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記者会見

谷垣禎一幹事長記者会見(役員連絡会後)

平成27年8月4日(火) 10:30~10:45
於:院内平河クラブ会見場

冒頭発言

谷垣 禎一幹事長

本日の役員連絡会ですが、高村副総裁からのご挨拶で、昨日の礒崎首相補佐官の参考人質疑で、発言を取り消したのは潔くよかったというご趣旨です。
私(谷垣幹事長)からは、平和安全法制は連日、参議院で工夫しながら審議いただいている。高村副総裁のお話もあったが、緊張感を持って政府・与党協力して対応していこう。また、TPP交渉は合意には至らなかったが、かなり前進したと聞いている。党としても引き続き注視して、政府が国益を守った交渉を遂げられるようにバックアップしていきたい。それから、先週、参議院選挙制度改革に対応して、合区対象4県に手分けして説明・意見交換に行ってきた。県連の意見も踏まえながら対応策をきちんと講じていきたい。また、昨日申し上げたことと同じでございますが、立党60周年で記念式典を11月29日(日)に「グランドプリンスホテル新高輪」で開催することを本日の総務会で決定していただく。それから、式典の準備は幹事長室で行う。そして、来年の党大会は、11月の記念式典ということも考えると、参議院選挙もあるので、3月に開催することを総務会にお伝えして、正式な日時・場所については改めて総務会で諮りたいということを申しました。
佐藤国対委員長からは、衆議院予算委員会の集中審議は8月7日(金)で調整中であるということ、本会議日程は8月7日(金)であるというご報告がありました。
吉田参議院国対委員長からは、平和安全特別委員会の日程について、それから予算委員会集中審議について協議中であるというご報告がありました。
溝手参議院議員会長、伊達参議院幹事長からは、参議院選挙制度改革ではいろいろご尽力いただいてありがとうというご発言がありました。また、溝手参議院議員会長からは、平和安全特別委員会について、一生懸命頑張りたいというご発言もありました。
茂木選対委員長からは、合区対象4県の訪問の報告、また参議院選挙の第一次公認を決定したということ、そして仙台市議選の結果、今後の選挙日程についてのご報告がありました。
稲田政務調査会長からは、新国立競技場見直し提言を今週取りまとめるということでした。

以上です。

質疑応答

NHKの瀧川です。昨日の礒崎首相補佐官の参考人招致に関連して、出席された山東党紀委員長から「紙を読んでいるばかりで誠意が見られない」というような発言があったと聞いていますが、この事実関係と、それを巡るやり取りについてご紹介いただけますか。
山東党紀委員長は、「紙を読んでいるというのはいかがか」という疑義を呈されたわけです。高村副総裁からは、「でもこれで乗り越えていかなければいけないのだ」というご発言がありまして、私からは、「紙を読むというのはある意味では慎重さ、『これは慎重に行動、発言しなきゃ』という気持ちの表れではないか。明確に自分の真意を説明されたと思う」ということを申しました。
時事通信の大沼です。役員連絡会のなかで山東党紀委員長が疑義を呈されたということがあるなかで、昨日の礒崎首相補佐官の釈明によってこの問題は収束すると幹事長はお考えですか。
収束する、しないというよりも、礒崎首相補佐官がご自分の真意を明確に説明されたということだと思います。要するに、舌足らずな発言であったことは私もそうだと思いますが、多様に解釈されるような表現でしたね。それに対して明確に「法的安定性というようなことは、自分は十分重視している」というご発言であって、それはそれでよかったと思います。
共同通信の比嘉です。先ほど、菅官房長官が記者会見で、米軍普天間基地飛行場の移設に関して、沖縄県と集中的に協議するために辺野古への移設作業を1か月ほど中断するというご発言をされました。幹事長は政府と県の協議にどのようなことを望まれますか。
菅官房長官がそういう判断をされて、沖縄県と協議をしようということは結構なことだと思います。沖縄県もいろいろ第三者委員会の下でペーパーをまとめられたりいろいろしておりますが、要するに何が問題点なのかということを十分に協議するということは、私は結構なことだと思います。
共同通信の比嘉です。幹事長ご自身も近く翁長沖縄県知事とお会いになるご予定があるかと思いますが、党としてどのようなことをお伝えになられますか。
これは今まで翁長沖縄県知事が知事になられましてから党本部としてはお目にかかったことはありませんので、あらかじめこういうようなことを申し上げるというのは知事に対しても失礼かなと思います。よく知事のお話も承って、私としてもお答えできることはきちんとお答えしたいと思っておりますが、今、特に予断をもって「こう」ということを考えているわけではありません。
テレビ朝日の植村です。11月の立党60周年記念式典について、未来に向けてどういうメッセージを打ち出す式典にしていきたいのか、お考えがあればお聞かせください。
メインはやはり安倍総裁に今、政治の最高責任者としてお考えになっていることをスピーチしていただくということになると思うのですが、要するに今までも10年ごとに何らかの形でこの種のものを開催しております。やはり10年間の歩みを総括して、そしてこれからの展望というか、それを打ち出していくということになると思うのですね。日本の政治の中で当然、自民党として果たさなければならない役割というものを我々は持っているわけですから、そういうことを鮮明にしていくということではないかと思います。
共同通信の比嘉です。武藤貴也衆議院議員のTwitterの件で、昨日から与党側からも批判が上がっているのと、もう一つは若い世代、10代後半から20代のこの問題に関心を持ち始めた世代がインターネット上で、「やはりそういう意図なのか」というような批判というか不安が広がっています。幹事長は昨日、「舌足らずではあったが一国平和主義というのはどうか」というお考えを示されました。やはりTwitterを読みますと、「戦争に行きたくないというのは利己的だ」と読めてしまうのですが、いかがですか。
私も年を取ってまいりますと、やはり世代ごとに感覚が違うなと、たぶん先輩方も皆そう思われてきたのだろうと思うのです。若い頃はそういうことを先輩に言われると反発などをしていたわけで、同じ世代が皆同じ感覚を持つというわけでもありませんが、私のような老人からすると、そういう世代によってずいぶん感覚が違うなと思うこと、武藤衆議院議員がということではないですが、近頃しばしばございます。私は保守主義者ですから、やはり我々の先輩が何を考えてきたのか、そのよき遺産というものは後世に引き継いでいかなければならないと思います。私は、京都遺族会の会長を長い間務めております。私の父も京都遺族会の会長を務めておりました。遺族会といいますとしばしば、例えば靖国神社を公式参拝してほしいなど、そういうのが一つの運動の柱でもありますので、世間から見ればしばしば、こういう表現がいいのか悪いのか分かりませんが、右翼的な団体であると思われたりしている。しかし、遺族会の本質は、今現在、自分のご主人が戦争で亡くなられたという方はもう本当にご高齢になりまして数が少なくなりました。大部分は自分の父親が戦争に行って亡くなったという方ですね。だから本質は、自分たちは戦争で苦労をして、「もう戦争は二度としたくない、こりごりだ」という思いが遺族会の中心なのですね。それともう一つ、忘れてならないことは、ただ自分たちの夫であったり父親であったりする人が戦争で亡くなったということ、これは国事に殉じたというか、だからそれをきちんと評価してほしいという気持ちも同時にあるわけです。この遺族会というのは長い間、自民党の中核として頑張ってくれた、自民党にとっては大事な組織です。やはり、自民党の中核を担って頑張ってくださった方々がそういう意識を持っている。私が生まれた年に戦争が終わったわけですから、遺児といっても大体若くても私くらいの年ですから、段々数は少なくなっていくのですね。しかし自民党の中核を支えた人たちのなかにそういう感覚があるというようなことは、保守主義者は忘れてはいけないですね。やはり若い人たちにもそういう感覚を伝えていく必要があると私は思います。
東京新聞の宮尾です。確認ですが、つまり武藤衆議院議員のおっしゃっているようなことは、自民党の中核を支えてきた遺族会の本質とはややずれているということですか。
そういうことを言っているのではありません。やはり世代によって違う感覚、あなたと私は高校が一緒ですが若干世代が違うので多分違う感覚があるのだと思うのですが、やはりそういう世代ごとに違う感覚があるということは、私は否定しようとは思いません。老人はそうやって「若いのはこの頃」ということを嘆き、若い人たちはそういう先輩たちの感覚に反発しながら成長してきたというわけですから、それを全部否定しようとか誰がどうなどというわけではありません。しかし保守主義者たるものは、過去を全部背負っていけと言っているわけではないですよ。しかし、やはりそういう感覚というものがあるということはよくよく謙虚に学ぶ必要があると私は思います。