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お知らせ

28年度税制改正大綱決定 法人実効税率「20%台」に

平成27年12月16日

 平成28年度税制改正大綱がまとまり、16日の総務会で了承された。法人実効税率「20%台」の目標を前倒して実行することをはじめとして、デフレ脱却と経済再生を確実なものとし、「一億総活躍社会」を後押しするための税制措置を数多く盛り込んだほか、消費税率10%への引き上げとともに軽減税率制度を導入することも明記した。
 大綱は冒頭、28年度税制改正の基本的考え方として、「日本経済はデフレ脱却までもう一息のところまできている」が、「少子高齢化が構造的な課題となっており」「経済成長の隘路となっている」と現状を分析。
そのうえで、「経済の『好循環』を確実なものにするため、税制においても、企業が収益力を高め、前向きな国内投資や賃金引上げにより積極的に取り組んでいくよう促していく必要がある」と強調した。主な改正項目は次の通り。
◎国・地方を通じた法人実効税率(現在32・11%)を28年度に29・97%に引き下げる。達成まで数年間を想定してきた「20%台」の目標を改革2年目で実現することとなり、さらに30年度には29・74%とする方針も打ち出した。
◎「少子高齢化に歯止めをかけるためには(中略)子育てにやさしい社会を創る必要がある」との考え方から、三世代同居に対応した住宅リフォームについて、ローンや自己資金で行った場合に税額控除制度を導入。
◎地方創生の観点から、引き続き地方法人課税の偏在是正に取り組む。具体的には、消費税率10%への引き上げに伴い、暫定措置である地方法人特別税・譲与税制度を廃止し、地域間の税源の偏在性を是正し、財政力格差の縮小を図るため、法人住民税法人割の一部を交付税原資化する。
このほか、27年度税制改正で創設した地方拠点強化税制の拡充や、企業が自治体に寄付をすれば税金が軽減される「企業版ふるさと納税」の導入、空き家を売却した際の譲渡所得の特別控除の導入などにより、地方を応援する。
◎消費税率が10%に引き上げられる平成29年4月に軽減税率制度を導入する。導入に当たっては、財政健全化目標を堅持するとともに、「社会保障と税の一体改革」の原点に立って安定的な恒久財源を確保する。
◎消費税率を10%に引き上げるのに合わせて、自動車取得税を廃止することに代わって、燃費性能に応じて4段階(普通車)で税率を設ける新税を導入する。
◎温室効果ガス削減目標の達成に向けた森林吸収源対策として、市町村による継続的・安定的な森林整備の財源に充てる税制「森林環境税」(仮称)などの新たな仕組みを検討する。