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記者会見

石破茂政務調査会長 記者会見

平成23年5月18日(水)

冒頭発言

【石破茂政務調査会長発言 】

 政策会議のご報告であります。法務部会、閣法であります、「情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」。これは一部においてコンピューター規制法案ではないかとの懸念があるものでございます。そのような懸念についてどのように考えるかという議論が一通りありました。法務省の方から、「構成要件としてそのようなことが定められているわけではない」ということでございます。この点、多くの方がご懸念を持っておられますので、我が党として、今後質疑の場を通じましてそのような懸念を払拭すべく更に努力をして参りたいと考えておりますし、政調あるいは広報を通じましてそのような問題点がないことを明らかにするべきであろうと考えております。
 次も閣法でございますが、「東日本大震災の被災者に係る一般旅券の発給の特例に関する法律案」。これは地震・津波でパスポートなどが無くなってしまった方に対する特例法案であります。了承致しました。
 もうひとつが、「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」、これも閣法でございます。委員会での対応を、我が党として、我が党の立場というものを確認した上で、見解というものについて政府に確認をするということを前提として了承致しましたものでございます。
 以上3法案とも、(シャドウ)キャビネットにかけることは致しません。総務会にそのまま上げたいと判断いたしておるわけでございます。
 今一点、この機会を通じまして明らかにしておきたいと思う事がございます。さる5月5日付の朝日新聞におきまして、これは14版の4面を見ておるところでございますが、他にも同じような記事がどの版にも載っておったように承知をしております。その中におきまして、「自民党原発推進派 はや始動」と「原子力を守る政策会議発足」とこのような見出しを冠しました記事がございました。この記事の本文、冒頭におきまして、このような記述がございました。すなわち、「東京電力福島第一原発の事故に終息の目途が立たない中、国策として原発を推進してきた自民党内で早くも原発維持に向けた動きが始まった」と。「原発推進派の議員が集まり新しい政策会議を発足させ、反原発の世論に対抗する狙いだ」という風な記述がございます。自由民主党政調の中に設置をされました「エネルギー政策合同会議」は、原発を守る為に作ったのだとこういう報道でございますが、これは事実に反するものでございます。私どもとして、マスコミ報道に対してそれぞれ抗議・批判をするということが必ずしも日常的に行われていいとは考えてはおりませんが、これは明らかに政務調査会にこの会議を発足させた主旨と異なるものでございます。このエネルギー政策合同会議というのは、本当にこれから先のエネルギー政策は如何にあるべきかということを議論するために設置をされ、議論をしておるものでございまして、「反原発の世論に対抗する狙いを持って、原発推進派が集まり、原発維持に向けた動きを始めた」というようなことは、大きく事実と異なるものでございます。この点を強く指摘をしておきたいと考えておりますし、このことに対しましてしかるべく最も適切な方法で我が党の意志というものを表明をして参りたいと考えております。その方法論につきましては、私がここで申し上げることではございません。党全体として判断をして参りたいと考えておりまが、この会議というのはそのような目的を持って設置をしたわけではないということは、政策の責任者として申し上げておく責任があろうと、このように思いましてこの場を借りまして申し上げました次第であります。私からは以上であります。

質疑応答

Q
冒頭の情報処理の刑法改正なんですけれども、これは賛否というか、了承したということでよろしいでしょうか。
A
はい、結構でございます。了承で、賛成でございます。ただし、質疑の過程を通じてですね、繰り返しになって恐縮ですが、世に言われております様々な懸念を払拭する義務が我々にはあるだろうと、このように思っております。
Q
明日、青森県知事選が告示となります。プルサーマルの関係もあり、原発問題というものがこの選挙の中でも争点になるかと思われますけれども、政調会長としては、自民党としてどういうことを主張していくべきであるとお考えでしょうか。
A
これは現職の三村さんですね、明日から候補ということになるのでしょうか、原子力政策において、もちろん国のスタンスというものが前提にあるわけですけれども、その安全性の確認をいうことは一県を預かる知事としてやっていかねばならないスタンスであったと承知を致しております。私も明後日、土曜日、お手伝いに入る予定に致しておりますが、知事のスタンスというものは、我が党のスタンスと乖離したものではないと承知をいたしております。いずれにしても、この原子力発電というものの意義は認めつつも、その安全性というものが誰の責任において、如何に保持されるかということについては、きちんと明らかにする必要があるというのが三村知事のお立場かと理解を致しております。対しまして、これも詳細存じ上げておるわけではございませんが、民主党推薦であります、元の民主党県連幹事長の方は、反原発というのか脱原発というのか、そのような政策というのは改めるべきであるというようなお立場であると、今のところ不十分でありますが、承知を致しております。そこについて、私どもとして、そのようになった場合に青森県がいろいろと進めてきた政策と齟齬を生じないか。当然、安全性が確認された上でのことでございますが。そこにおいてよく三村さんの見解というものを私ども理解しながら、これの支援に尽くしてまいりたいと思っております。
Q
子ども手当の件ですけれども、昨日ですね自公の幹事長で今後両党案を目指して政調レベルで話していくと伺いましたが、具体的にはいつ頃から、どのような形で協議をするのか。あるいは、今、公明党案が出ていますけれども、それについてどのようなスタンスで協議をしていかれますか。
A
このことについて、基本的に、長い間政権を共にし、いわゆる子供さん方、あるいは子供さんのおられるご家庭についての政策を共に議論し推進してきた公明党さんと、出来れば同じスタンスを取りたいということは、このことに限った話ではありませんが、当然のことだと思っております。児童手当に戻すのであるということ、そして所得制限を付けるのであるということ、これは基本的に我が党の考え方と異なるものだとは思ってはおりません。ただ、仮に上限を設けた場合に、例えば所得が同じ800万円とか、これは地方においてはかなり余裕があるという言い方はまちがってもいたしませんが、東京の800万と地方の800万とは、これは生活実感としてかなり異なるものを持っていると。そのことをどのように考えるかということ。加えて、年少扶養控除が廃止になっております。そうしますと、例えて言えば、年収が仮に900万と致しますと、所得制限がかかっちゃうのでいわゆる手当というのは全然貰えないと。かてて加えて、年少扶養控除も無くなっているというお話になりますと、かなり子育てということについて経済的に難しい状況が惹起されることになるのではないだろうかということでございます。そういうような詳細について、よく認識を一致させながら、出来れば自民党として公明党さんの考え方に近寄るということは当然有りうべきことだと思っております。具体的にいつからかということでございますが、今日が水曜日でございますので、出来ればそういう政策に精通した政調の責任のあるものと、公明党のそういう立場におられる方とで詰めの議論をしていきたいと。その上で、我が党としてのスタンスを最終的に決めたいと。こういうことかと存じます。
Q
先日、大島副総裁が二次補正、小規模な二次補正ですね、本格的な二次補正の前に会期内に小規模な二次補正を出してもいいのではないかという提案をされました。政府もですね、同様に小規模二次補正についての検討をしているようですけれども、政調会長として、現在どのようにお考えか。
A

これは政務調査会として、この額ということを決したということはございません。決めておるものではございません。また、何が大で、何が中で、何が小であるか、そこについてのスケールが具体的にあるわけではございませんが、我々として間断ない被災者対策、これは打っていく必要があるだろうと。一次補正は、瓦礫の処理であり、仮設住宅の建設であり、あるいはエネルギー政策であり、あるいは当面の事業者、中小企業の皆様方を中心とする事業者対策であるという、緊急不可欠なものを盛り込んだ4兆円であるということであります。では、それを組んだからもうそれでいいのかと言うとそうではなくて、その後なお瓦礫の処理というのもが進まない、仮設住宅の建設も進まない。それはなぜなのかと言えば、そういうのを作る場所がないからである。資材はある、あるいはパワーもある。だけれども、どこに建てるんだということが決まっていない。 
 さすれば民有地というものを借り上げるということをやらなければ、がれきの処理あるいは仮設住宅が進まない。だとすればそういうお金をどうするかとか、あるいは一次補正の時とは違う状況が現実のものとなっている。エネルギーにおいて、浜岡が止まったということもあり、これから夏場に向かう状況を勘案すれば、日本全体を支えるエネルギーというものの安定供給にどのような対策が必要かという視点が一次補正で十分だったわけではない。あるいは、一番困難な状況である二重債務を持っておられる方々、新債務が発生したわけではありませんが、例えば、事業を行うに際して色々な債務を負っておられると、しかしながら、その目的物は滅失をしてしまっておるのである、しかし、債権は厳然として残っておるのである。しかしながら、新しい事業を始めるために、再建するために、債務というものをまた負わねばならぬ。住宅ローンでもそのような問題がございます。
加えて、新しく収入が得られる目途が立たない、そういう方々に対していかなる支援を行うべきなのかという議論、さらには法律に係ることですが、被災者生活再建支援法という法律がございますが、これは主に住宅に力点を置いたものであって、被災者の方々の生活を再建するのは住宅に限ったことではないのではないか等々、間断なく行っていかなければならない政策はまだ多いと。最初から2兆円ありきとか、最初から「1.5次」と銘打つとか、最初から小型とか中型とかを決めるのではなくて、何が今必要なのか、今各部会で行っているところでございます。なるべく早くその作業を終わらせたいと思っておりますが、それの総和が2兆円なのか、3兆円なのか、4兆円なのか、そして総理が予算委員会で答弁しておったように、1次は復興債というものを出さなかった、そのこと自体問題だと私達は思っておりますが、2次においては復興債を発行するのであるということに相成れば、その復興債というものはいかなるものであるのか、いかにして消化をされるものであるのか、そしていかにして償還をされるものであるのかという議論は当然行わなければならないものであると考えております。直接ロジカルにリンクするものではありませんが、公債特例法案というものとの関係がどうなるのか、そして一次補正を賛成するにあたって公明党、自民党、与党・民主党の間で確認された事項について、これはどのようになったのか等々、多くの要素がこの議論の中にはあろうかと思っております。
日本経済の失速を防ぐということ、そして日本の財政の信用というものを維持するということを前提に、被災者の方々の生活の再建というものが一日でも早かるべく、二次補正の規模は決定されるものだと考えておりまして、金額は小規模のものであり、そして会期の延長というものは小幅なものであるということを今の段階から是とするということは当然ございません。

Q
先程、特例公債法とロジカルに関連するものではないとの指摘があったが、公債を発行する場合は法律が必要なわけで、これは特例公債法ではないか。ロジカルに直結するものではないとの意味は。児童手当に関して、中学生、かつての児童手当には中学生が入っていなかったが、公明党の拡充案では入っているが自民党はどうされるのか。
A

ロジカルにということを申し上げたつもりはないということは、それが建設国債に限るといった考えが全く否定されるわけではないということで申し上げたのでありまして、特段深い理由があるわけではございません。しかし、一部においてですね、例えば20兆の債券、大蔵省が発行致します。これによってなお泳ぐという言い方は業界用語になりますが、つなぐと言うべきでしょうか、そういうことが可能だというお話をされる方もありまして、政府がどのような財源を考えてくるかは、これは今私共が知り得るところではございません。
また、中学生のお子様に配るということはどうなのかということですが、この点についてまだ一致をみたわけではございません。しかしながら、中学1年、2年、3年そうすると高校進学を控えてですね勉強にかかるお金もいるだろうと、また食べ盛りでありますからお金もかかるのであろうということを考えた場合に、そのようなお子様を持たれた世代に対する支援というものについて、これはわが党としても積極的に考えていくべきものではないかと思っております。

Q
今日午前中に国家戦略本部の役員会が開かれたが、来月ぐらいに提言をまとめるということ、公約作りにも絡んでくると思いますがその辺りのスケジュール感は。
A
今日私が申し上げたのは、6月の半ば、22日が会期末で当然私共としてこんなところで国会を閉じるとは何事だという立場でございますが、1つの区切りとしてやはり6月の半ばまでにそれぞれの分科会における議論というものを取りまとめて、一分科会あたり400字詰めで20枚とか30枚とか、あまり大論文になっても読むのが大変でございますが、できればサマリー、要約版をつけたかたちで取りまとめ、それを文体とか論理構成とか、そこの整合というものを確認をさせて頂き、必要であれば手を入れた形で6月中には取りまとめたいということでお願いをしております。国家戦略本部において出ましたものがそのまま公約作りに、公約に移行するものではございませんが、当然反映をされてしかるべきであります。特に3月11日以降、公約作りというものは中断をしております。災害対策というものに集中して参りましたので、しかし、震災を受けてどのようにして日本を復興させるか、それは宮城県で完結をするもの、岩手県で完結をするもの、あるいは福島県で完結をするものもあるでしょう。複数県にまたがるものもあるでしょう。東日本のものもあればオールジャパンのものもあるでしょう。各分科会で出てくる提言の中にも、この震災、大津波を受けてこうあるべきだという記述がなされるものでございます。そうしますと、公約において当然反映されることになるということであります。総選挙の時期というものがこの震災による被害で左右されるものではない。これは総理の解散権を拘束するものではないという見解が出ているのでありまして、なかなか困難であろうということは留保しつつも、これは憲法上拘束するものではないということになっておるわけでございますから、やはり私共として公約の作成というものは急がねばならんと。要は日本をどのように復興させるのかということについて、民主党の考え方と我々の考え方はこのように違うのだということは、総選挙、どんなに遅くとも2年後にはやって来るものでございますから、そこにおいて当然国民、有権者の方々に問うことになるのだろうと。それは財政政策も含みます。経済政策も含みます。あるいは外交・安全保障政策も当然リンクするものでありまして、この被災地をいかにして復旧・復興させるかということにとどまることなく、この国をどうするかという復興の姿を問うというかたちで私共として示していきたいと。さすれば作業というものはそろそろ再開させ、取りまとめていきたいということだと思っております。
Q
中国大使館による都内の土地の買収問題についての見解と日本にある大使館で自分で所有している大使館はあるのでしょうか。
A
自分で買って所有しているというのは私が知る範囲で無かったと思います。あるいはあるのかもしれませんが、私が承知している範囲ではございません。あるのかもしれません。ここは不確かでございますので、ここはあまり正確なお答えでなくて恐縮であります。中華人民共和国が買うということについては、それはその場所、あるいはその広さ、その地域がわが国の中においてどういう位置を占めるものであるか、例えば、安全保障上の理由もございましょうし、他にも色々な理由があるのだろうと思っております。大使館というものが持ちます、純粋に言えば治外法権というわけではございませんが、そこにおけるわが国の主権というものが完全に行使をされるものではないという特色に鑑みまして、わが国としてどういう判断をするかという問題であって、中国が土地を買うので、よってもってダメであるということを単純に申し上げるつもりはございませんが、そのような多くの観点から、そしてまた大使館の敷地というものの国際法的な地位を持つかということも併せて判断をするものと思っております。
Q
先週、政府が原発の賠償スキームを取りまとめましたが、これについてどのように受け止めているのかお伺いしたいのが一点。もう一つはそれに関連して、官房長官が金融機関に対して、東京電力への債権放棄を促すような趣旨の発言をされていますが、そうすると全体的な国民負担が果たして、これで、逆に高くなってしまう恐れがないかどうか。官房長官の発言についてもご所見があればお伺いしたと思います。
A
後段からお答えすれば、枝野さんの発言というのはかなり踏み込み過ぎのものだというふうに思っております。政府が金融機関に対して、例えば株式会社○○銀行に対してですね、政府がそういうことを――流行りの言葉で言えば――要請するということはいかなることなのかということであります。そして、株式会社○○銀行というものは、株主がおり、預金者がおるわけでありまして、それに対して債権放棄を政府が促すということは、それは権限からいっても、法的な権限からいってもですね、かなり問題のあるものだと思っております。ご指摘の通り、そういうことに相成りますと、金融機関の債権放棄ということになりますと、どうなるかと言えば、その分国民負担に返ってくるものと論理的にはなると思います。ですから、私は枝野さんがその場受けを狙って言ったとは思いませんけれども、それは金融機関というものはメガバンク等々強者なのであると、そこが債権を放棄するのは当然のことなのであるということは、この資本主義社会において、経済の潤滑油たる金融機関、それは大切な預金者のお金をお預かりするものであり、多くの株主によって支えられているものであるということをいかに理解するかということであるとすれば、私が知る限り、あまりよく熟慮して行われた発言だとは理解しておらない、いたしがたいことでございます。また、賠償スキームについてどうなのかということはまだ法案が出ておりませんので、この法律がどういうメカニズムに基づくものなのかという判断をしたものでなければ、あまり軽々なことが言えるとは思っておりません。しかしながら、ここにおいて、国は支援をするということになっていますが、国が賠償の責任を負うということにはなっていない。そうするとこのスキームというものが、永続性を持つものなのか、どうなのかということ。つまり東電が払えなくなってしまったらおしまい。あるいは、機構というものを設立し役割を果たすわけですが、そこにどこまでの責任を負わせるのか、被災者の救済というのは第一に考えられるものでございますが、このスキームがそもそも永続性を持つものなのかどうなのかということ、国がいかなる責任を負うべきなのか、少なくとも賠償の責任を国は負わないというのが、いま示されているスキームですから、本当にそれで良いのかということ。そして、トータルで、そのお金がどのくらいになるのかということが分からないわけですね。もちろん、風評被害まで含めて損害を受けておられる方々に、賠償を行うべきは当然なのですが、それがいったいどれくらいの額になるということ、そのこともよく頭に置いた上で、法律の仕組みは作られるべきものだと思っております。要は、国の責任の在り方、もちろん、事業法によって特別な位置づけ、そして、電力の安定供給義務というものが、電力会社には課されておるわけでございますけれども、あくまで有限責任というものを基本とする――株主それぞれのですね――株式会社というものに対して、無過失であるということは当然のこととして、無限責任を負わせるということがどういうことなのかという根源的な議論というものは必要なのだろうと思っております。誰がいかなる責任を負うべきなのかということと、それよりもさらに優先をすべきなのは、どうしてこれによって自分には何の落ち度もないのに大きな損害を受けた方々に、早急かつ完全な賠償ができるかということから論ぜられるべきことであって、あれが悪いだこれが悪いだというような議論も当然責任論から必要ではございますが、誰がいかなる所以を持っていかなる責任を負うべきか、そして、国が負うというのは納税者が負うということですから、そのこともよくご理解をいただいた上でご議論をすべきものだと思っております。 いずれにしても、法律案というものが出るのか出ないのかわかりませんね、今の段階では。ですけれども、私は、被災者の方々に賠償が行われるためには、民主党の中にもいろいろな議論があるのでしょうけれども、きちんと法律という形にして、議会において、判断されるべきものだと思っております。
Q
先ほど出ました二次補正に絡むのですが、今国会に出ない場合、不信任案を出すという話が出ていますけれども、あらためて現時点で政府の方が二次補正を出した場合も含めて、不信任案をどういう形で考えていらっしゃるのか、ご所見をお願いいたします。
A
これは私が責任を持ってお答えする立場におりません。総裁、副総裁、あるいは幹事長という方々が、判断をされ、その過程において意見を述べるという立場だと承知をしておりますので、そのことを前提に申し上げれば、やはり、いま言われておるのは、安住さんが言ったと伝えられている話は、二次補正も出さないと、国会は会期末の6月22日に閉じるのであるというお話ですから、それはいくらなんでもひどくないですかということです。つまり、マニフェストの撤回というものについても、答えは出さないと、特例公債法案についても答えは出さないと、そして、エネルギーの安定供給というものについてどう考えるのかということについても答えは出さないと、あるいは経済的に困窮している方々、あるいは企業体に対してどうするのかということについても答えは出さないと、そういうことを国会で追及されるとたまらんので、とっとと国会は閉じちゃいましょうということであれば、これは不信任でなくてなんだということだと私は考えております。では、そうならないように、とにかく、二次補正だか一.五次だか知りませんが、出しましたよと、金額というのはそんなに大きくないですよと、でも、二次補正出したからいいでしょうと、そして、国会をちょっと延長したからいいでしょうということは、なんら不信任を妨げる理由にはならないのであって、要は財源をどうしますかと、そしていま、赤字国債を発行できないという状況が、市場に対して与えるシグナルというのはどんなものなのですかということまで考えるとするならば、二次補正がそういうことをきちんと考えずに、とにかく会期をちょっと延長して、二次補正というものを出して、はいいいでしょということであれば、繰り返しになりますが、それは不信任を妨げる理由にはならないと思っております。
Q
先週の日曜日のテレビ番組で民主党の玄葉政調会長が発送電の分離に言及されたのですが、いまの時点で発送電の分離の是非について、政調会長はどのような見解をお持ちですか。
A
これはわが党の中でしかるべき部署においてしかるべき議論をされるものだと思っております。ただ、発送電の分離という考え方は、実はかなり前からあるお話でございます。そうなったときに、競争というものがさらに行われて、さらに合理的な価格の設定というものができるようになるのではないか、供給側の論理だけではなくて、需要側の論理がきちんと働くという形で、電力という商品においても、マーケット的な機能が働くという議論があるべきではないかというお話は、どうもどこかで思考停止をしてしまってですね、その話を突き詰めて考えることがなかった。結論はいずれになるにしても、私はそういう議論は必要なことだと思っております。そうなったときに、電力の安定供給というのはどのように行われるのか、採算の合わないところにもきちんと電力の供給はなされるのかとか、あるいはそこに需給がきちんと働くためには一月たって請求書がくるということではですね、どういうふうにして需給のメカニズムが働くのかということが必ずしもはっきりしないということがあります。そうするとこれはそんなに簡単なお話ではないということは承知の上で、スマートグリッド、スマートメーターというものについて日本の場合、かなり進捗が遅れているということがございます。そうするとそれの導入ということも当然考えられるべきではないだろうかとか、今まで必ずしも答えが出ていなかったいろんな議論というものは当然すべきだと思っておりますし、発送電の分離というものを考えた時に、これは純粋にそうすべきだということを申し上げているわけではございませんが、仮に東京電力が送電部門というものを切り離して、それを売却するということに相成れば、それはかなりの減資になりうるものだということも、議論としてはあるものだと思っております。ただ、それが東京電力のみならず他の電力会社にどのような影響を与えるのか、それは事業法がですね、東電だけを対象にしたものではございませんので、ただ、そういうものがあるからねということで思考停止してしまった部分がありますから、そういうことについてはきちんとした議論をしていかねばならないと思っておりますし、玄葉さんともこの点について詰めて話しをしたわけではありませんが、民主党としてどう考えるのかということもですね、よく話は聞いてみたいと思っております。党内の議論というものを優先させて、わが党内の考えを出していくということが、いま当面必要なことだと思っております。