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国会

谷垣幹事長代表質問

平成28年1月26日

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1.はじめに

私は、自由民主党を代表して、安倍内閣総理大臣の施政方針演説に対し質問いたします。

まず、冒頭、1月15日の未明に発生した長野県下のバス転落事故により、大学生など15名もの方々が命をなくされたことに心より哀悼の意を表します。ご家族、またご友人などの気持ちに思いをいたすとき、何とも残念であり、痛ましくてなりません。将来ある、若い有為な方々が犠牲になった今回のような事故を、二度と起こしてはなりません。

大型バスをめぐっては、この事故を追うように各地で事故が相次いでいます。現象には必ず原因があります。訪日観光客の激増による大型バス需要の増加、経年バスの使用、ドライバーの人員不足と経験不足、労務管理の緩み、さらには当局の監督や指導の在り方など、政府も抜本的な対策に本腰を入れて取り組まなければなりません。再発防止に向けた取り組みについて総理に伺います。

2.経済再生

安倍内閣が発足して3年が経ちました。民主党政権の下で混乱を極め、国家的な危機に直面していた中、安倍内閣は「日本を取り戻す」との強い決意のもと、日本を取り巻く山積する課題に対して、安定的かつ着実に政策を実行し、多くの成果を挙げてきました。

「三本の矢」からなるアベノミクスによって、雇用は110万人以上増え、17年ぶりの高い賃上げも実現するなど、景気回復が雇用の増加や賃金の上昇につながり、それが消費や増加に結び付くという経済の好循環が着実に回り始めています。地方経済も、安倍内閣発足以降、有効求人倍率が全ての地域で上昇し、賃上げを実施する企業も地方でも増加しており、雇用や所得における改善は着実に地方へも広がっており、「デフレ脱却」まであと一息のところまで来ました。

最近は、新興国経済の勢いに陰りが見え始め、原油安や中国経済の減速、中東地域や北朝鮮問題の地政学リスクの高まりなどにより、世界経済は不透明感を増しています。金融市場の混乱が、各国の投資家を不安にさせています。日本経済は堅調であるものの、海外経済の影響を材料視した思惑によって、株式や為替市場に投機的な動きが広がっており、状況もよく注視していかなくてはなりません。引き続き、政府・与党が「デフレ脱却」に向けた政策を推進していくとともに、原油安などのメリットを内需に結び付けていくような、機動的な対応をとることが必要であると思いますが、総理の所見を伺います。

3.一億総活躍社会、地方創生、財政健全化

(一億総活躍社会)

総理は、次の3年間を、未来を見据えた、新たな国づくりを力強く進めていきたいとの決意のもと、アベノミクスの第二ステージとして、「一億総活躍社会」を掲げ、「戦後最大のGDP600兆円」、「希望出生率1.8」の実現、「介護離職ゼロ」という的を掲げ、新しい「三本の矢」を放ちました。アベノミクスによる成長の果実が得られつつある今、ここで少子高齢化という構造問題に歯止めをかけ、国民一人ひとりの将来不安を解消し、消費や投資が進まない根本的な隘路を取り除くことこそが、わが国の喫緊の課題であります。

総理は、「GDP600兆円」の達成で、「戦後最大の経済と国民生活の豊かさ」を目標として掲げました。

強い経済、成長の果実を分配する好循環を実現する重要な柱となるのは、まさにイノベーションです。国が既存の組織だけでなく、ベンチャー企業や中小企業、NPO、社会企業家などの自由な発想と意欲的、挑戦的な取り組みをしっかりと支援していく環境を整備することが、わが国を「世界で最もイノベーションに適した国」にしていくものと考えます。

さらに、賃上げによる労働分配率の向上や設備投資の拡大などを進めていくには、企業収益を拡大しなければなりません。そのためには、エネルギーの安定供給によって経済活動を支えることも必要です。地球温暖化対策や、最近の中東地域の緊張感や原油安の状況から、エネルギーの安定確保、供給には、再生可能エネルギーの最大限の導入のみでなく、資源や為替の変動リスクを緩和し、安定した経済環境の基盤となる、安全性が確認された原子力発電所の再稼働を進めていくことも重要と考えます。「GDP600兆円」の達成に向けた、総理の所見を伺います。

次に、「希望出生率1.8」を実現するため、若者の雇用安定や待遇改善、仕事と子育てを両立できる環境整備、保育サービスなど、結婚から妊娠、出産、子育てまで切れ目のない支援などを掲げていますが、具体的にどのように取り組んでいくのか、総理に伺います。

「介護離職ゼロ」は、ニーズに見合った介護施設や在宅サービスなどの整備、介護人材の育成、確保、待遇改善、また、家族が介護と仕事を両立できる環境整備、家族への相談や支援体制などでその実現を目指していますが、どのよう進めていくのか、総理の考えをお聞きします。

(地方創生)

地方創生も、本年は戦略策定から具体的な事業を推進していく段階に入ることになります。平成28年度予算にも、地方の自主的・先駆的な取り組みを支援する「地方創生推進交付金」の創設や、訪日外国人数2000万人の目標達成が視野に入る中、さらなる増加を図り、観光立国を推進していくための施策などが盛り込まれています。また、官公庁と政府関係機関の地方移転に対する期待も地方から寄せられています。

地方創生の実現こそが「一億総活躍社会」の実現につながるものでもあります。「GDP600兆円」の実現には、ローカル・アベノミクスのさらなる推進によって、地域の稼ぐ力を高めていくことが重要であり、「希望出生率1.8」の実現には、地域の実情に即した「働き方の改革」を推進していくことが必要であるなど、相互に連動しながら進めていくことが求められています。

また、TPPを契機として、地方に海外からの投資や人材を呼び込み、新たな市場開拓などを進め、生産性を高めるイノベーションを促進し、新しい産業を創出していくことで、地方創生の好循環を加速させていくことも重要です。

地方創生の実現で地方を元気にさせていく、総理の所見を改めて伺います。

(財政健全化)

アベノミクスによって、平成24年度からの2年間で日本企業の経常利益は約16兆円増え、内部留保も約50兆円増加しました。しかしながら設備投資の伸びは約5兆円に留まっており、日本経済のさらなる好循環を確実なものとするために、企業収益をさらに高め、積極的な国内投資や賃金引き上げに一層取り組んでいく必要があります。こうした観点から、平成28年税制改正において、法人実効税率の20%台への引下げや、資本金1億円以下の中小企業に対して、新規整備投資への固定資産税を3年間半減するなど、企業の設備投資や賃上げを促進させ、生産活動や消費を活発にし、経済の好循環を図ることとしました。

また、消費税率10%への引き上げ時に、低所得者の方々の負担感を緩和する配慮から、酒類、外食を除く飲食料品と、定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞を対象として、軽減税率を導入することとしました。さらに、導入に際しては、スーパーなどで混乱が生じないように、政府・与党が一体となって万全の準備を進めていくこととしました。また、財政健全化目標を堅持するとともに、「社会保障と税の一体改革」の原点に立って安定的な恒久財源を確保するために、自民党・公明党両党で責任を持って対応していくこととしました。

一方、平成28年度予算は、社会保障費の伸びを「経済・財政再生計画」の目安に沿って4400億円程度に抑制し、国債発行額も、平成27年度より2.43兆円少ない34.43兆円と、2年連続で40兆円を下回り、公債依存度が35.6%と、リーマン・ショック以前の水準まで回復するなど、経済再生と財政健全化を両立させた予算となっています。改めて、総理に財政健全化に向けた見解を伺います。

4.震災復興

3月11日には、東日本大震災の発生から5年の節目を迎えます。総理は就任以来25回にわたり被災地を訪問されるなど、被災者と寄り添いながら、最重要課題として政府一丸となって、復興に向けた取り組みを行ってきました。

3月には5年間の集中復興期間が終了し、4月からは新たに5年間の復興・創生期間がスタートします。インフラ復旧などのハード面での復興は、着実に進んできており、今後は産業や生業の再生と、避難の長期化による、被災者の体と心のケアなどのソフト面においても、きめ細やかに対応していくことが必要です。また、福島における原子力事故災害によって、地域の再生と回復が遅れている分野への重点的な支援も必要です。さらに、震災記憶の風化、風評への取り組みを強化し、震災の経験と教訓を、引き続き国民全体で共有するとともに、復興の現状における正しい情報を、国内外に発信していく取り組みも、関係各所が連携して展開していかなければなりません。

また、昨年も関東・東北豪雨災害など、多くの自然災害も起こりました。事前防災・減災対策を充実するとともに、インフラの老朽化対策など、国土強靭化をさらに推進していかなくてはなりません。復興と国土強靭化に向けた総理の所見を伺います。

5.TPP対策

昨年、TPP交渉が大筋合意に至りました。わが党は国益がしっかり守られ、結果としてわが国の繁栄につながる交渉を政府に対して求めてきましたが、それを踏まえて、政府が粘り強く交渉を行った結果が、今回の合意に至ったものであり、総理、甘利大臣を始めとする関係者のご尽力に敬意を表します。

TPPは、21世紀のアジア太平洋に、自由で公平な経済圏を構築する挑戦的な試みであり、世界のGDPの約4割、人口の1割強を占める巨大な経済圏において、モノの関税の削減・撤廃だけでなく、サービス、投資の自由化を進め、さらには知的財産、電子商取引、国有企業、労働、環境の規律など、幅広い分野で新しいルールを構築するものであります。

まずTPPは、わが国にとって企業の事業拡大と雇用拡大、特に地方の中堅・中小企業にとっては、大きなチャンスになり得るものです。今回、TPP参加11カ国の鉱工業品の関税が、100%近く撤廃され、陶磁器など地場産業の輸出の後押しになります。また、煩雑な税関手続きや、投資先の急なルール変更による損害や技術、デザインが盗まれるなどのリスクから、海外展開に踏み切れなかった企業が、通関手続の迅速化などTPPによる各種手続きの簡素化、標準化、投資ルールの明確化、知的財産の保護などにより、安心して海外展開を行うことが可能となります。

また工業品だけではなく、農産品や食品、コンテンツやサービスなども海外に打って出ることができるようになります。TPPを契機に、わが国は「新輸出大国」を目指すべきであり、新たな担い手となる企業などを後押しする施策を、総合的かつ早急に実施すべきであると考えますが、総理の所見を伺います。

さらにTPPは、わが国の経済再生、地方創生の「切り札」になるものであります。今後わが国、特に地方における人口減少、高齢化が一層進む中で、「新輸出大国」を目指す取り組みにより、中堅・中小を含めた、わが国企業が提供する物品やサービスなどの得意分野に、海外からの需要が増え、海外の企業と連携した研究開発や海外投資が促進され、イノベーションや技術革新が生まれます。それにより、わが国企業の高付加価値化、生産性の向上が進み、生産活動がさらに活発となり、結果として、さらなる貿易拡大という好循環により経済成長につながっていきます。つまり、わが国から海外へ、海外からわが国へという双方向の投資、貿易が活発となることで、わが国は「グローバル・ハブ」として持続的な成長を遂げることを目指すべきであると考えます。各地域が「グローバル・ハブ」を目指すことで、真の地方創生が実現し、経済再生にも資するものと思いますが、総理の認識を伺います。

農林水産品に関しては、関税撤廃を求める厳しい交渉の中で、撤廃の例外を数多く確保しましたが、不安視する国民の声もあります。今回の交渉で獲得した措置と併せて、将来にわたって意欲ある農林漁業者が安心して経営に取り組め、確実に再生産が可能となるような、また、成長産業として取り組む生産者が、最大限力を発揮できるような、競争力強化や体質強化対策の充実、革新的技術の研究開発を進めていくことも必要です。さらには、生産者の努力では対応できない、人材力の強化や飼料などの生産資材価格の仕組みの見直し、真に必要な基盤整備なども検討していかなくてはなりません。

今回のTPP大筋合意を受け、日本の農政は「農政新時代」と言える新たなステージに挑戦するスタートラインに立ちました。生産者の持つ可能性と潜在力を、いかんなく発揮できる環境を整えていくことで、次の世代に対しても、日本の豊かな食や美しく活力ある地域を、引き渡していけるものと確信しています。そのためには、今こそ政治の側が変わらなければなりません。新しい時代に立ち向かおうとしている、現場の生産者の努力や挑戦を、国民とともに全力で支えていかなくてはなりません。「農政新時代」を、日本の農林水産業の輝ける時代にしていこうとする、総理の考えをお聞きします。

6.外交・安全保障

(伊勢志摩サミット)

総理は就任以来、63の国と地域を訪問され、400回を超える首脳会談を実施するなど、積極的平和主義を掲げた地球儀を俯瞰する外交を精力的に展開し、多くの成果を収め、国民や国際社会からも高い評価を受けております。

本年は、わが国が国連加盟してから60年の節目の年を迎えます。その年に国連加盟国では最多となる、11回目の国連安全保障理事会の非常任理事国を務めることとなり、わが国が世界の平和と繁栄に一層貢献していくことが期待されています。また、日本政府が主導して発足したTICAD(アフリカ開発会議)は、今年初めてアフリカで開催されます。そして5月には、G7の議長国として「伊勢志摩サミット」が開催されるなど、まさに総理が言われるように、本年は日本外交が世界を引っ張る重要な1年であります。

特に、伊勢志摩サミットでは、不透明さを増す世界経済、国際テロ対策、貧困や開発の問題、アジア太平洋地域の情勢など、世界が直面する様々な課題について議論されると思います。わが国が、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった基本的価値を共有する国々と連携し、国際秩序の再構築のためにどのような役割を果たしていくのか、積極的平和主義をどのように展開していくのか、議長国としての総理の決意を伺います。

(北朝鮮問題)

先般、北朝鮮が4回目となる核実験を強行した行為は、わが国の安全に対する重大な脅威であり、北東アジア及び国際社会の平和と安全を著しく損なうものであり、断じて容認できるものではありません。政府においては、国際社会と連携して、断固たる対応をとることを強く求めます。現在、国連安保理において新たな安保理決議の検討に入っていると思いますが、その場合には、決議の理由に拉致を含む人権侵害を明記させることも求めます。

拉致問題も、北朝鮮が平成26年5月の日朝合意を未だ履行していないなど、具体的行動による進展がありません。政府は、昨年6月、わが党拉致問題対策本部が提言した、13項目の制裁強化策を速やかに実施し、わが国独自の対北朝鮮措置の徹底を図るべきと考えますが、総理の見解を伺います。

(日米関係)

総理の地球儀を俯瞰する外交が、多くの成果を収めている要因の一つは、総理が日本外交の基軸である日米同盟を立て直し、盤石なものとしたことにあると考えます。この盤石な日米同盟が、アジア太平洋地域、ひいては国際社会の平和と安定、繁栄のために大きく寄与し、わが国と各国との友好関係構築に相乗効果を及ぼしています。特に昨年、戦後70年の節目に、日本国総理大臣として史上初の、米国上下両院合同会議での演説は、戦後、いかに日米同盟がアジア太平洋地域、そして世界の平和と安定に貢献し、今後も、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった基本的価値観の上に立って、両国が手を携え世界への貢献を続けていくという、強い意志を発信したものでありました。

また、平和安全法制の成立によって、子や孫の世代に平和な日本を引き渡していく基盤を築くことができたとともに、あらゆる事態に万全の備えを行い、自衛隊と米軍が緊密に連携していくことで、戦争を未然に防止し、地域の平和と安定を確固たるものにしていく環境も整いました。今後さらに、日米同盟の実効性が大幅に高まるものと考えます。

沖縄の基地負担軽減や普天間飛行場の移設についても、在日米軍の抑止力を維持しつつ住民の負担を軽減していくために、地元の理解を得ながら、日米が一層連携して努力していくことが求められています。

そのほかにも、TPPやエネルギー、インフラ分野など、経済面での協力も進展していますが、こうした日米関係を、今後さらにどのように強化し、日米間の諸課題をどのように解決していくのか、総理の所見を伺います。

(日中・日韓関係)

昨年、3年半ぶりに日中韓3か国首脳サミットが開催されました。隣国同士が胸襟を開いて、北東アジア地域の平和と繁栄のために、率直な意見交換ができたことは、3か国、地域にとっても大変意義のあるものであったと考えます。日中韓FTAの包括的、かつハイレベル協定の早期妥結や環境、防災、青少年交流などの分野の協力を進めていく方向で認識を共有できたこと、また、北朝鮮には連携して対応していくことが確認できたことは、大きな成果であります。本年は、日本が議長国として日中韓サミットが開催されますが、3か国首脳レベルの会談が、さらに精力的に行われることを、強く期待するものであります。

日中関係は、首脳会談を通じて、日中関係が着実に改善の方向に進んでいます。この流れを定着させていくために、「戦略的互恵関係」の大局に立ち、対話を重ねることで、日中両国が地域と国際社会の平和と繁栄に、大きな責任をともに有していくことが必要であります。

中国経済が減速傾向の中、昨年11月に行われた日中首脳会談では、閣僚級の「日中ハイレベル経済対話」の今年早期の開催で一致したと聞いております。世界経済の安定に向けた連携や、気候変動や環境問題での協力などの分野において、政治対話を強化していくことは、まさに重要であります。

日韓関係は、昨年、日韓国交正常化50年の節目を迎え、3年半ぶりに首脳会談が実現しました。その後、慰安婦問題については、協議が加速し、年末の外相会談によって「最終的かつ不可逆的に」解決されることに合意しました。ここに至るまでには、多くの関係者の努力があったかと思いますが、日韓間の長年の懸案であったこの問題に終止符を打ち、日韓新時代のスタートを切ることができたのは、まさに総理の決断によってであり、高く評価するものであります。わが国にとって最も重要な隣国である韓国と、今後は北朝鮮問題を始めとする日韓間の諸課題について、首脳レベルで緊密に連携して、未来志向の強固な関係を築いていけることを、強く期待するものであります。

日中、日韓の関係強化に向けた総理の所見を伺います。

(日ロ関係)

総理は、これまでプーチン大統領と数次にわたる首脳会談を重ねることで、信頼関係を築き上げ、北方領土問題の解決を目指しています。プーチン大統領の早期訪日が模索されている他、総理が伊勢志摩サミット前の訪ロを検討しているとの話もあります。G7との協調を大切にしながら、領土交渉進展に向けた首脳同士の対話を重ねていくことが重要と思いますが、総理のご認識を伺います。

7.憲法改正

総理は、年頭の記者会見で、憲法改正について「国民的な議論を深めていきたい」と言われました。憲法改正は自民党の党是であり、野党時代の平成24年には「日本国憲法改正草案」を発表していますが、もちろんわが党も、われわれの草案がそのまま改正案になることは想定していませんし、最初から全面的に改正することも現実的ではないと理解しています。

まずは、与党はもとより多くの野党にも、現行憲法において足りない部分があるのではないか、また憲法の文面では素直に読みにくいにもかかわらず、国民生活に定着しているという事柄も数多くあるのではないか、といった問題意識を共有し、国会での議論を通じて合意形成を図り、確実に憲法改正を実現していくプロセスを、与野党がともに作り上げていくべきと考えますが、総理の所見を伺います。

8.むすび

先般、大島議長の諮問機関である「衆議院選挙制度に関する調査会」より議長に答申がなされ、各党に通知されました。答申をおまとめいただいた委員の方々に、心より敬意を表します。

選挙制度は民主主義の根幹であり、わが党としても、今後、二度と違憲判決が下されることがないよう、人口の変化に対応した、法の下の平等の要請に応える衆議院選挙制度の改革に、全力で取り組んでいく決意です。

先にも述べたように、今年、わが国は、伊勢志摩サミットや日中韓サミットで議長国を務め、国連安保理非常任理事国入りなど、総理が世界各国リーダーをまとめ、日本外交が世界を引っ張っていく、とても重要な一年であります。多くの課題を抱え、不透明さを増す国際情勢の中で、わが国が極めて重要な役割を担っていること、また世界から厚い信頼と期待が寄せられていることは明らかであり、われわれはこうした国際社会からの信頼と期待に応え、その責任を果たしていかなければなりません。そのことは外交のみではなく、内政においても同様であります。

昨年の平和安全法制の審議では、残念ながら過去の安全保障の議論と同じように、国民の間に左右のイデオロギー対立が激化し、国民の中に亀裂を生じさせたことは少なからずありました。政府・与党は、国民に対し丁寧に説明し、理解を得る努力を尽くしていくという姿勢を決して失ってはなりません。同時に、こうした国民の間に生じた亀裂を乗り越え、国民が同じ目標に向かって、ひとつにまとまっていくための環境を作り上げていく責務があります。今回の「一億総活躍社会」の実現こそが、新しい国民統合を作っていく目標であり、総理がリーダーとして先頭に立ち、国民とともに歩みを進めていかなければなりません。

「一を以って之を貫く」

これからも経済でしっかり結果を出し、国民の命と幸せな暮らしを守り、国民一人ひとりが活躍できる社会を作っていくことをお誓い申し上げ、私の質問を終わります。

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