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記者会見

石破茂幹事長記者会見(役員連絡会後)

平成26年7月1日(火)10:42~11:00
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

(役員会の内容説明)
石破 茂幹事長

 

【石破茂幹事長発言】

「滋賀県知事選挙の状況について、前から申し上げている通りだが、わが党が推薦する小鑓隆史候補は新人であり、知名度という点におきましては、相手候補に一日の長があるので、全党的に臨まなければならない」
「また、今朝の7時半からの安全保障法制与党協議会、その後の党の安全保障法制整備推進本部・安全保障調査会・外交部会・国防部会合同会議において、安全保障法制についての閣議決定の概要が了承された。この後、政審、そしてまた総務会と続くので、よろしくお願いしたい」
わが党として衆議院総選挙、参議院選挙の公約作成にあたって、長い議論をし、地方組織の方々にもお出かけをいただいて意見を述べていただいた。また、今回、総理から方針が示された後、自由民主党において安全保障法制整備推進本部を設け、14回の会議で議論した。また、極めて久しぶりであったが、総務懇談会も開いた。与党協議会で出た議論は、その都度、その都度、党に持ち帰り、議論を頂くということで、反対派の方々のご意見も承りながら、ここまで丁寧に議論を積み重ねてきたと考えている。党議決定をすれば、その後、閣議決定ということになるが、これから先、どのようにわかりやすく国民の方々にご理解いただくか、また様々出ているご懸念にどのように答えるかということは極めて重要なことだと思っている。わが党としては、長い間議論をしたので、一般の方々の意識との間に乖離があるということは、それは事実は事実としてあるものであり、だからこそ、どのように、ご説明をすればご理解いただけるか、これが抑止力を高めるためになぜ必要なのかということを丁寧に、丁寧にやっていかなければならないと思っている。仮に閣議決定をしたとしても、これから先が極めて重要だという認識を持っており、反対の方々の立場からすれば、どのように見えるのか、それをどのようにご説明するかということが極めて重要だと認識している。

《小池百合子広報本部長発言》

「消費税率の引き上げに伴う給付金についてのThe Jimin NEWSを出したい。消費税の引き上げに伴い、所得の低い方、あるいは子育て中のご世帯、そのご負担を軽くするために、1万円の給付制度というのを設けているが、それはお住まいの市町村への申請をしていただくということが必要である。申請なくしてこれが届くわけではないが、この制度をよくご存じないという方も多い。政府として、所得の低い方、あるいは子育て中の方々のご負担を軽くするということを眼目につくったものであるが、それがきちんと効果を上げるように、総理からのご指示もあり、このようなThe Jimin NEWSを、今つくっている」
当たり前のことであるが、こういう点も、よく、細かいところまで、配意しながら党運営をしてまいりたいと考えている。

質疑応答

 フジテレビ・スーパーニュースの安藤です。今回、集団的自衛権の行使を極めて限定的に行うということですが、ひとたび集団的自衛権が行使されたときに、それを極めて限定的に行使するというのは、現実の問題として可能だというふうにお考えでしょうか。
自衛隊の行動は、全て自衛隊法に根拠を設けます。そこにおいて何をすることができるのかということを、ポジリストですので、何ができるかということを自衛隊法に書きます。そして、実際に出動命令が出た場合でも、何をするのかという基本計画を政府から提出することになろうかと存じます。なぜ今回出さなければならないのかということとともに、何をするかということが明確に政府から示されることになろうかと思います。これから法律の仕組みによりますが、それを今の防衛出動がそうであるように、事前に承認するということになりますので、国会において何をするのかという議論がまたなされて、仮に国会で承認があったとしても、何をやって、何をやらないのかということは、きちんとした部隊行動基準、ルール・オブ・エンゲージメントと申しますが、それを作成をし、指揮官あるいは一般の隊員、それぞれ違いますけれど、部隊行動基準を書いて、それに従って行動するということになります。文民統制というのはそういうことでして、そういう場面に遭遇した時にも、何ができて、何ができないのか、どういう状況になればどのように対応するのかということがきちんと国家の意思として示せるようにやってまいります。それは、インド洋の派遣もそうでした。イラク派遣もそうでした。インド洋の派遣も、あるいはイラク派遣もそのようなものに則り、自衛隊は整然と行動し、現地の方々の、あるいは協力している他国の信頼を得て、オペレーションを終了したと承知しております。今回の場合も同様でして、今までの経験というものをさらに生かしていきながら、今、ご指摘のようなことがないように、これは政府与党として、万全を期していかなければなりません。それが、実際に行動するのは現場の部隊ですので、その部隊の指揮官、あるいは一人一人の隊員がきちんとそのことを理解をして、出すということが、今までもそうでしたし、これからもそうでなければならないと考えております。
NHKの西井です。今後の個別の法整備について、高村副総裁が、先ほどのブリーフの中で、まず全体像で検討して、一本一本の個別法で使えるかという話になるというイメージをお話しになりましたが、幹事長は現時点でどのようなイメージを持っているのか、そして、具体的な法整備はいつから始めたいとお考えか、お聞かせください。
これは、これから政府と協議をしながら、党としての方針を定めることになります。ただ、事が安全保障に関することですので、体制の整備は早ければ早いほうが良いということだと思います。国家の存立に関わることですので、いつも申し上げておりますように、何か事が起こったときに超法規でやるというわけには絶対にまいりません。きちんとした法律の定めがあり、それに基づいて自衛隊が行動するということでなければ、文民統制は成り立たないものです。一方におきまして、わが国が直面しているいろいろな課題があります。例えば、経済の好循環の実現ということもそうです。中央のみならず、総理のお言葉を借りれば、津々浦々、一人一人の方々が実感していただけるというような経済の好循環をつくり出していかなければなりません。いろいろな政策優先課題がある中で、この法制をどのように整備していくか。いつ、どういう順番でやっていくかということは、国会休会中ではありますが、政府与党の協議を密にしてやっていくべきものだと思っております。
また、法整備のあり方につきましては、ここはまだ私としてイメージがあるわけではありません。ここは、今、個別的自衛権に基づいて、自衛隊法の法制はできておりますので、そうすると仮に言えば「集団防衛出動」というような形で、まず、レールを置きまして、その後、ポジリストに従った形でやるのかどうなるのか、そこには私も確たるイメージがあるわけではありません。これが先程のご質問にもお答えしましたように、法整備というものがなければ、自衛隊は寸分たりとも動くことができませんので、今回の閣議決定の範囲内で何ができるのかということを早急に協議をし、法制の整備を進めていくということになろうかと存じます。
NHKの西井です。早ければ秋の臨時国会にも、何らかの法案を着手する可能性はあるのでしょうか。
ここは現時点において、少し言及することは差し控えたいと存じます。
共同通信の内保です。幹事長は、冒頭、抑止力についての理解を得るために今後、わかりやすい説明が必要だとおっしゃいました。先程の合同会議でも、地方への説明会を求める声というのもありました。今後、幹事長として、国民運動を含む啓発活動について、どのようなお考えをお持ちなのかをお聞かせください。
これはかねてから申し上げている通り、わが党所属衆参国会議員が、自分の選挙区、選挙区を持たない議員もおりますが、基本的にその選挙区を想定して申し上げますと、自分の選挙区で、自分の支持者の方々にまずご理解をいただくということから始めていかなければなりません。国会休会中はまさしくそういう時期でありまして、国政報告会をなるべくきめ細かくやるということだと思います。そこにおいて、集団的自衛権も含む安全保障法制整備ということについて、ちゃんと説明をし、質問があればそれに答えるということをまずやりたいと思っております。また、地方の議会の皆様、あるいは自民党の組織の方々にお出かけをいただいてご説明をするという機会は、政調と相談の上で、なるべく早く設けたいと思いますが、東京に皆来てもらうのか、ブロックごとにやるのか、その開催方法については、今の時点で確定はしておりません。何にいたしましても対応が必要だと思っております。
また、このお話を街頭でするとどうなるのかということです。やはり政治家の説得力というのは、街頭で立ち、誰もいなくても5人集まり、10人集まりということで、大勢の方々に聞いていただくということが、私は政治の基本だと思っておりまして、ここは遊説局と相談をしながら、そういうこともやっていかなければならないということだと思っております。積極的に、なおかつ丁寧に、ご説明をするということを党を挙げてやりたいと考えております。
日本経済新聞の藤田です。安保法制のスケジュールについて、まだ具体的なイメージはないとおっしゃっていましたが、幹事長は、元々グレーゾーンから優先してやるべきとおっしゃっていました。今回の与党協議は、その改正の強化、連携強化に重きを置いている、法整備は必ずしも必要でないという方もいますけれども、そういったことを踏まえて、まずどういったところから着手すべきか、現時点でのお考えをお聞かせください。
まずこの閣議決定に沿った形でやっていくべきだと思っております。一方におきまして、いわゆる自衛権と警察権の狭間のようなものにどう対処するかということにつきましては、政府部内で検討するということになっておりますが、わが党的には、これは極めて重要だという認識です。だとすれば、今回の閣議決定は閣議決定として、安全保障法制整備推進本部において、もう一度我々の認識を整理して、現場の意見も聞きながら、法整備というものをやっていかなければならないと思っております。これは警察と自衛隊という、自衛隊創設、警察予備隊は警察予備隊だったのですが、いわゆる保安隊になりましてから、自衛隊と警察との関係というのは非常に微妙なものです。そのあたりもよく勘案しながら、いかにして国土を守り、国家を守り、そしてまた国民の権利を守るかという法整備について、わが党としての作業を進めてまいりたいと思います。
日本経済新聞の藤田です。党内で議論した場合、また改めて法整備が必要だという結論になることもあり得るのでしょうか。
それはやってみなければわかりません。
読売新聞の工藤です。今回、与党合意ができて、集団的自衛権の閣議決定に向け、大きく前進したと思います。この最も大きな理由、背景というものをどのように考えるかということをお聞きいたします。安倍政権になったこと、安全保障環境の変化などがありますけど、幹事長はどのようにお考えですか。
それは両方だと思います。安全保障環境が大きく変化をしたということは、10年ぐらい前からずっと言っていることですが、やはり国民の皆様方に、そういう実感、それは全部が全部とは申しませんが、そのようなことについて、だんだんご理解が広がってきたということが1つあります。そしてまた、総裁選挙において、安倍さんも、私も、あるいは他の方々もこのことを主要な論点に据えて、野党時代ではありましたが、自民党の新しい体制ができた。そしてその後、総選挙、あるいは参議院選挙のたくさんある公約の中で、そんなものわからないよって言われたら公約の意味はなくなってしまうわけですね。このことはきちんと公約に書いてやっていることです。ここは安倍総裁の強い意思というものはありますし、そして今日に至るまで、自由民主党で連綿と積み重ねてきた、最初の頃、この議論をしている時は、「何、今ごろ言っているのだ。まだそんな話じゃないだろう」みたいなこともあったけれど、ずっと大勢の方々の努力によって連綿として続けてきたということも極めて重要な意味を持ったと思っておりまして、そういうものが相まって今日に至っていると思いますが、大事なのはこれからであるという認識です。
朝日新聞の三輪です。先程の合同会議で三原朝彦議員から、「自衛隊が活動するためには国民の支持が必要だ」とおっしゃっていました。国民が集団的自衛権の行使容認ということに賛成なのか反対なのかという民意をあらわす場として、どういうことを想定すれば良いのかということについて、今、幹事長は衆院選でも参院選でも公約に掲げたから良いじゃないかとおっしゃっていますが、これほど大事なテーマを公約の中に1つ書いてあったからといって、もうこれをやって良いのだというのは。ちょっと乱暴ではないかなと思います。幹事長のご所見をお聞かせください。
そうであれば公約の意味がありません。それぞれの方々にきちんとご理解いただけるような大きな公約1つか2つ掲げるというやり方ではありません。ワンイシューで戦うものではありません。公約に書いてないことをやるというような手法を、わが党はとっておりません。そしてまたこれから先、私はそれで良いとはと言っておりません。公約にきちんと書いているという事実を申し上げているのです。そしてまた、街頭演説におきましても、このことは私も安倍総裁も強調してやってきたと思っております。これで良いのだとは思っておりません。これから先、ご理解いただくための手法というものは、ありとあらゆるものはやっていかねばならないことであって、それが国民の理解を得るということだと思いますし、私はそのようにこれで良いという開き直った気持ちは一切持っておりません。