interview 02

デジタル化はスピード優先で

では、次は皆さんの関心のある政策についても取り上げたいと思います。遠慮なく、いかがですか?

塩崎
佐藤

牧島大臣にお伺いしたいのは、昨年暮れに開始された新型コロナワクチン証明書アプリのことです。導入の経緯や、今後のアプリ開発の方針についても教えてください。

ワクチン接種を進めると、接種した人が増えて刻一刻と数字が変化していきます。その流れを把握することができるように、VRS(ワクチン接種記録システム)を1741の基礎自治体に協力していただき導入してもらうことにしました。コロナのような緊急事態の際には、デジタルインフラが本当に大事です。それによって、スマホアプリでワクチン接種証明書を発行できるようになり、シールを貼った紙の接種証明書を持ち運んだり、自治体の窓口で接種証明書を発行してもらわなくて済むようになった。デジタル社会の生活様式に合わせたサービスをリリースできたと自負しています。
デジタル庁がアプリ開発で大事にしているのは、アジャイルという考え方。アジャイルというのは、「すばやい」「機敏な」という意味ですが、今までの役所は完 ぺきなものを求めすぎて時間がかかり、アプリができたときは社会ニーズにマッチしないものになりかねなかった。むしろスピードを優先し、常に柔軟に変化させる態勢を整え、毎日のように改善を繰り返したほうが、投入までの期間が短縮できるというわけです。

牧島
佐藤

いま大学のある福島にいて、できれば環境のいい地方にこれからも住み続けたいと思っています。デジタル田園都市国家構想についても教えてください。

コロナの影響もあってテレワークやリモートワークが進み、東京に暮らし続けなくとも自分の持つ能力や可能性を発揮することはできるかもしれない、と皆さんが気づくようになりました。地方への移住や二地域居住という流れも以前からあります。
一方で、Wi -Fiがまったく飛んでいない地域となると、リモートワークができません。そこで公共Wi -Fiや5G、データセンターなどのインフラは国が用意し地域差をなくして、そのうえで住民の方々のアイデアを生かしながら、豊かに暮らせる街づくりを全国各地で進めていこうというのがデジタル田園都市国家構想のイメージです。

牧島

※この座談会は令和4年1月13日に自民党本部にて行われました。

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