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記者会見

稲田朋美政務調査会長 記者会見

平成28年3月3日(木)14:30~
於:党本部記者会見場

冒頭発言

本日開催されました政調審議会の概要をご報告いたします。お手元の案件表の通り、法案等8件を了承致しました。
私からは以上です。質問どうぞ。

質疑応答

Q
NHKの田村です。憲法改正の関係でお伺いしたいのですが、昨日総理が予算委員会で、在任中の改正を目指したいという考えを示したのですけれども、それについて稲田会長のご見解をお願いします。
A
総理は質問に答えられる形で、憲法を改正するには3分の2の同意によって発議をしなければならないし、最終的には国民投票ということもあり、なかなか簡単ではないということも言われていたと思います。その上で、自民党の総裁として党是である憲法改正を目指していくということを言われた。そして重ねて「それは在任中なのか」ということを訊かれて、在任中に憲法改正を目指していくということを言われたということですので、今までずっと総理が述べられていたことと別段変わりはないというふうに思います。
Q
NHKの田村です。関連して、今回の発言について公明党とかから、参院選への影響を懸念する声も出ているのですが、その点についてはどうですか。
A
ニュースで見た限り、公明党の石田政調会長が、在任中というのは唐突な感があるというコメントをされていたかと思います。総理の発言のその部分だけ取り上げて「在任中に憲法改正をする」ということであればそういうことなのだろうと思いますが、前後を見ていただければ今まで総理がおっしゃっていたことと全く変わりはないし、総理が何か特別のことを言われたというふうには思っていません。
Q
フジテレビの和田です。関連で、政調会長がおっしゃる通り、総理は党で優先順位も決まっていないという主旨のことを指摘されて、憲法審査会での議論もまだだと。それからこれまでの国会答弁ですと、国民の理解ということもおそらく前提にされている中で、任期中に成し遂げたいということを確かにおっしゃられたので、私も実はあまりびっくりしていないのです。
政調会長の矩はこえてしまうかもしれませんが、総理と憲法改正について近い考えをお持ちの政調会長としてお答えいただきたいのですが、9条2項改正を含めて少なくとも総理の思いは任期中に成し遂げたい、先ほど申しました通り前提がありますから出来るかどうかは別ですが、その思いを成し遂げるために党内あるいは国会、それから国民の理解、どういう協力をしていかれるとお考えでしょうか。
A
立党60年を経て、野党時代に自民党とは何ぞやということも議論した中で、党の総裁が憲法改正を目指すというのは当然だというふうに思っています。その上で、総理もおっしゃっているように、最終的には国民の投票によって、国民の過半数が変えましょうということでなければ変えられないわけです。なので、まず私は、国民の皆さん方の憲法改正の議論を盛り上げていくということが何よりも重要なことだと思います。先日、予算委員会で9条2項のことを取り上げたわけですけれども、それぞれが憲法改正についての議論を座布団集会であれ、支援者の団体であれ、勉強会であれ、まずは議論を深めるということが重要だと思っています。
Q
フジテレビの和田です。変えていこうと思えば衆参で3分の2必要なわけですがそれは横に置くにしても、環境権とかはそれほど問題はないと思うのですが、政調会長が熱心でいらっしゃる9条2項改正にまで到達するのにはどれくらい時間がかかるものでしょうか。
A
非常に難しいと思います。そして、今までどちらかというと避けて通ってきたような課題でもありますけれども、平和安全法制も成立して、それについて憲法・立憲主義の問題もかなり議論もされていましたので、私は議論を深めていくということは重要なことだと思います。
時間がどれくらいかかるかというのは、3分の2で発議を出せば良いというものではなくて、しっかりと国民の皆さんも理解して変えるべきだと思って、初めて発議もするべきだというふうに思いますので、そう簡単ではないと思います。
Q
フジテレビの和田です。もう一歩踏み込ませてください。総理とほぼ同じ思いをお持ちの政調会長としては、総理が成し遂げればいいのでしょうが、9条2項改正を含めてというのは、任期が伸びるのか伸びないのか分かりませんが、なかなか難しいことだとは思うのです。そうしたときに「それじゃ次は私が9条2項改正まで含めてやり抜いてみせる」というようなご決意がおありでしょうか。
A
自民党の総裁であればどなたであれ、憲法改正というのは総裁としてチャレンジをしていく、歴史的チャレンジという言葉を総理も使っておられましたけれども、歴史的なチャレンジをしていくというふうに思います。
Q
東京新聞の木谷です。聴覚障害者の地位向上についてお伺いします。現在、手話を日本語と同じように言語として位置づける法律の制定を求める声が地方議会で広がっていて、全日本ろうあ連盟によると全国で1700を超える地方議会でこうした法制化を求める意見書が採択されているそうです。手話の学習機会の保障などを義務付ける内容ですが、会長はこうした法整備の必要性についてはどのようにお考えですか。
A
聴覚障害のみならず様々な障害を持っておられる方も、しっかりと社会の中で受け入れられるだけではなくて、活躍できるようにするのが一億総活躍社会だと思います。今ご指摘いただいた法案について詳らかに存じ上げませんので、その点についてどうすべきというところまではコメントできませんけれども、方向性として、手話を多くの方が学び、それによってコミュニケーションが図られる社会を作っていくというのは、目指すべき方向性だというふうに思います。
Q
日本テレビの高柳です。話がまた憲法に戻って恐縮ですが、先ほど会長が「国民の皆さん方の議論を盛り上げていくことが重要」というふうにおっしゃったのですが、党の考え方として、自民党の草案を見直して提示していくということも考えられるのでしょうか。
A
自民党の草案もパッケージになっていて、野党時代に議論をして谷垣総裁の下でまとめたものです。総理もその内容について、例えば自衛権の行使をしっかり位置づけるとかいった方向性を示していたとしても、一字一句その中に書かれたもの全てを提案するということではなくて、優先順位も付けつつ、また国民の皆様方の理解も深めつつ、一つ一つの条項を検討していって、提案するということだと思います。
Q
読売新聞の薩川です。改憲の関係で、国民の理解が不可欠というふうに総理や会長もおっしゃっているのですけれども、世論の高まりが必要だと思います。そうすると、やはり国政選挙で例えば争点化するとか、参院選の公約の柱立ての一つにするというのも、世論の高まりを助長するためにできることの一つだと思うのですけれども、参院選の公約に関して憲法改正についてはどう考えていらっしゃいますか。
A
憲法改正については今までも必ず、私が記憶にある限りは、掲げてきたと思います。ただ、具体的にこの条項をこうするというような形で争点化するには、まだ議論が深まっていないのではないかと思います。
Q
読売新聞の薩川です。理解を深めるために、公約の項目の一つとして挙げるという考え方についてはどうですか。
A
議論が深まって、党内でもこういう方向性で行こうということが固まって、初めて公約に載せて、それを争点として選挙戦に戦うというのが順序だというふうに思います。公約に掲げなければ国民の議論が深まらないということでもないと思うので、私は議論を色んなところでして、理解を深めていくということが先決だろうと思います。
Q
北海道新聞の幸坂です。関連ですが、今おっしゃったのは、参院選までは少し時間的に難しいという意味合いなのでしょうか。
A
時間的というか、議論を特定の条文について深めるまでは、現時点で至っていないと思います。
Q
朝日新聞の岡村です。それに関連してなのですけれども、参院選までは、正味7月と考えればまだ4ヶ月ほどあるわけですけれども、その中でもっとこういう議論を深めていって、例えば改憲項目を絞ろうというお考えはないということでしょうか。
A
ないというか、私自身は様々な場面で憲法の問題は取り上げていますし、また講演だけではなくて、支援者との会議等でも取り上げています。そういうことを党全体で、党の国会議員全体が深めていくこと無くして、国民の所に伝わっていかないと思うのです。やはりそういうことを、まずやるということが重要だろうと思います。
Q
朝日新聞の岡村です。そういう面では、もう少し自民党の中でも議論していけば良いと思うのですけれども、憲法改正推進本部も森本部長に替わられてまだ1回の開催ですし、勉強会というような形になってしまって、議論が深まっているようにはちょっと見えないのですが。
A
厳しいご指摘ですけれども、そうやってまず勉強したり、色んな会議でそれぞれが取り上げるということが重要だと思います。
Q
フジテレビの和田です。今の話なのですが、国会でも条文まで踏み込むと議論って時間がかかると思うのですが、もしかすると自民党の議論も、自民党が条文ごとにこうだと、一度立てたものを出すのではなくて、国会でも十分賛同が得られるようなものということを意識したテンポで議論を進めていくというような感じになるのでしょうか。
A
その点も優先順位ですよね。例えば指摘にあった環境権の問題など、国民の多くが入れましょうというようなものからやっていくべきなのか、本質的な憲法の改正に関して何を優先順位で持っていくかということも、まずは議論をしないといけないというふうに思います。そこまで今固まっているというか、党の全体としてそれが決まっているという状況ではないと思います。
Q
読売新聞の薩川です。今の話の関連なのですが、衆議院の憲法審査会で優先的に議論する項目として、緊急事態条項ですとか、環境権とか、財政規律条項等に繋がっていくと思うのですけれども、これについて機動的な財政出動ができなくなるという批判が上がっています。政調会長は日頃から党内きっての財政規律派とご自身でも仰っていますけれども、財政規律条項を新設することについてはどのようなお考えでしょうか。
A
今色々とご質問いただいて、党の中で、例えば何を優先順位で出すかとか、どういう文言にするかとか、そこまで議論が進んでいるわけでもないので公約にも掲げられないわけで、まずは国民の議論を高めるべきだというふうに思っております。
その上で私個人としては、財政規律の条項は入れるべきだというふうに思います。野党時代の憲法草案の中にも入っていたかと思いますし、また昨年ドイツに視察に行ったときにも、憲法改正して財政規律についての条項を入れたことで財政再建が前進したというご意見も聞きましたので、私個人としては入れるべきだと思いますが、それもまた自民党の中で色んな意見がまだあるというふうに思いますし、入れるとしてもその文言をどうするかということもあるのだろうと思います。