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国会

第196回国会における吉田博美 参議院自民党幹事長代表質問

平成30年1月25日

第196回国会における吉田博美 参議院自民党幹事長代表質問

自由民主党の吉田博美です。私は、自由民主党・こころを代表して、安倍内閣総理大臣の施政方針演説について総理に質問いたします。

冒頭、一昨日群馬県の草津白根山で噴火があり、お亡くなりになられた方に哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。政府には、今後の火山活動を注視しながら、万全の対応をお願いします。それでは質問に入ります。

安倍内閣が政権に復帰して5年が経過しました。先進各国の中で見ても、長期政権と呼べるでしょう。G7諸国の中でも、安倍総理より前からリーダーを務めているのはドイツのメルケル首相のみです。各国首脳との会談は600回近くにのぼり、外交の継続性・一貫性が大きく高まりました。
政権の安定は国家安定の基礎であり、大いに誇りにすべきであります。

経済も着実に回復しています。
4年連続での、今世紀最高水準の賃上げ。高卒・大卒の皆さんの就職率は過去最高水準です。
この雇用回復の意味は本当に大きい、と考えます。
働く中でこそ、若者は経験を積み、夢の実現に近づいていくことができます。企業がこぞって人を求め合う、奪い合うような状況だからこそ、わが社の職場をさらに魅力的にしなければならないと考えます。大胆な労働法制の改革も、この雇用回復があってこそ、進めることができるのです。
アベノミクス「3本の矢」を5年間着実に進めてきたことによる成果の上に、さらなる改革を進めていけるのです。

しかし、その成果に、慢心してしまってはなりません。

参議院自民党の幹事長である私は、総理に耳障りなことをあえて申し上げることも、役目の一つだと考えています。「一強だ、なんだ」と言われることもありますが、総理にしっかりと話をできる人間がきちんといる。それが自民党の強みであります。

慢心は、自分では気づきにくいところがあります。長く続ければ、「慣れ」のようなものも生じてしまうかもしれません。だからこそ、我々は、国民の皆様の声に常に謙虚に耳を傾けなければなりません。

今、政治にとって最も重要なのは「信頼」だと思います。
昨年の流行語大賞に「忖度」という言葉が登場しました。私たち、政治家にとって「忖度」とは、国民の皆様の気持ちを推し量り、大事にして、それに応えていくことであり、これこそが大切なことです。「忖度」ではなく「損得」で動く政治や政治家からは、「信頼」は生まれてくるはずもありません。まさに「信なくば立たず」であります。

また、英国の歴史学者ジョン・アクトン氏の「権力は腐敗する」という言葉もありますが、政治には、バランスと緊張感も必要です。緊張感を欠いた政治は、時として、おごりや緩みに繋がる危険があります。昨年の衆院選直後の10月25日、よみうり時事川柳に、「受け皿が割れて大皿だけとなり」という句がありました。思えば、現行の選挙制度も、政権交代可能な二大政党制の確立を目指したものでした。与野党が互いに切磋琢磨して、緊張感のある議論が繰り広げられる国会運営を、与野党を超えてできる体制を目指さなければなりません。野党の皆様のご理解とご協力を望みます。

国民の皆様が国会や政府に寄せる期待は、政策にあります。安倍内閣についても、政策を次々に実現してきた内閣だからこそ、国民の皆様が期待し、支持してくださる。昨年の選挙での勝利は、そのように理解しなければならないと思います。
国民の皆様の期待に応え、選挙でお約束した政策を着実に実行し、成果を出し続ける。そうしなければ、国民の皆様の支持を失ってしまう。それは当然のことであります。
我々に課せられた国民の皆様からの負託は、5年を経て、さらに重い。そう考えなければなりません。

そして、国民の皆様がしっかりやれと政治に期待する課題、それは、デフレ脱却、北朝鮮問題の解決などの外交上の諸課題、憲法改正、この3点ではないでしょうか。
今日は、この3点を中心に、総理に、質問させていただきます。

まず、デフレ脱却、経済政策について伺います。政権交代以来、安倍内閣が最優先で取り組んできたのが経済再生です。金融政策、財政政策、成長戦略という三本の矢によって、デフレからの脱却と持続的な経済成長を支える基盤を創り上げてきました。あわせて、子育て支援や社会保障の強化による一億総活躍社会の実現、これらを横断的に支える働き方改革など、我が国の構造的な課題である人口減少や少子高齢化への対応も積極的に進めてきました。

その結果、名目GDPは、5年間で56兆円増加し、昨年7月から9月期で過去最高の549兆円を記録しております。企業収益は755兆円と過去最高水準です。就業者数は約185万人増加し、有効求人倍率は史上初めて全ての都道府県で1倍を超えました。賃金についても、今世紀に入って最も高い水準の賃上げが4年連続で実現し、多くの企業で4年連続のベースアップを実施しています。

安倍内閣はこれまでの5年間で、デフレ脱却に向けた道筋を作り上げてきました。成長の果実は、確実に雇用や所得へと回るようになり、人々は生活が良くなったことを実感できるようになりました。今年のお正月は、福袋の売れ行きが殊更によかったそうです。長く日本経済を覆ってきたデフレから完全に脱却するまで、あと一歩というところです。そこで、デフレ脱却及び経済成長へ向けた一層の取り組みについて、総理の決意をお伺いします。

次に、社会保障について伺います。
今般の総選挙において、自民党は、「全世代型社会保障」への転換を打ち出しました。総理が国難と呼ぶ、少子高齢化の問題を解決し、出生率を希望出生率1.8に近づけていくためには、生半可な政策では足りません。だからこそ、我々は、「人づくり革命」断行のため、幼児教育無償化を一気に加速することなどを内容とする2兆円規模の新たな政策パッケージを取りまとめることを、今般選挙の公約に掲げたのです。

その結果、国民の皆様にご支持をいただきました。次はこの約束を前に進めることです。そこで、総理に、国民の皆様にお約束したこれらの政策を進めるにあたっての決意をお伺いいたします。

また、経済成長が雇用の拡大・賃金の上昇につながる中で、安心して消費や投資をしようと思うためには、将来への不安があっては思い切った行動に踏み切れません。足下の個人消費は総じて見れば持ち直していますが、さらに勢いをつけていくためには、社会保障の持続可能性に対する将来不安に応える必要があります。
この点についての、総理の見解をお伺いします。

次に、財政再建について伺います。
安倍内閣の5年間の取り組みによる経済成長によって、税収は、国・地方あわせて24兆円増え、毎年の国の借金も11兆円減り、2015年度のプライマリーバランス赤字半減目標も達成するなど、財政健全化は着実に進んできました。

平成30年度予算案は過去最大の規模ですが、税収が平成3年度以来の59兆円台となったことなどから、公債の発行額は6年連続で減少しています。しかしながら、債務残高対GDP比は、いまなお先進国でもかなり高い水準にあり、さらに財政健全化を進めていく必要があります。

総理は、人づくり革命のために消費税の使い道を見直す際、同時に、「財政再建の旗をおろすことはない、プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体はしっかりと堅持する」と言われております。今年はその具体的方針を政府・与党で大いに議論し、決めていくことになります。そこで、財政健全化に向けた総理の御決意をお伺いします。

次に、働き方改革について伺います。
総理は、内閣の重要課題として働き方改革に取り組んでいく姿勢を示し、昨年3月には働き方改革実行計画を決定しました。
働き方改革の主要なテーマの一つである長時間労働の是正は、我が国にとって高度成長期以来の宿題と言ってもよい長年の課題です。これまで我が国では、多くの企業が社員の長時間労働に依存してきたことは否定できない事実です。そして、企業の中では長時間労働をする人の方が評価されるという風土が存在してきたことも、また事実であります。こうした状況を改善するためには、個々の企業の努力のみならず、社会全体として長時間労働に頼らない働き方に変えていく必要があります。

女性活躍については、安倍政権の下で女性の就業者数は152万人も増え、女性の就業率は、いまや、25歳以上の全ての世代で、米国を上回っています。さらに手を緩めることなく、支援を拡大していかなければなりません。

総理は、昨年3月に働き方改革実行計画を決定した際、この実行計画は最初の一歩にすぎない、法案を作成し国会に提出して、そしてさらに成立させなければ、単なる作文であり、絵に描いた餅に終わってしまう、と述べられました。働き方改革は、社会の在り方を変えると同時に、経済問題として日本経済の潜在成長力の底上げにもつながる、第三の矢・構造改革の柱です。雇用情勢が好調な今こそ、働き方改革を一気に進める大きなチャンスです。その上で懸命に納期を守り、日本のものづくりや国際競争力を支え、商店街など地域経済を守っている中小企業・小規模事業者の方々への配慮も欠かせません。今国会で働き方改革関連法案の成立を目指すにあたり、総理の決意をお聞かせください。

次に、社会資本の整備について伺います。
昨年12月、参議院自民党の議連である「故郷を支援する参議院の会」の会長として、成長率を高めるためには社会資本の整備が重要であると総理に直接申し入れさせていただきました。

急速に少子高齢化が進行する我が国が、産業を活性化させ、地方を創生し、国際競争力を高めて、経済成長を続けていくためには、生産や物流の効率化の基盤となる社会資本の整備が必要です。例えば日本より人口の少ないドイツにおいては、鉄道や道路などの社会資本の整備を精力的に行っています。人口減少に直面している我が国は、ドイツをはじめとする他の先進国以上に、成長の基盤を確保するために、高速交通ネットワークなどの社会資本の整備を着実に進めていくことが重要です。

また、昨年7月に発生した九州北部豪雨では、河川の氾濫や土砂災害など甚大な被害をもたらし、39人もの尊い命が犠牲となり、二人の方が行方不明となっております。近年、我が国では自然災害が頻発化かつ激甚化しており、地球温暖化が進むと強い台風が発生する確率が高くなるとの分析もあります。南海トラフ地震、首都直下地震のような巨大地震が発生するリスクも高まっています。このような災害列島とも言える我が国においては、いかなる災害が発生しようとも、国民の命を守る、国民の財産に係る被害を最小化する、万が一の被害にも迅速な復旧・復興が実現できる、すなわち国土強靭化を力強く進めていくことが必要です。

このような状況において、社会資本の整備を進めていくに当たっては、無駄を排除し、中長期的な視点に立って計画的に進めていくべきであることは論をまちませんが、私の地元である長野県をはじめ山岳地帯の多い我が国において、社会資本の整備にお金が掛かるのは宿命とも言えます。社会資本そのものを無駄と決めつけて、その整備を遅らせることは、我が国の経済成長のためにも、国民の生命や財産を守るためにも、絶対に避けなければならないと考えております。

我が国の経済成長や国土強靭化の推進の観点から、社会資本の整備をどのように進めていくお考えか、総理の見解をお伺いします。

次に、外交について伺います。
日本を取り巻く安全保障環境は、戦後、最も厳しいと言っても過言ではありません。北朝鮮による核実験や弾道ミサイル発射等の挑発行動はとどまることを知らず、日本国民の安全を脅かしています。
また、東シナ海を始め、日本の周辺では、力による一方的な現状変更の試みが行われています。これらにしっかりと対応し、日本国民の安全と平和な暮らしを守るためには、日米同盟を基軸にした安全保障政策、外交政策が不可欠です。今ほど、日米同盟の強化が求められているときはありません。

この点、安倍総理は、トランプ大統領の当選直後、世界に先駆けて、いち早くトランプ大統領にアプローチし、その後も、相互訪問や幾度にわたる首脳会談、夕食会・昼食会、さらには頻繁な電話会談などを通じて、個人的な信頼関係を深めてきていると承知しています。「シンゾウ・ドナルド」関係は、かつての「ロン・ヤス」関係を超える信頼で支えられているのではないかと思うほどです。このように、積極的な首脳外交により、日米同盟の下での連携・協力をかつてなく強固なものにされてきていることを高く評価します。

他方、米国は、中間選挙を控えて、これまで以上に内政重視の傾向が強まるとも考えられます。日本を始めとする同盟国・友好国への要求も今後増えていくかもしれません。このような中、総理は、今後、日米同盟をどのように強化していくお考えでしょうか、お聞かせください。

北朝鮮問題は、我が国の外交にとっての懸案です。北朝鮮は、本年に入っても、金正恩委員長の「新年の辞」で、核やミサイルの大量生産、そして実戦配備を加速する方針を示しており、非核化を進める考えがないことは明らかです。

南北間では2年ぶりに対話が行われ、南北高官級協議において、再来週に開幕する平昌オリンピックへの北朝鮮の参加に向けた調整が進んでいます。韓国や中国は、朝鮮半島情勢の緊張が緩和することを期待していますが、北朝鮮が約束を反故にしてきたこれまでの経緯を踏まえれば、今後の情勢も予断を許しません。米韓両国をはじめとする関係国と緊密に連携しながら、緊張感を持って対応していく必要があると考えます。

そこで、北朝鮮の核・ミサイル、そして最重要課題である拉致問題をどのように解決するのか、安倍総理の御見解を改めてお伺いします。

戦後70年余りを経てなお、沖縄の皆様には、米軍基地の存在による大きな負担を背負って頂いています。このような現状を是認することは到底できません。最低でも県外、という無責任な言葉による混乱を引きずる中、安倍政権は、米国との関係を立て直し、一つ一つ、負担軽減の成果を現実のものとしてきました。このことは、率直に、評価すべきものです。特に、昨年末、北部訓練場4千ヘクタールを、土地所有者の方々にお返しすることができたことは、沖縄の本土復帰後、最大の返還であり大きな成果であると思います。他方で、沖縄の普天間飛行場に隣接する小学校に、米軍ヘリコプターの窓が落下するという、危険極まりない事故が発生しました。普天間の一日も早い全面返還は、もはや、待ったなしの課題です。総理に、沖縄の負担軽減、特に、普天間飛行場の全面返還に向けた決意を伺います。

沖縄は、成長するアジアの玄関口に位置し、優位性と潜在力を有しています。我が国の経済再生を牽引するフロントランナーにもなり得る、未来に満ちたこの沖縄の振興を、総合的、積極的に推進することは、沖縄にとっても、日本全体にとっても大変重要です。

安倍政権では、平成25年12月に「現行の沖縄振興計画の期間中においては、毎年3000億円台を確保する」との方針を打ち出し、以来ずっと、それまでの水準よりも一段高いこの3000億円台という水準の沖縄振興予算を確保し続けています。一部には、来年度の沖縄振興予算の概算要求額が今年度よりも少ないことをもって、政府が沖縄の要望に耳を傾けず、沖縄の振興を軽んじているかのような批判がありますが、大きな間違いと言わざるを得ません。

予算案では、更なる強化、推進が必要と認められる事業については今年度よりも予算を増額しているほか、沖縄健康医療拠点の整備や人材育成事業といった沖縄の特性を踏まえた事業についての経費も、新たに盛り込みました。これらからも、安倍政権が、いかに沖縄振興の重要性を認識し、これにしっかりと取り組んでいることは明らかと考えます。

そこで、平成30年度予算を早期に成立させ、沖縄振興をどんどん前に進めていくことが重要と考えますが、今後の沖縄振興についての総理のお考えをお聞かせください。

次に、憲法改正について伺います。言うまでもなく、憲法改正は、自由民主党の立党以来の党是であります。自由民主党は、占領時代に作られた憲法を始めとする様々な仕組みを時代に即したものに変えていくことを目的の一つとして、昭和30年に自由党と日本民主党が合同し、結成されました。以来、我々は、この国のかたち、理想の姿を示すものである憲法の在り方について議論を続け、時代の変化に応じて、憲法を日本の未来の姿を示すものに改正することを目指してまいりました。

戦後70年余が経過し、我が国が、北朝鮮問題や少子高齢化といった国難とも呼ぶべき事態に直面している今だからこそ、我々は、日本の目指すべき未来の姿を、憲法を通じて明らかにし、一致団結して、この危機を乗り越えていかなければなりません。

こうした中にあって、自由民主党は、昨秋の衆院選で初めて、自衛隊、教育、緊急事態対応、参議院合区解消に関する4項目について、憲法の改正を目指すことを公約に掲げて戦いました。国民の皆様から、大きな信任をいただいた我々には、憲法改正についての議論をしっかりと前に進めていく責任があると考えます。

そこで総理。総理は、今年1月5日、自民党本部の仕事始めで、「時代に対応した国の姿、理想のかたちをしっかりと考え、議論していくのは、私たちの歴史的な使命である」と言われました。年頭記者会見においても、「今年こそ、新しい時代への希望を生み出すような憲法のあるべき姿を国民の皆様にしっかりと提示し、憲法改正に向けた国民的な議論を一層深めていく」とおっしゃっています。憲法改正は、最終的には、国民の皆様の意思で決められるものであり、十分な理解をいただくことが何より大切です。そこで、これから、憲法改正の議論をどのように進めていかれるのか、総理のお考えを改めてお聞かせください。

来春には、天皇陛下が御退位され、皇太子殿下が御即位されることになります。憲政史上初めての事柄であり、我々国民は、これを祝福するとともに、改めて、我が国の歴史とともに長らく続いてきた天皇制をこれからも守っていくという自覚を持たねばならないと思います。

そのためにも、政府には、天皇陛下の御退位と皇太子殿下の御即位がつつがなく行われるよう、多岐にわたる諸準備に万全を期すことが求められていると考えます。天皇陛下の御退位と皇太子殿下の御即位に向けた取り組みについて、総理にお伺いして、私の代表質問といたします。

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