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政策

日韓外相会談における慰安婦問題に係る合意に関する決議

2016年1月26日
自由民主党
外交部会
外交・経済連携本部
日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会

 

 平成27年12月28日の日韓外相会談後に両国外相が発表した日本と韓国の合意事項について、平成28年1月6日、自由民主党外交部会・外交・経済連携本部・日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会合同会議において、政府の報告を求め議論を行った。
 合同会議では、両国間で懸案となっていた慰安婦問題について、最終的かつ不可逆的に解決するという安倍首相および朴大統領の政治的決断は極めて重要であり、日本と韓国を含む北東アジアの現下の情勢を勘案し評価すべきであるという意見が出された。
一方で、慰安婦問題に関する誤った認識が定着しかねないこと、旧民間人徴用工をめぐる問題等日韓請求権協定において解決済みとされている課題への影響、被災地等の一部地域からの水産物の輸入を韓国が停止していることについて懸念する意見等もあった。
こうした議論を踏まえ、わが党としては、今般の日韓両国の合意を強く支持し、今後の日本政府の対応を最大限支えつつ、わが国の名誉と信頼を回復するための検討を引き続き進めることを表明するとともに、政府に対し下記の点について的確に対策を講じられることを要望する。

  1. 今回の合意を着実に実施することで、慰安婦問題を最終的かつ不可逆的に解決し、未来志向の日韓新時代を切り拓くとともに、日韓両国が北東アジア地域の平和と繁栄のため、積極的に協力して共に役割を果たすこと。
  2. 国際社会の中で発表された今回の合意について、双方による合意の着実な履行が肝要であり、日本政府が合意した内容について、責任をもって誠実かつ着実に実施すること。また韓国政府が合意した内容について、同様に実施されるよう継続的なフォローアップを続けること。
  3. 在韓国日本大使館前の慰安婦像は、わが国在外公館の安寧と威厳を傷つけるものであり、外交関係に関するウィーン条約上問題があるものである。早期に撤去されるよう、韓国側への働きかけをさらに強化すること。
  4. 日本が予算を拠出し、日韓両国政府が協力して実施する「元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒しのための事業」が、真にその目的に沿ったものとなるよう、韓国政府と真摯に協議を行うこと。また事業の実施にあたっては、日本国民に対する説明責任を果たすこと。
  5. 慰安婦問題に関し、平成26年8月5日、朝日新聞は「日本が韓国において慰安婦を強制連行した」等とする記事の取り消しと謝罪を行った。しかし、これらの記事に依拠したと思われる認識が、米国の一部教科書の記述等、世界中に流布されている。 引き続き、客観的事実に基づく認識が各国で形成されるよう、官民連携した対外発信を一層強化し、事実と異なる場合に訂正を求める等必要な対応を行うこと。また、韓国国民の対日認識改善に資するよう、青少年交流を一層促進すること。
  6. 慰安婦問題を含め、日韓間の財産権・請求権の問題は昭和40年の日韓請求権・経済協力協定で最終的に解決済みというわが国の立場に変化がないことを確認し、旧民間徴用工問題等の他の問題についても、引き続き主張を続けること。
  7. 被災地等の一部地域から水産物の輸入を規制している問題等、その他の両国間の課題についても、引き続き韓国と粘り強く協議を行うこと。
  8. 「女性が輝く社会」の実現に向け、紛争下における女性の権利侵害の防止・権利保護の分野を含め、女性の能力強化、権利の保護・促進の分野で国際的に指導的役割を果たすこと。
  9. 韓国以外の国・地域については、個別の状況を踏まえつつ、引き続き誠実に対応を行うこと。

以上