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政策

民主党「事業仕分け」の疑問

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2010年12月24日

疑問1:

なぜ、「仕分け結果」を閣議決定しないの? 閣議決定もせず、具体的な見直し内容の提示もせず、仕分け結果の取扱いを各省に委ねているのに、「仕分け結果に従っていない」として、お金をかけて再仕分けをするのはなぜ?

明るい選挙推進費は事業仕分け第1弾で「廃止」とされたが、その後の政治判断で24年度をもって廃止することとなり、22年度予算も認められたが、事業仕分け第3弾で再仕分けの対象となり、「仕分け第1弾の着実な実施」とされた。
報道によると、22年11月21日の閣僚・与党幹部の勉強会で、「仕分け結果が最終決定ではない」との意見があり、法的な強制力がないことを確認するとともに、仕分け結果の23年度予算案への反映も、各府省間の調整に委ねられた。

疑問2:

現政権が閣議決定した政策や各省政務3役の判断で決めたことを政府として仕分けしているが、「政治主導」と「事業仕分け」のどちらが上なの?

「新成長戦略」(22年6月閣議決定)において、2020年までの目標として「ジョブカード取得者300万人」を掲げているにもかかわらず、事業仕分け第3弾により、ジョブカード制度普及促進事業が「廃止」とされた。
「新成長戦略」では、23年度に「総合特区制度」を創設するとされ、既に自治体、民間から450件の提案が寄せられていたにもかかわらず、事業仕分け第3弾により、総合特区推進調整費は「来年度の予算計上見送り」とされた。

疑問3:

子ども手当や農家戸別補償、高速無料化は、仕分けの対象とされていないが、対象事業の選定基準はどうなっているの?仕分けのとおりにしているのに再仕分けの対象となったり、仕分けのとおりにしていないのに再仕分けの対象とならないものがあるのはなぜ?

自民党「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」(ムダ撲滅PT)が22年4月に行った22年度予算に対する事業仕分けでは、子ども手当、農家戸別補償、高速無料化は全て「不要」となった。
医師確保、救急・周産期対策の補助金は事業仕分け第1弾で「予算の半減」とされ、22年度予算をほぼ半減したにもかかわらず、事業仕分け第3弾で再仕分けの対象となり、23年度要求について「見直しを行う」とされた。
予算編成の基本方針では、事業仕分けを反映して予算に盛られる事業は、「国民の納得が得られるよう十分な説明責任を果たす」こととされているのに、業界の陳情などを受けて、仕分けどおりにしなかったものの説明は行われない。

疑問4:

三権分立の下では、国会議員は政府を外からチェックするのが本来の仕事なのに、与党議員が国会での議論も与党としての意思決定もないまま、政府の中に入って仕分け人をするのはどういう考え方? 与党議員の仕分け人には、政府としての責任も与党意思の反映という役割もないのに、ムダじゃないの?

自民党は、党として事業仕分けを行った上で政府に申入れを行い、21年度予算において一般会計▲5,500億円、特別会計▲3,300億円を削減させた。
22年10月、自民党は、国会の衆院決算行政監視委員会と参院行政監視委員会を機能強化し、両委員会において事業仕分け、政策評価を行うことを与野党に提案した。

疑問5:

日本政府の事業や予算の事業仕分けなのに、外国人を仕分け人にするのはなぜ? 財務省の役人が仕分けの論点を説明するのは「脱官僚依存」違反じゃないの?

 事業仕分け第1弾においては、温暖化対策関係事業、情報通信関係事業など日本の将来を支える事業の仕分けを行うWGで外国人が仕分け人となった。
事業仕分けでは、仕分け人が議論を始める前に、財務省の役人が論点を説明している。また、仕分け人には、役人が作成し、各省の反論に対する再反論の仕方まで掲載したマニュアルが渡されている。