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党大会

安倍晋三総裁演説(全文)

第83回自由民主党大会にあたり、党総裁としてごあいさつ申し上げます。本日、全国各地域が常に自由民主党を力強く支えていただいている皆さまに、大変お忙しい中、こうしてたくさんの皆さまにお集まりいただきました。まずもって、党を代表してご参集いただいた皆さまに厚く厚くお礼を申し上げます。そして、先ほど表彰された皆さま本当におめでとうございます。皆さまのように、いい時も悪い時も、厳しい時も困難な時も、どんな時も自由民主党を支え続けていただいた皆さまのお力でわれわれは昨年60年の歴史を刻むことができました。そのことを決して忘れずに、国民の信頼あっての自由民主党であることを胸に刻み、これからも謙虚にしっかりと歩みを進めて参ります。

先ほど与党・公明党の山口那津男代表から、温かいごあいさつをいただきました。本当にありがとうございます。風雪に耐えた、自民党、公明党の連立政権の基盤の上に今後も着実に実績を積み重ねてまいります。そして経済界を代表して今年も、経団連の榊原会長から力強いごあいさつをいただきました。一昨年、そして昨年に続き、今年の4月も賃上げ、かつみんなが喜ぶような賃上げをぜひお願いをしたいと思います。本当にいつもありがとうございます。前もってお礼を申し上げたい、こう思う次第です。

(震災復興について)
さて、2日前の3月11日は、あの東日本大震災から5年の節目の日でありました。まずもって皆さまとともに貴い命を失ったすべて方々に哀悼の誠を捧げたいと思います。あの日は私たち日本人にとって忘れ得ぬ日となりました。あまたの人々が命を失い、たくさんの人たちが愛する人を失いました。「なんで助けることができなかったのか、そればっかし考えている」と、避難所で、息子さんの写真を私に見せながら、そう語ったお父さんの言葉が今も耳に残っています。遅々として進まない復興、避難所で苦しむ人々を前にして私たちは野党であることの無念さに震える思いでありました。特に、被災地の議員たちは、また被災地で落選中だった仲間たちは本当に悔しかったと思う。あの時私たちは、あらためて、野党となったことを深く深く反省し、そして政治がリーダーシップを発揮して、復興を成し遂げるためには、政権を奪還しなければならない。こう決意を新たにしたところであります。私たちは政権復帰後ただちに復興の大臣のもと、省庁の縦割りを打破し、現場主義を徹底し、復興に取りかかりました。あれから3年、政権復帰後、計画すらなかった高台移転は、すべての工事が着工し、この春には全体の75%、300の地区で造成が完成します。災害公営住宅は来年の春までに、全体の85%、25000戸が完了する見込みであります。農地の75%が作付け可能となり、この春にはほぼすべての漁港が復旧いたします。東北の地についても、次々と新しい産業の芽が、生まれ初めています。ふるさと東北を愛する方々の情熱によって復興は着実に前進しています。しかし同時に、仮設住宅で困難な生活を強いられている方々がたくさんいらっしゃることも事実であります。そして原子力災害によって、ふるさとに戻れない辛い日々を送っておられる方々がたくさんおられることも承知しています。愛する家族を、愛する友人を失い、なんで私たちなんだ、と天を仰いだその悲しみはそう簡単に癒えることはないでしょう。被災された皆さんのこの5年間の歩みは、困難でつらいものだったと思います。その被災者の皆さんの心に寄り添いながら、私たちはこれからも確実に復興を進めて参ります。住まいの復興、生業の復興の力を入れ、心のケア、心身のケアにも全力を尽くしてまいります。「東北の復興なくして、日本の再生なし」。この5年前の私たちの誓いを新たにし、そう責任を果たしてまいります。

(経済再生について)
世界経済が不透明さを増しています。世界的なリスク回避の動きによって日本市場も大きく変動しています。ここぞとばかりに「アベノミクスは失敗した」と、こう野党が批判をしています。皆さん、果たしてそうでしょうか。それが間違っていることは事実が、数字が証明しています。2012年の政権奪還総選挙、私は、国民のみなさまにこう約束をしました。デフレ不況によって、失われた国民総所得、50兆円を私たちは取り戻します。もうすでに40兆円奪還しました。今年度中に50兆円を取り戻すことができる見込みになっています。経済において、政治にまず求められることは働く場、雇用をつくることであります。われわれが政権をとって、110万人以上雇用は増えました。中小企業・小規模事業者を中心に企業の倒産件数は、民主党政権時代よりも約3割減少したんです。有効求人倍率は24年ぶりの高い水準になっている。これは大都市を中心としているのではないんです。全国で有効求人倍率1以上、つまり1人の求職者に対して1人分以上の職がある状況。この有効求人倍率1以上だった都道府県は民主党政権時代は8つだった。今どうなっているか、36の都道府県で皆さん、1を超えたんです。そして沖縄は残念ながらまだ0.99でありますが、過去最高であります。必ず1になる日をわれわれも目指していきたいとこう考えています。宿題であった正規雇用についても8年ぶりに増加に転じ、26万人正規雇用が増えました。実はこの3年間、15歳~64歳までの生産年齢人口は335万人減少しました。335万人生産人口が減る中で、私たちは26万人正規雇用を増やすことができたんであります。昨年は正規雇用の方が非正規よりも増えて、これはなんと21年ぶりのことであります。この4月高校を卒業し就職するみなさんの内定率は25年ぶりの高水準。大卒者は8年ぶりの高い水準になってます。最低賃金は3年連続大幅に上がり、その結果、パートで働いている皆さんの時給は過去最高になっています。アベノミクスとは何か。それは雇用を増やし、収入を増やしていくことであります。私たちの進めてきた経済政策は間違いなく結果を出しています。これからはさらに若い皆さんも、高齢者の皆さんも、女性も、男性も、難病のある方も、あるいは障害をもっている方々、一度二度三度失敗した人たちも皆が活躍できる1億総活躍社会をつくり、そして成長と分配の好循環を回しながら、名目GDP600兆円に向かって歩みを進めていく考えであります。

(地方創生について)
さきほどノーベル賞を受賞された梶田先生から才に富むスピーチを頂きました。お礼を申し上げたいと思います。これからも研究環境を特に基礎研究についてしっかりと応援をしていかなければならないとこのように新たに思いをしたところでございます。日本人の勤勉さが世界的な大発見につながった。日本人として本当に誇り思います。梶田先生は埼玉県ご出身で、埼玉大学のご出身であります。同時期にノーベル賞を受賞された大村先生は、山梨大学のご出身です。埼玉県の皆さま、山梨県の皆さまおめでとうございます。来年はぜひ私の地元、山口大学にも頑張ってもらいたい。こう思っているんです。お2人に限らず日本のノーベル賞の受賞者は地方大学出身者が多い、これはみなさん日本の特徴なんです。この地域にある知の拠点をもっともっと生かして、新たな価値を作り出し、イノベーションを起こしていきたいと思っています。私たちが進めている地方創生は、この地方の可能性を、地方の皆さんが主役となって開花させていく。これを国が応援をしていくという新しいチャレンジであります。地方にはまだまだ多くの可能性が眠っています。3年連続海外からの旅行者の数は過去最高となり、たった3年で倍以上に増えました。佐賀では、ドラマや映画で紹介されたこともあり、2年でタイからの宿泊者が10倍になったそうであります。岡山では商店街に免税カウンターを作った結果、毎日外国人が訪問している。なぜかボールペンが大変人気であるそうでございます。われわれは規制改革を進め、免税店の数を3倍、3万店に増やしました。地方にもどんどん免税店ができています。1年間に3兆円も使う外国人観光客の増加は、地方にとっても間違いなく大きなチャンスであります。

(TPPについて)
特に地方には世界に誇るべき農林水産物があります。3年前、この党大会で私はTPP交渉に参加するにあたって、日本の農林水産業を守ります。こうお約束をしました。このお約束は必ず果たしてまいります。毎日、土や海や森と向き合い、地域を守り、美しい田園風景を守り、伝統や文化、美しい日本を守ってきたのは地方にあって、農林水産業に従事する皆さんです。農は国の基、しかし、戦後1600万人おられた農業従事者は現在200万人。平均年齢は66歳を超えています。大切な農業を守っていくためには、私たちは農政の改革を進めなければなりません。この農政の改革を、農業の改革を進める中で、直近で40歳代以下の新規就業者は2万人以上になり、これはこの8年間で最も多い数であります。また、3年連続、農林水産物の輸出は過去最高となり、7000億円を超えました。3年前に私は日本の農林水産物の輸出を2020年までに1兆円にします。こう宣言した時、一部マスコミ、野党は絶対にそんなことは絶対できない、こう批判しました。最初からあきらめていては批判ばかりしていては皆さん、何も生み出すことは、何も成し遂げることはできません。この1兆円目標を2020年に前倒しして達成して参ります。若い皆さんが農業に夢や希望を託せる農業新時代を皆さまとともに作り上げて参ります。

(安全保障について)
昨年は敗戦から70年の節目の年でありました。先の大戦では祖国の行く末を案じ、家族の幸せを願いながら300万余の日本人が尊い犠牲となりました。この尊い犠牲の上に、現在の私たちの平和と繁栄があります。この重さをかみしめながら、私たちは日本人の命と幸せな暮らしを、日本の領土と領空、そして美しい海を守り抜いていくという大きな責任があります。そのための平和安全法制でありました。安全保障の議論は常に国論を二分します。日米安全保障条約改定時、またPKO法制定時、昨年の平和安全法制制定時と同じように、日本は戦争に巻き込まれる、徴兵制が始まる、無責任な批判が展開されました。しかし、私たちの先輩たちは、それにたじろぐことなく、毅然として決断をしてきました。その決断が正しかったことは歴史が証明しています。平和安全法制もそうであります。先般、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した際、日米は従来よりも増して緊密にしっかりと連携して対応することができました。日本を守るためにお互いが助け合うことができる同盟は、その絆を間違いなく強くしたんです。この平和安全法制を、民主党は共産党とともに、廃止しようとしています。みなさまご承知のように、共産党の目標というのは自衛隊の解散、日米安保条約の破棄であります。その共産党と手を組んで、民主党が平和安全法制を廃止したら、せっかく国民を守るために強化されたこの日米同盟の絆は、大きく損なわれてしまうんです。損なわれたあと、抑止力が大切だとは知らなかった。そう言ってもそれは後の祭りであります。あの時よりも、はるかにはるかにはるかに大きなダメージを受けることになります。選挙のためだったら何でもする。誰とも組む。こんな無責任な勢力に私たちはみなさん、負けるわけにはいかないんです。

(むすび)
今年の戦いは、政治に国民に責任を持つ自民党、公明党、連立政権対、こうした民主党、共産党、民共の勢力との戦いになります。3年前、日本の政治は迷走し、そして経済は低迷し、日本を重く暗い空気が覆っていました。再び、ねじれ国会に陥り、あの時代に戻してはなりません。今年18歳、19歳の若い皆さんが、初めて1票を投じます。この若い皆さんたちに、この若い人たちの未来に、責任を持つことができるのは、皆さん、私たち、自由民主党であります。皆さん、まず北海道5区の補欠選挙、そして夏の参院選挙、この若い皆さん未来のために、日本のために戦い抜いていこうではありませんか。そして輝く日本をつくっていこうではありませんか。ともにがんばりましょう。どうぞ皆さま、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

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