復興に向けた15年目の決意

令和8年3月11日

平成23年3月11日、東日本大震災および東京電力福島第一原子力発電所事故が発生して以来、自由民主党はこれまで被災地の皆様と共に復興に全力で取り組んできた。あれから今年で15年。第3期復興・創生期間を迎え、特に現在進行形である福島の復興は一層重要な局面に入り、更なる加速が必要となる。
こうした認識の下、本年から第3期復興・創生期間を迎えるにあたり、我々の覚悟と問題提起を、次のとおり表明する。

応えきれていない課題を徹底して成し遂げる

住民の帰還を促進するとともに、戻ってきた住民が地域で生計を立てられるようにすることは、次の第3期復興・創生期間中に必ず解決しなければならない課題である。
まず、農林水産業の再建に一層取り組む。農業については、小規模農家にも配慮して営農再開に向けた支援パッケージをさらに加速する。農地の復活なくして地域経済の復活はないため、環境回復や担い手確保、農地の集積・集約化、大区画化、省力化・広域的な産地形成、風評対策等、複合的な取組みも一層の加速が必要である。また、震災以降手つかずで荒廃している帰還困難区域内の森林整備を再開し、里山の恵みを享受できるよう取組みを進める。被災地の水産業の本格復興の実現、「常磐もの」の市場回復の定着に向けた取組みも強力に推進する必要がある。
福島の復興に向けては、農林水産業だけでなく、令和7年改定の「福島イノベーション・コースト構想を基軸とした産業発展の青写真」の実現に向けた道筋を具体化させること等、自立的・持続的な産業発展の実現を果たすことも求められる。この過程において、福島国際研究教育機構(F-REI)は、研究開発等の活動を通じて、産業化を含めた大きな役割を担うことが強く期待されている。わが党においても引き続きF-REIに関する取組みを全力で支援するとともに、F-REIと各省庁の連携の抜本強化を促していく。また、このF-REI本施設の供用開始を目指して、常磐線等の交通アクセスの抜本改善は必要である。
このような取組みを速やかに進めるとともに、これらの活動を強く発信することで、現在、県外等で生活する元の住民が帰還し、また新たに移住して生活しようとする方が安心して生活できる環境を確立していくべきである。

中期的な課題の解決への道筋をつける

福島第一原子力発電所を巡る問題は、決して福島県だけの話ではなく、これまで電力消費地としてその恩恵を享受してきた首都圏をはじめとする全国民の課題でもある。
福島第一原子力発電所の廃炉は、長期にわたる不断の努力を要する国家的課題である。この実現に向けて、資金・人材・技術等、長期の作業に取り組む体制の整備・確保が求められている。併せて、福島第一原子力発電所の廃炉にまつわる経済効果を、周辺地域に浸透させていくことや、廃炉を通して蓄積させたさまざまな技術を活用したイノベーションの促進を図る、さらには、誇りを持てる廃炉現場となるよう廃炉の現状や意義に関する理解醸成・情報発信を行う等、地域と共生を図りながら、未来に向けた廃炉作業を進めていく。
除去土壌等の福島県外最終処分の実現の鍵となる復興再生土の利用は、全国で取り組むべき課題である。これまで福島第一原子力発電所からの電力という大きな利益を受けてきた首都圏をはじめとする地域における復興再生土の利用促進も重要である。この取組みと並行して、最終処分場の候補地選定プロセスの具体化等の検討を進め、その進捗を踏まえつつ、福島県外での最終処分の実現に向けた道筋の段階的な具体化を進めていくべきである。
これらの福島第一原子力発電所の廃炉や復興再生土の利用等には国民理解が不可欠である。廃炉プロセスや現場の「徹底的な見える化」-徹底した透明性の確保を進め現場や地域の実情を広く国民が見ることのできる機会を確保することや、復興再生土の利用に関する必要性や安全性等に関する分かりやすい発信に努めることにより、福島県内のみならず全国民の課題としての理解を広げていくことが必要である。

「残された課題」の解決へ向かっていく

たとえ長い年月を要するとしても帰還困難区域の避難指示解除に全力を挙げる。
広く利用等が制限されているジビエ、山菜、きのこに代表される里山の恵みを享受できるようにすること、また、帰還困難区域における森林事業者等の活動の自由化や土地利用の拡大等については、解決に向けた道筋の検討が続けられている課題であり、この検討を一層進める必要がある。
その際、住民の安全・安心なくらしを確保するという視点から、どのような放射線管理の在り方が望ましいのか、現状を検証し、これを踏まえて将来に向け、科学的見地から専門的な検討も行っていくべきであると考える。

確かな展望と教訓の伝承

以上の各項目に関し、行政主導で進めていくべきものも多くあるが、創造的復興を成し遂げるとの観点からは、被災地の方々が「頑張れば未来が拓かれる」という確かな展望を描き、主体的に取り組めるような仕組み作りを進めていくことが肝要である。
被災地で暮らす皆様をはじめ、今に生きる我々は、震災・事故の経験・教訓を、未来に伝え・備え・活かしてもらうよう、後世に伝承する責務を負っている。
本日、この日を迎えるにあたり、断固たる意思をもって、党を挙げて復興を完遂していくことを宣言する。

以上