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記者会見

【総裁選】3選をうけて安倍総裁記者会見

2018年9月20日
【総裁選】3選をうけて安倍総裁記者会見

冒頭発言

(はじめに)

先ほど、総裁選挙が終了し、あと3年、自由民主党総裁としての重責を担うこととなりました。大変、身の引き締まる思いであります。

まず、私の訴えに対して力強いご支持を頂いた、全ての同僚議員、党員・党友の皆様に、改めて御礼を申し上げたいと思います。

特に、全国の党員・党友の皆様からは、前回、6年前の総裁選挙の2.5倍、35万票を上回る得票を頂くことができました。

これまで6年間にわたる経済政策、外交・安全保障政策の実績の上に、更に3年間、この誇りある自由民主党を率い、「引き続き、国家・国民のため、強力なリーダーシップを発揮せよ」と、力強く背中を押して頂いたものと考えております。

(補正予算の編成)

直ちに、仕事にとりかからなければなりません。

北海道胆振東部地震、台風21号、大阪北部地震、そして西日本豪雨。この夏は自然災害が相次ぎ、列島に甚大な被害をもたらしました。それぞれの被災地では、多くの皆さんが、今なお、大変な困難に直面しておられます。

総裁選挙の期間中も、政府として、予備費の執行など何よりも災害対応を第一に取り組んできたところでありますが、一日も早い生活再建、生業の復興に向けて、北海道全域で宿泊料金の割引を速やかに実施するなど、取組を更に加速しなければなりません。

あわせて、この夏は猛暑による熱中症も相次ぐなど、全国の皆さんが、近年の急激な気象の変化、それに伴う自然災害の増加に、大きな不安を抱えておられます。この総裁選挙でも、全国で、防災・減災、国土強靭化のための緊急対策を、3年間で集中的に実施することをお約束させていただきました。

強靭なふるさとづくりは、待ったなしの課題です。直ちに着手いたします。被災地の復興を加速することとあわせ、小・中学校へのクーラー設置やブロック塀の安全対策など、急を要する対策について、来たる臨時国会に補正予算を提出する考えであります。速やかに編成作業を開始します。

(積極外交)

週明けから、外交も、さっそく始動いたします。

国連総会に出席するためニューヨークに向かいます。世界の首脳たちが集うこの機会を活かし、地球儀を俯瞰する視点で、積極的な外交を展開する考えであります。

トランプ大統領との日米首脳会談も行う予定です。FFR協議が進む中で、日米の通商関係の未来について、また、世界の新しいルールづくりに向けて日米両国が果たすべき役割についても、大いに議論したいと考えています。

来月の、私の中国訪問に向けた調整も進んでいます。その先には、東アジアサミット、APEC、そしてアルゼンチンでのG20サミット。こうした機会を活かし、ロシアのプーチン大統領とも首脳会談を重ねていきたいと考えています。

更には、国際社会との連携の下に、北朝鮮の核・ミサイル、そして何よりも重要な拉致問題の解決に向けて、次は、私自身が、金正恩委員長と向き合わなければならないと考えています。

戦後日本外交の総決算を行っていく。そして、アジア・太平洋からインド洋に至る広大な地域に、新しい時代の平和と繁栄の礎を築く。我が国として、世界の真ん中で、強いリーダーシップを発揮していく考えであります。

(歴史の転換点に臨む)

年が明ければ、歴史的な皇位の継承が行われます。

その後には、世界の主要な国々のリーダーを日本に招き、我が国が初めてG20サミットの議長国を務めます。その翌年には、東京オリンピック・パラリンピック。

まさに歴史の大きな転換点にあって、日本の明日を切り拓いていく。私は、その先頭に立つ決意であります。

国難とも呼ぶべき少子高齢化に立ち向かい、激動する国際情勢の荒波に立ち向かっていく。そして、70年以上一度も実現してこなかった憲法改正にいよいよ挑戦し、平成の、その先の時代に向かって、新しい国創りに挑んでまいります。

そのスタートにあたって、国連総会から戻り次第、党役員人事、内閣改造を行う考えであります。未来を見据えた国創りという大事業にあたっては、できるだけ幅広い人材に活躍のチャンスを作りたいと考えています。

(おわりに)

さて、現職の総理大臣が総裁選挙に臨むのは、15年ぶりのことであります。

2003年、小泉総理の総裁選で、私は小泉陣営の選対本部で全力を尽くしましたが、得票は60%程度にとどまった。本当に厳しい選挙でした。99年の小渕総理の得票も68%。現職総理だからといって、楽な選挙など決してありません。

しかし、今回は、こうした過去の例を上回る、全体で7割近い得票を頂くことができました。これは、私にとって大きな力であります。改めて、感謝申し上げたいと思います。

皆さんのご支持こそが、政策の推進力であり、リーダーシップの源泉であります。

そのことを、私は、これまで5回の国政選挙において痛感してまいりました。集団的自衛権の一部行使を含む平和安全法制、消費税の使い道の見直しによる教育無償化。国論を二分するような改革も、国政選挙で、国民の皆様に信を問い、支持を得ることで実現することができた。これこそ、民主主義の真髄、民主主義のダイナミズムであります。

すべての世代が安心できる社会保障改革、戦後日本外交の総決算、そして、制定以来初めての憲法改正。いずれも、実現は容易なことではない。いばらの道であります。党内の議論も、他の政党との調整も、一筋縄ではいかないかもしれない。

しかし、今回の総裁選挙を通して、党内の大きな支持を頂くことができました。これは、これから3年間、私が、自民党総裁として強いリーダーシップを発揮できる、党一丸となって大改革を断行する、大きな力になるものと考えます。

私からは、以上であります。

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