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コラム

林芳正SC財務大臣に聞く 本格的な保守政権つくり危機克服

 政府は7月15日、総額約2兆円規模の平成23年度第2次補正予算案を国会に提出した。同予算案は、実質的政策経費が7000億円ほどしかなく、東日本大震災の本格的な復興のための予算とは、程遠い内容だ。わが党ならどう補正予算を組むのか。林芳正シャドウ・キャビネット(SC)財務大臣に聞いた。

中途半端な政府の2次補正

林芳正シャドウ・キャビネット(SC)財務大臣
――――政府の第2次補正予算をどう評価しているか。

 わが党は、復興のための本格的な補正を編成することを求めてきましたが、政府が提出した補正予算は総額約2兆円で、中途半端なものです。まさに「too little, too late」(少なすぎ、遅すぎ)です。

 その背景には、中途半端な予算でも、早く通せば、菅総理が退陣するのではないかという政府与党内の「政治的打算」があり、政府与党の内部事情で、被災者が犠牲になっていると言わざるを得ません。

――――わが党は、総額約17兆円規模の補正予算を求めているが、政府案との違いは。

 まず、わが党案では、被災地の復旧として、防潮堤などのインフラ、医療、学校、地盤沈下した地域、JRの早期復旧のために総額2兆6300億円を盛り込みました。

 生活再建の面では、早く仕事に復帰していただくため、中小企業の再建に1兆1000億円を計上しました。このほか、地方自治体の支援に2兆3000億円、原発事故対応には1兆6430億円を積み上げました。

 一方、政府案の総額約2兆円のうち、5000億円は地方交付税交付金、8000億円は予備費となっています。つまり、残り7000億円だけで、原発の賠償や二重ローン問題対策などに取り組む内容で、わが党案とは、大きく規模が違います。

 なかでも、顕著なのは被災地の水産業の再建です。わが党案では、7800億円を計上していますが、政府案では、冷蔵施設の復旧のためにわずか193億円。しかも、その対象は、漁協などの冷蔵施設に限定し、雇用の回復に欠かせない民間の冷蔵施設は含まれていません。仮に、政府が9月に3次補正を提出しても執行は10月頃になるわけで、とても今の被災地の切羽詰った状況に間に合わない、遅すぎます。現場の声を聞けば、当然、早く、大規模な補正予算が必要となるはずですが、あまりにも少なすぎです。

――――菅政権の財政運営をどう見るか。

 そもそも、菅直人総理とは、経済の見方がわが党とは根本的に違う。菅総理の頭の中には、「政府」「企業」「家計」という経済主体のうち、「企業」がありません。だから、「子ども手当」をばらまいて、家計にお金が行き渡れば、それを使って景気が良くなるとう考えになるのです。基本的には社会主義ですね。

 私が政権交代当初、代表質問で指摘した「短期、民主党不況。中期、財政破綻。長期、英国病」との悪い予感が的中しつつあります。

 財政破綻で言えば、政府は、形の上では、2015年度までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字対GDP(国内総生産)比半減、2020年度までに黒字化との目標を受け継いでいます。しかし、そのための手段として、3年間、今の歳出71兆円を増やさないとしか言っていません。社会保障費の毎年の自然増1兆円、基礎年金の国庫負担の2分の1に対する財源をどう賄うかという答えがないのです。それに加え、マニフェストで掲げた16.8兆円の無駄を削れず、「子ども手当」などの「バラマキ4K」も撤回できません。

 こうしたなか、来年度を含む3年間、2014年度まで71兆円の歳出維持を続ければ、目標の2015年度まで1年しかない。従って、プライマリーバランスの対GDP比半減の目標を達成できないのは明白となっています。

――――今後、わが国が取るべき財政運営の方向性は。

 わが党は財政健全化責任法案を国会に提出しています。新しい施策には、それに見合う財源を確保する「ペイ・アズ・ユー・ゴー」の原則をこの法案に明記しました。まず、同法案に基づき財政運営を行うというのが基本です。

 私が政権交代当初、代表質問で指摘した「短期、民主党不況。中期、財政破綻。長期、英国病」との悪い予感が的中しつつあります。

 それから、昨年の参院選で、わが党は消費税を10%に引き上げることを打ち出し、その全額を年金、医療、介護、少子高齢化に充てることを明らかにしました。

 国の予算92兆円のうち30兆円近くが社会保障費ですので、その財源が確保できれば、予算全体の健全化に向けた一歩が踏み出せると考えています。

――――この国難に対処するには。

 今回の未曾有の震災を克服するには、政治が、国民が一丸となるためのビジョンを示し、「2軍」ではなく、「1軍」で戦うことが必要です。わが党は「2軍」ではない、本格的な保守政権を作るために、一日も早く政権交代を果たさなければなりません。

 

機関紙「自由民主」2471号掲載

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