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記者会見

鳩山総理の沖縄訪問を受けて 谷垣禎一総裁記者会見

平成22年5月4日(火)
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

【谷垣禎一総裁発言】

鳩山総理が総理就任後、初めて沖縄を訪問しましたが、総理の口から公式の場で初めて、沖縄への普天間基地の問題をお願いしたいとの発言が出てきました。「国外、最低でも県外」と言っておきながら、沖縄県民の期待をあおってきておきながら、これは明確な約束違反です。沖縄県民のお気持ちからすると、裏切りと写ることも明白です。県民の思いを無視して、米国と協議した案をそのまま押し付けるのか。
総理は常々、「思い」という言葉を口にしますが、本当に人の思いを重んじておられるのか。むしろ軽視しているのではないか。非常にその思いというものに鈍感なのではないか。今日は、仲井真沖縄県知事、地元の方々の話を伺う機会もあるとのことですが、そもそも(問題解決に)押し迫った今ではなくて、もっと前に、このような機会を設けられたうえで、案を練るべきではなかったのかと強く指摘したいと思います。
徳之島についても、今月7日に地元3町長との会談を控えていますが、徳之島の住民の理解もないまま、これも公式の場で初めて徳之島への一部移転に言及があったわけです。徳之島の住民の思いを極めて軽視したことであると強く主張せざるを得ません。
ここに至っても全体像、個々の案はあっても、全体の移転案、政府案が明確には示されていません。一体、今まで就任されてから8カ月、何をやっていたのか、極めて不誠実だし、今までの不作為の責めというのも問うていかなければならないということです。当然のことながら、国会でどのような全体像を考えておられるのか、総理は国会で説明責任を果たしていただく必要があるので、我々もそれを強く求めていかなければならないと思います。
普天間問題の解決、沖縄現地の負担を軽減しながら抑止力も維持して行く。これを達成するには、ガラス細工的な難しさがあることを分かっていたはずなのに、そこを甘く見た。そこを甘く見たということは、鳩山総理には、総理の資質に大きな疑問を抱きます。もはや5月決着は極めて難しい、絶望的ではないか。事態を混乱させた挙句、衆院選の約束も反故にした。政治は結果責任です。先ほど申し上げましたが、集中審議、国会での説明も強く求め、鳩山総理はもちろん、官房長官、外務大臣、防衛大臣、沖縄担当大臣、関係閣僚をはじめ鳩山政権全体の責任を厳しく問うていかなければならないと考えています。

質疑応答

Q
こういう事態に至って、今後、自民党としては、どういう策をとっていくのが相応しい、また鳩山総理にこうすべきというお考えはありますか。
A
先ほど申し上げましたが、極めてガラス細工的な難しさがあります。我々が政権のときには、10数年かけて築き上げてきました。これは政府としてもお願いをしましたが、沖縄県知事、地元首長、地元の方々は、やむを得ないということであったわけですが、受け入れを認めていただいた。もちろん反対の方はいらっしゃいました。
それから環境アセスも出来上がっていて、2014年には実現できるというところまで行っていた。私どもはこれが唯一可能な案と考えていました。しかし期待をあおって、ガラス細工を粉々にしてしまったというのが現状です。どうすれば良いかという問いかけがあっても、袋小路に入っているなというのが率直な感想です。この責任は、この袋小路の認識、先ほど甘く見られたと言いましたが、そういったガラス細工的な作業の難しさというものを無視して、袋小路に追い込んだ鳩山政権、鳩山総理に責任があるのであって、なかなかこういう事態の後では簡単ではありません。誠実な現地との対応、対話を積み重ねる以外に方法はないのではないかと思います。そういう事態に追い込んだ責任は極めて重いと考えています。
Q
以前の自民党の政府案に戻すべきとは、お考えになりませんか。
A
要するに、そういう案もすべて地元との信頼関係というものがなければ、その案も実現はできないわけです。その信頼関係を壊してしまったのだと思います。ですから、我々もどうすると言われても、その信頼関係も、他になかなか案がなかった。多少の手直しはあるかもしれませんが、いろいろ考えた挙句、これしかなかった。そこでその基礎は信頼関係である。それを壊してしまったので、今、具体的にどうするんだと言われても、もう1回、信頼関係を築き上げていくとしか申し上げるしかありません。これはあくまで壊した責任は鳩山政権にある、これははっきりしていると思います。
Q
沖縄県内の一部首長は、5月末までにこだわらずに移設先を決めてほしいとの声もあるようですが。
A
これは沖縄県外という立場から考えれば、そんなに拙速にできるはずもないという思いがあると思います。だけれども、総理はなにゆえに5月末と日を区切られたのか。事態を混乱させた責任は、そういう沖縄の声によっては免れないと考えています。
Q
5月末までに決着できなければ、退陣すべきだとお考えになりますか。
A
当然です。