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記者会見

石破茂政務調査会長 定例記者会見

平成22年3月31日(水)
於:党本部4階平河クラブ会見場

冒頭発言

【石破茂政務調査会長発言】

私から4月1日、2日の全議員懇談会、あるいは他日行われる、支部長・幹事長懇談会、全国幹事長・政調会長会議の対応についてお話をしました。異常死、常にあらざるですね、死因究明制度の確立に関するプロジェクトチームの設置、座長は下村博文議員でありますが、これを了解したところであります。国会提出法案19本を審議しました。議員立法1本、条約11本、閣法は7本であります。児童手当法、予防接種法、国民健康保険法の3本については、部会長預かりとなっております。国民健康保険法については、修正案を出したいと考えております。同様に、独立行政法人法の通則についても修正案を提出したいと考えております。この点につきましては、担当部会でさらに議論をすることもございましょう、最終的には、政権政策委員会で決定致します。
また、いろいろな議論がございましたが、1つはムダ撲滅プロジェクトチームが、政策棚卸しを行います。これはわが党として、それぞれの独立行政法人などの問題など、政策の棚卸しをやりたいと。これは、全て公開で、民間人を入れてやっていく。これは、河野太郎さん、平 将明さんがヘッドとなってやっているもので、また、機会を見て詳細を説明したいと思います。また、かなり議論があったのは、中井国家公安委員長、防災担当大臣の問題ですが、この問題について内閣委員会、災害対策特別委員会の開催要求をわが党として行っていますが、これに(与党)は一切応じない。これは、小沢幹事長の参考人招致や石川議員の議員辞職勧告決議案がありますが、こういうものを数の力に頼んで一切国会で議論をさせない。国民が知りたいこと、国民が議論してもらいたいことがたくさんあるが、民主党に都合の悪いことは、数を頼みに議論をさせない。こういう姿勢は全て一貫したものでございます。このような運営が本当にあって良いものなのか、この開催要求は、今後もしていかねばならないと思っております。嫌なことは議論させないという姿勢は今回も現れているということです。また、外交関係では、大韓民国がわが国固有の領土である、竹島において現在あるヘリコプターの離発着場を全面改築すると言う議論、これが外務委員会で行われているが、政府が、国家主権の体現である領土について、全く責任意識が無いということであります。このことについても議論が行われました。このような問題、本日、QTがありますが、総裁から明確に述べて頂き、何がこの政権の問題点なのかと言うことを怒りをもって、国民の前で総裁から仰って頂きたいとの議論でした。
私からは以上です。

質疑応答

Q
政府が郵政改革法案を決定しましたが、その受け止め方と対応についてお聞かせ下さい。
A
これは、日曜日のいくつかの報道番組での申し上げたことではございますが、限度額をなぜ引き上げるのか。これは、後で修正することもあり得るということでありますが、2005年の民主党のマニフェストでは、500万円下げるとしていたはずだが、国民新党がこれを引き上げると言うと、民主党内の議論が全部引きずられている。つまり、昨年の総選挙で民主党はこのことについて言っていない、と言うことは2005年のマニフェストが継続していると考えるべきだが、にも関わらず、極小政党によってこれが上がるということ、多数党とは一体何なのかということだと思います。2000万円に引き上げると言うことは一体、何が起こると言うことなのか。実際にペイオフをどうするかの話ですが、一般国民からすれば、2000万円が保証されるということ、そうすると官民の格差が明らかに生じることになるが、これの説明も全くありません。地方において、中小・零細企業には郵便局が金を貸してくれませんから、信用金庫・組合、JA、地銀など、そういうところが資金を融通していますが、そのお金が郵貯にながれてしまう。結果として、地方における企業を苦しめることになることについても回答が全くありません。さらに、そのお金は国債にシフトしていくわけであり、要は、いろいろばら撒く金を作るためにそういうことをやっているんじゃないですか。そして、特定郵便局の票を集めるためではないですか。特定の利益を実現するために、次の時代に負担を負わせる、地方で本当に苦労をしている事業者に対しての冷たい仕打ちに他なりません。異論を唱えていた閣僚も「だって、閣僚なんだもん」と言い、使命感を持って徹底的に反対することもない、今頃になって言うのもおかしい。私は、要は、選挙さえ良ければいいという姿勢が如実に表れたものだと思います。
Q
自民党の具体的な対案についてお聞かせ下さい。
A
これは、政府案がどのようなものなのか、まだ茫漠たるものなので。閣議決定もされていない。ただ、わが党として、官から民へ、という考え方は変わらない。しかし、郵政法案が議論されたとき、我々は政権にいて、私も理事として質疑に立ちましたが、地方において不便を生じさせないということ、そのための手当をきちんとするというのが内容でした。見直しの際に、法案の採決で問題となったことがきちんと履行されているかどうか。実際に地方で不便になったという声があるのは事実なので、そのことに対してきちんとケアしながら、しかし、官から民への流れを変えず、民間に資金が行きわたることを実現することに眼目において、自由民主党が対案を作っていかなくてはならないと思っています。
Q
普天間問題について鳩山総理の対応をどうごらんになっておられますか。
A
論評する気もしないが。信用がないということ。「法律で決まっていない」と言うが、そんなこと法律で決まっているわけないじゃないですか。法律で決まってないから自分の言ったことを翻しても構わないと言うのは、子ども以下の発言。「だって決まりが無いんだもん」、中井さんも言いましたね。議員宿舎のカードキーを他人に渡しても、「法律が無いんだ、何が悪いんだ!」と言う、全く同じこと。自分の言ったこと、行動に対する責任感とか、使命感とか全くないから、「法律で決まってないからいいじゃないか」と言うような、子どもでも恥ずかしくて言えない。そういう発言であると思っています。5月の末というスケジュールですが、3月末までに政府としての考え方を示すのは時限性から言っても当たり前であります。私たちとしてまず、地元の了解なしにアメリカと話をするのはそもそもおかしい。合衆国も、岡田さんは言わなかったけど、まずは地元の了解が先だよと、それからアメリカと話をしてくれと言っている。そうすると、5月の末までに場所を決め、地元の同意を取り付け、グアム協定の改定を含む、合衆国の同意を取り付けるのは、明日から4月ですから、時間的にどうなのか。おそらく、私は、5月の末まで決めると言うことは「法律で決まっていない」ときっと言うだろうと思います。ただ、間違えてもらうと困るのは、合衆国で予算の審議が始まるが、そうするとグアム移設をする、米軍再編の一環として、グアムに移設する予算は計上できないということになるわけです。これは一体何のだ。グアム協定は条約だろと。これは予算に載せないという問題が合衆国において湧き上がることは間違いない。先延ばしをすれば良いという問題ではありません。相手のある話ですから。そして、何のために普天間基地があるかと言えば、それは日米安全保障条約第6条を根拠とするものでございます。日本国の平和と安全、並びに極東の平和と安定ということであって、日本国だけの話ではありません。大韓民国にとって、あるいは、極東と言われる、事態の対象地域、フィリピン以北の台湾、朝鮮半島の平和と安定にどのような影響があるのかを考えた場合、先延ばしと言うことは許されない。
私として、今の現行案と言われるものは2014年という期限を守る、普天間の危険性を2014年までに除去する、そして抑止力を維持する、言うことをすべて満たす最善の案であったと思っています。仮に、政府が案を示すとして、抑止力が少なくとも損なわれるということにない。なぜならば。2014年、世界一危険な基地、普天間の危険性、これを1日も早く除去しなければならないものであって、2014年よりも遅れることはない。この2つが満たされることが無い限り、現行案以下と言うことにならざるを得ない。なぜ今の現行案以下のものをやるのか、と言うこと。この説明が求められるものだと思います。
Q
本日の党首討論についてどのようにお考えですか。
A
これは、国民の怒りを代弁する、そういう党首討論でなければならない。これは、討論というよりも、今の内閣が急激に下がっている、それは国民の絶望感であり、悲壮感であり、怒りであり、これだけ下がっているのはそう思います。討論というよりも、国民の怒りの念を国民にかわってぶつける、そういう場であるべきだと思います。討論に立たれるのは総裁ですが、私からああしなさい、こうしなさ、とは言いません。ただ、政調会と致しましては、今日も議論がありましたが、本当にこんなことがあっていいのか、許されていいのか、言うことぶつけることであり、総理、あるいは内閣、与党、これがもっております、私、中井さんが言っていることと鳩山総理が言っていることは、完全に重なって見えるんですね。責任感がない、使命感がない、思いやりがない、法律に反しなければ何をやってもいい、問題が起これば委員会を開かせなければいい、全く一緒じゃないですか。鳩山さんの問題、小沢さんの問題、石川さんの問題、小林さん、中井さんの問題、全て同じ。そのことが国民の怒りになっているんだろうと思っています。野党は、党利党略ではなく、国民の思いをきちんとぶつける、と言うことを党首討論で期待をしたいと思っております。