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国会

第192回国会における関口昌一参議院幹事長代行代表質問

平成28年9月29日

第192回国会における関口昌一参議院幹事長代行代表質問

自由民主党の関口昌一です。私は自由民主党を代表して、安倍総理大臣の所信表明演説および麻生財務大臣の財政演説について、総理と財務大臣に質問いたします。

冒頭、本年8月、9月の台風は全国的に甚大な被害をもたらしました。犠牲となられた方々に深い哀悼の意を表するとともに被災された方々にお見舞いを申し上げます。
また政府におかれては引き続き被災者支援に全力で取り組んでいただきたいと思います。

先の参議院議員選挙の結果、我々自民党は、27年振りに参議院で単独過半数を確保することになり、我が国の議会制民主主義の中で、より大きな責任を持つ立場となったわけであります。国民の皆様の負託に応えるよう、より丁寧に、より着実に、より謙虚に、しかし決める時にはしっかり決める、与党として責任をもって政治を進めていかなければなりません。

1.経済対策

私は、選挙中に各地を回りながら、地方や中小企業にはまだまだ景気回復の実感がなく、厳しい状況であることを改めて認識いたしました。
東京をはじめとする主要観光地には世界から多くの観光客が訪れ、活気づいています。日本全体が暗く沈んでいた数年前と比べれば、明らかな変化です。今後は、この活気を全国の隅々まで、そして中小零細企業にまで届けていくことに、全力を注ぐ必要があります。
これは、与野党を問わず、ともに知恵を絞っていくべき大変重要な課題であると考えます。
8月に閣議決定された「未来への投資を実現する経済対策」は、28兆1千億円と、過去3番目の事業規模となりました。
その経済対策を受けた今回の補正予算案には、中小企業の資金繰り支援、経営力強化、生産性向上などの支援策が掲げられています。
我が国が着実に、一歩一歩デフレからの脱却を進めていくために、今回の経済対策は欠かせないものだと考えます。
今回の補正予算を含む「未来への投資を実現する経済対策」の意義と、期待される効果について、総理はどのようにお考えか、伺います。

今月15日、世耕経産大臣が経団連の榊原会長と会談して、利益を上げている企業はしっかりと賃上げを行うよう、また、中小企業の取引条件を改善して賃上げにつなげるよう、要請したと伺いました。
総理も、これまで毎年の春闘の時期に、経済団体に対して賃上げを要請してこられました。企業側も、それに応えて賃上げを実施してきております。
また、最低賃金も過去最大の引き上げ幅となっており、所信表明演説では「千円を目指す」と宣言されました。こうした努力によって、正社員、非正規社員ともに、賃金アップが図られているのは事実であります。
しかしながら、現在までの賃上げの状況についての認識は様々あり、今後さらなる賃上げに向けての取り組みが必要です。この点、政府に強く要望いたします。
今年6月に総理は、消費税引き上げを平成31年10月まで2年半延期することを表明されました。延期を表明した記者会見では現在リーマンショック級の事態は起きていないけれども、内需を腰折れさせないために、そして、リスクに備え、危機に陥ることを回避するために、消費税引き上げを延期すると説明をされました。
中国をはじめとする新興国の経済はいまだ不安定な状態が続いています。先進国も、ヨーロッパを中心に政治的な混迷が深まっており、経済も精彩を欠いています。
このような状態の中で、私も、再延期の判断は止むを得なかったと思います。
6月時点でも、十分に再延期の理由はあったと思いますが、その後、イギリスのEU離脱問題などを受けて、世界経済はさらに不安定な状態となりました。まさにリスクが現実化したという面があります。
そこで、現在の状況に照らして、消費税引き上げの延期には、どのような効果があるとお考えか、麻生財務大臣に伺います。

また、総理は消費税引き上げを延期しても、2020年度の財政健全化目標は堅持すること、社会保障の充実にも取り組んでいくことを表明されています。
消費税を上げない場合には、どのように安定的な財源を確保していくのか、この点には不安を持つ方もいらっしゃると思います。
社会保障の充実は十分に行われるのか、不安に思われる方々が納得し、安心できる政策を、総理を先頭に進めていただきたいと思います。

2.厚生労働政策

次に、社会保障に関して伺います。まずは子育て環境の整備についてであります。
一億総活躍社会のための子育て支援の充実は、安倍内閣の最重要課題の一つです。政府は深刻な待機児童問題の解消を進めるため、来年度末までに50万人の保育の受け皿整備を進めています。その成果もあって、保育の受け皿は、平成25年度から27年度の3年間で、約31.4万人分増えています。このままのペースでいけば、目標どおり、来年度末に50万人が達成できることになります。
しかし、それでも全国の待機児童数は、今年4月時点で2万3553人と、昨年よりわずかに増えてしまっている状況です。これは、保育所の増設によって、これまで表に現れていなかった潜在的な保育ニーズが表れてきたためであると考えられます。
また、最近では、保育所の建設が周辺住民の反対で難航するケースも相次いでおり、計画通りに保育所の定員が増やせない状況も出てきています。場所の確保のため、空き家の有効活用なども含め、方策を工夫すべきだと考えます。
これまで、政府の待機児童対策は、来年度が待機児童数のピークであるということを想定して行われてきました。しかし、こうした状況を勘案すると、来年度が終わった後も、引き続き待機児童対策を継続していく必要があるのではないでしょうか。
政府として、今後の待機児童対策にどのように取り組んでいくお考えか、総理に伺います。

 

保育の受け皿、そして介護の受け皿の拡大にとって、場所の問題と並んで大きな問題が、人材の確保です。政府はこれまでも、保育人材・介護人材の処遇の改善に継続的に取り組まれており、その努力には敬意を表するものであります。
今回の経済対策においても、保育人材については、来年度当初予算で2%相当の処遇改善を行うとともに、保育士としての技能・経験を積んだ職員については追加的に4万円程度の追加的な処遇改善を実施するとされております。
介護人材については、来年度から月額平均1万円相当の改善を継続して実施するとしております。総理は、所信表明演説で、消費増税が延期された中にあっても、優先順位をつけながら社会保障を充実する、とおっしゃいました。
喫緊の課題である保育や介護の人材確保のためには、引き続き処遇改善を優先的に進めることを強く要望します。
また、今回の補正予算には、簡素な給付措置として3673億円が計上されています。消費税引き上げが2年半延期されることを踏まえて、平成31年9月までの2年半分の給付を一括して計上するとのことであります。
この「簡素な給付措置」は、消費税の5%から8%への引き上げに伴う影響を緩和するために実施されているものでありますが、これまでの給付でどの程度の消費の下支え効果があったのか。また、今回の給付では、どのような効果が期待できるのか。国民にお示ししながら政策を実行していただきたいと強く望みます。
「未来への投資」にふさわしい政策として、総理も所信表明演説で奨学金制度の拡充について述べられました。  無利子の奨学金を、必要とするすべての学生が受けられるようにすること、また、給付型の奨学金を実現すること、の二点であります。
幼児教育の段階的な無償化と、高校生への就学支援が行われている現在、大学生・大学院生への奨学金の充実が急務となっています。無利子奨学金の拡充については、現在の制度の枠をさらに広げるというイメージかと思います。
給付型奨学金については、我々自民党も参院選の公約として掲げたところであり、必ず実現して頂きたいと強く要望します。

3.生産性向上のための方策

次に「未来への投資を実現する経済対策」にも盛り込まれた、生産性向上のための方策について伺います。
現在、世界中で人工知能の開発競争が行われています。有名なのは、IBMの人工知能「ワトソン」で、5年前にアメリカのクイズ番組で人間のチャンピオンを破ったことで注目されました。
ワトソンは日本でも導入されており、例えば、2000万件以上の医学文献を学習させて、患者の情報を入力すると、わずかな時間で適切な治療法を教えてくれるという使い方がされています。実際に、症状が悪化した白血病患者が、ワトソンが教えた治療法で助かった例もあるそうです。
今回の補正予算でも、「人工知能に関するグローバル研究拠点の整備」として195億円が計上されております。一つの研究事業としては相当な額の予算が使われますので、ぜひ我が国の競争力向上に資するよう使ってほしいと考えます。
人工知能をめぐる国際競争の現状と、我が国の取り組み方針について、総理に伺います。

 

人工知能と並んで注目される次世代の技術が、自動運転です。こちらも世界中で、自動車メーカーのみならずIT企業なども加わって、開発が急ピッチで進んでいます。
部分的な自動運転機能を持った車は、既に国内外のメーカーから発売されています。
今年6月の「日本再興戦略2016」では、特区等で自動運転車の実証実験が可能となるよう、「速やかに所要の措置を講ずる」とされています。
もし自動運転車が本格的に導入されれば、高齢者・障害者の外出が容易になるとともに、過疎地域の移動手段として活用できます。
すなわち、一億総活躍社会の実現と、地域活性化にも大いに役立つものと考えられます。逆に、この分野で対応が遅れると、日本経済の屋台骨である自動車産業の競争力に大変重大な影響が出てしまいます。
特区における実証実験とあわせて、全国的な導入を視野に入れて、そもそも自動車とは何か、運転免許の意味とは何か、といった本質的な点から、交通法規全体を見直す必要があるのではないでしょうか。
本格的な自動運転社会の到来を見据えた法整備について、速やかに検討を進めるべきだと考えますが、総理のご見解を伺います。

4.テロ対策・外交政策

次に、外交政策について伺います。
総理が国連総会に出席される直前の9月18日、ニューヨークのマンハッタン中心部で大きな爆発があり、他にも複数の爆発物が発見されるという事件がありました。事件の背景などはまだ詳しくわかっていませんが、国連総会を目前に控えた時期の犯行であり、何らかの意図を持った事件であると思われます。
昨年から今年にかけてヨーロッパをはじめ世界各地でテロが頻発している状況です。
我が国は東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えており、今後、国内でのテロのリスクもさらに高まっていくと考えられます。
国民の安心・安全のために、各国の情報機関との情報共有などを含め、テロ対策を一層強化していただくよう、強く政府に望みます。 
ニューヨークでの国連総会では、総理が一般討論演説を行い、核実験や弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮に対し、国連安保理による制裁強化を求めるとともに、拉致問題に関しても、解決への協力を強く求めました。
また、ニューヨークにおける各国首脳との会談では、我が国が常任理事国入りを目指している国連安保理の改革について意見を交わしたとされています。
さらに、国連総会への出席後は、日本の総理大臣として初めて、キューバを訪問し、ラウル・カストロ国家評議会議長と首脳会談を行いました。これらの一連の外交日程について、その成果はどのようなものであったか、伺います。

 

5.災害対策・震災復興

次に、今回の補正予算案の柱の一つである、災害対策・震災復興について伺います。
補正予算案には、4月に発生した熊本地震からの復旧・復興予算が盛り込まれています。
熊本地震は、一時期18万人以上の避難者を出すなど、大きな被害をもたらしました。
最近では、避難所から仮設住宅等への移転が進み、操業を停止していた工場も次々と再開するなど、かなりの部分で復旧が進んできています。一方で、一般の家屋はなかなか修理が進まず、度重なる台風におびえながら、ブルーシートの屋根のもとで過ごしている人も大変多い状況です。
熊本地震の被害について、全体としてどの程度復旧・復興が進んでいるのか。また、今後重点的に取り組む必要がある項目はどのようなものか、総理のご見解を伺います。

今回の補正予算案には、東日本大震災からの復興事業の追加も盛り込まれています。
震災からの復興は、着実に進展しているものの場所によってはまだまだ道半ばという声もあります。先日の台風10号では、岩手県内の漁港などが大きな被害を受け、震災と台風災害の「二重被災」のために大変な苦労をされている方々もおられます。
震災以来、ずっと復興に取り組み続けている被災地の方々に対し、これからも丁寧に耳を傾けながら、支援をしていかなければなりません。
被災地の中でも、復興がある程度進んでいる所と、まだこれからという所があります。政府におかれては、こうした復興の進み具合の差にも留意しながら、すべての被災者の方に笑顔が戻る日までしっかりと取り組みを進めて頂きたいと思います。以上の点を踏まえ、政府における復興をより加速化するための取り組みを総理に伺います。

昨年、東北地方を訪れた外国人観光客が、震災前の実績を初めて上回りました。ただ、全国では、震災前、平成22年の2倍以上となったことに比べると、まだまだ十分な回復であるとは言えません。
とりわけ、秋田県、福島県では、震災前より外国人観光客が減ったままとなっています。その中でも福島県は、震災前の55%しか回復していません。
こうした状況を踏まえ、政府としても、外国人観光客の増加が十分ではない、東北地方、特に秋田県、福島県に対して、さらなる観光客誘致の努力を行うよう強く要望いたします。

6.憲法改正

次に、憲法改正について伺います。
総理は「憲法はどうあるべきか。日本が、これからどういう国を目指すのか。それを決めるのは政府ではありません。国民です。」と述べられました。最終的に憲法改正をするかしないかを決めるのは国民であり、国民の過半数から支持を得られる案を示す責任は我々国会議員にあります。
憲法のどの部分を、どのように改正するのかについては、各会派、そして各議員の考えは様々でありますが、議論から逃げずに、さらに議論を深めていく必要があります。
憲法審査会で十分な議論を行い、国民の皆様に堂々と発議できる案を得られるよう、我々も努力してまいりたいと思います。改めて、憲法改正について、総理のお考えを伺います。
最後に、昨年、我々は苦渋の選択の中で公職選挙法を改正し、本年、憲政史上初めて4県合区による参議院通常選挙が、執り行われました。
合区の対象となった4県のうち3県が最低投票率を更新し、4県からは、「合区が拡大すれば政治への関心は低下し、地方の声が国に反映されにくくなる」、「地方創生は絵に描いた餅になる」などと、合区による弊害が多く指摘されました。
選挙後の世論調査でも、実に約7割の人が都道府県で最低1人は参議院議員が選出されるべきとの結果が出ており、合区に対する思いは、4県だけではなく、多くの国民にも共有されております。
私の地元、埼玉県は、全国的にみると、人口は増加しておりますが、人口が増加しているのは、さいたま市を中心とした県南部であり、私の生まれ育った秩父地方や多くの地域では、人口が減少している状況であります。
秩父地方は、皆さんご存知の通り山紫水明、毎年多くの観光客が訪れる、大変美しい地域です。
その美しい秩父の風景を維持するために、多くの人が頑張っております。
たとえ人口が減っていても、美しい風景、美しい国土を守っているのは、言うまでもなく地方の人々なのです。 全国的にみて人口が増加しているのは大都市圏をはじめとする、わずかな地域であり、それ以外の大半の地域では人口減少が続いております。
しかし国土保全という観点で見れば、国土の大半を占める人口減少地域が非常に重要な役割を果たしているのです。
国土保全に重要な役割を担う人々の声が政治の場に届かなくなるということは、地方創生にも逆行することになります。
地方の声を聴き、その思いをしっかりと受け止めることで、はじめて地方を創生することができるのです。
このように多くの弊害がある合区制度をしっかり検証し、もう一度考え直す必要があるということを強く申し添えまして、私の代表質問を終ります。
ご清聴ありがとうございました。

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