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記者会見

谷垣禎一幹事長記者会見(役員会後)

平成27年3月30日(月)18:00~18:16
於:院内平河クラブ会見場

冒頭発言

(役員会の内容説明)

谷垣 禎一幹事長

本日の役員会ですが、安倍総裁からは、リー・クアン・ユー元首相の国葬に参列した。また、いろいろな首脳とお会いした。そして朴槿惠大統領とも話をすることができた。早期の首脳会談開催に努力していこうということを申し上げたということです。それから、高村副総裁、二階総務会長もご出張お疲れ様でしたというご発言がありました。また、暫定予算の成立はご苦労さまでした。続いて平成27年度予算成立へ頑張ろうということでした。
高村副総裁からは、訪米の簡単なご報告がありました。
私(谷垣幹事長)からは、安倍総理、高村副総裁、二階総務会長のご出張の慰労と、暫定予算を成立させることができたが、引き続き平成27年度予算の成立を頑張ろうということを申し上げました。また、統一地方選挙が次々と道府県知事選や政令市長選、そして来週からは道府県議選も始まるということでしっかりやっていこうということを申し上げました。
佐藤国対委員長からは、暫定予算を成立させていただいてありがとうということと、統一地方選挙の最中だが法案処理を促進していきたいということでした。場合によっては、統一地方選挙中でも審議や本会議があり得べしということだろうと思います。
吉田参議院国対委員長は、本日は国対委員長会談のためご欠席でしたので、伊達参議院幹事長が合わせてご報告されまして、日切れ法案の年度内成立を努力していきたいということでした。
溝手参議院議員会長からは、なかなか難儀な状況であるが頑張りたいということでした。
茂木選対委員長からは、統一地方選挙の状況についてのご報告がありました。
二階総務会長からは、訪中のご報告がありました。
細田幹事長代行からは、衆議院の選挙制度調査会の各党ヒアリングのご報告がありました。

以上です。

質疑応答

NHKの瀧川です。溝手参議院議員会長の「難儀な状況」という発言は何を指しているのでしょうか。
日切れ法案の処理等々ではないかと思います。
読売新聞の天野です。本日の衆議院の予算委員会でも引き続きましたが、安倍総理の「わが軍」発言について野党から質問があったということです。安倍総理はそれに対して「防衛政策などをもう少し議論した方が生産的ではないか」という発言もありましたが、野党の姿勢も含めて幹事長はこの議論をどのようにご覧になっていますか。
中身を議論していただく方が生産的ではないかというのは私も同様に思います。言葉のニュアンスのような議論がいたるところであるのですが、あまりニュアンスみたいな議論をやっていきますとそれぞれの人の感覚などで、話がなかなか進まないというか拡散することがあると思いますので、やはり具体的な事実に基づくというか、私はそういう議論の方が生産的だろうと思います。
共同通信の比嘉です。前回の記者会見でも「わが軍」発言について質問が出まして、幹事長は自衛隊の成り立ちについて「国際法的に言えば軍隊と見られてもおかしくない」とご発言されています。
「おかしくない」ではなく「見られている」ということです。国際法的にはこれは軍隊であるということです。
共同通信の比嘉です。そうした言葉のニュアンスの話をされたと思いますが、「軍」というところではなく「わが」という発言について、総理大臣が自衛隊のことを自分の軍と発言しているということに対する批判もあると思います。このあたりはどのようにご覧になっていますか。
「わが国」や、知事さんなどは「わが県」とおっしゃることがありますね。それに対してはあまり批判がないように私は思いますので、どこが違うのかというとまたそれぞれの言葉の陰影、谷崎潤一郎も『陰翳礼讃』という本をお書きになっていますから、陰影を論うのが日本人は好きなのかもしれませんし、それもまったく意味がないとは、私は谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』の大ファンなので。何を言っているのかだんだん分からなくなりましたのでこれでやめます。 
北海道新聞の村田です。統一地方選挙の関係で、北海道知事選は与野党対決型となっていますが、自民党系の現職の対立候補は、「原発推進か脱原発かの住民投票だ」というようなことを今回の知事選の位置づけとして語っていて、原発政策を大きな争点の一つとして位置付けていますが、この北海道知事選の状況についてどのようにどのようにご覧になっていますか。
状況というのは、原発政策をめぐって論争していくということについてですか。私は、かねがね申し上げておりますが、やはりエネルギーの将来、それからもう一つは労働力の将来、やはり労働力とエネルギーというのは経済の根幹にあるものですから、その二つがなかなかまだすっきりした議論が、整理できていないところが、いろいろな議論の、隔靴掻痒(かくかそうよう)というと言葉が適切かどうか分かりませんが、いろいろな議論がクリアにならないのは、そこの議論がまだ詰まっていないからだと思います。ですから、そういう問題提起をされるのは十分意味のあることだと思いますが、私はまだいろいろな論点が十分に整理できるところまでいっていないのかなという気持ちもございます。やはり、ああいう福島のいろいろな問題が起こった後、いろいろな問題点を整理していくにはまだいろいろな解明とか処理の具体的な道筋などがもう少し明確になっていく必要があるように思いますので、議論することは非常に大事なことですが、私自身はそういうことも含めて議論をしていかなければいけないので、やや今のところは、私自身はあまり踏み込んで議論を行うほど煮詰まっていないのではないかと思っています。
北海道新聞の村田です。政権との違いを知事選の争点に打ち出す点で言えば、沖縄県における普天間飛行場の辺野古移設が争点になった選挙が記憶に新しいかと思います。こういった地方選挙で国政問題が争点になることについて、幹事長はいかがお考えでしょうか。
それは、選挙結果と実際の当選された方のその地域での政治の進め方に、こういう言葉が妥当かどうか分かりませんが、直接その知事の権限ではないような議論に踏み込んでいかれる、それも一つそういう民意があるということでおやりになるのだろうと思いますが、時としてリアリティを欠いて、観念的な争いを増幅することも無しとしないので、私もかねがね申し上げている立場からすれば、「そういうことは生産的かな」という思いもないわけではありません。
共同通信の比嘉です。本日情報監視審査会の初会合が開かれまして、特定秘密に対するチェック機能の一つが動き出したということですが、政府に対して開示要求など強制力を持たないという点が批判されています。情報監視審査会についての、実効性という意味でのお考えをお願いします。
私はやはり、これはそんなにしょっちゅう連日議論するというような仕組みでは必ずしもないのでしょうが、やはり最初にどういう議論の仕組みなり慣行を作っていくかということが大事ですね。ですから、最初の議論はしっかりやっていただかなければいけないなと思っております。
共同通信の比嘉です。実効性という点ではいかがでしょうか。
それは、最初にどういう組み立てをしていくかということと大きく関連しているのだろうと思います。そこの整理がきちんとできなくて、よくこういう委員会で、常にというわけではありませんが、中が対立してしまってなかなか進まないというようなことも無きにしも非ずですね。だから、やはり最初に英知を尽くして機密の運用はどうあるべきか、機密指定が過度にわたらないように、あるいは必要なものはきちんと機密指定されるようにしていくにはどういうルールなり運用をしていけばいいのか、最初の議論が極めて重要だと思います。
NHKの瀧川です。沖縄県の翁長知事が、辺野古沖での作業の中止を指示したのに対して本日、林農林水産大臣が一時的に効力を停止するという決定をしました。これについて幹事長の受け止めをお願いします。
今度の決定は、沖縄防衛局からなされた執行停止の申し立て、これに対して林農林水産大臣が、これは水産資源保護法を所管するという職権を持っておられるわけで、その立場から判断をされたということだろうと思いますが、だいぶ行政法も私が勉強した当時とは違いますので、あまり法的な仕組みを私もにわか勉強しかありませんので、そういうことだろうと承知しております。
日本テレビの矢岡です。中国が主導するAIIB(アジアインフラ投資銀行)の創設メンバーの締め切りが迫っていますが、政府はまだ入る発表をしておりません。幹事長は先週中国に行かれてそういったことが話題になったということはありますか。
私の会談の直接のお相手からは特にそういう問題提起なりご議論があったわけではありません。ただ、いろいろな機会に食事をしたりしておりますので、そういうなかで、中国のまだ比較的若い方からそのようなことのご質問がございました。
日本テレビの矢岡です。どのような会話をされたのですか。
「それについてはどのようにお考えですか」というようなお問いかけです。
日本テレビの矢岡です。幹事長は、AIIBに入るか入らないかということについてどのような観点で考えるべきだと思いますか。
私は、政府などから直接どうするかという話を聞いているわけではないが、日本政府の関心事というのはやはりガバナンスである。各国から巨額な金を拠出して運用するときに、やはり全体の透明性や意思決定に対するきちんとした監視ということもあるでしょう。そういうガバナンスが確立されないといかんというのが日本政府の主張だと思います。日本政府の関心はそこにあるのではないかということを申し上げました。
日本テレビの矢岡です。どなたにおっしゃったのですか。
どなたというよりも、いろいろ大幹部から中堅の方などその席にはいろいろいらっしゃいますから、中堅の方というべきかな。そういう方からご質問がありました。
共同通信の比嘉です。本日の役員会の総理の発言で、「早期の首脳会談開催に努力していこうということを申し上げた」ということですが、これは朴槿惠大統領との日韓首脳会談なのか、それとも日中韓首脳会談ということなのでしょうか。
そこはあまり明確ではありませんでした。
NHKの瀧川です。暫定予算が本日成立しましたが、改めて受け止めをお願いします。
暫定の所感というよりも平成27年度予算を一日も早く成立させて執行できるようにしなければいけないということに尽きますね。