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記者会見

谷垣禎一幹事長記者会見(役員連絡会後)

平成27年6月5日(金) 10:00~10:10
於:院内平河クラブ会見場

冒頭発言

谷垣 禎一幹事長

本日は、町村前衆議院議長の合同葬がございますので、手短に申し上げたいと思います。
高村副総裁からのご挨拶は、1954年に自衛隊を作ったがほとんどの憲法学者が違憲と言っていた。今回の集団的自衛権の限定容認は、自国防衛のため、目的に限ったものだけを認めるものであり、憲法の範囲内であり、最高裁の法理の範囲内のものである。自信を持って緊張感を持ってやっていこうということでした。これについてはまた、その後高村副総裁から補足がございまして、砂川判決、最高裁が判決を出しております。そして、この憲法の最終的な有権解釈権を持っているのは当然のことながら最高裁判所である。その最高裁判所は、砂川判決で言っておりますことは、「憲法9条はわが国が主権国として有する固有の自衛権を何ら否定してはいない」、それから「わが国の存立に重大な関係を持つ高度の政治性を有するものについては、明白に違憲無効と認められない限り条約を締結する内閣および国会にその判定が委ねられている」というような趣旨で書かれているのであるから自信を持ってやっていこうというご発言がございました。
私(谷垣幹事長)からは、国会も山場にさしかかっているので、今、党が努力していること、国会で皆が一生懸命議論していることを視野に入れながら緊張感を持ってやっていこうということを申しました。その上で、より一層の理解促進のために党としても、今週末の6月7日(日)に青年局の全国一斉街頭行動をいたしますが、ここでも平和安全法制というものをきちんと説明していこう。それから今後、全選挙区、全支部長に対して、街頭演説会ないしは車座対話、ふるさと対話というようなものをそれぞれ開催してくれと要請して広く国民に理解を得られるようにしていこう。また、広報本部の方でも平和安全法制を分かりやすく解説したビラを作成して配布する。それからまた、いろいろな広報資料も作っていくのでよろしく活用してほしいということを申し上げました。それから、本日11時から青山葬儀所で故町村前衆議院議長の合同葬が執り行われるのでよろしくということを申しました。
あとは、平和安全法制、年金情報流出問題等々しっかり対応して、緊張感を持ってやっていこうという発言があった次第です。

以上です。

質疑応答

Q
共同通信の比嘉です。憲法審査会について、高村副総裁の論理、最高裁の砂川判決については分かるのですが、今回、集団的自衛権の一部容認では砂川判決の法理の範囲内以上のものを扱っているから違憲であると憲法学者の方々はおっしゃったと思うのですが、これについてどのように説明されますか。
A
この点は私もご発言をもう一度よく精査したいと思っております。ただ、基本的な最高裁の砂川判決の論理がわが国の平和と安全に本当に問題が生じて、わが国民の生存と国の存立が危うくなる場合に何もできないはずはないという基本的な考えに立っているわけでして、砂川判決自体は、集団的自衛権というようなことには言及していない。つまりそういう基本的な論理の中に立っているのだと私は理解しております。そういう砂川判決の理論と今度の法制が矛盾するものではない。その点についてはすでにいろいろ議論等これに関与したものが発言されていると思いますが、その辺りは議論を積み重ねてきたところでございます。基本的に憲法学会には、今も基本的な教科書などを読みましても、自衛隊の存在は憲法違反であるということを言っている方が多いように思います。今現在、つまびらかという用語が適切かどうか分かりませんが、個々の憲法学者、現在の憲法学者の論理をつまびらかに理解しているわけではありませんが、10年くらい前に憲法の教科書をもう1回数冊読みましたときに、そういう印象を持っています。ですから、基本的な立論が、砂川判決というものがありながら、基本的な発想に、この砂川判決あるいは我々の議論と違うところがあるのではないかと私は思っております。やはり我々は、先ほど申しましたように、憲法の有権解釈を決めるのは最高裁判所でありますから、やはり最高裁判所の基本的な論理というものは踏まえて今までこの法制をつくってきたということであります。
Q
共同通信の比嘉です。そうしますと、今後今回の平和安全法制が成立したとしましても、憲法学者の先生方がおっしゃっているように、違憲訴訟が起こされる可能性もあると思うのですが、それについては自信があるということでしょうか。
A
それは、私自身はそのようなことを起こすはずもないわけですが、それはいろいろな意見がおありですから、起こされる方もあるかもしれませんね。
Q
共同通信の比嘉です。それに耐えうる法制であるということですか。
A
私どもはそう思っております。それだけの議論もまた積み重ねてきたということですね。
Q
時事通信の大沼です。9月に予定されている岩手県知事選挙とそれに伴う補選への自民党としての対応をどう考えているかお聞かせください。
A
しっかり準備をしていくということです。
Q
テレビ東京の鵜飼です。幹事長がおっしゃった「緊張感を持ってやっていこう」という発言の意味というのは、昨日のこういうタイミングで憲法審査会に自民党からあのような人選をするということが「緊張感が欠けている」ということなのでしょうか。
A
我々の仕事は、自分の目の前の仕事、自分に与えられた仕事だけを処理していればいいというわけではありません。自分の目の前の仕事については最適のやり方というものがそれぞれあるのだと思います。しかし政治の仕事は全体を見ていかなければいけませんから、そして全体を見ながら収まるところに収まっているという姿を作っていかなければいけないわけですね。だから今、党全体としてどういう方向で仕事が行われているのか、そしてどういうところが今問題なのか、皆がその辺りを十分理解していくということがないと、また緊張感を持ってそういうことを努力していきませんと、部分最適みたいなことだけを求めていたのでは政治にはならないのではないかと私は思っているものですから、先ほどのように申し上げた次第です。