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自由民主1面コラム「幸響」
東 国幹 広報本部新聞出版局次長

自由民主1面コラム「幸響」東 国幹 広報本部新聞出版局次長

変人塚でも建てようか

はじめての選挙は29年前の旭川市議選だった。あの頃、出馬すると相談するものなら、親戚ですら気でも狂ったかと言われた▼それでも踏み切ることができたのは、若いというだけで物珍しそうに寄ってきた支援者がいたからだ。その面々は名の通った方は皆無で、町の非主流派、また反権力志向で極めて変人に近かった。候補者が狂人なら支援者も変人だろうと、妙な得心をしながらの梁山泊気取りだったかもしれない。鬼籍に入った方々が多くなった。過ぎ去りし時を懐かしむのは、強烈な印象を持った面々だったからだろう。振り返ると、それら"変人"の心根はかなり純朴に政治を見つめ、真正面から改革していこうとする。突破力を若い政治家に期待していたと思う▼年末から政治不信が広がっている。草場の陰から私への叱咤(しった)と罵声が聞こえそうな昨今、長年鍛えてくれたものはその草芥からの彷徨(ほうこう)だった。未(いま)だ足らざる身上、ゆえに懐古にとどめず、初志喚起のために「変人塚」でも建てようかな。

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