interview 03

経済安保強化し国益守る

小林大臣が担当されている安全保障という言葉は、これまで防衛面の政策で語られることが多かったと思います。経済と安全保障にはどのような関係があるのでしょうか。

福田
小林

国家の基本戦略は、国民の暮らしを豊かにする経済と、国や国民を守る安全保障を車の両輪としてまわしていくことが大事だと私は思います。これまでこの2つを分けて考える傾向がありましたが、最近は融合する要因が増えてきています。福田さんが指摘するように、典型的な安全保障のイメージは、北朝鮮がミサイルを打ち込んできたときどう対応するかなどの議論でしたが、別の視点からも考えないと国民の命や暮らしを守れないという問題が広がっている。
例えば、コロナのことだけでも、サプライチェーンの混乱からマスクをはじめとしたさまざまな医療製品が国内から一時期消えました。国産ワクチンの確保もまだです。これからのデジタル社会に必要不可欠な、スマホや自動車に使う半導体の安定供給も現状ではままなりません。また、企業買収や技術人材の引き抜き、サイバー攻撃などで、日本が世界に誇る技術やデータが外国に流出しているのが現実です。

そのような現状を伺うと、日本の将来が気になって仕方がありません。今後、具体的にどんな政策を打ち出していこうとお考えですか。

福田
小林

まずは、アメリカはこうだ、中国がこう動いた、だから日本はどうするということでなく、日本としてはこういう考え方だという基軸となる考え方をつくりたい。岸田首相が昨年「国家安全保障戦略」の改定を宣言されましたので、そこに経済安全保障という視点を明確に位置づけていきたい。
その中のポイントは2つあります。ひとつは、外国の動きに右往左往しないように、どんなことが起こっても、国民の命と生活を守るために日本の弱みを解消すること。もうひとつは、日本の強みを把握して、それを戦略的に拡大し外国より優位に立つこと。国際社会で日本がなくてはならない国になることを目指します。
来週始まる通常国会でも、経済安全保障分野では初めてとなる法案の提出を予定しています。この国の将来を考えるうえで非常に重要な法案なので、しっかり通していきたい。

※この座談会は令和4年1月13日に自民党本部にて行われました。

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