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記者会見

谷垣禎一幹事長記者会見(役員連絡会後)

平成27年7月17日(金) 10:35~10:50
於:院内平河クラブ会見場

冒頭発言

谷垣 禎一幹事長

本日の役員連絡会ですが、高村副総裁からのご挨拶で、昨日、平和安全法制が衆議院を通過することができた。引き続き参議院も、大変と思うがよろしくお願いしたいということでした。
私(谷垣幹事長)からは、昨日、平和安全法制を衆議院を通すことができた。参議院に送付する。そして、現場はじめ国対、あるいは高村副総裁を含めて大変ご尽力をいただいたことに御礼を申しました。そして、高村副総裁がおっしゃったように、参議院の審議もなかなか厳しい審議となると思うが、引き続き政府には丁寧な説明をしていただくということだし、党全体としても国民に理解を得るべく努めていかなければいかん。したがって、引き続き政府・与党結束して対応していきたいということを申しました。
また、次回の役員連絡会は、21日(火)は取り止めて24日(金)に開催するということを申しました。
佐藤国対委員長からは、平和安全法制を参議院に送付できたことの御礼と、特別委員会の審査時間は116時間30分で、周辺事態法やPKO法を超える最長の審議時間であったというご報告でした。
吉田参議院国対委員長からは、参議院としてしっかり議論していきたい。特別委員会設置に向けて連日、国対委員長会談を開いて協議し努力しているところであるということでした。
溝手参議院議員会長からは、参議院選挙制度改革について、党内手続きも進めていきたいのでよろしくということでありました。
伊達参議院幹事長からは、減員区・合区対象県への説明を行っているというご報告がありました。
稲田政務調査会長からは、引き続き緊張感を持ってやっていきたいということでした。
二階総務会長からは、21日(火)15時からの総務会で参議院選挙制度改革案を審議する予定であるというご報告がありました。

以上です。

質疑応答

NHKの瀧川です。平和安全法制が参議院に進みますが、まだ審議入りの見通しがありません。これについて参議院に望むこと、また中身の審議で参議院に望むことについてお願いします。
できるだけ早く審議に入っていただきたいというのは当然のことだと思います。よく荷崩れしたとかしないとかいう議論がございますが、過去いろいろ、こういう案件から見ると、今回は整斉粛々と採決をすることができたのではないかと私どもは思っておりまして、そういうことを踏まえてできるだけ早く審議に入っていただきたいと思っております。それから審議のあり方としては、先ほど申し上げたように、丁寧にやっていくということでありますが、衆議院の方を見ておりましても、とかくこういう問題になると、建前をぶつけ合うというようなこと、建前というか、建前をぶつけ合うといえばそれもそうですし、ある意味では、自分たちの主張を分かりやすくするために非常に単純化して議論をし合うということが衆議院でなかったとは言えません。そういう非常にある意味での単純化をしてそれをぶつけ合うということになると、あまりそこから新たな展開などはなかなかできてこない面がある。政治の討論のなかではなかなか双方が腹を割って話してそこから実りあるものが出ていくというのはしばしば表舞台であればあるほど簡単ではないことも事実ですが、できればできるだけそういう中身が、弁証法的な対話というと少し抽象的な表現になりますが、そういうような議論ができないものかなという期待はございますが、なかなか衆議院でも必ずしもそうではなかったわけですね。ただ、いろいろ各党協議をしているなかで、かなり実質的な一致点など、「そこのところは大体一致しているのだね」、「そこはちょっと違うのだね」というような話もかなりあったと思うのですね。ですから、高村副総裁は引き続き協議をやっていきたいと言っておられる。ああいうことも大事ではないかと思います。
朝日新聞の笹川です。一昨日、文部科学省から新国立競技場の計画について説明を受けたと思いますが、役員連絡会ではこれについての話は出ましたか。
役員連絡会ではこの話は出ておりません。
朝日新聞の笹川です。文部科学省からの話をお聞きになって、幹事長として説明の中身は納得できるものだったでしょうか。
結局のところ、役所の現状のご説明ということをあのときの報告は超えているわけではありません。私どもとしては、やはり現実に新しい競技場を作っていこうとすれば、国費も出さなければいけない、税も投入しなければいけない、あるいは法律改正も必要になるのかもしれません。ですから、やはり国民に向けて納得のいく説明ができなければいけませんのでね。もう一つは、やはりオリンピック・パラリンピックというものをここまできて「できませんでした」というわけにはいきませんので、そこら辺りをどうきちんと整理をしていくかという課題なのだろうと思います。そういう問題意識は十分に役所に伝えて、政府も十分そういう我々の問題意識を受け止めるようにということは先日、申し上げた次第です。
読売新聞の天野です。平和安全法制について、単純化するような議論があって、にもかかわらず昨日、整斉粛々と採決ができた背景をどのように見られていますか。
そんなにきれいにいろいろなものが分析できるわけではないのですが、やはり私は、116時間の審査時間というのは、本当に全部生産的な議論であったかどうかというといろいろ見方はあると思うのですが、しかし半端なものではないので、先ほど申し上げたようないろいろな、必ずしも委員会の席の質疑だけではなくいろいろなことを各党が話しているなかで、共通の部分や違う部分というのはかなり理解が深まったという面も私はあるのだろうと思います。ですから、そういうことがさらに深まっていくように参議院でご努力をいただく必要があるのかなと思います。
時事通信の大沼です。「理解が深まった」ということですが、報道各社の世論調査によると、審議時間を経れば経るほど理解が深まっていないという声が大きくなっています。それに伴って、内閣支持率や自民党の政党支持率も下落傾向にあるのですが、その辺りを幹事長はどのように思っておられていますか。
今まで与野党対立する事案のなかで、審議を進めていくと理解がどんどん進んでいったという世論調査になったことというのは、私の記憶する限り、残念ながらあまりないですね。これは本当に残念ながら、それは国会審議が形骸化しているというのか何なのか、いろいろな非難はあると思いますが、相当実質的には理解が深まっているがますます混迷が深まったというような形で皆さんが総括されるようなことが多い。これは一体何なのだろうと私は思います。なかなかこれは難しいのですよ。誰に責任があるとか、どういうことが問題だという以上に、常にそういうことが多いように思います。それをどう解消したらいいのかというのは、議会政治の審議のあり方の根本的な問題ですが、なかなかそれに対して我々もうまく的確に答えることができない。皆さんのご質問が紋切り型の質問だというつもりはありません。そこに非常に何か難しい問題があるのだな。皆さんがそうおっしゃるような、現実に世論調査をしてみると、段々分からなくなったというような、大概こういう反応があるのですね。どうやったらそれを解消できるのか。これはもう日本の議会政治にとって極めて大きな課題だろうと思います。
共同通信の比嘉です。衆議院で審議を100時間以上して、結局国民の理解というか支持が広がったとは言えない状況だと思います。同じことを参議院でやったら同じような結果になると思いますが、いかがですか。
私は、今の結論は、国会審議のなかでどんどん理解が深まって「そういうことか」と皆が得心を得たとなるようになるのが一番いいことは間違いないだろうと思います。ただ、現実には、昨日も「20年後どうなっているだろうか」というご質問があって、20年後のことまではなかなか予言する能力はありませんが、ある程度歴史の審判を待たざるを得ないという面もあるように思います。やはり議論というのは、本当はお互いの、例えば抑止にしたって、時々例に引きますが、抑止をするといっても、例えば日本が大陸間弾道弾を針のようにたくさん集めてどこそこに焦点を当ててというのは、それは確かに「やったらやり返すぞ」ということにはなるかもしれませんが、それが平和を作っていくかどうか。やはり抑止というのも、あまり何もないようではいけないでしょう。どこがいいのかというところにうまく議論が収れんしてくるような議論が本当は一番であることに間違いはないですね、それで合意が形成できれば。しかし現実には、野党は「ここのところが問題だ」と思うところをぶつけてくる。それはそれで国会の議論としては、そういうことがなければいけない。やはり疑問とそれに対する答えをぶつけ合っていくと、段々不安が高まっていくということも実態としてはあるわけですね。ここらは本当に難しいです。私は何も「今、理解ができなくていい」と言っているわけではないのです。しかし現状で皆さんが「それで分かった。やれ」というところまでやって採決したら、これは現実問題として物事は、特に痛みを伴うようなものは何も進まなくなるのですね。どこかでそういう議論を尽くして、後は歴史の審判を待つのだという判断をしなければいけない局面がたくさんあると思います。だから私は、今申し上げたから、国民の声、世論調査の結果がこうだから、満足しているとかいうようなことを言っているのではないのです。なかなかやはりそこらをどう判断していくかというのが政治家の責務だと私は思っています。
共同通信の比嘉です。一方で、野党側からの批判のなかには、審議時間は積み重なるが安倍総理の答弁が、質問に答えなかったりとか聞いていないことを答えたりするなど噛み合っていないというところがあると思うのですが、幹事長からご覧になっていかがですか。
これは、そう言っては何ですが、質問する方も噛み合っていない質問をぶつけるということがないわけではないですね。だからそれはお互いにできるだけ噛み合う質問をし、噛み合う答えをするように努力をしなければいけないと思います。特にこれから参議院では、やはり何か議論が、衆議院では問題点を見つけ出す、問題点を指摘し合うことだったが、段々噛み合ってきたとなれば、これは極めて望ましい展開です。だから、そういうものを片方で求めていくということはもちろん必要だと思います。ただ、先ほど申し上げたような、政党間あるいは人の間で意見の対立はありますから、最後どう判断するのかというのは、またもう一つそれぞれが責任を持っている者として判断しなければならないのではないかなと私は思っています。
NHKの瀧川です。参議院選挙制度改革について、溝手参議院議員会長と二階総務会長のやり取りがあったと思いますが、スケジュールについてそれぞれもう少し具体的にご説明されたのでしょうか。
21日(火)中に党内手続きをやりたいというのが溝手参議院議員会長の考えです。それは、そういうことで二階総務会長も21日(火)午後に総務会をセットされているということだと思います。