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記者会見

石破茂政務調査会長 記者会見

平成22年11月5日(金)
於:党本部4階平河クラブ会見場

冒頭発言

【石破茂政務調査会長発言】

石破茂政調会長より、配布資料「平成22年度補正予算 政府案の正すべきポイント」に沿って説明。
「平成22年度補正予算 政府案の正すべきポイント」

質疑応答

Q
確認なんですが、いただいた資料「正すべき重点事項」ですが、個別項目、ここに書いてあること以外は基本的にいまの補正予算案の内容とあまり変わらないということですか。
A
それはもちろん、100が100、全部ダメだと言っているわけではありません。私どもとして是とするものは当然是とするものでありますが、ただ、これはもう1つの「正すべきポイント」に少し書いてありますが、かつて麻生内閣において自民党が実際にやったこと、ところが、それを止めました。正すべきポイントという紙をお配りしていますが、そこの1枚目の下から2番目のパラグラフ「政府は自民党政権時代に決定したことはすべて悪と見做して、平成21年度1次補正予算についても、やみくもに執行を停止した」ということであります。去年のお話。その後、それぞれの項目が重要であると認識をし、一見すると別な項目に移動させたように見えますが、実はちゃんと復活をしているというものが多々ございます。例えて申し上げれば、地域医療再生基金なぞというものは、執行停止後1年も経ってから今回の補正予算のメニューとして復活をさせております。一度止めたというものを再び予算項目として入れ込む。実にもってけしからんということでございます。ミッシング・リンクの解消など公共事業もそうでありまして、今回の補正予算に堂々とこれを計上しているわけでございますね。要するに自民党がやったことは全部ダメなのだということでバサバサバサと切りました。「どうだカッコいいだろう」というお話でございますが、よくよく考えるとこれは大事なものであったということで、今度の補正で復活をさせておるわけでございます。そういうものに反対をするわけではありませんが、「なんでこれを止めたんだ」ということ。そして、よくよく考えてみればこれは必要なものであるということがよくわかりましたということで復活をさせているのでありますから、反対する理由はありませんが、なんでこれを止めたかと、なんでこれを戻したかということについて、釈明、説明、謝罪、それはあるべきだというふうに考えております。
だから、100%全部ダメと言っているわけではありません。
Q
組み換え動議の提出のタイミングというのは、終局の段階になるわけですか。
A
そうです。はい。
Q
だから、案を示したと。
A
そうです。ですから私どもとしてはこういう考え方であるということを申し述べ、予算委員会の過程においてこういう考え方であることを申し述べて、政府が予算案を修正するということであれば、それは賛成することだって理論的には全くないわけではありません。
Q
財政健全化法ですが、最近の国会の中で、どうしても小沢さんの証人喚問とかその辺にスポットが当たり、あまり話題に上っていないようなイメージもあるのですが、あらためて早期成立という話でしたので、早期成立を図るための戦略というか、このように進めていきたいというお考えを聞かせてください。
A
これは、政府においても閣議決定で似たような考え方示されているわけでございます。それは向こうが3年であるのに対してこっちは5年とかですね、細部において相違はございます。ただ、基本的な考え方は変わっていないはずなのでありまして、なぜこれが法的に拘束――という言い方が悪ければ、律すると言ったほうがいいかな――そういう法律にできないのかということは、予算委員会の審議の場において政府の考え方を正していきたいと思っております。考え方がほとんど似ているのであるならば、この考え方を法律にする、あとは政府と我々との修正はいくらでもできるはずなのでありまして、菅さんが言うように「補正は補正、本予算は本予算」というようなことにはならないと思っております。これが、成立が条件だとかそのような四角四面なことを私どもは申し上げるつもりはありませんが、少なくともこの考え方について、私どもとして先ほどバラマキ止めろとかですね、財源をきちんと明確にせよと申し上げておりますが、これは財政健全化責任法の趣旨に則って、我々は申し上げておるわけでございまして、そういう我々の提案というものをことごとく否定をするということは、財政健全化というものについて、口では言うけれども、実際にそういうことを行う気がないと断ぜざるを得ないということだと私は考えております。
(林政調会長代理)ちょっと補足をさせていただきますとですね、3年と5年の違いというのは、単に年数の違いだけではなく、政調会長おっしゃったように、財政再建を本当にする気があるのかないのかということに関わってくると我々は思っておりまして、それは「5年後の目標は共有しております、プライマリーバランスを半減する」。しかし5年目までの計画を作らないでですね、3年間の計画しかなくて、4年目と5年目はブラックボックスでなんとか頑張りますというだけでですね、本当にその半分のところいくのだろうかと。3年間の目標は歳出を71兆円に留める、国債を44兆円以下にするというそれだけしかありませんから、そのことを続けていくだけでですね、かつ4年目と5年目については全く何も言わないということで本当に5年目の目標が達成されるのだろうかと、こういう疑問が市場等から起きた時にですね、それを答える術がいまの政府にはないということであります。したがって、われわれの法律にはですね、5年間、すなわち最後の半分になるところまでつながった計画をきちっとですね、毎年度歳入歳出について出すということを政府に義務付けると、こういうふうにしておりますので、半分への目標につながるということが明確になるのでありまして、逆に邪推をしますと、4年目と5年目の数字を出すということはですね、そこで消費税を含めた税制の抜本改革に対する答え、それから年金制度に対する答え、高齢者福祉制度に対する答え、バラマキの4Kをどのくらい止めるのかということに対する答え、これを出さないとその数字が入らないと。したがってその数字を、来年の通常国会に予算を提出する1月までに作るという宿題を政府が背負うことになるわけでありまして、そのことを今のままでいくと3年間のローリングですから、2年先まで先送りしたいと、こういうことではないかと邪推もされるわけで、それでは政調会長がおっしゃったように、本当に財政再建をやるつもりあるのかという基本姿勢にクエスチョンマークがつくと、こういうわけでございます。
Q
2つほどあります。まず、財源のところで、正すべき重要事項の中にある2兆7200億ですが、独法の資産等や4Kバラマキ施策撤回を事実上の担保とする、この「事実上の担保」という問題ではなくて、2兆7000億という非常に大きな額であって、バラマキ施策撤回の方に重きがあるのか、それとも独法等の資産を活用すると、だいたいどういうようなイメージであるのかというところを。
A
(林政調会長代理)はい、ありがとうございます。
これは9月に出した時点では独法等の試算1兆5千億、そして残りをバラマキの施策撤回を見越しての国債発行とこういうふうにしておりました。ですから、基本的にはそのことは変わっておりませんが、この資産を計上するためには法律を通す必要がありまして、9月の時点では1ヶ月以上ありましたから、当然この法律を出すという前提で我々は考えておりましたが、まったくそういう姿勢がない、そして、国会でですね、財務大臣からはこの補正の財源ではなくて、来年度の当初予算の財源にしたいんだということもありましたので、ことここに至っては少しこれは間に合わないだろうということになり、それを目当てにですね、国債を発行するということに素直にしたわけでございます。基本的な考え方は、この間9月に示したものが基本になります。その他、政府もそうですが、我々の方も河野さん中心に仕分け等をやっていきますので、その9月に想定したもの以外にもですね、独法等の試算も出てくるかもしれないということも含めてですね、この国債を担保にしてやっていこうと。ですから、大きな枠は9月に出した独法等の資産が1兆5千、それ以外がバラマキ停止。バラマキ停止は実はそれが全部ではありませんで、歳出の方の規模の最後のたらずまいを国債というふうにしておりましたので、バラマキの撤回自体はですね、もっと3兆円、4兆円規模で、全部止めれば当然出てくるものでありますが、その中の一部を使うとそういう考え方でここにまとめて書いたということでございます。
Q
組替動議を出すということを冒頭におっしゃられたが、これは国対的な要素もあるというふうに理解しているが、法案の修正ということになれば与野党で協議をするというふうなことも過去、法案修正一般で言えばあった。今回、補正審議の冒頭で、そういったことを自民党の考え方として示す、向こうが修正をやぶさかではないと言った場合、出口に向けて何らかの与野党協議というものを想定されているのか、それともそういったものは国会の論議として行って、向こうがどうするかわからないけれども、まず組替動議は必ず出すということか。そこら辺の見通しはどうか。
A
私は議論の過程でですね、もし政府側が自民党の考え方を受けて修正するという努力がありとすれば、それは今後いくらでも協議ができるし、ある意味ですね、委員会とはそのためにあるのではないかというふうに思っております。そういう議論の過程においてですね、自民党の考え方ももっともであるということであれば、予算修正に向こうは応じるべきではないでしょうか。今までですね、私たちは組替動議という形で最後の局面で我々の案はこうだというものを出しました。私は政調会長としてそのやり方を今回あらためようと思っておりまして、かなり早い段階で、自民党ならばこういう補正だというものを作るように林代理を中心として議論をお願いしてきたところであります。ですから、あれがいかん、これがいかんと言ってもですね、全体の姿がどうなるのだということを示さなければ、向こうの方としても対応は難しいだろうと。向こうが修正に応じやすいような環境を作るということも、それは国の将来を考える野党としてやるべきことではないかと。向こうに環境整えろとワァワァ言っているからにはですね、こっちも向こうが応じやすいような環境というものを整える義務があるんだろうと思っております。
Q
確認ですが、修正すれば賛成する可能性があると言っているが、逆に言えば、修正しなければ反対するという意味でいいのか。もう1点は、この考え方を公明党さん等、他の野党に説明して共闘を呼び掛ける考えはあるのかどうか。
A
これはですね、反対解釈すればそういうことです。要は――哲学という言葉は私は余り使いたくないけれども――その物事に対する考え方がですね、基本的に現時点においては異なっているのではないかという認識を持っております。私どもとしては、いわゆるバラマキというものは止めるべきであるということ。そして、財政の健全化というものにきちんとした配慮をせねばならないということ。そして、財政の健全化というものが担保されるということであるならば、国債発行というものをすべて否定するべきではないという考え方、そして、地方に対する手厚い配慮を行うべきであるという考え方。これは哲学という言葉が悪ければ、基本的な理念の問題であると思っております。仮にそこを共有するということであれば、全部が全部呑めなかったとしても、賛成することを排除するものではないと思いますが、全部ダメですと、我々が提案していることに全てノーであるということであればこれは反対以外に選択肢はあり得ないだろうと考えておるところでございます。
財政健全化責任法はどの党にも説明はいたしました。そして、立ちあがれ日本からはですね、「全面的に賛成だ一緒にやろう」というご回答をいただいたところであります。他の党にもご説明はいたしたところであります。ただ、補正予算案についてはわが党の中で昨日まで議論をずっと続けておったところでありまして、現時点において他の党さんに説明するということはいたしておりません。そこは審議の過程を通じまして我が党の考え方を明らかにし、協力して頂けるところは協力して頂くということではないかと思っております。
Q
遅れてきたので、もし質問されていたのであれば恐縮ですが、先程消費税を含めた抜本改革まで視野に入れるという話があったのですけれども、所得税の附則104条との関係というといつ頃までにというイメージでしょうか。
A
これは、冒頭にご説明しましたが、23年度予算というものを財政健全化責任法と切り離すという考え方に私どもは立っておりません。23年度予算というものが提出されてしまえばですね、予算審議が23年度予算ですので、来年の常会、先でございますので、その後、健全化法が成立しても、遡及するというのは当然あり得ないことでございますので、予算が提出される前に、この財政健全化責任法というのの成立を見る、というのは我が党の基本的な方針であります。
Q
もう1点なんですけれども、経済対策とか財政再建とかの観点から見たときに、補正予算とは直接に関係ないのですが、今、法人税率の引き下げというのを政府の方では検討されていて、その政府税調がかなり課税ベースを拡大する案をいくつか出されたんですけれども、この2つの観点から言うと、政府税調の案を自民党さんとしてはどう見ているのか。お考えがあればお聞かせ願いたい。
A
私も、政府税調の案というものをすべて理解しているわけではございません、ごめんなさい。ただですね、法人税は下げるは、租特をやめるとかね、こりゃいったいなんなんだ、ということで、プラスマイナスゼロみたいなことをやると、何のための法人の負担の軽減なのかということであります。で、私たちは、法人税は下げるべしと、地方税ではありますが、固定資産税というものは軽減すべきであると。あるいは、研究開発促進税制といったものは拡充すべきである、と考えております。それで減になる部分は、減になる部分を補うために消費税を上げる訳ではありません。それは牽連関係に立つものではありませんが、消費税は上げると。その使途というものを明確にするのだ、と。消費税を上げることで借金を返そうということを私どもは言っているのではないのでして、消費税を上げる、それを医療・介護・子育て・年金、そういったものに充当するのだ、ということでやっているのでありまして、政府税調というものは、その消費税の部分に全く触れていないものですから、法人税を下げる代わりに租特をやめるとかですね、研究開発税制を切るとかですね、そういう話になってくるわけです。これは、何のために法人税を下げるのか、全く分からないとうことでありまして、単なるつじつま合わせでしかない、と。政策的な税制という考え方とは、恐ろしく乖離したものであると、私は印象を持っております。
Q
抜本改革の中でやるべきか、法人税は先行してやった上で抜本改革を行うべきか。
A
それは両方のやり方があると思いますね。ただ、それは一体としてやるべきものなんじゃないでしょうか。法人税をバサッと下げてですね、他の財源を何も考えないで、「経済対策です。法人税だけ下げます」というようなことが出来ないからこそ、ああゆう政府税調みたいな考え方になってですね、つじつまだけ合わせればいいという効果を等間したようなことになるのではないでしょうか。
Q
今の質問に関連するような話ですけれども、政府の方の案と、財政健全化責任法に似通っている部分が多いということですが、23年度までに抜本税制改革をするという点が違う点だと思うのですが、法案を修正するかもしれないというなかで、23年度までに抜本税制改革をするという点は譲れないということでよろしいのでしょうか。
A
これはですね、極めて高度な政治的なお話であってですよ、菅さんの、他の人は除いてですね、菅さんの今までの発言というものを全部つなぎ合わせると、この財政健全化責任法の趣旨に反対するというのはどこにも出てこない。菅さんも財務大臣をお勤めでありましたから、今の財政の危機的な状況というのは、我々とシェアしているものだと思っております。だとすれば、早ければ早い方が良いに決まっているのでありまして、今後、菅さんとしてどういう呼びかけをなさるのか、ということだと思います。そりゃ、党内ではいろいろな調整があるのかもしれません。マニフェストは国民との約束だから全部やるんだとか、無駄を全部なくしてから税制の議論をするべきだとか、いろいろな方がいますが、菅さんが本当に我々と危機意識を共有しているのだとするならば、23年度予算を提出する前に財政健全化の方向性という認識を、私どもと共有することは可能である、と思っております。それは、いつにかって、菅さんのリーダーシップのあり方であり、それに対する熱意の問題だと思っております。私は、絶対に譲れないと申しておりますけれども、私たちの考え方はそうですが、数からいってですね、問題は政府がこれにどう対応するかということにかかっているのです。本当に危機認識を共有しているとするならば、菅さんは何らかの形でこのことについての言及をされなければならないと思っております。むしろ、対応は、政府方がこれに対しどのようにするかということにかかっているんじゃないでしょうか。
Q
林代理にお伺いしたい。地方交付税1兆3千億円ですか、これがそもそもおかしいと。水増しである、ごまかしであるとあったのですけれども、もう少し詳しく説明をして頂きたい。
A
(林政調会長代理)政府が出している案にはですね、地方交付税1.3兆円というものが規模に入っていてですね、それで総額4.8兆円と。こういうことになっていますが、この地方交付税というのはですね、この補正予算とかですね経済対策をもしやらなかったらどうなるか。これ本当に税収が、今言われているように増えて確定してきますとですね、当然、補正を全くしなくても入ってくるお金でありますから、地方にとってはですね、これはお約束のお金であります。ですから、殊更にこれを補正でやって、経済対策をやるから出るんだ、ということで枠に入れていることはおかしいなということでありまして、我々はそれと全く別にですね、自前の財源をさっきみたいに作った中で1.5兆円程交付金を作ろう、と。ですから、我々の案通りいけば、1.5兆円がまず出ていって、その後、政府が言っているように本当に増収があればですね、この1.3兆円はのちほどまた行くというごとになるわけでありまして、こちらの方が正しい今のあり方だろうという、我々の考え方であります。
それから、先程の消費税の関係ですが、政府の閣議決定と我々の法案が形式的に違っている部分がありましてですね、我々法案ですので超党派でいろいろやるってのが書いてありますが、閣議決定では国会議員にこうしろああしろというのは性格上書けませんから。ですから、円卓会議みたいなものは当然閣議決定には入ってきませんけれども、政府が今年お出しになった税法ではですね、我々の時代に作った、さっきご指摘もあった部分はそのまま残っております。ですから、この考え方と違う考え方をお持ちであれば当然削除されているべきものでありますが、それが残っているということは、この部分も我々と今の政府の間で考え方が共有されている、すなわち政調会長おっしゃったように、23年度中に何らかの措置を取らなければいけないとの認識は共有をされていることですから、そこはある意味違っているポイントでそこを削ったり何だり修正しなければならないというそもそもの認識ではないということをご説明しておきたいと思います。
Q
ビデオの受け止めと、どのように対応していかれるのか。
A
あのですね、これは問題を2つに分けて考えなければならないと思います。1つは、そもそも最初から全部公開しないからこんなことになったのではないか、ということ。で、私、40何分見たわけじゃありませんが、今朝のテレビの報道、あるいは削除前のYouTubeというのですか、あれの画像を見る限りですね、何でこれを出さないのか理解できないということなのです。なぜこれを出さないか。先般、ビデオを全面公開するべきだということでですね、私、領土に関する特命委員会の委員長として、仙谷官房長官に申し入れを行いました。その時の会見でも申し上げたことでありますが、「そりゃなぁ、いろいろと手の内を明かす内容が入っているのだ」と。あれ見て、どこが手の内を明かす内容ですか。どう見ても、海保が秘密作戦をやっておってですよ、これがばれたならば手の内が明らかになってですね、海保のこれからのオペレーションが困難になるといった場面はですね、何もなかったですね。で、もうひとつ驚いたのが、「わたしゃ見ていない」と仙谷長官がおっしゃった。当然総理も見ていないでしょう。それ、予算委員会で聞きますからね。そうするとですね、どの部分を出し、どの部分を出さないか。我々は全面公開すべきだと言っていますが、どの部分を出し、どの部分を出さないかということについて、その責任も海上保安庁と検察庁が持っているということであって、こないだの予算委員会でこれは外交問題に発展するという認識が逮捕・勾留の時からありましたかと聞いたら、あったと仙谷さんは答えたわけですね。その後も、こんな問題になってですね、でブラッセルでしたか、会いたいと言ってですね懇談になった。こないだも会いたいと言って拒否されるとかされないとかになったとかいろいろなことがありましたが、もうこれだけ重大な外交関係、内閣として処理すべき外交関係になっているにもかかわらず、なお見ていないというのは、一体どういうことなのか。だから、最初から全部出しておけばこんなことにはなりませんでしたということについて、どのように考えますか、というのが第1点です。
もう1点は、何でこんなものが外に出ましたかということであります。これは、警視庁のテロ情報がネット上に流れたというのも同様でありますが、誰がどう見ても、あれはですね、誰かが携帯でずっと撮ってですよ、その画像だとは思えないわけですね。あんな鮮明な画像になりませんのでね。だとすれば、これは海上保安庁が撮ったものが流出したとしか考えられないわけでございます。私は――林代理も同じような経験をされたのだと思いますが――防衛庁長官・防衛大臣の時にですね、Winnyというソフトを使って、防衛省の情報が流出したという事案がございました。あの時に、防衛省として対策本部を作り、どうすればこういう事態が起こらないかということは丸1年以上かけて、徹底的な対策を講じました。パソコンの管理、あるいはそれのダビング、あるいはそういうものが流失しないための色々なソフトの開発等々、ありとあらゆる考えられる限りの施策を講じて、その後防衛省の中でそのような問題は発生しておりません。その後も、おそらく国土交通省、海上保安庁、あるいは国家公安委員会、警察庁、警視庁においてもそういった策が講ぜられたと思いますが、その後、菅政権、あるいは鳩山政権において、危機管理体制・情報管理体制というものは一体どうなっていたのだということでございます。今回の流失というのは、そんなに色々な手法を駆使してやったというものではなくてですね、かなり簡単なやり方で流失をしたのではないかというふうに私は思っておりまして、誰かが「ほうらこんなものがあるよ」というふうに愉快犯的にやったのか、このような政府の対応は絶対に許さないのだというように確信犯的にやったのか、それは私の知る限りではありません。どちらの動機にせよ、政府として絶対に出さないのだ、総理やあるいは官房長官が、あるいは予算委員長が――なんで予算委員長がいるのか私はよく分かりませんが――出さないのだというような決然たる意思を政府・与党のトップが示しながら、その政府の行政の中において、こんなことが起こるということはこの政府の情報管理能力というものは一体何なんだということが問われると、私はこの2つの問題だと思っております。ですから、予算委員会の質疑が始まるに当たってですね、今日は金曜日ですから、金曜日、土曜日、日曜日かけて一体何でこんなことが起こったのかについては国土交通省あげて、あるいは政府あげて徹底的な調査をして、その中間報告ぐらいは月曜日の予算委員会審議の前に出してもらわないと、はい予算委員会に応じます、という話には全然ならんでしょう。これは国土交通大臣の管理責任の問題です。国土交通大臣としてどのような責任を感じるかということを明らかにしなければなりませんし、わが党においては、国土交通大臣の責任を問えという声が非常に強いわけであります。
それから、これだけ皆が見たわけですね。そうすると予算委員会において全編公開ということは当然求めていかねばならないことでありまして、私としてはこの2点において問題だと思っておりますが、1点目は全面公開すべしということ。2点目は予算委員会までに、なぜこのようなことが起こったのかということについての捜査の中間報告を求めるということだと思います。
Q
TPPについて、政調会長として現時点の考えと、党として1つにまとめていく考えはあるのか。
A
私は、TPPについてわが党はこのように考えるというものはまとめなければならないと思っております。なんでもかんでも絶対反対ということだけで止まってはならないものだと思っておりまして、なぜ反対なのか、補正予算もそうですが、どのようにすればTPPについて、わが国の参加、あるいは参加に向けた検討に入れるのかということを示さないといけないのだと思っております。そこにおいて、新聞報道でしか存じませんが、民主党として農政対策本部ですか、なんですか、そんなもの作るのだ、農業予算を増額するんだということを決めたそうですが、これって麻生内閣でやっていたことなんですね。つまり、麻生さんを本部長とする農政改革本部というものが、私は農林水産大臣でございましたが、当時の中川昭一財務大臣、あるいは鳩山邦夫総務大臣、あるいは与謝野馨経済財政担当大臣等々入って頂いて、農政改革本部というものを立ち上げて、麻生内閣の下で当面10年間ぐらいは、農業予算は伸ばさねばならないと。それは基盤整備であり、あるいは規模の拡大であり、ということでですね農業予算を増やし、農政というものを抜本的に改革するという流れでいってたはずなんですよ。ところが、基盤整備の予算はぶった切って戸別補償に回すわ、あるいは規模拡大ためのインセンティブとして用意した3000億の基金は全部取り崩して、戸別所得補償に充てるわ。農政改革本部はもちろん作らないわ、ということでですね、この1年数か月というものを全て空費をして、今頃ですよ、農政改革本部だ、予算増やすんだと言っても笑止千万であるということでございます。では、農業予算を増やすんであれば一体何に使うんだということが明確にならねばなりません。そして、ただ農業というものをどう考えるんだという話ではなくて、日本農業の基本的な問題は土地利用型の米であり、麦であり、大豆であり、特に米と麦ですよね。これに対してどのようにやっていくのかクリアーにしめされていかないと農政の改革にならんのですよ。そこが明らかにならないで、泥縄式にバタバタやっても非常に見苦しいと私は思っております。ですから、わが党として基本的には麻生内閣の時に考えた改革プランと言うものを軸にしながら農業が影響を受けるのであれば、その負担は一体誰が負うべきであるのかということ。そして、消費者負担型の農政と納税者負担型農政というものをどのように考えるかということ。戸別所得補償すれば良いんだろうという話になりますが、補償してくれるんだったらみんな作るわけですよ。外国から安いものがどっと入るわけですよ。日本人今の2倍食べるわけではないんですよ。そうすると余ったものは、一体誰がそれを管理をし、その金は誰が払い、世界中の困った人達に分ければいいなんてものはFAO(国際連合食糧農業機関)の考え方に真っ向から逆行するものであり、そういういい加減なことは言ってはいけません。わが党としてどうするかということは示しながら、TPPへの対応を考えなければならないと考えております。
Q
ビデオの流失の話に戻りますが、愉快犯なのか、確信犯なのかまだ分かりませんが、流失というよりも故意にとの可能性もありますが、そうした中、投稿者の名前にローマ字でセンゴクと読める、そして、38という数字があるんですが、それについての印象は。
A
38ってどういう意味?(記者から「左派」と発言あり)分かりました、仮にそうだとしましょう、推測でものを言ってはいけませんが、今日わが党で色々な会議があった中でですね、こんなことをおっしゃる方がおられました。これは考え過ぎかもしれないがという前置きの上で、もう今更全面公開とも言えないよな、政府として全面公開っつうことは今まで言ってきたこととつじつまが合わないよな、だとすれば、でも国民はみんな見たいと言っているし、中国は明らかに悪いのだということを世界に知らしめねばならないよなということを考えてですね、名前の方かどうかは知りませんが、政府部内でこれは明らかにして中国の側が明らかに悪いのだということを示したい、そして出せ出せという国民や野党の声にいつまでも抗うこともできないし、さはさりながら今更出すということはつじつまが合わないし、じゃあ出しちゃえということでですね、故意に政府の側がやったのではないのだろうかという意見が党内の議論の中でいくつか出されました。ただいくらなんでもそれは考え過ぎではないの、ということですが、今の政権は何が起こるかちょっと予測不能の政権でありますので、そういう意見がわが党から出た、そういうこともひょっとすれば、でもまさかねーというのが私の感じです。
Q
石原幹事長が先程ぶら下がりの中で、関係大臣は問責に値すると。当然罷免に値し、問責は当然とおっしゃいましたがそれについては。
A
関係大臣というのは国土交通大臣のことを指しているのだと思います。ですので、これは私の個人的な意見を申し上げましたが、なんでこんなことが起こったか、管理体制はどうなっていたのか、そしてそんなに巧妙な手口を使ったとも思えないので、どういうような捜査というのが適当でなければ、公務員の守秘義務に抵触するものなのかという議論は、これはもう公文書ではあるわけですよ、これはね。恐らく文章の範疇に入ります。この公文書というものを表にしたということは公務員の守秘義務に抵触するのかしないのかということの議論をすれば恐らく多分抵触するんだろうと私は思っております。形式上の秘密か実質上の秘密かということはございますが、政府部内でのこれは、実質、形式ともに秘密だとの認識を共有しておるはずでございます。そうすると、なんでこんな守秘義務違反が起こったのかということについても、調査、捜査と言ってもいいです、その過程というものをどれだけ国土交通大臣が明らかにするか、あるいは法務大臣も入ってくるかもしれません、そこにおいて月曜日にですよ、あるいは途中でも良いですけど、実にそのことが杜撰である、つまり管理も杜撰ならば調査もやる気がないということでありとせば、それは当然関係大臣の問責、あるいは不信任に該当すると考えます。(幹部間における共有は)当然であります。