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記者会見

茂木幹事長ぶら下がり

2022年11月18日(金)14:52~15:21
於:党本部平河クラブ会見場

【冒頭発言】

先ほど午後2時から6党の幹事長・書記局長にお集まりいただきまして、新法制定に向けた「寄附適正化の仕組み」の概要について説明を受け、意見交換をさせていただきました。
冒頭、私の方から、司会をやっておりましたので発言したのは、昨日の夕刻、政府から、悪質な献金等の被害者救済に向けた「被害救済・再発防止のための寄附適正化の仕組み」について、説明を受けた。説明を聞いて、総理が強調していた3点、一つは、消費者契約法の対象とならない寄附一般について、社会的に許容し難い悪質な勧誘行為を禁止すること、二つ目に、悪質な勧誘行為に基づく寄附について、取消しを可能にすること、三つ目として、子や配偶者に生じた被害の救済を可能にすること、この三点がしっかり盛り込まれた内容になっていると考えていると。さらに、各党からこれまで出されていた提案頂いた項目、寄附の上限規制に対する考え方、新たに子供や配偶者がその被害を回復できるようにすること、そして刑事罰を含めた罰則規定(を設けること)など、 各党の主張についても、法案化が可能なものは取り入れられていると、このように認識していると。概要ペーパーをお手元にお配りしておりますが、それをお配りをして、確認をしてもらいたいと。そして、消費者庁の新井長官から補足説明をさせて頂いた次第でございます。
お手元の概要紙、私の方から簡単に説明をさせて頂きますと、まず対象として今回の法案には、個人から法人に対する寄附を対象とすると。法人格をもっていなくても代表者がいて組織立っていると、こういうグループ等についても対象に加えるという事であります。これが対象です。寄附に関する規制として、お手元ですと※の3と4になっていると思いますが、この2点が書かれておりまして、※3の方が勧誘していけないことですね、個人を困惑させてはならないということで禁止行為が書いてあるわけですけれども、※3に在ります第一の項目が消費者契約法第4条3項に規定する事項でありまして、不退去、家から出ていって欲しいと言っているのに出て行かないで勧誘を続けると、二番目が退去妨害、例えば喫茶店に呼び出して勧誘を始めて自分が帰りたいと言うのにしつこく勧誘を進める等々の行為、6項目が書いてあります。そして※印の4番目が霊感等による知見として本人や家族の重要事項について現在または将来の重大な不利益を回避できないとの不安をあおると。そして、不安を抱いていることに乗じて、寄附をつのると。こういった形の事を規制するという形で有ります。今申し上げた1、2で7つの禁止行為を規定しているところであります。前後しますが、各党から意見を頂く中で、確実に禁止規定で違反であると、禁止行為であるという立証ができるのかという質問がありましたが、これは全てが確実にできるわけではないけど、少なくともここまで明確に規定をすることによって、これまでに比べて圧倒的にこういった禁止行為を立証するという事が格段と進むと、可能になると、こういう政府からの回答があったところであります。
ペーパーに戻って、2番が借入等による資金調達の要求の禁止ということで、これがいわゆる上限規制ともいえるものになってくると思いますが、過度な寄附を要求するのはよくないということで、過度なものとして借金までしてやると、それから自分が住んでいる家屋敷を売ってまで寄附をすると、そういったことは要求してはならないということが書いてありまして、これがひとつの上限既定というものでありまして、質問に対してもそういった回答をさせて頂いたところであります。
3番目が、本人の寄附の取り消しという事でありまして、取消権の行使期間につきましても明記しているところであります。
4番目が、子や配偶者に生じた被害の救済、そして回復を可能とするための措置ということでありまして、これは質問の中であくまで寄附した本人でなくて家族のものなのかと、それでは範囲が狭いのではないかという話もあったわけでありますが、元々そこにもあるように、民法の規定で民法の債権者代位権はこれまでは期限が到来している債権が対象、これについて取消権が行使できるということでありまして、ここに書いてある、例えば子供でいいますと教育を受けるとか教育を受ける権利、これが金銭的な価値になるわけですが、それをこれまでで言うと、例えば15歳の子供については15歳までは既に発生している分ですから取消しができるということでありますけれども、これが15歳にとどまらず、16、17、18と、将来受けるであろう権利についても保全するという形で、次のぺージに保全の仕方、供託の仕組みを書いてありますが、15歳の子供の場合は16歳にならないと実際に権利は発生しないと。ただ、その権利が16歳になった時、17歳になった時、18歳になった時、確実に行使をできる、自分の利益が確保できるように供託するという仕組みを皆さんのお手元の資料だと2ページ目の冒頭の部分に書いてあるという形であります。野党の方からの質問で範囲と言うのはここまでなのかということに対して、少なくとも今までよりは圧倒的に保全できる、回復できる範囲は広がっていると説明があったところであります。
それから2ページ目にいって、信託の部分は今話した通りですが、5にいって、寄附をした者に対する支援という事で、相談体制の整備であったり、不当な勧誘により寄附したものの支援に努めるということが書いてあります。
6番が勧告等の措置と、これが行政処分にもかかわる部分でありまして、報告を求めると。さらには禁止行為があった場合はその停止を勧告すると。勧告したのに応じなければやるように命令をすると、いうのが6番目の勧告等の措置として書いてあります。
そして7番目が罰則でありまして、命令出したのに従わないと、命令違反をした場合には刑事罰を適用するということが書いてあります。8番がその他の項目ということで、読んで頂ければわかる項目であります。
若干説明の中で野党からの意見についても出たところでありますが、各党から、公明党からは大筋この内容で了解すると。ただ、細部の規定をしっかりして欲しいので作業を急いで欲しいという意見がありました。そして、党によって4党の実務者で協議をすべきだという意見もありましたし、逆に、主要政党が全部集まって議論する機会が極めて重要だと、両方の意見があったところでありますが、いずれにしても法案策定作業を進めて早期に法案を策定して欲しいという意見が大半であったと思っています。それから、いわゆるマインドコントロール下にあるものの寄附等の取消しの扱いをどうするのか、という質問に対して、政府からは、その点については、今回改正される消費者契約法、そして新法の中で、その両方の中で不安をあおり、またはそのような不安を抱いていることに乗じて締結した契約は取消しできることにしたということで対応している、との説明があったところであります。私の方から皆さんの意見を聞いた上で、最後に、維新の方からも党派の枠を超えて取り組むべきとの意見もありましたので、そうした藤田幹事長の意見に賛同すると、私から改めてこの法案は与野党の枠を超えて取り組むべき重要課題であって、「政争の具にはしない。与野党でできる限り協力して早期の成立を目指す」ことを各党にお願いをしたところであります。
今後の進め方でありますが、今日も4党、3党の実務者協議も予定されておりまして、そこでの議論の積み重ねもありますので、さらにそこで議論を深めて欲しいというのは当然のことですが、最終的には法案を早期に成立させてなくてはならない。それが被害の救済、再発の防止につながるものでありますので、仮に、実務者協議がなかなか進まなくても、それは実務者の責務に負わせるものではないと。やはり各党で、幹事長を含めて党全体で責任をもってこのプロセスを前に進めるものであるという話をさせて頂きました。そして、政府に対して、実務者協議も踏まえ、各党からの意見も参考にしつつ、この国会で早期の提出、早期の成立という意見が出されましたので、多くの政党から、政府には法案策定作業を加速し、早期の国会提出が行えるよう準備を進めて欲しいと、これを6党の総意として要請したところであります。

質疑応答

Question
読売新聞です。確認ですが、今日の概要については6党で概ね合意したということでよろしいでしょうか。
Answer
いえ、そういう事ではありません。今日お示しをさせて頂いて、意見を頂いたということでありま して、内容について確認をさせて頂きました。それぞれ意見も頂いて、自民党を含め概ね了解している政党もありますし、当然、まだ盛り込みたい項目等々がある政党と、議論を深めて欲しい、こういったことを盛り込んで欲しいという政党もあるかと思いますけれど、やはり早期にこの法案を成立させること、そして実効性、実際に効果がある、実効性の上がる法案にしなければならない、こういったことでは一致を致しましたが、今日、初めて見て頂いたものでありますから、更に、各党持ち帰って検討されるということだと思いますし、それはそれとして、もう時間がありません。政府の方では今日もらった意見も含めて、これまでもらった意見もありますから、それも参考にしながら法案策定の作業を急いで欲しい、早期に国会に提出をして欲しい、こういったことにつきましては、6党が一致した意見でありました。
Question
朝日新聞です。今後の進め方についての確認ですが、閣議決定の前に野党に案を示すというのは、これまでにないと思いますが、今後また概要でしたり、要綱でしたり、何らかの幹事長会談で改めて示すということもあるのでしょうか。
Answer
今後のプロセスについては決まっておりませんが、当然、与党におきましては法案が閣議決定するプロセスにおきましては、部会、そして政審、更には総務会、そして与党政策責任者会議等々のプロセスを経ると、その合意を得た上で、閣議決定をされると、そういう性格だと思っております。今回、こういった形で考え方というか、仕組みについて、これまでと比べると異例ではありますが、野党の皆さんにも前倒しで、これをお示しして意見も頂いたところでありますから、政府にはそれも参考にしながら、法案の策定作業、急いで欲しいと、こんな風に考えています。
Question
NHKです。確認ですが、マインドコントロールへの対応として、ペーパーで言うと「寄附に関する規則」の3と4で計7つの項目を定めています。
Answer
この中の※印の4です。
Question
NHKです。これで対応するということですか。
Answer
はい。
Question
NHKです。もう一点。罰則の「刑事罰」は懲役刑も含まれるということですか。
Answer
今までの消費者行政に絡みます様々な法案がございます。そこの中で禁止規定等々がありまして、罰則というのがあります。そことのバランスを考えて、今後この刑事罰については決めていくということになりますが、そういった、これまでの法律を考えたときに、懲役刑、罰金刑と入ってくる可能性はあると思っております。
おそらくいくつかこのマインドコントロールの問題について意見もいただいたので、今説明したような形で、かなりそれも取り込んだ内容になっていると思いますけれど、ここに対する規定を最終的にどうするかにつきましては、おそらくマインドコントロール、これは、「状況の認定」、これがどうしても必要になってくるわけでありまして、状況の判断、認定というのは、私も様々なこれまでの判例等を見てきましたけれど、かなり困難を伴うものでありまして、結果としてそうなると判断できないということになりますと、被害者救済に繋がらないんではないかなと思っております。それよりは行為自体、状況よりも行為自体を規定した方が、執行可能性、これは明らかに高まる。このように考えておりまして、大きな前進に繋がるんではないかなと、こんなふうに思っているところであります。
同時に、家族とか第三者、この気持ちも尊重しなければいけない、そんなふうに思っておりまし て、先ほど申し上げたように、家族が自分の権利として回復できる部分につきましては、これまで以上に、将来の権利と言いますか、それについても規定をさせていただいた。同時に、今回、禁止される悪質な行為というのを明確に規定をいたしました。この禁止行為というのを規定をすることによって本人だけではなくて、本人は例えば寄附したことが良いと思っていたとしても、家族が、それは家族にとっても良い寄附ではないと思うケースはあると思います。そして、悪質な勧誘をされたと、こういう認識を持っている、というか事実を家族が掴んでいるという場合もあるわけでありまして、家族等が情報提供を行って、禁止行為の認定に関与できるように、今回の法案でなるわけです。今まではならなかったわけです。禁止行為がないわけですから、ならない、当然。家族が今後、関与できるということによって、悪質な勧誘、禁止行為でありますから、この抑止に繋がると。同時に、刑事罰も含めた罰則規定を設けているわけであります。そうなりますと、寄附した本人の意思が変わらない場合でも、法人の側からすると悪質な勧誘と認められてしまった。このままいくと、刑事罰がかかるということになりますと、法人の側からお返ししますと。こういう行為に繋がると。こういう効果も期待できるんじゃないかなと、こんなふうにも考えてるところであります。
1日も早い被害の救済であったりとか、再発の防止の観点から、与野党でできる限り協力をして早期の法案の提出、成立を目指すということが基本的な考え方でありますけれど、今日の概要を見ていただいて、少なくとも私の評価としては、これまで各党からご提案をいただいている内容に比べて、取り消し等の対象となる寄附、この範囲は広がっています。間違いなく、一定の、マインドコントロールとか特定の部分ではなくて、かなり取り消しの対象となる寄附の範囲が広がっている。そして、禁止について、個別の要件、これが明確になっていますから、執行可能性というのは極めて高い。そして実効的に被害者の救済、再発防止に繋がるものだ。こんなふうに私は考えています。
Question
朝日新聞です。旧統一教会を巡っては、韓国など海外への送金についても問題視されていますが、8の「その他」にある「寄附された財産の使途について誤認されないように...」というのはこれに当たるのですか。
Answer
個別の事例について当たるか当たらないかという判断は、私は裁判所じゃありませんから、する立場にはない、もしくは行政権を持っているわけではありませんけれど、言っていることは、「こういうことに使います」と言ったのに実際に使っていることは違ったことであると、これに当たるということであります。ただ、個別の事案について、これが当たる、当たらないという判断をする立場に私はありません。
Question
時事通信です。本日、10増10減を巡る改正公選法が成立した受け止めと、今後党内や公明党との候補者調整の進め方についてどのように進めるお考えですか。
Answer
今日、改正公選法が成立をすることによって、衆議院における1票の格差、2倍未満に縮小されることになります。司法の判断にもしっかりと対応するものになったと、そのように考えております。
一方、今回の公選法改正にあたりましては、人口減少であったりとか地域間格差の問題、また同じ県内においても、区割りのあり方など様々な議論もあったところでありまして、こうした意見・議論も、付帯決議に盛り込んで、地域の実情を反映した選挙区割りのあり方などについて、国会で抜本的な検討を行うということにしたわけであります。候補者調整、まさにこれからということでありますが、森山選対委員長とも協力をしながら、まずは自民党の関係都道府県、またあの党内の意見、これも丁寧に聞きながら進めていきたいと、こんなふうに考えております。