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記者会見

石破茂幹事長記者会見(役員連絡会後)

平成26年7月8日(火)10:38~10:55
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

(役員会の内容説明)
石破 茂幹事長

【石破茂幹事長発言】

「昨日付で党所属国会議員、地方議員に対し、幹事長名で不規則発言等々に対する注意喚起の通達を発出したところである。とにかくわが党の倫理綱領があり、その該当箇所も添付した。わが党が他党の範たらんということで、自民党はきちんとしているということでなければならない。そういうことで、これはかなり意図的に努力をしていかなければいけないと思っている。ご指摘、ご批判を受けることのないように徹底したい」
「台風が接近中であり、多くの被害が起こることも心配されている。『空振りは良いが、見逃しは駄目だ』という話で、いろいろな避難勧告等々、これはかなり前から指摘をされている。そういう勧告を出して、避難したら、何も被害がなかった、ひどいではないかというようなお話があって、躊躇する傾向が全くないわけではないが、それでも良いということだ。これはこういう基準を満たしたならば勧告を出さなければならないとか、そのような仕組みが未だ整っていないので、その整備は必要だという認識を持っているが、それはそれとして、被害が生じないように、態勢をとっていかなければならない。万が一、そういう被害が発生をした場合には、政府与党として、速やかな対応をしなければならないということを確認したところである」
「滋賀県知事選挙は予断を許さない状況であり、これは党の総力を挙げて、あと5日間臨んでまいりたい」
今日の役員連絡会では、その徹底をしたところであり、直ちに対応に移っているという状況である。

質疑応答

NHKの西井です。冒頭の高村副総裁のご挨拶で、集団的自衛権の法整備についてのお話がありましたが、役員連絡会で、関連する発言等はありましたか。
特に発言はありませんが、広報本部長から世論調査についての報告がありました。「議論が十分であるか」という問いに対して、「十分だとは思わない」とか、「抑止力が増すか」という問いに対しまして、これは、共同通信とJNNの調査では、共同通信では「高まる」という方が12.6、「どちらかといえば高まる」が21.4、「どちらかといえば戦争に巻き込まれる可能性が高まる」35.6、「巻き込まれる可能性が高まる」が25.5、JNNの問いに対しては、「高まった」は34.0、「そうは思わない」というのが56.0でした。抑止力は目に見えないので、抑止力というのは、要は相手方にそのような試みを起こす動機を抱かせない、その力をもって抑止力と言っております。おさらいで恐縮ですが、抑止力は懲罰的抑止力と拒否的抑止力、この2つに分かれるわけです。「そんなことやってみろ。倍返しだぞ。ひどい目に遭わせてやるぞ」というのが報復的抑止力ですが、これは自衛権の行使、すなわち国連憲章により、戦争は違法化をされているのです。戦争に巻き込まれるというのは、この世の中に、国連が取り締まるこの世の中において、戦争というのは違法化されております。ただ、例外として、集団的自衛権、個別的自衛権、そしてまた集団安全保障という、武力の行使が認められているのであって、これは戦争とは申しません。自衛権の行使です。その自衛権の行使の3要件の中に必要最小限という要素が入っていますので、報復的抑止力を概念として持つことはいたしておりません。従いまして、拒否的抑止力、そのようなことをやっても企図したところの効果が生じないという拒否的抑止力を主眼とするものです。と言っても、拒否的抑止力も懲罰的抑止力も、学校で習うものでも何でもありませんし、目に見えるものではありません。この抑止力とは何かという議論は、本当に論文が何百本もあるほどの深い議論でありまして、私も全部読んでいるわけではありません。抑止力とは何であるかということからきちんとご理解いただき、そして戦争に巻き込まれるというお話がありますが、自衛権の行使と戦争というのは全く別個の概念です。そういうこともどこでも教えていませんので、きちんとご理解いただくためには大変な努力が必要であるということは、よく承知をいたしておるところです。ですから、この世論調査の結果の報告が広報本部長からあり、広報本部長から、なお一層の努力が必要であるという指摘があったところです。
NHKの西井です。幹事長は先日来、「国民にわかりやすく説明するための資料づくりも進めていく。あるいは地方議会向けの説明会も開催する」というような取り組みをおっしゃっていましたが、具体的に進んでいるのですか。
これは、とりあえず第一弾として「Jimin NEWS」を発出をしたところです。これは、いわゆる、よくある質問、「なぜ今なのですか」とか、「戦争に巻き込まれるのではありませんか」とか、「憲法改正が筋ではありませんか」とか、甚だしきに至っては「徴兵制になりませんか」とか、昨日も北海道でご質問を頂いたのですが、「自衛官たちが不安に感じていませんか」とか、いろいろなご懸念、ご意見があるところです。そういうものにどうお答えするか、論文を書くわけではありませんので、そのようなご懸念、ご批判に対して、こう言えばわかっていただけるということを、かなり試行錯誤的にやってみなければなりません。これは全国津々浦々、あちらこちらで、一昨日岩手で聞いた話で、やはり街頭演説していると、「集団的自衛権行使容認であるならば、あなたは応援しない」という方もいたそうで、そういう、それぞれの地域で演説してみて、こういう反応であった、こういう質問があったというのをかなり丁寧に拾っていきたいと思っております。この集団的自衛権の議論がこれからどうなるか、閉会中審査もあります。その法制の整備のスケジュールもありますが、かなりよく精査をしながら、わかりやすいものというものをつくっていきたいというふうに思っておりまして、その作業の段取りを今、整えているところであります。
テレビ朝日の水頭です。沖縄県知事選挙について、昨日、沖縄県連が現職の仲井眞知事の擁立の方針を固めましたが、それを受けて党本部の今後の対応と、公明党との調整をどのように行っていくかをお聞かせください。
それは全てこれからのお話です。県連として正式に決めたという報告はまだ受けておりません。県連会長から連絡があるわけでもありません。従いまして、今後の対応は、県連が正式に決めたということを確認し、その状況をよく把握をした上で対応を検討してまいりたいと存じます。
沖縄県連として、こう決めたというお話であれば、それは尊重すべきは当然のことだと思っております。ただ、そこをきちんと聞かない上で、あれこれということを申し上げるということはできません。地方選挙においては、その地域でどれだけ態勢が整うかということを、まず考えてやっていかなければなりません。当然、どこの選挙もそうですが、自公協力ということでやってきているわけで、その状況というものを見ながら、判断をするということです。
読売新聞の工藤です。先日、安倍総理が安保担当の大臣を設置することを表明されました。人事は総理の専権事項だとは思いますが、党内には、安保に精通した高村副総裁、石破幹事長がふさわしいという声もあります。幹事長はどのような人材がふさわしいとお考えですか。
人事について、私が発言するべきことでは全くありません。総理が発言いたしましたように、この安全保障法制というのは、提出された法案の理解だけでは十分ではなく、例えて申し上げれば国連憲章、あるいは日本国憲法、刑法総論、あるいは海上保安庁法、周辺事態法等々、全て一連の法体系、あるいは過去の答弁、そういうものが答弁者の中できちんと整理されているということが必要だと考えております。いつも申し上げますように、私どもは十数年この議論をいたしてまいりました。そういう問題に精通した者は、党内に何人かいるはずだと思っておりまして、総理がそういうところをよく勘案をされながら、もし、必要とされれば、ご判断になるということだと思います。誰がどうのこうのということは、一切口の端に乗せるべきことではありません。
朝日新聞の三輪です。滋賀県知事選挙について、党として、党を挙げて戦うということですが、具体的に何かその方針というのはあるのですか。これまでと違う形ということで、何か考えているのですか。
それは選挙というのは、常に基本に忠実にということです。どれだけ大勢の方々に「お願いします」という声がかかるかが基本でして、滋賀県におきまして、どういうルートで、もちろん選挙事務所において、ずっと電話作戦はしていただいています。それはそれで当然のことですが、例えば業種のつながりとか、団体のつながりとか、あるいは議員のつながりとか、そういう何らかのご縁をたどってお願いをするということを、これを重畳的にやっていかなければならないものではないかなと考えております。
朝日新聞の三輪です。各社の情勢調査で、相手候補のほうが上回っているというデータもあり、もし小鑓候補が苦戦しているとするならば、何が一番影響しているとお考えになりますか。
それはやはり、知名度というものが一番だと思っております。数か月前まで中央で経済政策に邁進していた小鑓さんを、地元の要請等々があり候補者にしたわけですが、それは、衆議院議員を4期も務められた方に比べて、それは知らない名前は書けないのでありまして、知名度ということが一番だと思っております。かてて加えて、非常に県民の間に根強い支持がある嘉田知事の後継者であるということで選挙運動を展開しておられるということでして、それも力というものが、ある程度あるということかと存じます。おそらく、ご質問の趣旨は、いろいろな自民党に対するご指摘、ご批判、そういうものがあるのではないかということを予想してお聞きになったのかというふうに思いますが、それは当然、そういうこともあるでしょう。滋賀県知事選挙ではありますが、わが党が責任を持って推しております以上は、わが党に対するご批判が影響を与えるということになれば、これは党として大変に申しわけないことだと思っております。候補者、あるいは滋賀県政に直接影響があること以外で、支持というものに影響が出ているということも否定はいたしません。そういうことについては党本部の責任ですので、きちんと誠意ある対応をして、地元で頑張っている皆様方にお応えをするのは当然かと存じます。
共同通信の蒔田です。集団的自衛権について、先日、総理や官房長官も、今後の関連法の整備は一括して、1年ぐらいかけてじっくりと議論したいということをおっしゃっていました。グレーゾーンとか、できたものから審議という考え方もあるかと思いますが、この進め方について、どのようにお考えでしょうか。
それはいろいろな考え方があります。抑止力の発現というものを目指すものですから、できれば、早いものから、できたものからという考え方も一理も二理もあるでしょう。しかし、全体を整合させて議論をさせなければいけないということを考えた時に、全部が一体となって鳥瞰図的に法体系として、でき上がったということが必要であるという考え方もあります。新聞報道でしか存じませんが、できたものからという考え方よりは一括してという形だということにも、それなりの説得力があろうかと思います。今、閣議決定して、法案が書ける状況にようやくなったという段階ですから、その法案を、とにかく大車輪で、これから先やっていく。そうするとだんだん見えてくるのだと思います。どれぐらいのボリュームなのか、そして全体の整合をどう取るか、そしてまた、法案を提出する時には、これは有事法制でもそうでしたし、テロ特措法、イラク特措法でもそうですが、法案ができただけではだめで、少なくとも、私がその手の法律を手掛けておりました時は、ありとあらゆる想定問答まできちんとつくるということが態勢としては望ましいと思っております。その作業の仕上がり具合を見て、最終的には総理が判断されるということだと存じます。いかなることになるか、今の時点で断言をできることではありません。