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記者会見

石破茂幹事長記者会見(役員会・役員連絡会後)

平成26年9月2日(火)10:45~11:02
於:党本部平河クラブ会見場

冒頭発言

(役員会の内容説明)
石破 茂幹事長

役員会、役員連絡会、副幹事長会議を続けて行ったところです。
 役員会において、総裁より前回も発言があったところですが、「人心を一新し、日本を取り戻す闘いの第二章に臨むため、内閣改造と合わせ党役員についても人事を刷新する。この際一任を願いたい。一昨年総裁に就任して以来、総選挙に勝利して今日まで様々な改革を実行し予想以上の成果を収めることができた。これからもよろしくお願いしたい」という旨のご発言が総裁からございました。
 それを受ける形で私(石破幹事長)から、人事については総裁に一任ということをお諮りし了承を得たところです。なお、役員任期は9月の末日までですが、総裁への人事一任をもって現役員の任期は終了いたしました。なお、党則81条により、終了した後にも後任者が決定するまで引き続きその職に在るということになっております。後任人事決定まで引き続き協力をお願いしたい旨を申し上げて、役員会を終了したところです。
 その後、役員連絡会がございまして、同様のことでございました。
 副幹事長会議においては、私、細田幹事長代行、浜田幹事長代理、萩生田筆頭副幹事長、中谷特命副幹事長、その他からそれぞれ発言がございまして、この1年8カ月、あるいは1年、幹事長室においていろいろなことをやってまいりました。成果があったものもあれば、今一つということもあろうかと存じますが、足らざる点があれば、それは私の責任であるという旨を申し上げました。私が心がけてまいりましたのは、よく「永田町の論理」ということを申しますが、それが国民と乖離をした時に我が党は厳しい状況を迎えるということです。もちろん迎合するという意味ではまったくありませんが、国民の考えになるべく近い党運営をしてまいりたいということが一つ。もう一つは、単に迎合するだけであれば、それは民主党政権の失敗を繰り返すことになります。きちんと本当のことを言い、なおかつ選挙に強い、そして国民の考え・感情に近い自由民主党を作りたいということで、選挙も党運営もやってまいったつもりであります。もちろん足らざる点は全て私の責任ですが、前の任期、そして今回の任期で支えていただいた細田幹事長代行、浜田幹事長代理、萩生田筆頭副幹事長、中谷特命副幹事長、副幹事長の皆様方、本当に気持ちのいい仕事ができたと思っておりまして、心から厚く御礼を申し上げた次第です。
 この際申し上げておきますが、報道の皆様方にも、在任中大変お世話になりました。それは立場が違いますから、いろいろとすれ違うこともぶつかることもあったと思います。皆様方の思いと異なることもあったかと思います。しかし、私がいつも申し上げておりますように、健全な民主主義というものは健全な報道で成り立つものであります。そこで言論の自由、報道の自由は尊重されるのは当然のことです。報道と政治に携わる者と、立場は違いますが、ともにこの国をどのように良くしていくのかという目的は一緒であったと思っております。いろいろなご縁をいただいて、担当の皆様方との関係を築けました。行きとどかなかった点はお詫びを申し上げ、また皆様のいろいろなご努力に感謝申し上げ、そして今後ともどうぞよろしくということを申し添えたいと存じます。ありがとうございました。
 以上です。

質疑応答

テレビ朝日の水頭です。重複する部分もありますが、野党時代からおよそ2年幹事長としてやられたことで、一番印象に残っていることを教えていただきたいと思います。また、次の幹事長に求めるものは何かということについても教えてください。
ご指摘のとおり重複する点があったらお赦しをいただきたいと思います。やはり政権を奪還するための選挙、そして衆参の逆転現象を解消するための参議院選挙、その前哨戦とも言うべき東京都議会議員選挙、そこにおいて私自身これ以上はできない、もちろん足らざる点はたくさんあったと思います。ただ自分にあれ以上のことができたかといえば、私はできなかったと思います。そういう選挙に国民のご支持をいただいて、今の安定した政権の基盤づくりをすることができたということが一番印象に残ったことです。
    そのほか、いかにして国家国民のための自民党であるか、そして党員の気持ちを最大限尊重する自民党であるか。最初から申し上げているとおり、この党本部は国会議員のものではなく、党員全てのものであり、あるいは国民全てのものであるということで、いろいろな改革を実行してまいりました。それが2年間でできたら誰も苦労はしないのですが、道筋はできたと思っております。新しい幹事長の方には、私個人の思いというよりも多くの党員の願いではないかと思っておりますし、国民の思いではないかと思っております。そういう自民党の形成というか、「自民党づくり」はまだ道半ばであります。そして、各級選挙、あるいは統一地方選挙、そして参議院選挙、衆議院選挙、前の選挙からかなりの年月が経っておりますので、そういうこともございます。そこで、選挙に強い、しかし夢物語を言って強いということではダメなので、本当のことを言い真実を語って選挙に強い、そして国民が信頼してくださり共感してくださる自由民主党を作っていくという今までの体制ややってきた道半ばの事業を是非とも完成に近づけていただいて、自由民主党が国家国民のためにその役割を果たせるようにお力をいただきたいと考えております。
朝日新聞の三輪です。先ほど幹事長のお言葉にもあったとおり、真実を語るのだという姿勢は、立場はいろいろと違いますが、これからも貫いていただきたいと思います。その上で一つ質問があります。幹事長ご自身のことについて伺います。幹事長は、ライフワークとしての安全保障、また持論でもある「本当の独立国にしたい」ということをおっしゃっていますが、「これは将来的に自分で何とかして成し遂げたい。そのために政治家をやっているのだ」という気持ちはお変わりないのでしょうか。
変わりません。私はその思いで今までいろいろなことをやってきました。ただ政策を実現する理念とか信念とか、言葉はきれいですが、それを実現するためには大勢の方々の共感を得なければ、それが独りよがりに終わってしまうということもよく承知しております。私自身はその部分で、多くの方々の共感を得る。「真の独立国と言うが、独立国ではないのか。何が違うのか」という方が圧倒的多数だと思っております。そこに自分の意識と大勢の方々の意識の間に乖離があるとすれば、それは自分の努力が足りないからだと思っております。それは思想信条の問題で、それは何人たりとも持っているものだと考えております。それをいかなる立場であっても実現するための多くの方々の共感を得る努力というものが併せて必要だという認識を持っております。
読売新聞の工藤です。ホップ・ステップ・ジャンプということで、衆院選・参院選・統一地方選の勝利をもって政権交代が完成すると幹事長はおっしゃっております。今後どのような立場になられるか分かりませんが、最終的な政権交代を貫徹させるために、どのような立場であれ、どのように関わっていくお考えですか。
それは私に限らず党所属の国会議員、敢えて国会議員と申し上げるのは、衆議院選挙を勝てた、参議院選挙を勝てたのも、野党である、あるいはまだねじれている状態の自由民主党をお支えいただいた地方の皆様方のおかげだという思いは一貫して変わりません。それは地域地域にあって、政権がないのにそれぞれの地方行政において頑張っていただいた方、あるいはそれを支えておられる党員の方に恩返しをするのは、この機会をおいて他にないと思っております。それは、東京のみならず日本全国津々浦々まで、あるいは大企業のみならずそうではない規模の企業体の方々、個人事業者の方々、勤労者の方々に実感をしていただくということでもございましょう。地方の経済が再生するということでもございましょう。東京の情報というのは地方にたくさん伝わるのですが、地方の状況というのはその何分の一しか東京に伝わらないというところがあります。地域の方々、自民党を支えて下さった方々が「そうだね」と思っていただけることをやる。それは党運営ということとはまた別の問題で、政策的にそれが提示されていく。そして中央と地方が一体となって、「日本再生は地域から」ということが確実に実現していくということが、党員、国会議員全てがやっていかねばならないことだし、私もその一員であるということでございます。
TBSの亀井です。今日でいったん幹事長という職の任期は終わったということで、総理からどのようなねぎらいの言葉などありましたか。
いや、それは私に対してということではなく、そこに集まっている役員、あるいは役員連絡会のメンバーに対して、総裁から先ほど申し上げたように、「様々な改革を実行し、予想以上の成果を収めることができた」ということに集約されるのだと思っております。
NHKの西井です。今回幹事長という職をとおして様々なことをやってこられたと思います。幹事長もいろいろ思いはあると思いますが、自民党内にある程度亀裂があるというイメージを持たれた部分があると思います。今後これをどう修復していくのか、あるいは今後どのように党の中で立場をとっていかれるのかということについて伺います。
仮にそういうことがあるとすれば、先般来申し上げております、「己の誠に足らざるを訪ねるべし」ということだと思っております。私はそのようなことはないし、先般の総理とのお話でも「そういうことはないよね」ということになりましたが、その後の報道を見ると、「そうではない」という報道が非常に多いように思います。それは、口でどんなにきれいなことを言っても実際に示していくしかないのであって、何が国民の皆様、党員の皆様が望んでおられることなのかということに思いをいたせば、結果がついてくるものだと思っております。党の論理でやらないでくれというよりも、自分勝手なことをやらないでくれということは、「己の誠に足らざるを」という話と関連づけて申し上げておりますが、自分はそうではないのだと言っても人はそう思っているのだとすれば、それは自分の責任であるということです。それは結果がついてくるものだし、結果が全てだと思っております。
NHKの西井です。安倍政権を支えていくというお考えに変わりはないと思いますが、今後安倍政権の方向性がさらに幹事長の思いと違うような場面が出てくれば、その時は発言したり行動したりということはあるのですか。
なかなか含蓄の深いご質問かと存じます。それは、国家国民のために、そして国民が何を望んでいるのかということに思いをいたせば、そのようなことが起こるとは思いません。仮にそのようなことが起こったとすれば、それはそういう事態を招来したもの全てに責任があるのであって、常に国家国民のために、そして何が国民そして党を支えている党員の方々が望んでおられるのかということに思いをいたせば、そのようなことが起こるはずがないし、そのようにこれからならねばならないと思います。