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国会

第189回国会代表質問 岩城光英 党参議院副会長

平成27年2月18日

自由民主党
議員副会長 岩城 光英

岩城光英 党参議院副会長

自由民主党の岩城光英です。参議院自民党を代表して、安倍内閣総理大臣の施政方針演説について、質問をいたします。

1.地方創生

まず、安倍内閣の最重要課題である地方創生について伺います。
私は、住民に最も身近な行政である市や町や村が元気を出すことが、日本の活力につながるものと考えております。

(1)東京一極集中の原因と地方へ人や企業の流れをつくるための施策
政府は、昨年末に「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」とそれを踏まえた5カ年の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」をまとめ、これに基づき、平成26年度補正予算、平成27年度予算案合わせて1兆7000億円の予算を確保いたしました。
ところで、平成26年の人口移動報告によりますと、東京圏では転入者が転出者を上回る転入超過が10万人を超え、3年連続の増加となっています。
「まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、地方の人口流出に歯止めをかけ、平成32年までに東京圏の転出・転入を均衡させる目標を掲げていますが、施策を進める上で、現状の把握・分析は大事なことだと考えます。
何故東京一極集中が続いているのか、その原因をどのように考えているのでしょうか。そして、それを踏まえ、地方へ人口移動や企業移転の流れをつくるための総理の決意を、お伺いします。

(2)外国人観光客増加の地方への波及
次に、外国人観光客の地方への波及についてであります。
政府の観光施策の進展や円安などの効果によって外国人観光客が大幅に増えており、国内消費の押し上げに貢献しています。一昨年に初めて1000万人を超えた外国人観光客は、昨年は1300万人となり、今年は1500万人になるとも予想されています。総理は、施政方針演説で「日本を訪れる皆さんに、北から南まで、豊かな自然、文化や歴史、食など、地方の個性あふれる観光資源を満喫していただきたい」と述べられましたが、東京や関西などの主要な観光地を巡るルートは「ゴールデンルート」と呼ばれ、外国人観光客の7割から8割がこのルートをたどると言われています。
しかし、我が国には、どの地域にも、それらに勝るとも劣らない魅力があります。外国人観光客の増加を、東京や関西だけでなく、全国に行き渡らせるための方策について、総理に見解を伺います。

(3)シェアサイクルの普及をはじめとする自転車の利活用について
次に、シェアサイクル等自転車の利活用についてであります。
3年前のロンドンオリンピック・パラリンピックでは、移動手段として8000台の自転車、シェアサイクルが整備され、期間中は1日4万回以上の利用がありました。舛添東京都知事は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、自転車の活用を掲げています。
政府は、東京をはじめ全国で、シェアサイクルの普及やサイクルレーン、駅・商店街周辺での自転車駐輪場の整備をさらに進め、自転車走行環境の改善・整備を図ることとしてはいかがでしょう。国内外の旅行者に、日本各地の観光スポットを巡る新しい可能性を拓く有効な移動手段になり、地方創生に貢献するとともに、都市環境に優しく、健康の増進にも資するものと考えますが、総理の見解をお示し願います。

2.女性が輝く社会

次に、地方創生と並ぶ最重要課題である女性が輝く社会について伺います。
家庭で、地域社会で、職場で、それぞれの場で活躍している全ての女性が、その生き方に自信と誇りを持ち、輝くことができる社会、これが政府・与党が実現を目指す姿です。
昔から輝いている女性はたくさんいました。例えば、福島では会津藩の「新島八重」が挙げられます。大河ドラマ「八重の桜」のヒロインでご存じの方も多いと思いますが、幕末から激動の明治・大正・昭和を生きた"ハンサムウーマン"と言われた女性です。八重の時代から比べると、女性の生き方は著しい変化を遂げています。女性の生き方の価値観が多様化しているのです。
「すべての女性が輝く社会」の実現に向けて、総理の決意をお伺いします。

3.教育再生

次に、教育問題について伺います。安倍内閣の最重要課題である「地方創生」や「女性が輝く社会」の実現のためには、教育の役割は極めて大きいと考えます。

(1)教育再生実行会議
まず、教育再生実行会議の提言についてであります。
安倍内閣は、21世紀の日本にふさわしい教育体制を構築するため「教育再生実行会議」を設置し、教育改革を推進しています。同会議においては、いじめの問題等への対応、教育委員会制度や大学教育の在り方等について、5次にわたる提言を行っており、政府はこれまでの提言の内容を着実に実行しているところです。
4次提言を踏まえた「高大接続の改革」については、実現に向けた段階に入り、5次提言を踏まえた「小中一貫教育の制度化」については、今国会に法案の提出が準備されているようです。
これらは、我が国の教育制度にとって大変重要な改革となりますが、実行に向けた総理の決意を伺います。

(2)幼児教育の無償化
次に、幼児教育の無償化についてであります。
経済協力開発機構の調べによりますと、日本の公的な教育支出は、国内総生産と比較して3.1%と、39ケ国中最下位となっており、教育費の拡充強化が課題となっています。特に幼児教育の無償化は、その重要性に鑑み、低所得世帯を含むすべての子供に質の高い幼児教育を保障することを目指す施策で、政府・与党が推進しているものです。
来年度予算案では、本年度に引き続き低所得世帯の保護者負担の軽減措置が取られましたが、残念ながら、無償化対象の拡大はなりませんでした。
総理は、施政方針演説で「幼児教育無償化の実現に向け一歩一歩進んでまいります」としていますが、人口減少問題が喫緊の課題となり、子育て支援対策が強く叫ばれる中、よりメッセージ性の強い大胆な方策が求められていますので、総理の決意をお示し願います。

4.東日本大震災からの復興について

次に、東日本大震災からの復興について伺います。
(1)復興期間終了後の措置
あの大震災から3年11ヶ月が経ちました。安倍内閣は「被災地の復興なくして日本の再生なし」、この考え方の下に、復興の加速化に努めています。そして、多くの方々が、復興のために血の滲むような努力をされていますが、その一方で、期待通りには復興が進んでいないというもどかしさを、被災地に暮らす誰もが感じています。
このような中、集中復興期間終了後の、平成28年度以降については、復興庁は5年の枠組みで復興事業に必要な予算を精査し、この夏の概算要求までには、一定の絵姿を示したい方針と伺っています。
被災地全体の復興に関わる根本的な重要な課題であり、被災地が少しでも将来を見通せるよう、平成28年度以降の方針を早期に示していただきたいと考えますが、総理のご所見をお示し願います。

(2)被災地における地方交付税の特別措置
次に、被災地における地方交付税の特別措置についてであります。
平成27年度に国勢調査が行われる予定ですが、本調査における人口が普通交付税の算定の基礎数値の一つとなります。ところが、福島、宮城、岩手の被災3県では、多くの方が避難生活を余儀なくされているため、現況の調査結果が反映されることにより、交付税が減額されることを懸念しております。
福島では、原発事故によりその影響が特に大きくなると予想されます。全住民避難の町村のみならず、広野町・川内村のように、避難解除後も、事故前の人口に戻っていない自治体もあります。
  三宅島噴火のときには、三宅島村に対し交付税の特別措置がありました。今回も同様の措置が望まれますが、総理の見解を伺います。

5.福島の復興

福島の復興は、他の被災地と比べると、残念ながらその歩みは大きく遅れているのが実情です。避難生活を強いられている皆様が今後"自立"をめざしていくために、本年は大変大事な年になります。 福島の子どもたちの声を紹介します。

  • 小学6年の女子児童です。浪江町からひなんしてきた。先生や友達、何をしているのだろう。でも、私は信じている。この空の下、心と心はちゃんとつながっているって。いつか必ず、あのころの仲間と笑顔でもう一度会える日が来るってことを。
  • 小学5年の男子児童です。ぼくは、福島の未来をこう予想します。福島は、風力発電や太陽光発電などの自然エネルギーの最先たんの都市になると思っています。そして、ぼくは、この新しい福島を、世界の人々にしょうかいしていきたいと思います。

子供たちは、困難に立ち向かいながら、未来に向かって強く優しく生きています。彼らの夢や希望がかなうよう全力で取り組むことは、私たちの責任です。
将来を担う子どもたちが安心して安全に暮らせる"誇りの持てるふるさと"を築くためには、事故の収束と、廃炉作業の着実な実行が大前提となります。

(1)廃炉と汚染水対策について
まず、廃炉と汚染水対策についてであります。
現在、東京電力福島第一原発における廃炉作業が続けられています。原発の敷地内はタンクの山となり、汚染水対策が喫緊の課題であります。しかし、その対策は、試行錯誤の連続です。
福島の廃炉作業は、最終的には使用済み燃料や、燃料デブリの取り出しを完了しなければなりません。今春に予定されているロードマップの改定では、問題点を捉えた上で、実現可能性の高いものにすることが求められます。
東京電力は、浄化目標を3月から5月に先延ばしすると発表しましたが、地元からは「確かに実現できるのか」との疑問の声が上がっています。総理は、施政方針演説で「廃炉・汚染水対策に国も前面に立ち、全力で取り組みます」と述べられました。
異なる意見のある「凍土遮水壁」の構築をどうするか、死亡労災事故が相次いだ現状を踏まえ、廃炉作業の抜本的な見直しや、作業に従事する人材の確保や育成をどうするのかなど、廃炉までの課題はさまざまで、かつ困難なものばかりですが、総理は、それぞれをどのように解決しようとしているのか伺います。

(2)福島の将来像
次に、福島の将来像についてであります。
昨年の8月、私は、原爆のプルトニウムを生産していた米国ワシントン州ハンフォードサイトを視察しました。冷戦終結後は、廃炉や汚染物質の除却、地下水対策、ぶどう栽培とワイン製造など、廃炉作業や農業生産の基地として生まれ変わっております。行政が粘り強く住民との対話を繰り返し、丁寧な対応を積み重ねた結果です。福島県の良い参考になると考えています。
昨年12月、避難指示が出された12市町村の将来像を検討する「福島12市町村の将来像に関する有識者検討会」が設置されました。1次産業や地域の強みを活かした産業振興、健康・医療、観光等、様々な課題を整理しながら、夏頃までに提言をとりまとめるとのことです。
地元では、浜通りに廃炉やロボットの研究開発拠点を整備する、いわゆる「イノベーション・コースト構想」に、大きな期待を寄せております。総理も「福島を、世界最先端の研究、新産業が生まれる地へと再生する。浜通り地域にロボット関連産業などの集積を進めてまいります」と力強く述べられました。
福島県は、風力、地熱、水力、太陽光、バイオマスなど、自然エネルギー資源に恵まれた県であります。福島県を再生可能エネルギーの総合基地とすることは、我が国の再生可能エネルギーの活用の在り方を考える上でも重要ではないでしょうか。
12市町村を含めた福島の将来像について、総理はどのように描いているのか、ご見解を伺います。

                

(3) 原発事故の営業損害に対する賠償について
次に、原発事故の営業損害賠償についてであります。
「原発事故による営業損害賠償は、加害者の被害者に対する果たすべき責任」と県民は考えています。ところが、昨年12月、原発事故により商工業者が被った営業損害に対する賠償支払いが、平成28年2月分で終了するとの素案が示されました。
賠償の終期は、帰還や営業再開の明確な目途も立たず、風評被害が続く現状においては、「いつ」という形で区切るべきではありません。
以下、被災者の生の声です。

  • 町の帰町宣言が出ていない中で、素案が示されること自体が理解できない。
  • 移転先では既に商圏が出来上がっているため、新規参入は極めて困難であり、地元で商売している人との軋轢が生じている。
  • 県産の魚の入荷がなく、値段も合わず、品数も少ない。売り上げが落ちている。
  • 教育旅行関連客は、風評のため、地域によってはまだ25%しか回復していない。

このように、「平常時の損失補償などで捉えるほど軽くはない」との商工業者の声は切実です。
商工業者への損害賠償については、一律に打ち切るのではなく、引き続き被害者の自立の度合いに沿って個別具体的に判断すべきと考えますが、総理の見解を伺います。

(4)中間貯蔵施設に関わる交付金について
次に、中間貯蔵施設に関わる交付金についてであります。
中間貯蔵施設については、大熊町・双葉町の両町長が風評を払拭し、復興を加速化させることを考慮して、苦渋の決断をされ、去る2月3日、一時保管場の整備工事に着手いたしました。政府においては、今後、搬入開始に向けて地元住民、特に地権者に対し、改めて、原発事故により故郷を追われた人々の苦しい思いを十分に斟酌し、より一層誠意ある丁寧な対応で、尽力していただくことを願います。
なぜなら、建設予定地用地価格の最終合意がなされる前に、工事着手・搬入予定が決められていることに対する不満の声や、具体的なすり合わせがない中で本当に自由度が確保されているのか、という不安の声があるからです。
中間貯蔵施設に関わる交付金については、①中間貯蔵施設等に係る交付金1500億円、②原子力災害からの福島復興交付金1000億円が、財政措置されることになりました。
これらは、自由度の高い交付金と説明されておりますが、制度上これまでのものと比較して、どこが改善されているのでしょうか。
さらに、何故福島に対して交付されるのか、広く国民に理解されるよう政府がその必要性を説明するとともに、その透明性を確保するシステムの構築が求められると考えますが、総理のご所見をお示し願います。

 

(5)常磐自動車道の4車線化について
最後に、常磐自動車道の4車線化についてであります。
来る3月1日に地元の長年の悲願であり、また、東日本大震災からの復興の象徴でもある、常磐自動車道が全線開通いたします。
現在、いわき中央インターチェンジ以北の区間が2車線で運用されております。昨年11月にまとめられた「中間貯蔵施設への除去土壌等の輸送に係る基本計画」においては、高速道路を積極的に利用することとされております。仙台・東京間の全線開通により、地元の方々の利用はもとより、復興関連や中間貯蔵施設等への輸送等、交通量の増加が予想されます。
このような点を踏まえますと、常磐自動車道の4車線化を早期に実現する必要があると考えますが、国土交通大臣の見解をお伺いして、質問を終わります。

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