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記者会見

稲田朋美政務調査会長 記者会見

平成28年5月19日(木)15:00~
於:党本部記者会見場

冒頭発言

谷垣 禎一幹事長

本日開催されました政調審議会の概要をご報告いたします。お手元の案件表の通り、法案等6件を了承したところです。
まず冒頭私から、民進党の岡田代表の発言について申し上げます。岡田代表はNHKの2回の番組で、安倍総理が私に憲法改正に関する質問をさせて憲法を改正しようとしている、自衛権を拡大しようとしているなどと発言されました。この事実に反する発言について訂正と謝罪を求めたところ、岡田代表からは、指示したとは言っていない、事実無根であり訂正も謝罪もしないというご回答を頂いたところです。
様々な報道で、水掛け論とか泥沼などと言われておりますけれども、お手元のお配り致しました紙の通り、4月3日『日曜討論』では、「憲法改正に進みますよ。安倍さんの決意は固いと思いますよ。わざわざ政調会長に予算委員会で質問させたりしているじゃないですか」と述べられました。5月3日『憲法70年9党代表に問う』では、「自民党憲法改正草案はこの2項で自衛権というものを広く認めるということを言っているわけです。で、これはわざわざ自民党の稲田政調会長に質問させて、その中で総理も答えている」と述べられておられます。
このように岡田代表の発言の趣旨は明々白々で、総理が私に指示をして質問をさせたということであり、岡田代表が回答されているように「指示」という言葉が入っているか否かではありません。一般の視聴者、国民がテレビを見て解釈するのは、総理が私に予算委員会で憲法改正について質問をさせたということ、指示によって質問させたということであり、これは全くの虚偽であります。
従って、訂正すべきことはしっかり訂正をしていただきたい。更には、水掛け論や泥沼ではなくて、私は嘘を言われている側で、そして岡田さんの方は黒を白と言いくるめておられるということであります。
私からは以上です。

質疑応答

question
フジテレビの和田です。お話が出ましたので具体的にお伺いします。今の問題では、稲田政調会長は2回抗議文書を出されています。1回目は岡田さんの名前で回答があったわけですが、2回目は確か民進党役員室長の辻本清美さんの名前で、これは回答というのか、逆に厳重抗議という文書であったと思います。私の記憶では枝野幹事長が記者会見で、それは記者の質問に答えたのだと思いますが、「岡田発言を捻じ曲げて都合のいいことをおっしゃるのは情けない」と、稲田政調会長を厳しく批判をしているわけですが、いずれも岡田代表名ではないのです。そうしたことも含めてどのように受け止めていらっしゃるのか。
answer
お配りした紙の通り、岡田さんは明白に、総理が私に質問をさせたということをおっしゃっているわけで、それを事実無根だとか、言っていないと言うのは、私は嘘の上塗りだと思います。岡田さんが私のいない中でその嘘を言われたのと同じ『日曜討論』の番組内で、嘘の上塗りをやめてほしいと申し上げましたら、辻本さんから厳重抗議が来ました。更に枝野さんからは私のことを、三百代言であり、あんな読み方では司法試験は合格しないとおっしゃっているわけです。私はこの発言を普通の方が聞かれてどう思われるかということも含めて、今日はお示しをした次第です。
question
フジテレビの和田です。特段動きがなければ、稲田政調会長ご自身の抗議とか、今後何かをされるということは、もうとりあえずはないんでしょうか、あるんでしょうか。
answer
折に触れて、そういう嘘はやめていただきたい、嘘の上塗りはやめていただきたい、しっかり真実を認めて訂正して謝罪をしてもらいたいということは言っていくつもりです。
question
フジテレビの和田です。ついでにもう一問訊かせてください。この席でおそらく質問が出ていなかったと思いますので。野党第一党である、カウンターパートである山尾志桜里さんの件です。一時、ガソリン代が地球5周分だとか、あるいは供花、お花代ですか、が多々メディアで取り上げられたわけですが、稲田政調会長は弁護士というお立場からご覧になって、この問題というのはどうお考えでしょうか。
answer
政治資金に関する疑惑については、私は政治家であれば野党も与党もなく、しっかりと説明をしていくことが政治に対する国民の信頼を得ることだと思います。
ガソリン代について山尾政調会長は、それは秘書が使ったことで今調査中だとか、弁護士同士で話し合い中だということを述べられておりますので、しっかりと事実関係を確認されて説明をされるべきだというふうに思います。
また、有権者に香典・供花を配った件、これは公職選挙法違反ではないのかということについて、間違っていたということでご自分の党総支部の支出に訂正されたわけですけれども、法の趣旨は、有権者に政治家が何らかの金品や品物を配ることが政治をゆがめるというものでありますので、訂正されたかどうかではなくて、実質その出されたお香典やお花がどなたの名義でなされていたのか、またどのように受け取られたのかということだと思いますので、その点も含めて説明されるべきだと思います。
question
NHKの田村です。消費税の関係でお伺いしたいのですけれども、岡田さんが昨日の党首討論で先送りすべきだと、財源は赤字国債だ、などという話をされていたのですが、そのことについて会長のお考えを。
answer
まず、消費税に対する安倍政権の考え方は、リーマンショック並みそして大震災並みのことがない限り予定通り引き上げるということであります。現時点では内閣府の分析でも、リーマンショック並みの経済状況ではないということでありますし、4月に予定通り消費税を増税できるような経済状況に持っていくということと同時に、やはり世界経済の状況ですとか、熊本地震もありましたので、そういった経済情勢を注視していくということが重要だというふうに思います。
その上で、昨日の党首討論の中で岡田さんがおっしゃったことは、アベノミクスが失敗しているので消費税の増税を引き延ばすべきである、これが1点。2点目は、それでも2020年プライマリーバランス黒字化の目標は変えずに、2019年に消費税は10%に引き上げると。それから行財政改革をやれと。そして社会保障の充実を予定通りやって、その財源は赤字国債でやると。更には軽減税率をやめるべきだと。様々なことをおっしゃったわけでありますけれども、では一体それをどうやってやるのかという道筋は全くおっしゃっておられません。
まず驚いたことは、財政再建を片方で言いながら社会保障の充実は赤字国債でやるのだということは、全くどういうことか。矛盾をしているのではないかと思っております。また軽減税率についても、3党合意の中の総合合算制度、それから給付付き税額控除、そして軽減税率という3つの選択肢の中の一つです。逆進性の観点、低所得者にとっての食料品への支出の割合を考えれば、私は軽減税率の導入というのは低所得者対策、また消費の都度の負担感が緩和されるものだというふうに思っているところであります。
いずれにしても、様々勝手なことはおっしゃっておられますけれども、それをどう達成するのかということの道筋がないというふうに思います。
question
NHKの田村です。昨日発表された1-3月のQEについては、数字についてどう評価されているのかと、その評価の上で現状の経済状況としては引上げを先送りするような環境にありやなしやということを。
answer
昨日、公表されたQEは民間が予測していた以上に高いもので、雇用者報酬も引き続きプラス、消費も年率ではプラス1.9%、また8年ぶりに名目GDP500兆円を回復、18年ぶりに名目GDP、実質GDPそれからGDPデフレータすべてがプラスになっていて、アベノミクスの成果は着実に表れているというふうに思います。ただ、総理も指摘になられていたように、消費の力強さは欠いているという状況もありますので、しっかりとそういった点は政策を注意深く見ていくということが必要だと思っています。
question
産経新聞の力武です。先ほどの政調会長のお話ですと、昨日岡田代表がおっしゃった4つの提案というのは同時に達成するのは不可能ではないかということだと思うのですけれども、そもそも昨日岡田代表がされた提案というのは検討に値すると思われますか。
answer
4つの提案が同時に達成するというよりも、赤字国債を出して、消費税も引き延ばしをして、そして安倍政権の経済政策は間違っていて、更にプライマリーバランス黒字化もやるということを、一体どうやってやるのかという道筋は出してくださいということが一つ。あと、例えば行財政改革ですね。これは安倍政権になってから公務員制度改革、TPP、さらにはJA改革に医療制度改革など、踏み込んだ改革を進めてきております。また、軽減税率については先ほど述べた通りです。
民主党政権の時には3四半期連続マイナス成長で、1ドル85円、日本経済は瀕死状態だったわけであります。民主党政権だったら5%から8%への増税すらできなかったというふうに思っています。そういったことについて全く反省もなく、安倍政権の経済政策が間違っていると、失敗だというふうに断定をされることについて、私はいかがなものかと思っております。
question
日本経済新聞の福岡です。今日、4野党の党首が会談しまして、来年4月の消費増税は反対と、内閣不信任決議案の提出の検討で一致したんですけれども、受け止めをお願いします。
answer
いま申し上げたことに尽きるのですけれども、もちろん安倍政権の経済政策、アベノミクスは道半ばで、まだまだやらなければいけないことはありますけれども、そこは道筋として正しい政策だというふうに思っております。従って、内閣不信任に該当するような事実はないと思っております。
question
読売新聞の萩原です。昨日の党首討論で岡田代表が自民党の憲法草案について、9条改正に踏み込んでおり平和主義を壊すものだというふうにおっしゃられています。しかも民進党には憲法草案の対案がないということも総理が批判されていましたが、それについてどのように。
answer
憲法というまさしく法治国家の基本中の基本の法律に関して、民進党が改正すべきと思っているのか、思っていないのか。必要があれば改正するという、現時点で改正する必要があるのかないのかすら党首が言うことができない。それほど、憲法改正に対する、基本中の基本の法律に対しての方向性すら民進党は示すことができていないのだというふうに思います。
その上で9条について申し上げれば、昨日の岡田代表の話を聞いていて、全く9条の歴史について誤った前提でお話をされているというふうに思いました。それはどういうことかというと、9条ができたときは9条の下で自衛権の行使はできない、すなわち攻めてこられた時に自衛権の行使は9条の下ではできないという解釈であったわけですけれども、それを1954年に大きく転換して、日本は主権国家だから9条の下でも自衛権の行使ができるというふうに、9条の下で大きく憲法解釈を変更したのですね。そのことを岡田代表はご存じなくて、ああいった発言をされているということだと思いますので、しっかりと憲法9条の解釈の歴史についても理解をされた上で発言されるべきだと思います。