平成23年4月12日
自由民主党政務調査会
領土に関する特命委員会
今般の東日本大震災に関し、わが国は韓国より官民を挙げた厚い支援を受けた。誠に感謝の念に堪えないが、その支援と同時並行的に、韓国政府は竹島の不法占拠を強化する行動を加速している。
竹島では東島のヘリポート改修工事が3月中旬より開始されていることが明らかになった。また西島の漁民宿泊所の拡張工事は昨年春より着工されており、5月竣工予定とのことである。
さらに竹島の北西1キロメートル海上に大規模な海洋科学基地の建設を計画しており、4月に入札・着工の上、2013年に竣工する予定であるという。また、長さ295メートルにおよぶ防波堤の建設も計画されており、本年基本設計が開始されることが明らかになっている。
これまでわが党は、国会における質問や政府への申し入れを通じて、幾度となく韓国側の計画や意図を明らかにし、政府の厳正なる対応を求めてきた。しかし、政府は外交上の個別案件との理由により具体的な対応を公表せず、韓国との外交交渉の場で議題にした報告もない。このような政府の対応は、韓国側の行動を抑制できないばかりか、結果としてわが国の竹島領有権問題に関する誤ったメッセージを国際社会に与えている。
4月5日、外務事務次官は、韓国政府が上記の海洋科学基地建設計画について韓国国会に報告したことに関して在日韓国大使に抗議をしたが、一連の韓国側の動きに対する日本政府の対応がこれで終わりであっては決してならない。ここで毅然とした対応を示しておかなければ、なし崩し的に韓国の不法占拠強化を認めることになる。これは、わが国の国家主権を大きく傷つけ、竹島領有権問題を著しく後退させることにつながるものである。
わが党は政府に対し、下記について速やかに実施するよう申し入れる。
以上、決議する。