主な活動:各界各層との交流
CafeSta文化・スポーツイズム! 第3回
2016.02.09
収録日時:平成28年2月9日
第3回目のゲストはラグビー日本代表山田章仁選手。昨年10月のラグビーワールドカップでのサモア戦での大活躍が記憶に新しい山田選手に、ラグビー業界の現状や日本のスポーツ産業のこれからなど語っていただきました。
- 山田
- 強い者を倒したいという人間の本能というか
- 二之湯
- 皆さん、こんにちは。今日も始まりました。『スポーツ・文化イズム!』です。参議院議員の二之湯でございます。今日は大物ゲストに来ていただいております。じゃあ早速ご紹介いたします。ラグビー日本代表の山田章仁選手に来ていただきました。どうぞ、山田選手。
- 会場
- (拍手)
- 山田
- おじゃまします。はい。
- 二之湯
- どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。
- 山田
- よろしくお願いいたします。
- 二之湯
- 皆さんもよくご存じだと思いますけれども、この前のラグビーのワールドカップ、日本代表は3勝1敗ということで。国民がもう本当に熱狂したワールドカップでも大活躍の、あのくるっと反転して1回転してトライを決められて一躍時の人になられました、山田選手でございます。
- 山田
- そうです。よろしくお願いします。
- 二之湯
- またラグビー界きっての好青年、イケメンでございます。
- 山田
- ありがとうございます。
- 二之湯
- 私もちょっと並ぶと、大変残念な思いがしておりますが。
- 会場
- (笑)
- 山田
- いえいえ、もう足元にも及びません。
- 二之湯
- 今日はいろいろとよろしくお願いいたします。
- 山田
- よろしくお願いします。
- 二之湯
- いろいろお聞きしたいんですけども、山田選手は5歳からラグビーを始められたと。
- 山田
- そうです、はい。
- 二之湯
- それも道に迷って、何か気が付いたらラグビー場とラグビーボールがあったとか、もう何かちょっと訳の分からないプロフィールを掲げておられますが、それは本当のところどうなんですか。
- 山田
- そうです(笑)。それはうそです。すいません。本当のところは。
- 二之湯
- 絶対うそですよね。
- 山田
- そこをご覧になられているのは、だいぶ詳しいですね。僕も今ぞっとしましたけど(笑)。
- 二之湯
- もちろん。ちゃんと見ております。
- 山田
- 僕には姉が2人いまして。今は男女ラグビーあるんですけど、当時男の子が多いラグビーで激しいスポーツをさせたいということで、僕は姉が2人いてちょっとおままごとにされてたので、両親が激しいスポーツをしてこいと。
- 二之湯
- なるほど。男らしくと。
- 山田
- そうです。なんでラグビーをやらされました。
- 二之湯
- やっぱり、やらされたんですね。
- 山田
- やらされたと思います。連れていかされた。はい。
- 二之湯
- 福岡ってラグビーが盛んなところなんですか。
- 山田
- 盛んなんです。はい。
- 二之湯
- そういう、クラブチームみたいなのがあるわけですか。
- 山田
- そうです。ラグビースクールといって、僕自身も小学生のころに移籍も経験しました(笑)。
- 二之湯
- 移籍、すごいですね。
- 山田
- まあ言ったらちょっと弱いところから強豪チームに。
- 二之湯
- やっぱり目立ってたわけですね。
- 山田
- なんで、そこのチームの校長先生が「いや、おまえはもっと強いところに行ってこい」と。
- 二之湯
- なるほど。そういうカルチャーがあるから、やっぱり福岡ってラグビーが強いんですね。
- 山田
- かもしれないですね。本当にいいチームが多いので、みんなそれこそ昔から知ってます。
- 二之湯
- 最近では東福岡高校が、もう花園の優勝、もしくは上位の常連校ですよね。
- 山田
- ずっと、はい。そうです。
- 二之湯
- それはやっぱりそういうラグビー文化が結構しっかりしているんですね。
- 山田
- そうですね。
- 二之湯
- 山田選手の場合は、東福岡じゃなくて小倉高校ですね。
- 山田
- そうなんです。僕は小倉高校というところで、それで言うと東福岡を倒したいという思いの中、高校進学させてもらって。
- 二之湯
- 反骨心みたいなのがあったんですか。
- 山田
- そうですね。やっぱり強い者を倒したいという人間の本能というか。
- 二之湯
- 分かります。
- 山田
- (笑)
- 二之湯
- 王道に行くよりは、その王道に立ち向かうほうに行きたいという。
- 山田
- そうです。そこに魅力を求めて。小生意気な中学生がいました。
- 二之湯
- なるほど。それは非常にシンパシーを感じました。
- 山田
- ありがとうございます。
- 二之湯
- その後、慶應大学に進まれて。もう1年生からレギュラーとしてされてましたよね。
- 山田
- はい、そうです。
- 二之湯
- やっぱり高校までと大学というのは、ガラッとスポーツの環境は変わるわけですか。
- 山田
- 全国区になったというところですかね。大学、やっぱり慶應に来て、後で出てくるかもしれないですけど、今はトップリーグというのが人気ですけど、当時はまだ大学ラグビーのほうが人気でしたので。
- 二之湯
- そうですよね。
- 山田
- それで注目していただいたという流れです。
- 山田
- 日本のスポーツビジネスは遅れていると思います
- 二之湯
- なるほど。いろんな大学スポーツというのは、いわゆるスポーツ施設というか、例えばトレーニングの環境だとかグラウンドだとか、そういう施設、環境という面ではどうなんですか。
- 山田
- 大学スポーツは、世界に比べるとちょっとは遅れているんではないかという思いもありますね。大学のとき、僕自身オーストラリアに留学をしたんですけど、スポーツカルチャー、スポーツビジネスとまで言うとちょっとあれですけど、なかなか日本は遅れてるかなというところはあります。
- 二之湯
- なかなかいい話が出てきました。
- 山田
- (笑)、すいません。
- 二之湯
- 意図したわけではないんですけども。これは、実は視聴者の方にも知っていただきたいんですが。わが党でもスポーツということについて、やはりもう少しスポーツでお金を生み出していくという、スポーツで生み出したお金でさらにスポーツに還元していくと。今、もっぱらスポーツ行政というのは、税金でもってハードを建てたり人材育成をしたりという、全くもって税金で面倒を見るというような、そんな分野になってるんですけども、今おっしゃったように欧米のスポーツ文化というのは、もう大学ですら非常に立派な施設を備えていて。
- 山田
- 聞いております。
- 二之湯
- トレーニング施設もある、スタジアムもある。試合にはもう何万人というお客さんが入って、それ自体が収益を生み出していくと、こんなスパイラルがあるということです。そういうものを日本にも目指していこうということで、スポーツビジネス小委員会というものを私、立ち上げました。
- 山田
- 素晴らしい。
- 二之湯
- ありがとうございます。今日は、山田選手にそんな話も、実はお聞きしたいと思っています。
- 山田
- (笑)、はい。そんな匂いがしておりました。
- 二之湯
- はい、ありがとうございます。さすが頭がいいですね。
- 山田
- いえいえ。
- 二之湯
- スポーツマンで、しかも慶應でという。もう本当に男前でスポーツマンで、しかも慶應出身という、それで奥さんも超美人ということで、全く欠点のない山田選手なんですけれども。
- 山田
- いえいえ。
- 二之湯
- 今日はオーストラリアから、7人制のラグビー日本代表の試合を終えられて帰国されました。
- 山田
- はい、そうです。
- 二之湯
- それでまた明日から、今度はサンウルブズ。
- 山田
- サンウルブズという。
- 二之湯
- 今年から日本代表が中心になったサンウルブズというチームが、南半球のトップリーグに初めて参入するということです。
- 山田
- そういうことです。
- 二之湯
- その合宿を明日からされるということで、本当に全く休み、ないんですか。
- 山田
- 休み、ないです。
- 二之湯
- 本当になさそうですね。
- 山田
- 本当にないかもしれないです。
- 二之湯
- ついこの前は日本選手権を戦っておられましたよね。
- 山田
- はい。今年はパナソニックがトップリーグと日本選手権を、2冠達成させていただきました。
- 二之湯
- この前は帝京にやっぱり圧勝されましたけど、その前の週ぐらいですか。
- 山田
- トップリーグで。
- 二之湯
- 東芝とすごい決勝でしたけれども。あれはなかなか歴史に残る試合だったと思います。あれにも出られてましたよね。
- 山田
- はい。最後に出させてもらいまして、優勝できて、いい経験ができました。
- 二之湯
- 本当に体も休める時間が全然ないような状態ですけれども。いわゆる南半球のトップリーグはいつから始まるんですか。
- 山田
- 南半球のリーグは2月の27日に開幕戦が東京であるんですけど、予選リーグは南アフリカのグループに入ってるんです。なので南アフリカのチームが日本に来て開幕をすると。あと南半球、オーストラリア、ニュージーランドで開幕されてますけど。
- 二之湯
- それぞれじゃあグループリーグでやって、そこからベスト8ぐらいが出てくるわけですか。
- 山田
- そうですね。僕はあまり詳しくないので(笑)。
- 二之湯
- あまり大会の仕組みを分かっておられないんですけれども。
- 山田
- (笑)、そうです。
- 会場
- (笑)
- 二之湯
- いずれにしても日本で、東京で試合があると。
- 山田
- そうです。
- 二之湯
- 先ほど、もっと日本でも放送してくれればいいのにというあれが出てましたけど。
- 山田
- おお、これすごいですね。
- 二之湯
- これ、リアルタイムで出てくるんですよ。
- 山田
- 面白いですね。
- 二之湯
- ニコ動でですね。
- 山田
- わ、すごい。
- 二之湯
- 試合はちなみに、放映されるんですか。
- 山田
- 放映は確か、ライブじゃないけどされると聞きました。
- 二之湯
- なるほど。でも、そういうのは励みになりますよね。
- 山田
- スポーツ選手はやっぱり見てもらえるのはうれしいと思うんで、そうやって皆さんに見てもらえる機会が増えれば増えるほど、みんなモチベーション上がります。
- 二之湯
- 会場は?
- 山田
- 会場は、東京秩父宮です。外苑前。
- 二之湯
- 秩父宮が満員近くになるんでしょうね。
- 山田
- そうですね。2万5,000人ぐらいが満員になるので。本当にロケーションとしてはすごくいいので、もっともっとうまく。
- 二之湯
- そうですよね。J SPORTSが。
- 山田
- J SPORTSもですね。
- 二之湯
- J SPORTSでやるんですね。
- 山田
- いいですね。
- 二之湯
- 一方で、今、シックス・ネイションズをやってますよね。
- 山田
- やってますね。
- 二之湯
- 6カ国対抗。この前も2試合ありましたけど、もう6カ国対抗クラスになるとやっぱり8万人とかそういうレベルですよね。
- 山田
- すごいんです、そうなんです。
- 二之湯
- ウェールズのミレニアム・スタジアムとか、ロンドンのウェンブリー・スタジアムとか、ああいうようなところで8万人クラスの観衆を。この前のワールドカップはマックスどれぐらいの観衆で?
- 山田
- それも日本自体が強い国じゃないので、どうしても会場自体が大きくないんです。会場満員になっても本当、2万とか3万だったので。ちょっと先ほどもお話ししました僕の妻がアメリカ人なんですけど、アイオワ大学というアメリカの大学で、すごいアメフトも強く、スタジアムに毎回8万人、10万人入るんです。日本で出会ったので最初会ったときに、今回じゃあ「僕がトップリーグ行くよ」と。「お客さんどのぐらい来るの?」、「まあ1万人ぐらいかな」と言ったら「え、それだけ?」と言われて。でもワールドカップもそれでいうと本当に2〜3万人。ワールドカップ2〜3万人?と。本当に日本のスポーツの力のなさというか、何かスケールの違いがちょっと露呈しました。
- 二之湯
- スポーツ選手がそういうことを感じてしまっているのは、若干残念でもあります。
- 山田
- (笑)、残念。はい。
- 二之湯
- 日本のスポーツをビジネスの観点から支えていきたい
- 二之湯
- 政治の世界ですべてのことができるとは私は思いませんけれども、やっぱりできる限りのことはしないといけないということで。先ほどお話をしておりましたスポーツビジネス小委員会の牧原委員長に、ちょうど今、衆議院の本会議を終わって駆け付けていただきました。
- 牧原
- ありがとうございます。
- 山田
- いや、とんでもないです。ありがとうございます。
- 会場
- (拍手)
- 二之湯
- どうぞ、もうちょっとお詰めください。
- 牧原
- はい。
- 二之湯
- マッキーと出ておりますけれども、マッキーこと牧原秀樹先生でございます。じゃあこれからちょっと3人で進めてみたいと思うんですけれども。
- 牧原
- よろしくお願いします。
- 山田
- よろしくお願いします。
- 二之湯
- こちらが委員長で、私が事務局長で、これから日本のスポーツを主にビジネスの観点からしっかり支えていこうということでございます。
今、山田選手がお話ししていたのは、例えばアメリカだと、大学スポーツでももう本当5万人、7万人と入ると。一方で日本は、ワールドカップの試合でも1〜2万人だと。ラグビー代表チームでも、なかなかお客さんが入らないと。山田選手は今度トップリーグでサンウルブズのメンバーとして、開幕戦が東京であるんだそうです。
- 牧原
- ああ、本当ですか。
- 二之湯
- 秩父宮で。秩父宮2万5,000ですけども、そこはぜひ最低満員にして、やっぱりラグビーをしっかり支えていかないといけないと、そんな話を今してるんです。
- 牧原
- 本当に、私もアメリカに住んでて、よくバスケットボールとか野球の試合に行ったんですけど、まず、盛り上がり方というかエンターテイメント性がすごくて楽しいですよね。その後、みんなそこでもすごく飲み食いするし、お土産でTシャツ買ったり応援グッズもういっぱい買って。勝とうものなら、みんなその周りで今度すごくまた盛り上がってお金落としてという感じですね。
- 二之湯
- そうですね。周りにパブなんかがあって、試合後もお祭り気分でと。
- 牧原
- だから日本もそういうふうに、スポーツが人生の一部だったり生活の一部になって、そしてそこでお金を使うのも当たり前になって。選手の皆さんも、明日けがするかもしれないという非常にシビアな中で戦っているわけで、活躍したときに本当にすごく、一生それで夢をつかめるような、そういうふうにしたいですよね。
- 二之湯
- そうですよね。そういう意味では、やっぱり先ほどコメントにも出てたんですけど、ちょっと言いにくいことかもしれませんが、協会が腐敗してるとかいうことがばーっと出ておったんですけども。
- 山田
- 出てました、はい。
- 二之湯
- やっぱりスポーツ選手というのは、なかなかそういう協会全体のマネジメントみたいのには当然参加できないんですか。
- 山田
- 参加できないんです。もうやっぱり黙って見てるしかないんです。
- 二之湯
- それなりにというか、やっぱり非常に思いというか意見もあると思うんですけど。
- 山田
- いや、もう不満しかないですよ。
- 一同
- (笑)
- 二之湯
- 出ましたね。
- 山田
- はい。出ましたって、今それもう(笑)。はい、そうですね。
- 二之湯
- 天下りのせいだとかいろいろ書かれてますけれども。確かにスポーツ団体のマネジメントという部分は、改革すべきところも割とあるのではないかという認識は、われわれも実は持っています。
- 山田
- 僕もそれで実は。全然フォローするつもりもないんですけど、不満はあるんですけど、そういうスポーツビジネスというかスポーツをどうとかこうとかするときに、協会の方たちも素人なので、そこはもう早いことプロに任せたほうがいいんじゃないかなという思いがあるんです。もちろん皆さんが作り上げてきたものですから、今どうとか言って協会の方はやっぱり気持ち良くないですけど、もう時代がグローバルな時代になってきましたから、スポーツの分野でいくと日本だけが取り残されている現状にあるので、早く世界についていってほしいなという思いがありますけど。
- 二之湯
- 牧原先生、今回の新国立なんかでは、そういうところが垣間見られたわけですけれども。
- 牧原
- やっぱりそれまではずっと、ある国立公園を管理してきたところが、急に立て替えて新しいものを作る。多分普通の人は自分の家を建て替えようと思っても、その工事がいったいいくらが相場かとか、どれがいいんだとかだって分からないと思うんです。そういう人がいきなり1,500億とかいうプロジェクトを手掛けるって無理だと思うんです。あれを仕切ってた方も文部科学省の方で優秀な人だと思うんですけども、直前は教育長か何かされてた方なんです。それで急に1,500億のプロジェクトをやれと言われてもなかなか難しい。だからやってる人たちもかわいそうなので、やっぱりわれわれとしてはそういう場所に、今おっしゃったように経営センスがあったり、それができる人をやっぱりつけたいですよね。
- 二之湯
- そうですね。全くその通りで、餅は餅屋って出てますけども。そういうマネジメントに適性のある、もしくはノウハウ、経験のある人たちが適切にマネジメントをできれば。スポーツというのはそこで収益を生み出すなんてことは別に悪いことでも何でもないですし、逆にその収益が現場に還元されて施設が立派になったり選手の育成、特に子どもの裾野を広げるというようなお金の使われ方をすれば、これはもう何の文句も出ないわけですから。
- 山田
- うん、悪いとこないですね。
- 二之湯
- そうですよね。
- 牧原
- ちなみに、ワールドカップであれだけ注目されて、歴史的な3勝挙げると、やっぱりボーナスみたいのは出るんですか。
- 山田
- ないです。
- 会場
- (笑)
- 二之湯
- 協会からとかはないんですか。
- 山田
- 協会から、ないです。
- 二之湯
- 山田選手はどこかの企業なんかとスポンサー契約を結んだりとかはされてるんですか。
- 山田
- はい。株式会社ドームさんと。ドームさんからはありました。
- 二之湯
- なるほど。アンダーアーマーの。
- 山田
- (笑)、そうです。ちょっと着けさせていただいてますけど。
- 二之湯
- ドームさんからは頂かれたと。
- 山田
- はい。
- 牧原
- それを考えると、日本シリーズとかいうと、多分1勝挙げるたびに何百万もらったりとか。
- 二之湯
- むちゃくちゃでかい車の鍵とかもらってますもんね。
- 山田
- うらやましいですよ。
- 二之湯
- オールスターなんかでも、ちょっとヒット打ったら何か1年分ですとか100万円ですとか、そういう世界ですよね。
- 山田
- まったくうらやましい限りです。
- 二之湯
- お相撲さんなんかも懸賞金というのがあって、毎試合、取組ごとに当然懸賞が付けば、もう一番で賞金の束をがばっと。
- 牧原
- 100万の束。
- 二之湯
- そういうふうに考えると確かに、ラグビーというのは人気とビジネス化というのがあまり比例しないのかもしれませんね。
- 山田
- そうですね。全く比例しておりません。
- 一同
- (笑)
- 二之湯
- もう言い切りました。やっぱりここまでぶっちゃけておられるわけですから、われわれとしてもこれは、何かしっかり頑張らないといけませんね。
- 牧原
- 逆に言うと、こういうスポーツをビジネスとして、今までただひたすら縮小してきた市場を拡張しようよということを政治が考え始めたこと自体、私は画期的だと思うんです。
- 山田
- 確かに。
- 牧原
- ですからわれわれの委員会って、そういう意味では非常に責任が重いですし、たまたま私が青年局長でスポーツ文化部長に指名をしまして。しかもほとんど今まで青年局出てきたことなかったのにいきなり部長になって。部長としてのあいさつのときに、皆さん、初めましてって言われちゃったりしてたんですよ。だけどやっぱりそういうようなセンスを持ってるので、やっぱり新しい着眼点で新しい未来を切り開いていきたいですよね。
- 二之湯
- そうですね。別に変な意味じゃなくて、やっぱりこういうスポーツ選手、特に現場でまだ現役で選手を続けられている方と、こうやって意見を交換したり、ぶっちゃけて話しするなんてことはあまりわれわれもなかったことですし、多分現場の方もそうですよね。
- 山田
- ないです。もう非常に光栄でございます。
- 二之湯
- いやいや。光栄というかあれですけども、やっぱり適切な問題意識を共有させていただければ、僕らとしても非常に。方向性が見えますし。
- 山田
- やっぱり一番ホットなニュースじゃないですけど、現場の情報はお伝えできるかなという思いはあります。
- 二之湯
- そうですね。今度もう一回ちょっとトップリーグの話に戻りますけれど。日本でプロスポーツとしてのラグビーというのは、ある種今回が初めてなわけですね。
- 山田
- はい。南半球リーグ、スーパーラグビーですね。
- 二之湯
- その1チームがそのリーグに参加するという形ではありますけども。
- 山田
- そうです。日本のチームが参加します。
- 二之湯
- 今回のマネジメントはどういう形になっているんですか。
- 山田
- いや、今回がちょっと不透明過ぎて僕ら選手のほうに全然下りてきてないんですけど、僕らの認識では本当にプロチームが日本にできる、やっと日本のラグビーもプロらしくなるんじゃないかなという思いだったんです。まだ詳しく分からないんですけど、協会と同じ歩幅でやられてる感じだったり同じペースになってしまっているので、せっかくつかみかけたチャンスを自分たちで逃がしてるんじゃないかという思いが、少なくとも僕はありますし、何人かも思ってるとは思うんです。
- 二之湯
- 一時期プロ野球なんかで選手がストを起こして、いろいろ問題になったことがありましたよね。
- 牧原
- 大リーグですね。
- 二之湯
- 日本でも。
- 牧原
- 日本でありましたっけ?
- 二之湯
- 日本で、10年ぐらい前だったと思いますけど、古田選手なんかが会長されたときです。ラグビーの世界ではそういう、例えば選手側と協会側と定期的に意見交換をするような場というのはあまりないんですか。
- 山田
- これは、今までも何回もうまくやっていこうってキャプテン会議みたいなのも立ち上がって、でもなかなかうまく回っていかないで。今回先輩が選手会って本当にいろんな方とコミュニケーションを取って立ち上げてくださってるんですけど、やっぱり日本の企業スポーツの流れが強いので、なかなかいけないんです。協会の圧力もありますし。今、それこそ頑張ってくれている方が引っ張ってくれてますので、そこは本当にみんなやらないといけないという思いはあるんですけど。
- 二之湯
- 選手の皆さんも、そういういろんな思いがあるし、当然マネジメント側もいろんな思いがあるんだけれども、そういうものを適切な時期にちゃんとコミュニケーションするような場というのがやっぱりあったほうがいいでしょうね。
- 山田
- それはあったほうがいいですね。
- 牧原
- それはあったほうがいいですね。
- 山田
- 選手は適切な場所で言えないとなかなか。例えばよくあるんですけど記者会見じゃないですけど、試合の後のインタビューとかで言うんですけど、なかなかそれは上まで伝わらない(笑)。ただの愚痴じゃないですけど文句みたいになってしまうので、適切な場所があればいいなというふうに思うんですけど。
- 二之湯
- あまりこの話をし過ぎると、山田選手に妙なプレッシャー掛かってもあれなんで。
- 山田
- いや、僕もだんだん後ろに下がってますから、そのほうがいいです(笑)。
- 牧原
- あとで? 大丈夫、大丈夫。
- 二之湯
- 話題はちょっと次に。2019年のワールドカップ、これが日本で開かれることになっておりますけれども、そのときは山田選手はお幾つになられてるんですか。
- 山田
- 34になるでしょうか。
- 牧原
- 34、それはラグビー選手としては?
- 山田
- 全然問題ないです。
- 牧原
- いいですね。


- 山田
- 「お前みたいなやつ、すぐ忘れられるぞ」と言われ・・・
- 二之湯
- もう高校生、大学生のときから非常に注目されて、各年代別の日本代表もことごとく経験された山田選手ですけれども、実は日本代表のデビューというのは遅かったんですよね。
- 山田
- 遅かったんです。はい。ついこの前ですね。27歳ぐらいのときにデビューさせてもらいました。
- 牧原
- そうですか。
- 二之湯
- ワールドカップもこの前が初めてですよね。
- 山田
- そうなんです。エディー・ジョーンズさんという方が監督になられたんですけど、大学のころから交流はあって、トップリーグで相手チームの監督さんをされてたりで、いろいろやったりやられたりしてるんですけど。就任されたときに、僕、ミーティングしようという話で呼んでもらえまして。「ああ、いよいよ来たな」と、「山田頼むぞ、来たな」と思ったら真逆も真逆で。「おまえ、何を言ってんだ。おまえみたいなやつ、すぐいなくなる」と、「もう忘れられるぞ、おまえ」みたいなこと言われて、もう泣きそうになりながら表参道を歩いて帰りました。
- 二之湯
- それはやばいですね。
- 山田
- それで、なぜその方がそんなにすごくいいのかというと、エディーさんは常に世界の目線から助言をくれてたんです。そのときもう、おこがましいですけどトップリーグでもMVPなんかを頂いてまして、自分ながらも自信もあったんですけど、エディーさんは世界の目線から「いや、おまえ、そんなんじゃ駄目だ、世界で勝てない、世界で活躍できない」という話を常々されてました。それで代表でもぐっとやられて。
- 二之湯
- そのモードに、一人ではなかなか変われないわけですね。やっぱりどうしても日本仕様になってしまってて。そこでMVPだから「いや、俺いけるだろ、エディー、何言ってんだ」みたいな感じやったんですけど、その目線というか視野をがばっと開放してくれたんですね。
- 山田
- そうですね。もう何かこう、おまえは何を目指したいんだ? という話をしてもらって。みんな目が覚めたって言ってますね。
- 牧原
- 逆にエディーさんをヘッドコーチに持ってきた、決断をした人がいるわけですよね。
- 山田
- おられますね。
- 牧原
- だからそれもまたすごかったわけですよね。
- 二之湯
- 確かに英断ですよね。
- 山田
- それはそうですね。
- 二之湯
- 19年というとあと3年後、3年半ぐらいですよね。それまでにサンウルブズが確か5年契約でしたよね。
- 山田
- サンウルブズ、5年契約ですね。
- 二之湯
- ということは、その3年半の間には必ず毎年参戦してるわけですし、世界というものの実感する場としては非常に有益ですよね。
- 山田
- そうなんです。選手はこうやって、今それこそワールドカップで成績を残したり海外にいろいろ出ている選手は、ようやく世界のレベルになってきたんです。でも、このマネジメントサイドというかチームサイドが内に入り込んでいると、なかなかチーム自体がぐっと伸びないので。
- 二之湯
- それはいい話ですね。
- 山田
- マネジメントサイドとしても世界レベルで頑張ってくれないと、日本のラグビーはもうないかなという話はありますね。
- 牧原
- なるほど。
- 二之湯
- 選手のグローバル化とともに、クラブというかマネジメントのほうもやっぱりそれと同じ目線になってもらわないと駄目だというところですね。
- 山田
- そうです。
- 牧原
- いや、19年が楽しみになってきました。
- 山田
- 楽しみですね。
- 二之湯
- 今回3勝したわけですけども、ラグビーワールドカップ史上、最大のアップセットと言われた南アフリカに勝った1勝、これが次も、このクラスに1勝しないと3勝はできないわけですよね。
- 山田
- いや、もうちょっと言うと、できます。南アフリカにはもう勝てないんじゃないかなと思ってるんです。
- 一同
- (笑)
- 山田
- でもプールに4チームありますから。一番強いところに僕ら勝ってしまったわけですね。でも上から2番目に勝てば。
- 二之湯
- そこに負けちゃったんですよね。
- 山田
- そこに勝てば2019年、予選プールで3勝すると上にいけるので。今回は本当に史上初、予選で3勝して決勝トーナメントいけなかったチームが日本ということになったんですけど。なので次回は負けても大丈夫です。
- 二之湯
- そこにはね。
- 山田
- (笑)そこには。
- 二之湯
- 要は、だからスコットランドとかアルゼンチンとか、そことは勝たなきゃいけないわけですよね。
- 山田
- そうそう、そこに勝てばいいんです。
- 二之湯
- これも、彼らは彼らで、アルゼンチンも今、南半球の4カ国対抗に入ってむちゃくちゃレベル上がってますし、イタリアとかあの辺もヨーロッパの6カ国卯対抗に入ってレベル上がってるし。
- 山田
- そうです。
- 二之湯
- だから、イタリア、アルゼンチン、スコットランド、フランスとかそのレベルには勝たなきゃいけないわけですよね。
- 山田
- そこには勝たないと駄目です。上がれません。
- 二之湯
- これはかなりすごいミッションですよね。インポッシブルではないけども、ミッション、ベリーディフィカルトですよね。
- 山田
- これはもうベリーディフィカルトですね。
- 牧原
- もうわれわれとしては、そういう夢をこれから数年持ち続けて、できる応援をしたいですよね。


- 牧原
- 国民にスポーツ文化を根付かせるムーブメントを
- 二之湯
- そうですね。政治の場でどんなことができるのかというのは、これから僕らは本当に勉強していかなければいけませんけど、ぜひこういう現役のアスリートの皆さんと、こういう場でもそうですしプライベートでもそうですし、いろいろとやっぱり教えていただいてやっていかなければいけませんね。
- 牧原
- 本当に。だからわれわれとしては、もう政治が何ができるかという話が確かに出てて、われわれは予算を付けたり税を作ったり規制を緩和したりとか、そういうことをやるんですけど。だから例えば協会の人事に介入したりとかいうことはできないと思いますけど、国民全体にスポーツ文化を根付かせたりというようなこととか、みんながそういうことが普通になったりというようなムーブメントを作っていきたいなと思うんです。
- 二之湯
- 冒頭お話ししていたように、福岡はラグビースクールが多いから。それはもともと何でなんですかね。私はその辺にヒントがあるような気がするんです。
- 山田
- もともと何でなんでしょうかね。何でですかね。
- 二之湯
- だからやっぱり福岡、ラグビー強い。そういう、幼少期からもしくは地域にそういうスポーツクラブだとか指導者とか、まさにたくさんおられて、そういうところから地域のスポーツ文化ができていくと。その中で政策的にもっと後押しができるようなことがあれば、われわれとしても非常にうれしいし、そんなことを、これからぜひやっていきたいと思っております。
- 牧原
- やっていきたいですよね。ちなみにセカンドキャリアみたいなものってもう何か。これもわれわれ、ちょっと課題に思っているんですけど、もう、こういうふうになりたいなというの、まだ早いですけど、ありますか。
- 山田
- 今のところないですね。
- 牧原
- まだ。そうですね。
- 山田
- (笑)
- 二之湯
- さっきの、ちょっといろんな話をしてたんですけど。これだけルックスが良くて頭もいい方ですから、どんな分野でもいけるんでしょうけど、この世界もいいですよ、みたいな話はしてたんですよね。
- 山田
- いやいや。やめてください。やめてください。皆さん、やめてください。
- 二之湯
- (笑)、これはもう全然うそです。いずれにしてももう時間もきましたんで。山田選手にはとにかく体だけは気を付けていただいて、日本の日の丸を背負って、ぜひ世界中で活躍をしていただきたいと思いますし、34歳で迎えられるラグビーワールドカップ、地元開催のワールドカップでもレギュラーとして。
- 山田
- もちろん。
- 二之湯
- 日本を引っ張っていただいて、初めての決勝トーナメント突破を目指して頑張っていただきたいというふうに思います。
- 山田
- はい。ありがとうございます。
- 二之湯
- 今日は、ラグビー日本代表の山田章仁選手に来ていただきました。どうもありがとうございました。
- 山田
- ありがとうございました。
- 会場
- (拍手)