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記者会見

平成22年度補正予算成立を受けて 谷垣禎一総裁ぶら下がり会見

平成22年11月26日(金)
於:院内第24控室

質疑応答

Q
平成22年度補正予算が成立しましたが、谷垣総裁の受け止めをお聞かせください。
A
こういう経済情勢のときですから、迅速に効果を生じるような経済対策、景気対策が必要なのは明らかですが、今度の補正予算は、総額4.8兆円と言っていますが、地方交付税等々に回すのを除きますと3兆円台になります。今の対策としては、物足らないものです。
それから補正予算の中身もさることながら、全体的に日本を空洞化させるような政策の方向性、あるいはバラマキをしっかりと改めて、経済運営全体の方向性をしっかりさせないと、個々の補正も効いてこないということだと思います。今後とも、今の経済情勢を見据えて、実効性のある対策を迫っていかないといけないと思います。
Q
仙谷官房長官と馬淵国土交通大臣に対する問責が可決される見通しですが。
A
結論を見ないと、まだ今の段階では提出したところなので申し上げにくいのですが、しかし、仙谷官房長官に対する問責は、まず根本的には尖閣問題の処理の枠組みそのもの、それを極めて誤った方向に位置付けたということがあると思います。これは何としても、政治の判断と責任で解決しなければならない問題です。
要するに、国内法に則って淡々と処理するということで、それは検察の判断ということでした。検察がこういう問題を的確に判断できる組織でもないし、またそういう役割を背負っているわけでもない。政治が責任を負わなければならないのにそこから逃げた。それは責任回避でもある。
そして、そこからいろいろな問題が生じてきている。そういうふうに司法の過程だと言ってしまったので、ビデオについてもそれは証拠物で、開示するには刑事訴訟法上の制約があると。尖閣ビデオを早く開示していれば、中国側の反応もずいぶん違った可能性がある。問題がこじれなかった可能性がずいぶんある。そういう手法を取り入れなかった。
そういう形でやって、結局、海上保安庁からビデオが流出する。それは本来、公開していたという形の中で、無理にこういう処理の形をとったために新たな問題を生じさせた。一派万派を呼んで、根本の仕組みを間違えたために、多くの過ちを行った。これは将来に禍根を残します。政治が判断するのではないという枠組みでやってしまった。これが一番大きいです。
その他にも、いろいろな答弁、かなり乱暴な答弁をしています。こういうこともあれば、いろいろなことがあります。それから危機管理のときに中心になって動くのは官房長官です。官房長官が官邸に出てこられたのは総理よりも遅かった。こういうことも非常に大きな問題があると思います。
Q
これから重要になるのは、政府がどう問責を受け止めるかということと、野党がどう国会に臨むかということだと思いますが、今のところ菅総理は問責が可決されても罷免しない意思を示していますが、谷垣総裁の受け止めをお聞かせください。
A
踏まえるという以上に国会の意思が示されれば、当然のことながら。行政府はその国会の意思に適合する動を取っていくのが、あるべき姿ではないかと思います。
Q
仙谷官房長官は、今、影の総理と言われていますが、仙谷官房長官に問責を出すことは、内閣への不信任案に相当するとお考えですか。
A
官房長官に対する問責決議案です。
Q
問責決議案可決後の対応について、今日の幹部打合せで審議に応じない方針を固めたとのことですが、このことをどのように国民に説明されますか。総裁のお言葉でお聞かせください。
A
人の言葉で語っているつもりではないでのすが、これは、第1にそういう国会の意思が示されたならば、それに相応じた対応を取るべきだと思います。そこから先は、まだ仮定の話です。内閣の出方があるでしょうから、それを注視していきたいと思います。
Q
問責決議案が可決されても無視すれば良いとの政府・与党に見られる考え方について、総裁のお考えをお聞かせください。
A
要するに、私は度々申し上げていますが、今、衆議院の多数を占める勢力と参議院の多数を占める勢力に食い違いがあります。私たちも過去にそういう経験をしましたけれども、やはり政権を担っている者は国民に対して、こういうことを必ず成し遂げて、国民の安心とか生活を守っていかなければいけない責務を負っているわけです。そういう中で国会と、どう折り合いをつけて行動していくかということは、特に今のような衆参勢力が違うという状況の中では、政権は真剣にそれに向かい合って、反芻しながら、どうすれば政権が国民に対する責任を果たせるのか、そのことを真剣に考えなければならないわけです。その時に、参議院の問責決議案に対して、それは必ずしもそれに応える必要はないと居座るような態度を取ることは、政権が国民に対して、何を為していくのか、どういう形で自分たちがやろうとすることを実現していくか。そのことに対する真剣な態度が見られないと、私は考えています。
Q
直近の民意は参議院選挙だと思いますが、今回の問責決議案が可決される意味合いについて、どのようにお考えですか。
A
可決される意味合いについて、基本的に、今、申し上げたことと同じですが、日本の政治で、今、起こっていることは、政権交代が時々は起こる。今まであまりそういうことは起こりませんでしたが、時々は起こるだろうという流れができているわけです。それと同時に、政権交代が起こるときに、最後は衆議院でなければ政権交代は起きませんが、衆議院からいきなりそう来るとは限らない。参議院からそういう流れが始まることもあります。それはつまり、今、申し上げたねじれも日本の政治の中に、これから常態化していくと理解しなければいけないと思います。ねじれているから、自分たちは何もやらなくても良いというわけにはいきません。政権というものは、ねじれていようと何であろうと、国民の安心や生活を守らなければいけない。それをどうやるのか。これから我々は野党として、国民生活をどう守るかという知恵を絞らなければなりませんが、政権の方は、当然、こういう状況の中で、政権としての責任を果たそうとすることと向かい合わなければなりません。どうすればお互いにねじれたり、政権交代が起こる中で、国民に対する責任を果たしていくか、その重要な学習過程ではないでしょうか。そのことを重要な学習過程にあることを無視して、自分たちの思いのままに行動することは、結局国民に対する責任を果たせないという方向に行ってしまう恐れが極めて大です。私はそういうふうに捉えています。