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記者会見

谷垣禎一幹事長記者会見(政府与党協議会後)

平成27年5月18日(月)13:56~14:13
於:院内平河クラブ会見場

冒頭発言

谷垣 禎一幹事長

本日の政府与党協議会ですが、まず菅官房長官からは、ひとつは、国会に平和安全法案を提出した。丁寧に説明して国民の理解を得たいということでした。もうひとつは、今週末、福島県いわき市での太平洋島サミットに総理がご出席になるということでした。
私(谷垣幹事長)からは、平和安全法制法案が閣議決定され国会に提出されて、これまでの与党協議のメンバーをはじめ大勢の方にご尽力いただいたことに感謝申し上げる。また、国会での審議は、菅官房長官のお話とも同じですが、丁寧に説明を行って、国民の理解を得ながら成立に向けて全力で取り組んでいきたい。その他の重要法案についても、成立に向けて政府・与党連携してしっかりやっていきたいということを申し上げました。
井上公明党幹事長からは、平和安全法制は、速やかに審議入りをしたい。国民の理解が必要なので、丁寧な説明をお願いしたい。また、来年度予算に向けた議論が始まるが、しっかりやりたい。それから、復興予算については、一部自治体負担の話があるが、復興の足かせとならないように被災地の理解を十分得てやっていくことが必要だ。また、統一地方選挙は終わったが被災地の選挙はこれからなのでしっかりやっていきたいというお話でした。
佐藤国対委員長からは、平和安全法制は速やかに審議入りすべく努力していきたい。また、近々の本会議日程についてのご報告がありました。
大口公明党国対委員長も、ほぼ同じご発言でした。
吉田参議院国対委員長、長沢公明党参議院国対委員長からは、それぞれ参議院の本会議日程、委員会日程についてお話がありました。
溝手参議院会長からは、参議院選挙制度改革について、これまでの経過と今後の運びについてご説明がありました。自民案を出そうと検討中で、その上で各党協議をスタートしたいということでした。
魚住公明党参議院会長からは、大詰めを迎えるので連携してやっていきたい。また、参議院選挙制度改革については、最高裁判所の判決も出ているのでしっかりまとめていきたいというお話でした。
伊達参議院幹事長からは、統一地方選挙について、また後半国会でもしっかり成果を挙げていきたいというご発言がございました。
西田公明党参議院幹事長からも、信頼関係でしっかり成果を挙げていきたいというご発言がありました。

以上です。

質疑応答

Q
NHKの瀧川です。魚住公明党参議院会長の「大詰めを迎える」というご発言は、何についてのものですか。
A
これは、参議院の選挙制度改革についてです。
Q
NHKの瀧川です。本日の政府与党協議会の中では、昨日の住民投票についてやり取りはありましたか。
A
ありませんでした。
Q
NHKの瀧川です。昨日の住民投票については、幹事長はかねてから「府連にシンパシーを」という発言をされていますが、結果についてどのように判断されますか。
A
基本は、常々申し上げているように、こういう制度は確かに国会で作ったが、基本はそれぞれの地域で判断していただくべきものだと申し上げてきました。党本部も基本的にはそのスタンスでいるわけですが、わが党の大阪府連が、いわゆる都構想については反対の立場でありまして、ご承知のとおりですので、大阪府連もこういう結果、非常に僅少差の結果でしたが、相当努力をされたと思います。ただ、残る問題はやはりいくつかあるわけです。と申しますのは、私の京都でも政令指定都市と京都府というものがあるわけで、この二つの問題はなかなかデリケート、おそらくどこの政令指定都市と都道府県の関係も、いかにして二重行政の弊を大きくしないでスムーズに運営していくかということに腐心をされているだろうと思います。大阪についてもそういう問題はやはりあるのだろうと思いますね。それから、大阪をどう発展させていくか、この議論の背景にもそういう問題意識があったのだろうと思いますが、そういう問題はまたきちっとやっていただかなければいかんということではないかと思います。
Q
TBSの加納です。自民党が党是としている憲法改正についてうかがいます。この住民投票の結果を受けて、維新の党の力がどういう形になるかというのが今後の焦点になるかと思いますが、改憲への進め方に関してどういった影響があるとお考えでしょうか。
A
憲法改正というのは、非常に国民の、今まで我が国は経験したことがないというと少し大げさな表現になるかもしれませんが、経験したことがないわけです。したがいまして、どういう手順・段取りでどういう内容のものをやっていくかということについては、よく国民の理解を得ながらやっていくという基本性が必要だと思います。そういういわば息長い問題であるわけですね。今のご関心は、今度のこの大阪のいわゆる都構想というもので、これがどう影響してくるかというご関心だと思いますが、これはもう少しよく見てみないと分かりませんが、都構想の問題とは別に憲法の問題は極めて息の長い問題であるのだと、私はそういう認識です。
Q
TBSの加納です。参議院の方では自公の2/3がまだ得られていない状況で、これから野党に呼び掛けていくということが考えられると思います。そういった、都構想とはまた別問題だと思いますが、政権運営で国会の数の問題もいろいろとあると思いますが、それをどのように進めていくかということについて改めてお聞かせください。
A
もし都構想との関係でおっしゃっているのならば、今まで維新の党には国会運営上いろいろご配慮をいただいてきたということでございます。これからもそういうことがあってほしいと思っておりますが、よく状況を見ていくということでないでしょうかね。
Q
橋下大阪市長は昨日の会見で、12月の任期をもって政界を引退するということを表明しましたが、これまでの橋下氏の政治手法に関して幹事長はどのように評価されていますか。
A
あまりよく存じ上げていないのですよね。私と違って非常にメリハリのきいた表現と行動を好む方ではないかと思っております。そこがまた人気があるゆえんなのではないかと思います。
Q
NHKの瀧川です。橋下氏の政界引退についてはどのようにご覧になりましたか。
A
よく分かりません。
Q
共同通信の比嘉です。橋下氏はこれまで安倍政権との協力をかなり明確に示してきたと思います。それを受けて、官邸側も大阪府連と違って都構想への理解を一定程度示すような言動がありました。橋下氏が維新の党からいなくなることで、維新の党の野党としての存在感がより野党的になるのではないかという見方が強いと思いますが、この点はどう思われますか。
A
これも、私は維新の党ではありませんので勝手な推測をしても始まりませんね。ですから、よくこれからの動きを見ていくということしかないのではないかと思います。
Q
憲法もそうですが平和安全法制に関しても、橋下氏が残るのであれば今後自民党と修正協議ができるのではないか、あるいは野党の中でも維新の党は自民党や公明党と歩調を合わせることができるのではないかという期待感があったと思います。橋下氏がいなくなることで平和安全法制の審議に影響があるとお考えですか。
A
2番目の野党の党首でいらっしゃるわけですから、その方の去就が全く影響がないとは思いませんが、まだよく分かりません。
Q
時事通信の大沼です。官邸側は、都構想に関して理解を示す発言をしてきたと思いますが、大阪府連が反対する中でこういう結果になったことについて、官邸のこれまでの行動について幹事長はどう思われますか。
A
官邸も基本的に「これは大阪で判断するものである」というお考えでないかと私は理解してまいりました。その意味では、私が申し上げていることと官邸とは、平仄がぴたりと合っていると私は考えております。ただ、要するにこういう制度、特別区を大阪にしていくような制度自体はわが党も関与したものである。つまり今の政令指定都市の制度を見て「こういう選択肢も必要なのではないか」という判断は、当時中心になって進められたのは菅官房長官ですから、菅官房長官には当然おありだろうと思います。私も政令指定都市のある京都で仕事をしておりますから、いかにして二重行政等々を排するかということに、どういう工夫かは別としまして、工夫が必要だという観点では同じだと思います。
Q
朝日新聞の笹川です。昨日の住民投票の結果について、各社の出口調査を見ますと、自民党支持層の4割くらいが賛成を投じている。各政党支持層を個別にみると、自民党だけ二分されているような形になっているのですが、この結果についてどのようにご覧になるでしょうか。
A
私も大阪選出ではないので細かには分かりませんが、政令指定都市と都道府県の関係、それぞれ先ほど工夫がいると申しました。なかなかそれぞれ工夫されているのですが、うまくいっているところ、うまくいっていないところがやはりあると思います。大阪はどちらかというと今まで非常に上手におやりになっていたわけではないと思いますので、そういうことに対する府民の評価はいろいろだろうと思います。都構想みたいな形でやるのは間違いだという方も、「もう少し府と市がうまく協調してくれないか」という気持ちはおありだろうと思うし、また意見が分かれた中には、そういう府市の協調を求める方を重要視された方は賛成に回る。しかしそうは言っても急に変わる、あるいは大阪市というものがなくなるということに不安をお持ちの方もいらっしゃる。それは反対に回る。ここはなかなか微妙なところではないかと思いますが、大阪選出ではありませんので、的を射た論評かどうかは自信がありません。
Q
朝日新聞の笹川です。二重行政の不満というのももちろんあったと思いますが、この間の官邸と党本部の間で温度差があると報じられたり、また大阪の方で自民党と共産党などほかの党が一緒に訴えたりするというようなことに対する支持者の反発があったとはお考えにならないでしょうか。
A
官邸と党でやや面白おかしく対比表などを作っていただいたことはないわけではないと思いますね。私も関西選出の議員ですからまったく分からないわけではないのですが、「維新旋風」というのは、一時期は相当猛威を振るったわけで、わが党の、例えば京都でもそこに維新の党を名乗る者が立候補しぶつかってきた、ついこの間までの同士がそうだったというようなことがまったくないわけではないので、大阪の議員ももちろんのことながら関西の議員の中には、やはり維新の党に対して極めて複雑な感情があったことは間違いありません。そういうやはり非常な、いってみれば天才ですよね、橋下さんという人は。非常な天才に向かって苦労したわが党の同士が、ちょっと平常な状況では多分理解に苦しむような場面もないわけではなかったのかなと思います。
Q
産経新聞の豊田です。昨晩、住民投票の結果を受けて公明党や野党各党の幹部の方々にマスコミ対応などをしていただいたのですが、自民党には応じていただけませんでした。この理由について教えてください。
A
理由は明快です。つまり、これは基本的に大阪で判断すべきものだから、東京に普段いる幹事長が出ていって話をするべきものではない。大阪府連会長にお願いしたいというのが私の判断でございます。
Q
産経新聞の豊田です。官邸と党との関係性を考慮されて、表立った幹事長の立ち位置を表明するのを控えられたということではないのですか。
A
そういうようなことは、私は音痴ですのであまり考えませんでした。