interview 01

最初に打診されたときは?

塩崎(司会)

今日は岸田政権の目玉政策分野を担っている大臣や首相補佐官に来てもらいました。まず学生の皆さんから、興味のあることをなんでもお三方に聞いてください。

首相から最初に打診を受けたとき、どのような心境でしたか。

佐藤(学生)
村井(補佐官)

私は、岸田首相が自民党総裁に挑戦する段階からいっしょに政策づくりをやってきました。ですから補佐官として引き続き首相の近くで仕事ができるというので、率直にいってうれしかったですね。そもそも首相官邸の中で仕事をすることが個人的な夢であり、目標でもありましたから。

私の場合は、就任の1週間前から「今度新設される経済安全保障担当大臣に小林がなるらしい」という報道が新聞などで出始めた。それを見て驚いていたのですが、組閣の前日になって突然「これから国にとって重要になるからよろしく頼む」と総理に電で言われ、「謹んで引き受けさせていただきます」と一言発するのが精いっぱいでした。

小林(大臣)
牧島(大臣)

私の場合は前触れがまったくなかった。地元の体育協会が主催する講演会に向かう途中、車に乗っているところに電話がかかってきて、急きょ東京に向かうことに。今までずっと、党のデジタル社会推進本部事務局長としてヒアリングをまとめた提言を作成するなど、裏方の仕事をコツコツやってきたことが評価されたのかなと思っています。

就任されて3か月たちましたが、どのようなやりがいを感じていますか。

福田(学生)
小林

私にとって経済安全保障は、この国のために絶対必要だと思い、取り組んできたテーマです。これまで一議員として政府に対して厳しい意見をどんどん投げてきたけど、今度はそのボールを受けて実現させる側になった。このテーマを前に進めることによって、絶対に日本の国力は上がるし、世界をリードする日本をつくりたいので、心底やりがいのある仕事だと思っています。

皆さんご存じのように、日本は20年以上前からデジタル化を掲げてきたけど、なかなかうまくいきませんでした。コロナ禍もあってデジタル化の遅れが目立ち、日本が本来持っている力を活かしきれていなかった。ですから今後、デジタル化が進んで便利になったなとか、あのアプリはわかりやすかったね、という国民の皆さんのフィードバックがあるとうれしいし、やりがいもあります。

牧島
村井

私が仕える総理大臣は連日、決断の連続なんですね。一方でスケジュールは山ほど入っていて、一つひとつのメリットとデメリットを丁寧に考えて、すべての案件に判断を下すのは物理的に不可能です。首相から時々、どうしたらいい、どうすべきかなどと問われて、それに対して私がお話しした結果が、総理の判断につながるということには大きなやりがいを感じています。

首相が全部の大臣を集めて行う閣議のようすとか、ふだんの官邸はどんな雰囲気なんですか。

三品(学生)
牧島

テレビの報道ニュースなどで、閣議が行われたといって首相を中心にコの字型に座っている映像がよく流れますが、あの場所は閣議前に集まって1分間だけ撮影用に使う閣僚応接室なんですね。そこでは、コロナ対策など省庁をまたがる問題について大臣間で話し合いが行なわれる場合もあります。一刻の時間もムダにせずに意見交換している光景は、岸田政権らしいといえるかもしれません。

同じ意味で、私はふだんの雑談の時間も大切だと考えています。公式の場で仕事の話だけしていると、意外と本質的な情報交換がなされないことが往々にしてある。最近、各省庁から出向している参事官の皆さんと、総理が昼食をとる取り組みをしています。首相と話しやすい雰囲気を意図的につくり、いろいろなアイデアや霞が関の雰囲気を聞き出そうというわけです。

村井
小林

最初のころの閣議は緊張しまくりでしたね。閣議書がまわってきてそこに署名するんですが、つい、いろいろ考え込んでしまう。というのも、私はかつて官僚をしていて、閣議に案件を持ち込むまでにどれほどの人間がどれだけの時間を費やしたのか、痛いほどわかっているからです。

※この座談会は令和4年1月13日に自民党本部にて行われました。

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