予算を使えと言ってもやらずに、4月下旬になって23年度1次補正を出して、それから1か月以上経って、十分でないので、1.5次補正と言う話をずっとしてきたのに、何もやらないで国会を閉じると言っていて、自分の立場が危うくなると年末まで会期を延長するとか、8月に2次補正を出すとか、今朝は1.5次補正だと。一体何を考えているのか」
「閣僚の海外出張について、今、アメリカとの2プラス2を行う外務大臣・防衛大臣が行くことは国益を損なう。行かせるべきではない」との強い意見があった。

質疑応答

Q
菅総理が発言した1.5次補正について、菅総理が自らの延命のためで行うもので、菅総理の下では協力できないというお考えですか。
A
急に指示されたもので、これの対応については、政調会を中心に内容がまったく分からないので、ましてや今日、指示していつできてくるのか分からないので、延命のためのものなのかなと今は思わざるを得ないと。そういうものであれば賛成できないし、本当に必要なものはあると私たちはずっと言ってきているので、そういうものなのかどうかを政調会でしっかりと精査していただくという段階だと思っています。
Q
精査したうえで、例えばがれき処理や二重ローン問題など、本当に必要なものだと判断されれば、会期の小幅延長の可能性もあるということですか。
A
それはそうですよね。本来であるならば、もう会期末まで一週間あまりなので、がれき処理で重要なのは放射性物質を含んだものをどう除去するかとか、二重ローンの問題は、わが党は案をまとめましたが、これはなかなか難しい話だと思います。国が私有財産を、個人の負担ですから、それを補てんする、しないの根源的な問題を含んでいますが、しかし、現地を歩けば、工場に設備投資をして、工場が流れて、そしてそこに働く人がいて、またさらに金利がゼロに近い状態で、借金をして、工場を再立地することができるのかと、疑問を感じるようなところは、多々、拝見させていただいています。
ただこの問題については、これだけは是非という話は残念ながらありません。そういうものも見ていかなければならないし、義援金の配分、仮払いについても私どもは議員立法を出していますが、重要だと思いますが、どうするということは、与党からまったく何もない。ですから何をしたいのか。何をしなければいけないのかというのは、我々は言っているので、回答を頂きたい。我々は野党ですから、マジョリティーではなく、マイノリティーですから、私たちの思う通りには法案審議はできないので、回答をいただきたい。正直申し上げまして、切なる思いです。
Q
1次補正を編成するにあたり、4月下旬に、3党合意というものを作りましたが、その趣旨は復興財源を捻出するために、民主党が子ども手当の見直しなどに真摯に対応するというものでした。現状を見ると、必ずしも民主党は真摯に対応していない状態だと思いますが、今回の菅総理の2次補正には、仮に3党合意が守られない場合は、応じられないということですか。
A
3党合意は、各党で民主党にとっては、子ども手当などのマニフェストの整理、それを前提に特例公債法の成立に向けて努力すると。そういう項目、3項目からできています。それは、私たちはだいぶ前から言っています。その減額補正、要するに子ども手当の法案はもうないわけですから。我々が取り下げてくれと言ったのではなくて、自分たちで取り下げたので、この4ヶ月分は減額補正しなければなりません。どんな政権でも。
そうであるならば、それを民主党が、党としての考え方なんだと言ってくれれば、また話は進みますが、こんな当たり前なことにも返事がない。ということは、今のご質問ですが、3項目、各党が回答を出すと。それによって、次の補正の議論になっていくと考えるのが、常識的な解釈だと思いますが、その話もこの3党合意があるので、こういうふうに考えて、そしてこれで、1.5次か、2次かわかりませんが、やらせてほしいという話はまったくありません。ですから、ご質問も、仮にというのと同じように、私どもは明確にお答えできない。
常識的に、今のようなことがなされなければ、先には進みませんし、総裁も発言していますが、菅総理のもとでは基本法、今度はこちらの方がそれだけでは済まないと思って、会期末内の税法の処理も、野党側がイニシアティブをもって取りまとめる、本末転倒な国会になっていると思います。
Q
関連で、自民党としても以前から求めていて、いまさら遅いということだと思いますが、その内容次第では菅総理のもとでも、1.5次補正は考えられ得るというお考えですか。
A
冒頭の質問と同じだと思いますが、菅総理がこんなものを指示したという話もない。何をやりたいのかわからない。ましてや3党合意がある。その回答もない。ということは、常識的に考えれば、約束しておいて、約束を破って、約束を守らないで、自分の政権を一日も長くやりたいから補正予算を出すんだと、私には聞こえます。
そこのところは、そのうち説明があるのかないのかわかりませんが、何を考えているのか。もう退陣の意向を表明されて、今日で14日、2週間になろうとしている。これは何を起こるかというと、日本人は嘘つきだなと、世界が見ています。これはいろいろな方から、私も話を聞いていますが、そういう根本的な、総理大臣が辞めると言って、全然辞めない。これは大きなことです。そういうことをしっかりと総理はご認識してほしいと思います。
Q
原発賠償法案が閣議決定されましたが、この法案を成立させるために会期を延長するということについては、どのようにお考えですか。
A
これは非常に重要な話だと思います。これこそ、政府側が政調会長のところに話に来てしかるべきものだと思いますが、残念ながら役人しか来ません。そして、このスキームは非常に問題が多いと思います。いわゆる原賠法があるなかで、特別負担金を事故を起こしていない他の事業会社にも求める。それが本当に株主の代表訴訟が起きたときに耐え得るものなのか。一切、説明がありません。
法律を通せば大丈夫という話ではないと思います。ましてや、本当に協力するのかどうか、私は確認が取れていません。事業会社に無限責任を負わせる。気持ちはわかりますが、気持ちはわかってもできないものは、きっとできないのだし、必然的に限度がある。
その一方で、無邪気に国有化だの、債権放棄しろだの、マーケットメカニズムを壊すようなことを、政府のトップが平気で話す。その中で、この法案の持つ意味、重要性は認識していますが、何の相談もありません。このこと、何の相談がないことが問題です。どういうことか。通すつもりはないが、とにかく出しておく。そういう問題ではないと思います。しかし、その程度の認識だから何もないのではないでしょうか。
Q
これまでの自民党のエネルギー政策をどのようにお考えですか。
A
これは私の個人的な反省も含めて申し上げますと、私も実は、玄海原発の4号機の臨界に行ったので、その中にも入って、原子力発電所を見て、説明を受けて、フェールセーフの構造を信用していました。すなわち安全神話を信じていた。しかし、もろくも崩れ去った。これは認識の間違いであった。やはり改めるべきは改めないといけない。すなわち原発の耐震性、津波への対応は、スペックを上げていかないといけない。
しかし、テレビに出ていると、よく「石原さんは原発推進なのか、反対なのか」というスタンダードな問いがありますが、これはテレビのチャンネルを変えるような話ではありません。代替エネルギーが確保できなければ、3割の電源が来年の春にもなくなる。ということは、節電しなければならなくなる。日本人は勤勉ですから、個人は頑張るでしょう。しかし、生産、質・量、価格、電力の三要素ですが、これが損なわれたときに、本当に製造業が日本に残ってくれるのか。
サプライチェーンの問題で、親会社から安定供給を求められた半導体メーカーは、台湾にリスクヘッジ、台湾に工場を移そうという話もある。それは基幹産業の自動車も同じではないでしょうか。そこまで考えて、エネルギー政策は考えないといけない。あれだけ大きなアクシデントがあったので、集団ヒステリー状態になるのはわかります。心情としては。しかし、こっちだ、あっちだと変えられる簡単な問題ではないと思います。
これまで推進してきた原子力政策の問題点、あるいはこれから変わる得るものがあるとすれば何に依存するのか。あるいはそれでどれだけコストが高くなって、先ほどの質問の、あのスキームは電力料金に転嫁するという話ですから、そういうことが起こって許容できるのか、できないかということまでも含めて、反原発、脱原発というのは簡単だが、生活はどうするのということを考えたときに、どういう選択肢があるのか。それは政府の責任としてこれから示していかなければならないし、わが党としても取り得るべく選択肢はこんなものがあるというものを、これから示していかなければならない。国民投票をやりました。9割が反原発、やめましょうという簡単な問題ではありません。これは個人の認識です。
Q
自然エネルギー買い取り法案については、どのようにお考えですか。
A
43円の値段が適正なのか、そうではないのか。これからの普及によって変わってくると思います。そこのところも、しっかりとチェックしていかなければならないし、結局、設備投資に意外にお金がかかります。個人の住宅では、パネルだけでも200万円くらい。そこで温められたお湯を回すポンプ、タンク。それによって、暖房する。お湯が絶えず出る。エネルギーをどういうふうに有効利用するか。もろもろのものを合わせると7・800万円くらいかかる。それを全部、個人にお願いして、減価償却と設備の耐用年数を考えると簡単なものではありません。そこに政府がどれくらいのことをやるのか。それを合わせて、買い取りというものがなし得るのではないか。ただいくらで買うということでは普及しないし、そこまで考えていかなければならない。そういう中での法案の処理になるのではないでしょうか。
Q
関連で、政府側は野党がサボタージュしていると言っているようですが。
A
それは簡単です。(政府与党が)何もノックしてこないからです。我々のものが正しいから言うことを聞けと、それだけ言ったら国会は動きません。人間社会はそうです。私の言うことは正しい、何で協力しないんだと言っているだけです。