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記者会見

谷垣禎一幹事長記者会見(役員連絡会後)

平成27年6月23日(火) 10:35 ~10:50
於:院内平河クラブ会見場

冒頭発言

谷垣 禎一幹事長

本日の役員連絡会ですが、冒頭、沖縄戦終結から70年の慰霊の日でありますので、沖縄戦で亡くなられたご英霊に対して黙とうを捧げようということでまず黙とうを行いました。
高村副総裁からのご挨拶で、長くて暑い夏になるが緊張感をもってやっていきたいということでした。
私(谷垣幹事長)からは、この通常国会の開会以来、役員連絡会のメンバーには大変ご努力いただいたり、またご協力いただいたりしたことが多々あって御礼申し上げる。明日でいよいよ会期末だが、昨日、与党党首会談を開き、そして本会議で9月27日(日)まで95日間の会期延長ということを決めていただいた。これは、平和安全法制をはじめ、労働者派遣法あるいは農協法等重要法案をきちっと成立させたいということだ。特に平和安全法制に関しては、「丁寧に議論を進めよ」という声もあって、十分な審議時間を取ってしっかり議論を進めていこうということで、与党党首間でも確認をしたところである。大幅な会期延長で暑い期間、役員連絡会のメンバーにはまたご苦労をいただかなければならないが、「これだけ時間があるから大丈夫だ」と緩まないようにしっかりやっていこうということを申しました。
佐藤国対委員長からは、平和安全法制や農協法など重要法案を速やかに参議院に送付できるよう努力していきたい。また、野党は会期延長に反対であって、各委員会の審議に今、応じていないところだ。早期の再開に努力したいということでした。
松山参議院国対委員長代行からは、委員会日程についてご報告がありました。
溝手参議院議員会長、伊達参議院幹事長からはそれぞれ、会期も延長されてしっかりやっていきたいということでした。
茂木選対委員長からは、会期延長になったが、その間に岩手県知事選がある。勝利を目指して頑張りたいということでした。
稲田政務調査会長からは、本日から日本再興戦略、骨太の方針、規制改革の党内審議を行うということでした。
二階総務会長からは、国対も努力して平穏に会期延長した。頑張ろうということでした。
馳広報本部長からは、世論調査についてのご報告がありました。
茂木選対委員長から、選対のマターではないのですが、「戦後最大の改革を行うために『改革断行国会』として、そのために十分な時間を取った」という安倍総理のご発言は誠に自分も共感をする。したがって、野党はこういう問題に対して正々堂々と国会の場で議論してほしいということを皆で訴えていこうというお話がありました。

以上です。

質疑応答

共同通信の比嘉です。本日の役員連絡会の幹事長のご発言で、「『国民の理解を深めるために丁寧に議論を進めよ』という声があった」ということですが、弊社の世論調査でも、理解が進んでいるという感じがなく反対の声がむしろ拡大しているという状況だと思うのですが、いかがですか。
世論調査の見方というのはいろいろあると思うのです。確かに世論調査は尊重しなければいけないのですが、大体今までの例を見ますと、国会を開くと、特に予算委員会を開くと大体、ほかの党が与党だった場合はよく分かりませんが、自民党が与党の場合はじりじりと支持率を落としていくというのは今までふつうのパターンですね。国会を閉じるとまた支持率が戻るということになって、やはり国会というものが与党にとってはなかなか乗り越えるのに厳しい批判等々に応えていかなければならない。なかなか国会というのは与党にとって、あるいは政府にとっては非常に大事な関門であるということをこの事実は示していると思うのです。安倍政権は今までのところ、発足以来というかスタート以来、そういう意味では若干の支持率の増減はありますが、割合、国会のなかでも高い支持率を保ってきた内閣だと思います。さすがにこれだけの大きな法案になりますと、いろんな議論が出てくる。相当大きな、改革という言葉を使っていいのかどうか知りませんが、相当大きなものですので、やはりそういうパターンが表れてきているのかな。こういうときの対応というのはいろいろあると思います。もちろんぼやっとしていていいわけではなくて、様々な工夫を講じるということでありますが、私をして言わしむれば、ここが我慢のしどころだということではないかと思っています。いろいろ工夫してまいりたいと思います。
共同通信の比嘉です。国民の理解という意味で、幹事長の指標は世論調査ではないということですか。
世論調査ではないというか、なかなかそこは一筋縄でいきませんでね。つまり、「国民は理解できていないぞ」というような言説も盛んに行われるのがこういう局面ですので、ある意味での、大変こういう言葉は不適切かもしれませんが、そういう意味でのお互いプロパガンダをとばしながらやるということもないわけではありませんね。だからその辺りで我々が必ずしも十分にうまくできていないという面もありますが、つまり数字の話をあまりやりますとそういう議論になって、私は今のような議論はあまりやるのは適切だとは実は思っておりません。やはり一番の基本は、我々がこの平和安全法制に何を込めているのかということを、虚心坦懐にお話をしていく。それは私をして言わしむれば、戦後70年、日本は曲がりなりにも戦争もせず、戦争に巻き込まれてこなかった。それはなぜなのか。その良き点、継がなければならない点は何なのか。そしてそこで世界情勢の変化にしたがって訴えなければ、あるいは修正していかなければ、あるいは補っていかなければならないものは何なのか。このことをやはり正面から丁寧に訴える。これが私は王道だと思います。その努力を全力でやるということではないでしょうか。
日本テレビの加藤です。自民党総裁選挙の日程について、取材のなかで9月8日(火)告示、20日(日)投開票というような日程が他のところから出ているのですが、自民党総裁選挙について今、どのようなお考えをお持ちでしょうか。
その日程についての責任者は私ということになると思いますが、何もまだ決めておりません。ただ、申し上げますと、総裁選の日程、総裁選をどう行うかという自民党の中にも規約がございますから、それを読むとそんなに、まだそこを詳細に検討したわけではありませんが、規約を読むと、そんなに選択肢はたくさんないわけです。ですから通常であればその選択肢のなかから選ぶということです。ただ、再三申し上げておきたいと思いますが、何にもまだそこは決めておりません。
日本経済新聞の酒井です。郵政事業について、本日、自民党の特命委員会がありまして、限度額引き上げについての提言をまとめました。ただ、完全民営化する前の限度額引き上げには金融機関からも、また本日の部会でもかなり批判的な意見があったようですが、上場前に限度額引き上げを提言する党の姿勢について、また限度額引き上げそのものについて幹事長はどうお考えでしょうか。
これは党の政調でまずいろいろ議論していただくことでして、私がそれを飛び越えて「私はこう思う」と申し上げるのは今、差し控えたいと思います。
日本経済新聞の酒井です。ひとつは、来年の参議院選挙というのも政治日程のなかであると思いますが、今の全特(全国郵便局長会)の集票力について、前回の参院選は農政連(農協政治連盟)よりも票を取りましたが、その辺りの期待するところというのは、どのようにお考えでしょうか。
期待するところというのは、今の議論と期待するところと絡めて答弁せよというご主旨ですか。
日本経済新聞の酒井です。限度額の話は除いて集票力自体については、幹事長はどう見られていますか。
私は昔、郵政族だったのですね。ずいぶん、昔のいわゆる全特にはお世話になりまして、最近は、特定郵便局という言葉自体がなくなったようで、通称全特という言葉はあるようですが、今どうなっているのか、郵政族から離れて時間が経ちましたのでよく分かりません。ただ昔は、特定局長さんというのはそれぞれの地域の古くからの名望家みたいな方がたくさんいらして、影響力もありました。大変集票力もあって、私もお世話になりました。その彼らの力は、「全特だ」というだけではなくて、やはり地域に根を下ろしていたからだと思います。例えば、私の選挙区のある非常に、どちらかといえば過疎地、辺鄙なところで、おばあさんが年を取られて、そこに、羽布団の契約販売みたいなものがどんどん、いくつもやってきてしまって、本人はかなり、お年を取っておられるので、どういう事態が起こっているのかよく分からない。「先生、どうしたらいいのだろう」と相談に来るのは、その地域の特定郵便局長でした。今で言えば、成年後見というような話になるのでしょうね。そういうようなことを一生懸命やって、地域のために汗をかいているという、あのグループの特質は今もまだ完全に失われているわけではないのではないかと私は思っています。
時事通信の大沼です。戦後70年談話に関して、今回、会期幅を決めるにあたって考慮する点の一つになったと思います。閣議決定をする、しないという話が今出ていますが、幹事長は戦後70年談話を今回、閣議決定をする、しないについてのお考えについて伺います。
特段ないのです。ただ、どこにどのくらい、それにウェイトを置くかによってやることが違うと思いますね。ですから、その辺はいろんな選択肢があり得ると私は思います。
時事通信の大沼です。閣議決定をする、しないによる対外的な影響というのはあると幹事長はお考えでしょうか。
それは総理が記者会見などでお答えになったことはそれぞれ重みがあるに決まっていますよね。しかし、それをさらに閣議決定をやった場合では、また意味が違ってくると思います。それぞれの性格もそれによって違いますね。個人的な色彩が強くなるのかというのも違ってくると思っています。その辺は、いろいろな選択の仕方があるのではないかと思います。私はまだ、十分これについては、お話を承ったわけでもありませんし、自分で十分考えたわけでもありませんので、今のは、やや思いつき的なお答えです。