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記者会見

石破茂政務調査会長 定例記者会見

平成22年2月3日(水)
於:党本部4階平河クラブ会見場

冒頭発言

【石破茂政務調査会長発言】

おはようございます。9:00から政権政策委員会を開催いたしました。与謝野経済政策調査会長から経済と財政に関する自民党の考え方について、まだ案の段階ですが説明がありました。そののち、金融政策について山本副会長からお話がございました。正直申しあげまして、まだ議論は収斂いたしておりません。私どもとして、財政政策と金融政策、これを組み合わせなければ経済政策として成り立ち得ないと、このように考えております。現在審議中であります予算案でありますが、これは理念無きバラマキであるということは谷垣総裁が指摘されております。金融政策に対する議論がなお十分ではありません。デフレ対策については、これは金融政策を出動させる以外はない。現在金融が緩和されているとはいえない。今後この議論は濃密に早急につめていきまして、私どもとして財政政策と金融政策をあわせた経済政策を樹立をし、発表していきたいということで作業を加速させてまいります。
次に、全国政調会長会議、これを2月の10日に行います。このことにつきましてご報告を申し上げました。現在の陳情のあり方、あるいは外国人の方の参政権について、あるいは教育構造のあり方につきまして党本部の考え方をご説明し、地方議会との連携をはかってまいりたいと考えております。
そして、新たに調査会をいくつか設置をいたします。そのことにつきましてご報告を申しあげまして、了承を頂いた次第であります。
私から一言申し上げておきます。一部報道で、国土交通省の個別事業の配分額、いわゆる箇所付けというものでございますが、これが県連(民主党)に通知をされ、民主党県連から関係先に伝達されたとの報道がありました。今それぞれ確認中でございますが、実際、私の鳥取県や岡山県でもそうであります。ということで、全ての確認を今とっております。今までこのようなことは1度も行われたことはございません。来年度予算案の審議が今始まったばかりの段階でございます。こういう段階で、箇所付けの報告が一部の関係者に通知をされるということは、これまで1度も行われたことはありません。自民党政権で行ったことも1度もございません。また、マスコミへ資料を交付する、あるいは国交省に問い合わせることもあってはならない、という様な指示が行われているということでございます。これは国権の最高機関である国会の予算審議というものをまったく無意味にする。断じて行ってはならないと思います。ましてや内閣の一員である者、政務官も含めてでありますが、そういうことをやるとは、一体どうゆうことだと。このような国会軽視と申しますか、国会を無視した行動というものがある以上、この予算委員会の審議は一体何であるかという強い問題意識を私どもはもっておおります。これは国の予算の私物化という風に断ぜざるを得ません。このような状況を放置したままで、予算委員会の審議に何の意味があるのかと。政権政策委員会ではそのように考えております。今後、国会対策委員会あるいは予算委員会の現場と緊密な連絡を取りながら、国会を無視した政府与党のあり方は断じて認められないと。これは我が党がどうのこうのというわけではなくて、国会というものを無視している。この政府与党の姿勢について、私どもとして断固として応ぜられないと考えております。私からは以上です。

質疑応答

Q
いくつかの報道で、小沢幹事長について、不起訴との方向のとの報道が出ています。仮に不起訴になっても疑惑は残っており、政治的責任は有ると思うが、そこはいかがお考えでしょうか。
A
一部の報道でそのように報ぜられているということはよく承知しています。本当にそうなったのかということは、まだ決まったものでも何でもありません。そういう段階でどうするかということを申し上げるのはあまり適切ではないと思っております。国会において、本当に政治的責任が無いのか、そこは追求をされねばならないことだと思っております。いわゆる疑惑というもの、つまりこれで黒と断ぜられないということが、仮にそうなったとすればですね、検察として黒と断ぜられないということであって、白ですということにはなっていないわけです。不起訴というものはそういうものだという風に考えておりまして、白と断ぜられない以上、そういう様な疑念疑惑は残っている。だとすれば、国会は国会の権能として政治的な責任、なお秘書が3人逮捕された。中には現職の国会議員が含まれている。これだけでも十分に政治的な責任はあると思っております。普通に考えれた場合、国会議員が自分の秘書が3人も逮捕されていて、何ら責任が問われないというのは、何ら党において、議員の身分に置いて責任が問われないというのは、落ち着いて考えてみればかなり非常識な話だと私は思っております。
Q
普天間の問題に対する、閣内不一致についてはどうお考えですか?
A
これは、ゼロベースというものの中に、普天間存続というものが含まれているかどうかにつきると私は思っております。岡田さんは、ゼロベースの中に普天間も含むと考えていらっしゃると。総理が不快感を示されたからには、ゼロベースの中に普天間存続は含まれていないのだと思います。閣内でそういう風に意識が違うということが問題なのであって、そこのところは今後委員会でどうなんだと、質していかなくてはならないと。ゼロベースに普天間が含まれるのかどうなのか、それについて政府がどう考えているのか。辺野古への移設というものは普天間の危険性を除去するという事をスタートとしているわけであって、普天間存続も含むとなるとそもそも議論が成り立たないのではないかという感じを私は覚えております。
Q
経済政策の話ですが、与謝野さんの調査会のやられている、財政の話と、山本さんの所の金融と一体だという話だったかと思いますが、与謝野調査会の考え方はある程度まとまりをみせて、金融の出来上がりを待っているという理解でよろしいしょうか。
A
ここのところが実際に、いい加減にホッチキスでとめるわけにはいかないので、本当にそれが細目にわたる所までとは申しませんが、きちんと整合したものになるかどうかという作業は今後残っております。与謝野先生の議論は議論で終わって、山本さんのところをホチキスでとめれば良いと、そういう認識は私は持っておりません。
Q
そもそも、予算委員会に自民党の対案をぶつけるという狙いがあったと思うのですが、間もなく予算委員会も本格的に始まるこのタイミングで、党内にも色々な意見があって、まとまりを見せていない印象があるが、党内の意見対立、路線対立はいかがでしょうか。
A
これは、我々が与党であったときから、上げ潮派対財政再建優先派の議論の対立という言葉が良いか分からないが、不一致というものはずっと続いているのだという認識を持っております。なので本日、与謝野委員会の報告と、山本副会長の意見を両方並べてみたということだと思います。個々の議論を、うまいぐあいに、そうさせないと皆が勝手なことを言っているということになりかねないと思っております。現政府にこの答えがあるかといえば、それはないんです。それでは金融政策はどうするか、日銀はどうするか、つまり目標自体は政府が決める。その手段は日銀が行うとはなっていないわけです。法の仕組みとして。そこまで踏み込んでこれは議論しなくてはならないのであって、単に政策論ではなく法改正を伴うものである。今の政府はその答えはない。我々が政府を持っていた時も、方向性は示したが、それに対する答えをきちっと出せたかと言えば出せていない。野党の立場として、まさしくこうあるべきだということを示し、国会の論戦に挑まねばならないのだと思っておりまして、国会の論戦、何日かあります。衆参とございます。そこに間に合わせるように努力せねばならないと思っております。
Q
子供手当てに関して、2人の財務副大臣が満額で出すのが来年度から難しいいう発言がございまして、総理がすぐに打ち消しましたが、会長はこの状況をどうご覧になられているか。
A
普天間と一緒で、閣内において意見が違うのはこれはどういうことなのかということだと私は思っております。少なくとも我々が政権にあった時にはこんなことはございませんでした。何でこんなことが起こるのかと、言えばですね、これは民主党の中で政務調査会が廃止をされ、党内における議論というものが無いので、閣僚として意見を述べる、あるいは副大臣として意見を述べるということにならざるをえないのだという風に思っております。従来から自由民主党の中でも政府の意見と違うことを与党が言うということもございましたし、政府と与党が必ずピタッと一致しなくてはならないというのであれば、与党の議員の存在意義はどこにあるのかということに結び付くお話でございます。だとすればこうした病理現象、あえて病理現象と申しあげますが、これが起こっているというのは、無理やり政府与党一体であるということで、きちんとした議論が行われていない現在の政権のあり方だと思っております。
Q
政調会長会議で、地方議会との連携とあったが、具体的に地方議会とははどのように。
A
意見書というものをきちんと出すというのもございますし、例えば今回の予算においても、学校の耐震化予算というものを大きく削って、高校無償化ということをやるんだといっている。それはおかしいねと私達は思うわけであります。具体的にそれぞれの県で、高校無償化というニーズはどれくらいありますかと。他方、耐震工事のニーズはどれだけありますかと。実際に国民がそれぞれ思っていることは何なのかということは、きちんと国会で審議されなくてはならない。単に意見書だけの話ではない。実際にそれぞれの地域がどう思っているかということを、それを国会の論戦に反映させるということからも、政調会長会議の意義は大きいと思っております。
Q
箇所付けの件によって、予算委員会前に民主党に質したり、条件として審議に応じないということはあるか。
A
これは予算委員会の現場や国会対策委員会が第一義的にご判断されることだと思っていますが、国会軽視というものではなくて、これは国会の無視だと思っております。ということは、予算委員会自体の意味がないと。これの撤回、あるいは事実関係の釈明、そういうものがない限り予算委員会はやる意味があるのだろろうか、と私自身は思っております。その意見は、政調会として国対や予算委員会の現場にお伝えしているところでありまして、後は現場がどうご判断されるかだと思っております。