ニュースのカテゴリを選択する

記者会見

谷垣禎一幹事長記者会見(役員連絡会後)

平成27年5月15日(金) 10:30~10:45
於:院内平河クラブ会見場

冒頭発言

谷垣 禎一幹事長

今朝の役員連絡会ですが、高村副総裁からのご挨拶で、平和安全法制が閣議決定され本日、国会に提出された。今までいろいろな作業をやってきたが、それは全て準備作業であって、これからの国会の論戦が本番である。政府の丁寧な説明、そしてそれを引き出せる質問をやってほしいということでした。
私(谷垣幹事長)からも、高村副総裁の話に尽きるが、これから丁寧な説明を行って国民の理解を得ながら成立させられるように全力を挙げるということを申しました。
本日は参議院本会議がございますので、参議院の方から発言がありました。
溝手参議院議員会長からは、本日は参議院選挙制度改革について本会議後、議員総会を開いてもう少し煮詰めていきたいというお話でした。
佐藤国対委員長からは、平和安全法制の国会提出に伴い特別委員会を設置するため本日、与野党国対委員長会談を開くというお話でした。
茂木選対委員長からは、参議院選挙候補の選任について通達を各都道府県連に送付した。準備を加速していきたいというお話でした。
稲田政務調査会長からは、平和安全法制の国民理解が図れるような対応をしていきたいというお話でした。説明資料等をしっかりしたものを作っていこうということだと思います。
二階総務会長からは、参議院選挙に向けた準備をしっかりやっていこうという趣旨のお話でした。

以上です。

質疑応答

Q
京都新聞の高橋です。大阪都構想の住民投票が今週末、最終盤を迎えるわけですが、党としての対応はどのようにお考えでしょうか。
A
もうこれは度々申し上げておりますが、党というか党全体としてどうというよりも大阪市をどうしていくかということは基本的に大阪で判断されるべきことであるというのが基本的な立場です。ただ、わが党の大阪府連はこの問題に反対をしている。それから、関西選出のわが党の議員の方々からも「これには反対である」というような署名が集まっておりまして、私のところにも届いております。したがいまして、わが党の大阪、それから関西の同志は、この問題に対しては反対ということはしっかり踏まえていかなければいけないとは思っております。
Q
読売新聞の天野です。都構想に関連して、党としての考え方は今幹事長がおっしゃられたと思いますが、例えば都構想に賛成の方々は「二重行政の解消」や「政令指定都市」をなくして「特別区」とすることなどを挙げたり、また例えば東京都の特別区になったことによるデメリットを強調される方もいます。都構想のこうした争点をどのようにご覧になっていますか。
A
私は、そもそもから言いますと、「都構想」と皆さんおっしゃるがなぜ「都構想」なのか実はよく理解できておりません。「都」というとやはり「首都」というイメージがありますのでね。これは脱線ですが、私のような京都府選出の者からすれば、「京都市はまだ『都』だというのならそれは分かる」と思います。結局、政令指定都市がある道府県と政令指定都市の間というのはいろいろ問題があることは事実なのですね。なかなかすんなりすっきりいっているというところばかりではない。相当そこに軋轢なりいろいろな問題がどこも抱えていると思います。ですから、私は京都府と京都市という政令指定都市があるのですが、私のところでは常に、事あるごとに「府市協調」ということを府も市もおっしゃるということは、やはり常にそれを唱えて努力をしないと、二重行政の弊ということが起きてくる。そういうことで「府市協調」ということを唱えているのだろうと思います。ですから、そういう問題はずっと政令指定都市の制度にはあることは事実で、それを乗り越えて、完璧な制度というのはなかなかありませんので、そういう制度の問題点をどう乗り越えていくかということでそれぞれの地域で今まで工夫があったし、うまくいっているところとうまくいっていないところがある。そういう意味では、大阪は比較的この問題の処理に今までご苦労されてきたのかなと思わないでもありません。
Q
共同通信の比嘉です。平和安全法制について、役員連絡会で今後の国会審議の進め方について「丁寧な」というお話があったと思うのですが、その他何かご意見はありましたか。
A
「丁寧な」ということもありますが、もう一つはやはり「分かりやすい」ということですね。要するに、これを一生懸命推し進めてこられた方々、一生懸命研究してこられた方々は、それだけやはり多くの知見を持っておられますので、そういう専門家のお話というのは非常に高度なものであればあるほどややもすれば全体像がつかみにくかったりということがあるわけですね。高村副総裁が、当時私も防衛政務次官をやっていたりしたのでよく分かるのですが、初めてPKO、国連平和協力法というものを作りましたが、それは結局廃案になってしまった。今日、PKOでずいぶん自衛隊がたくさん出ていってもらっているわけですが、最初のころはなかなかその仕組みを作るのに苦労しましてね。これは、こういう表現をすると報道の皆さんに失礼かもしれませんが、まだ最初どういうものか、PKOというものが十分理解されていなかったということもあるのですが、「自衛隊、海外へ」というような表現で、F15が飛んでいたり戦車が走っていたりというような映像があると、「お、戦争に行くのか」というイメージが拡散してしまう。しかし、現実にPKOで今までF15を持っていくとか戦車を持っていくなどいうようなことはやっていないわけですね。だからあのときも、高村副総裁に言わせると、「必要な議論は、『何をやりたいのか』、『必要性は何なのか』、『ではそのときにF15は出すのか、戦車は出さないのか』というような分かりやすい議論をしなければいけない」ということです。高村副総裁は当時、その委員会の理事でいらっしゃいました。私も、そういう本当に必要な、「なぜこれが必要なのか」というようなことをやはりまず分かりやすく説明していくことが大事なのではないかと思います。
Q
共同通信の比嘉です。今のお話は、役員連絡会でもそのような意見が出たのですか。
A
そうですね。
Q
共同通信の比嘉です。どなたから出ましたか。
A
いろいろな人から出ました。とかく勉強すると知識をひけらかしたくなるというのが人間の弱点なものですからね。
Q
テレビ東京の鵜飼です。幹事長もしくは安倍総理も、平和安全法制について「丁寧な説明や議論」ということをおっしゃっています。丁寧さというのは、例えば野党側は10本の法案を総まとめで一つとして出すというやり方に反発をしていますが、自民党のおっしゃる「丁寧さ」というのはどういうところで表していかれるおつもりですか。
A
文字通り「丁寧」というしか言いようがないのですよ。「『丁寧』は時間で計ればいくらになりますか」と言われても、なかなか今の段階でお答えしにくいですよね。やはり、こういう表現が適切かどうか分かりませんが、我々は新しいことをやっていくときには、「こんなこと当たり前ではないか」というようなことで丁寧に、「噛んで含めるように」というと親が子に教えるような表現で少し上から目線的なものが出てきてしまうので適切かどうか分かりませんが、そういう言葉で表現されるようなところが必要なのではないかと思います。
Q
テレビ東京の鵜飼です。名称について、今まで「安全保障法制」だったのが今週に入ってから「平和安全法制」へと変わりました。先ほどの大阪都構想の話でもあったように、幹事長ご自身も名称というものにこだわりをお持ちだと思いますが、名称を急に変えなければならなかった理由は何でしょうか。
A
理由というのは分かりませんが、そういう平和安全法制という名前もなかなかいいではないかと私は思いました。実は、西洋世界にもあるのかもしれませんが、東洋の世界は名前にこだわるということがありまして、私はあまり名前にこだわる方ではないのですが、名前にこだわると自ずと秩序が明確に現れてくるというような考え方が、特に中国に強くて、日本も中国の影響を受けましたからそういう考え方がないわけではないですね。中国などではいろいろ例がありまして、学派の争いの中でも、相手の学問は思想的に間違っているということになると、「偽」というのをつけて「偽~学」や「偽~学派」と呼ぶのです。それで、相手のことを言うたびに「偽」というのをつけて言うわけですね。あまり美しい言語習慣だとは思わないのですが、それに類したことがわが国でもまったくないわけでもなくて、そういう言葉の魔術から少しでも解放されたいなという気持ちはあるのです。
Q
朝日新聞の笹川です。名前にこだわるというのは大事だと思いますが、野党の一部からは「戦争法案」だというような話があって、総理の方は「それはレッテル貼りだ」とおっしゃっている。今、政府・与党が「平和安全法制」という名称を使われるようになって、「戦争法案」と「平和安全法制法案」という名前の方に焦点があたってしまって本質の議論が見えなくなってしまうというようにも思いますが、ネーミングがクローズアップされることについて幹事長はどのようにお考えですか。
A
まずやはり「戦争法案」だという方が、誤解と悪意に満ちているのではないかと私は思いますね。