MENUMENU

MENUMENU

自民党政策BANK

  • Ⅰ.経済再生
  • Ⅱ.女性活躍
  • Ⅲ.地方創生
  • Ⅳ.安全安心
  • Ⅴ.国の基本

Ⅰ.経済再生

希望を生み出す強い経済

  • G7伊勢志摩経済イニシアティブに基づき、機動的な財政政策を進めるとともに、成長に資する構造改革を加速し、経済再生に万全を期します。今秋にも、速やかに経済対策を断行し、切れ目のない対応をとります。
  • わが国のデフレ脱却をより確実なものとするため、アベノミクスのエンジンをもう一度力強く回し、消費税率10%への引上げは、2019年10月に行います。
  • リニア中央新幹線の大阪開業前倒し・整備新幹線の建設推進のほか、超低金利奨学金、開かずの踏切対策などの分野を中心に「超低金利活用型財政投融資」を早急に具体化します。その際、今後5年間で官民あわせて30兆円を目途に、十分な政策効果が早期に実現するような事業規模を確保します。
  • アベノミクス3本の矢によってデフレから脱却しつつある経済の成長による成果を子育て・介護等に分配して、それを更なる成長につなげる「新しい経済社会システム」を構築します。すなわち新3本の矢を放って、「成長と分配の好循環」を創り出します。
  • 未だアベノミクスの恩恵を十分に実感できていない地方の隅々まで、暖かい風を届けるべく、ローカルアベノミクスを力強く推進します。
  • 成長の果実を、大企業から中小企業・小規模事業者まで行き渡らせるため、適正なコスト転嫁を図るなどの環境整備を進めます。
  • 「成長と分配の好循環」の確立により、地方を含め日本経済全体を持続的に拡大均衡させ、「名目GDP600兆円経済」を目指します。
  • イノベーションによる生産性の向上と働き方改革により、潜在成長率を引き上げるとともに、国民の新たな需要を掘り起こし、また海外の需要を取り込み、デフレ脱却を確実なものとします。
  • 経済成長や企業の収益に見合った実質賃金の上昇、最低賃金の引上げを図り、この流れを中小企業・小規模事業者や非正規雇用へも広げ、消費の拡大に結び付けます。
  • 経済成長が財政健全化を促し、財政健全化の進展が経済の一段の成長に寄与するという好循環を加速し、財政再建と経済成長の両立を図ります。
  • 未来への投資として設備・技術・人材へ投資し、生産性革命を実現するなど、成長戦略(日本再興戦略)を確実に実行します。
  • IoT、ビッグデータ、人工知能(AI)による大変革を踏まえ、自動運転やスマート工場など、世界最先端の社会実装に果敢に取り組む環境を整備して、革新的なビジネスモデルと新たな産業群を創出するとともに、社会課題の解決にもつなげます。
  • 「起業大国」を目指して、産学官及び金融機関の連携により、中長期の成長資金の供給拡大を含め、産業の新陳代謝とベンチャー加速化への障害を取り除くための総合的な対策を講じます。
  • 次世代の基幹産業と目されるわが国の優れたインフラ関連産業の国際展開を強力に支援し、政府のトップセールス等を駆使して受注競争を勝ち抜きます。
  • 世界最速・最高品質の審査体制の実現や地方創生と中小企業のための知財活用の促進、デジタル時代における著作権制度の整備、知財教育の充実・人材育成、官民協調による国際標準の獲得や認証基盤の整備等の知的財産・標準化戦略を推進し、世界最高の知財立国を目指します。
  • 「衣」「食」「住」やコンテンツ(アニメ、ドラマ、音楽、映画等)をはじめ「日本の魅力」の海外発信を進めるクールジャパンを成長戦略の一翼と位置付け、支援策、人材の育成、国内のクールジャパン拠点構築等の振興策を積極的に展開します。
  • 日本産酒類の海外展開を推進するため、情報発信の強化や、ブランド力の向上、輸出環境の整備などによる国際競争力の強化などの対策を強力に推進します。

科学技術の振興

  • 第4次産業革命等に向けて、IoT・ビッグデータ・人工知能(AI)・サイバーセキュリティに関する統合的な研究開発や、ナノテクノロジー・材料科学技術分野における開発を強力に進めます。
  • 次世代スーパーコンピュータの開発や新型基幹ロケット等の宇宙開発、極域や深海域を含めた海洋研究開発、核融合研究、iPS細胞を活用した再生医療、感染症対策研究等、未来社会の実現に挑戦します。
  • ノーベル賞受賞者の輩出にもつながった基礎研究・学術研究を着実に振興します。また、若手や女性等の活躍を促進するとともに、初等中等教育段階からの人材育成を推進します。
  • 基礎研究で生まれた優れた技術シーズを事業化・産業化するため、産学官の連携・マッチングの強化など、わが国の科学技術基盤を強化し、「世界で最もイノベーションに適した国」を実現します。
  • 第5期科学技術基本計画に基づき、「超スマート社会」の実現に向けた科学技術イノベーションを推進するとともに、その裏付けとなる政府研究開発投資の抜本的拡充(5年間総額26兆円)の実現を目指します。
  • G空間情報センターの利活用を促進し、防災・農業・交通等の様々な分野で新たな産業やサービスが生まれるG空間社会を実現します。

安定的で低廉なエネルギー

  • エネルギー基本計画を踏まえ、徹底した省エネ、再生可能エネルギーの最大限の導入、火力発電の高効率化等により、原発依存度を低減させます。また、安定供給を確保し、経済成長とCO2排出抑制を両立させるバランスの取れたエネルギーミックスの実現に向け、責任あるエネルギー政策を遂行していきます。
  • 原子力は安全性の確保を大前提に、エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源との位置付けのもとに活用します。いかなる事情よりも安全性を最優先し、原子力規制委員会によって世界最高レベルの新規制基準に適合すると認められた場合には、立地自治体等関係者の理解と協力を得つつ、原発の再稼働を進めます。
  • 再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立を図るとともに、徹底的な省エネ対策を実行します。また、必要な規制を見直し、これらの分野における新産業創出や地方創生を通じて投資を拡大し、GDP600兆円に向けた起爆剤とします。
  • エネルギーシステム改革の成果を活かし、電気料金等の抑制を通じた経済基盤の強化や、分散型エネルギーシステムの導入によるエネルギーの地産地消を進めて、地域経済の活性化を図ります。
  • 水素を燃料とする燃料電池(燃料電池自動車、家庭用燃料電池等)の導入や、水素供給システムの構築に向けた技術開発を推進すること等により、将来のエネルギーの新たな選択肢を創出します。
  • わが国企業が安定的に資源開発投資を行えるよう、政策支援機関等を通じたリスクマネー供給を強化して、国外の権益確保を強力に支援し、資源の供給源の多角化を図ります。
  • メタンハイドレート、水素、次世代再エネ等の国産エネルギー・鉱物資源の開発を促します。
  • 資源確保の国家戦略をエネルギー政策基本法に基づき策定します。

成長に資する金融

  • コーポレートガバナンス改革を「形式」から「実質の充実」へと深化させ、中長期的な企業価値向上と投資家へのリターンの拡大という好循環を実現させます。
  • NISA・ジュニアNISAの更なる普及などを通じて、長期分散投資の推進等ポートフォリオ・リバランスを促す環境整備等を積極的に進め、国民の安定的な資産形成を支援します。
  • 東京国際金融センター化の推進など、国際金融センターとしての機能を強化するとともに、総合取引所の実現を含め、金融・証券市場の活性化・利便性向上を図ります。
  • 地域産業や企業の成長と生産性の向上などを図るため、地域金融の機能を強化し、企業の事業性の評価に基づく融資や経営支援等をさらに促進するとともに、経営者・従業員が再チャレンジを行いやすくする環境を整備します。
  • Fin Techにおける国際標準の主導、利用者目線での金融サービスの革新との観点に立ち、Fin Techエコシステムの構築など、オープン・イノベーションを推進するための環境整備を進め、日本発グローバルFin Techの創出・成長を積極的に推進します。

住宅市場の活性化

  • 子育て世代に対する安価な住宅の供給や三世代同居・近居を推進します。
  • 大幅に拡充した住宅ローン減税と減税の効果が限定的な所得層に対するすまい給付金の給付措置、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置を継続するなど、住宅投資の活性化を図ります。
  • 性能の高い木造住宅等の建設支援等により、良質な住宅取得の促進を図ります。
  • 不動産市場を支える制度面の整備により、不動産市場の活性化や投資の喚起を促します。
  • 空家の除去や再生支援など空家対策を推進し、耐震化、省エネ化、長寿命化等のリフォームの促進、リフォーム産業の活性化とあわせ、適正な建物評価の定着、取引市場環境の整備等を通じ、既存住宅市場の活性化を図ります。

観光立国

  • 訪日外国人旅客2020年4,000万人・旅行消費額8兆円を目指し、広域観光周遊ルートの強化、クルーズ船の対応、免税店の拡大や利便性の向上等、多様なニーズに応じた受け入れ体制の整備・強化を図ります。
  • 違法民泊業者・提供者の厳格な排除・取締りを行うとともに、ルールに則った民泊については、宿泊施設の需給バランスや宿泊を通じた日本文化の理解に対する多様なニーズを鑑みつつ、規制緩和やルール整備に積極的に取り組みます。
  • 訪日プロモーションの強化や戦略的なビザ緩和、休暇・休祝祭日の機能的な活用、人材の育成・強化やICT利活用による生産性向上等による観光産業の活性化を図るとともに、観光庁や日本政府観光局の組織体制を拡充し、観光を基軸とした日本の国際競争力を強化します。
  • 文化庁・観光庁の連携など各省庁の連携を強化するとともに、伝統文化財や公的機関(迎賓館等)の観光資源としての戦略的利活用、景観・街並みの整備、医療・アート・自然といったニューツーリズムの振興に取り組み、国内旅行消費の拡大を図ります。
  • 訪日外国人旅客の政府目標を踏まえ、国際空港はもちろん、地方空港の受入容量の最大限の活用を目指し、地方送客のための国内地方ネットワーク利活用の充実やLCC参入促進、CIQ体制の充実、ビジネスジェット利用環境改善等、受け入れ体制の整備強化に全力で取り組みます。
  • 航空自由化(オープンスカイ)の戦略的な推進や、諸外国とのイコールフッティングを踏まえた空港使用に係るコストの見直し等を通じ、国際競争力の強化を図ります。
  • 航空機の乗員・操縦士・整備士等の航空従事者の養成・確保や、小型航空機の利用環境の整備を推進します。
  • 東京都心と羽田・成田両国際空港を結ぶ道路・鉄道アクセス網の利便性向上を図ります。
  • 地域の産業物流を支える港湾・航路整備の着実な推進を図るとともに、国際バルク戦略港湾の整備や国際コンテナ戦略港湾の整備、港湾の耐震化による災害対応機能の強化を推進します。
  • 整備新幹線の新函館北斗―札幌間、金沢―敦賀間、武雄温泉―長崎間は、政府・与党申合せ等に基づき開業効果をできる限り早期に発揮できるよう取り組みます。また、敦賀―大阪間のルート選定に取り組むとともに、リニア中央新幹線の東京―大阪間の早期全線開通を目指します。さらに、基本計画路線も含め、地方創生に役立つ幹線鉄道ネットワークの構築に向けて取り組みます。

成長につながる規制改革

  • ダイナミックなイノベーションを創造するため、終わりなき規制改革を果敢に断行します。
  • 国家戦略特区の更なる制度拡充を図ります。

ICT社会

  • 最先端ICTや膨大な官民データに関して、スマホのアプリのように身近で便利なサービスを国民に届ける利活用基盤(プラットフォーム)を構築します。
  • 子育て、観光、就労斡旋等、国・地方のサービスの充実や、公民館、会議室等の公的資産の有効活用を進めるため、積極的にシェアリングエコノミーを活用する「シェアリングシティ構想」を推進します。

2020年東京オリンピック・パラリンピック

  • 本年のリオデジャネイロ大会、2018年ピョンチャン冬季大会、そして2020年東京大会に向けて、日本選手が多くのメダルを獲得できるよう、国際競技力の向上に取り組みます。
  • スポーツが生活の一部となる文化を広め、スポーツ参画人口を拡大することにより、国民の健康増進、医療費の抑制に貢献します。また、障害者スポーツの振興を図ります。
  • 2020年東京大会をスポーツだけでなく文化の祭典としても位置付け、全国津々浦々で文化イベントを開催し、日本各地の文化資源で世界の人々を魅了する機会を創出します。
  • スポーツを産業として育成し、民間投資を呼び込みつつ、スポーツビジネスの拠点となるスタジアム・アリーナの整備、地域のにぎわい創出、インバウンドを増やすこと等により、スポーツGDPの拡大に貢献します。
  • 2020年東京大会の場を「ショーケース」として、自動走行システムや水素社会など最先端の科学技術を世界に発信するとともに、これをモデルに広く国内外への展開を図ります。
  • 日本で開催されるラグビーワールドカップや女子ハンドボール世界選手権等の成功を通じて、オリンピック・パラリンピック・ムーブメントを全国に波及させます。
  • 2020年東京大会及び地方の観光地における外国人への対応に向けて、「言葉の壁」をなくす多言語音声翻訳の普及を図ります。

財政の健全化

  • 財政健全化目標として国・地方の基礎的財政収支について、2015年度は2010年度に比べ赤字の対GDP比を半減するとの目標達成が見込まれる中、2020年度までに黒字化するとの目標を堅持し、その後の債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指します。
  • 2020年度の基礎的財政収支の黒字化目標については、その達成に向けて策定された「経済・財政再生計画」に基づいて、「デフレ脱却・経済再生」、「歳出改革」、「歳入改革」を3つの柱として推進します。
  • 消費税については全額、社会保障の財源とし、国民に還元します。経済再生と財政健全化を両立するため、2019年10月に消費税率を10%へ引き上げます。その間、赤字国債に頼ることなく安定財源を確保して可能な限り社会保障の充実を行います。
  • 消費税率引上げに伴う低所得者への配慮として、2019年10月に消費税の軽減税率制度を導入します。軽減税率制度を混乱なく円滑に導入できるよう、事業者への対応を含め、万全の準備を進めていきます。
  • 軽減税率制度の導入に当たっては、財政健全化目標を堅持するとともに、「社会保障と税の一体改革」の原点に立って安定的な恒久財源を確保します。

Ⅱ.女性活躍

女性活躍の「場」を広げる

  • 2016年は女性の参政権獲得70周年の記念すべき年。政治の場への女性の更なる参画を促進します。わが党としては、中央政治大学院などを活用し、女性候補者の育成を率先垂範します。各政党にも積極的な取組みを促すため、議員立法を検討し、早期に国会へ提出します。
  • 女性の新しいキャリア・ステージの形である起業を支援します。知識・情報不足の解消のための情報発信、資金調達への支援、ロールモデルの充実、両立支援のための取組みなど、女性の起業ステージに応じた伴走型の支援を実現します。わが党としては、全国規模の女性起業家サミットを開催します。
  • 指導的地位に占める女性の割合を3割程度にすることを目指します。今年4月に完全施行された「女性活躍推進法」に基づき、企業等による行動計画の策定と情報の見える化を促すなど、女性参画の拡大や将来に向けた人材育成を進めます。
  • 優れた企業に対する認定制度や公共調達の受注機会の増大、両立支援の取組みへの助成等のインセンティブを拡充します。
  • 町内会やPTAなど各種組織・団体の方針決定過程への女性の参画度合いを高めます。女性のいない消防団の解消を目指します。
  • 生活者の視点で女性が持つ豊富な知恵・知識を、地域おこしに活用するとともに、産業界とのマッチングを図り、新たな財・サービスの創出につなげます。農林漁業や食育の担い手としての女性を重視します。
  • 国際機関等で活躍する女性への支援を強化します。
  • これまで女性の活躍が少なかった製造業や建設業において、女性も働きやすい職場環境の整備や業務の魅力発信等を行います。

職業意識・労働慣行の改革により女性活躍を阻む「壁」を打破

  • 時間外労働の上限規制や休息時間(インターバル)規制の導入等について検討を進め、男性中心型の労働慣行を大胆に見直し、長時間労働を是正します。
  • 短時間勤務やフレックスタイム、テレワーク、勤務地限定正社員など、多様で柔軟な働き方を推進します。一定時間内での成果を人事評価で重視する企業の取組みを促進します。
  • 家事や子育ては女性が担うべきとする古い意識や風土を改め、「イクメン」や、妊娠・出産した職員やその配偶者の働き方を適切に管理する「イクボス」も含め、男性の意識改革と職場風土の改革を進めます。
  • 子供が生まれる日や初めて家に帰ってくる日、出生届を出す日等に、父親が育児休暇を取得できるようにします。

女性活躍の「壁」を乗り越えるエンパワーメント

  • 女子中高生に対する理数科教育を強化し、理数系への関心と学力を高めます。本人・保護者・教師に対しロールモデルなどに関する情報提供を充実します。
  • 女性研究者のライフイベントに配慮した研究資金、雇用形態、人事等の柔軟な運用を進めます。「すべての大学に保育所を」を目標に保育施設を整備します。
  • 子育て等で離職した女性の学び直し、再就職、キャリアアップによる再チャレンジを支援します。

女性活躍の土台は安定した生活基盤

  • 正規雇用を希望する女性について正規雇用への転換を進めるとともに、同一労働同一賃金の実現により女性の処遇改善やスキルアップを支援します。
  • ひとり親家庭に対し、仕事と子育ての両立支援、孤立化させないための居場所の確保などの支援を拡充します。
  • 障害のある女性については、障害に加えて女性であることで複合的に困難な状況に置かれている場合があることに留意して支援します。障害者の性別に留意した情報・データの充実を図ります。
  • 女性に対するあらゆる暴力を根絶します。性犯罪・性暴力被害者支援のワンストップ支援センターを全国に整備・拡充します。DVやストーカーの加害者に対する取組みを進めます。いわゆるJKビジネスと呼ばれている営業等の実態把握を行います。
  • セクハラ、マタハラなど、あらゆるハラスメントへの対応を強化します。
  • 「女性の健康の包括的支援に関する法律」の成立を目指します。
  • 不妊治療への助成、産科医・小児科医の負担軽減策の充実など、過疎地も含め妊娠・出産環境を整備します。
  • 困難な状況に置かれている女性や子育て中の女性が、窓口へ赴くことなく、マイナンバーカードを用いてオンラインで手続きできるワンストップサービスの検討を進めます。

女性活躍を支える子育て・介護基盤の拡充

  • 結婚・妊娠・出産・子育てを切れ目なく支援し、ライフプランに必要な教育・研修も重視します。
  • 病児・病後児保育の充実や多子世帯支援の強化、高齢世代による子育て支援など世代間の支え合いを広げます。育児休業明けの保育所低年齢枠を拡充します。
  • 育児休業の充実にあわせて、1・2歳児保育の受け入れ枠を拡充します。
  • ベビーシッターなど多様な子育て、家事支援を充実します。
  • 子育て施設やケア施設と住宅の併設・近接を推進します。

女性の自立を支える法制度改革

  • 配偶者控除や第三号被保険者制度など、女性の活躍促進に大きく関連する税・社会保障制度は、女性の生き方・働き方に中立的なものとなるよう本格的に見直します。
  • 旧姓の幅広い使用を認める取組みを進めます。まずは、住民基本台帳とそれに連動するマイナンバーカードにおいて旧姓併記ができるよう取り組みます。

Ⅲ.地方創生

地方創生なくして日本の再生なし

  • 地方版総合戦略に基づく地方公共団体の意欲的な取組みを地方創生推進交付金、地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)等で積極的に支援し、先駆的成功事例を点から面へ全国に展開します。
  • ローカルアベノミクスの実現、「生涯活躍のまち」の推進、働き方改革、時代にあったまちづくり、小さな拠点の形成等、本格的な実施段階に入った施策を深化させるとともに、地域特性に即して重点的に推進します。
  • 地方に「しごと」と「ひと」の好循環をもたらすため、本社機能の地方移転を積極的に支援するとともに、文化庁を京都に全面的に移転するほか、ICT活用等による全ての中央省庁の地方移転の実証実験に取り組みます。
  • 地域の特性を活かした農林水産業の成長産業化など地域の稼ぐ力や生産性の向上、地域の担い手確保等を実現し、地域経済の好循環を拡大していきます。
  • 地域の知恵と人材と資産によるPPP/PFIを積極的に推進し、公共分野における民間の力を活用することによって、地域の産業・雇用の創出やインフラの効率的な維持管理・更新等を進めます。
  • 地域経済分析システム(RESAS)の活用、地方創生リーダーの育成、地方創生人材支援制度や地方創生コンシェルジュの活用、地方への人材還流の推進、ICT・イノベーションによる生産性の向上等により、地方や民間の力を最大限に引き出します。
  • 観光振興を戦略的に推進する専門組織である日本版DMOを全国各地で確立し、観光地域づくりを推進します。
  • 地方空港におけるCIQ体制の機動的運用や地方港湾のストック効果の活用、ジャパンレールパス等の利便性向上やICT利活用による観光地・宿泊施設の多言語対応・情報発信の強化を図り、観光産業の生産性向上を実現します。
  • 地方都市の魅力ある経済・生活圏を形成するため、「コンパクト+ネットワーク」でまちづくりに取り組むとともに、都市機能や居住のまちなかへの誘導によるコンパクトシティの形成や地域公共交通ネットワークの再構築等ネットワークの活用により、暮らしやすいまちづくりを進めます。
  • 地域経済を支える基盤として欠かせない道路ネットワークの整備を着実に進めるとともに、スマートICや「道の駅」について総合的に支援を行います。
  • 民間投資の喚起による成長力強化の実現のため、官民の連携により社会資本の整備・運営・更新を行うための基本法を制定します。空港、上下水道、道路のコンセッション(民間による運営)事業等、PPP/PFIの積極的な推進を図り、地域における民間事業者の事業機会の創出等地域の活性化を進めます。
  • 地方分権改革の推進、自治体の地域の実情や課題に対応するため、きめ細かな単独事業を支える地方財源の安定的な確保を図ります。
  • 自治体と大学が連携し、地域経済の活性化に資するローカル・イノベーションを推進し、中小企業・商店街振興、産品の販路拡大等を通じて、地域の事業者の収益と住民の所得の向上を図ります。
  • 地方への移住や、農山漁村での体験型交流を促進します。企業誘致とあわせて雇用力のある地域密着型企業の立ち上げを支援し、都会から地方へのしごとの流れをつくります。
  • 地方にICTを積極的に導入して、農業、医療、教育、雇用、交通(ITS等)、防災、行政等の分野における利活用を進め、地域からの情報発信を強化し地域を活性化します。
  • 過疎地域については、基幹集落を中心としたネットワーク化を推進し、日常生活機能の確保や地域産業の振興により定住できる環境を整備し地域の活性化を図るなど、厳しい現状を十分に踏まえ、対策の充実強化に努めます。
  • 「強く自立した沖縄」を国家戦略と位置付け、税財政を含めて総合的・積極的に推進します。また、沖縄振興策の中核である、西普天間住宅地区の跡地利用の早期実現や、子供の貧困対策、離島振興、観光振興等に集中的に取り組みます。
  • 離島支援の充実や半島振興に取り組み、地域への定住を促進し、地域の自立的・自律的な発展を図るとともに、離島航路整備法に基づく航路への確実な支援、奄美振興・小笠原振興を推進します。
  • 圏域全体を牽引する大都市の役割を踏まえ、事務・権限の移譲や税源の拡充、周囲との連携強化などの活性化策を実施します。
  • 郵便局網を活かして地域との協調・連携を促進し、日本型郵便インフラシステムの国際展開を支援します。新たなサービスの展開とともに、資金シフトの状況等も勘案しつつ、ゆうちょ銀行の限度額の更なる引上げを目指します。

中小企業・小規模事業者

  • 中小企業・小規模事業者は一億総活躍の主役であり、活力のある成長に加えて、雇用の維持など持続的な発展を進めるため、起業を活性化させるとともに、地域の強みや魅力を活かした商品開発や販路開拓、優秀な人材の取り込み、事業の再生と承継、コミュニティを支える商店街の自立を積極的に支援します。
  • 下請取引のあり方を改善し下請企業の適正な収益を確保するため、下請ガイドラインの周知・改訂等を図るとともに、独占禁止法や下請代金法の運用の徹底・強化を図ることにより不当行為の取締りを進めます。
  • ITを利用した経営力の向上やデジタル製造技術による生産性の向上を強力に支援するとともに、IT人材の育成などを進めて、中小企業・小規模事業者の人手不足や軽減税率導入などに伴う事務負担の削減を進めます。
  • 中小企業・小規模事業者の設備投資を促進するため、固定資産税の軽減措置等を講じます。手続きについては簡素に行える仕組みを整え、支援機関によるサポートも受けられるようにします。
  • 金融機関が、中小企業・小規模事業者に寄り添い、「ひと手間かけて育てる」金融の機能を十分に発揮することが重要であるため、借り手側からの意見も聞きながら、経営者保証に依存しない資金繰りの徹底を図るとともに、信用保証制度の見直しなどを進めます。
  • TPPをチャンスとして、海外市場の獲得やグローバルサプライチェーンを国内においても活用しようとする中小企業・小規模事業者に対して、「新輸出大国コンソーシアム」を通じて、関係機関が連携してきめ細かくサポートするとともに、旺盛なインバウンドを商店街に戦略的に取り込む取組みを積極的に支援します。
  • 地域の支援機関や専門家、よろず支援拠点などを通じて「ものづくり・商業・サービス補助金」や「持続化補助金」などの施策を地域の隅々まで行き渡らせ、ローカルアベノミクスの実現を図ります。
  • 地域経済を支える建設業・運輸業・造船業等の経営基盤の強化とともに、それを支える人材の確保・育成を推進します。

農林水産業

  • 夢と希望の持てる農政新時代を切り拓きます。TPPに対する農林漁業者の不安を払拭し、経営発展を後押しするとともに、経営安定に万全を期します。未来の農林水産業・食料政策を明確にするとともに、生産者の努力では対応できない分野の環境を整えます。
  • 生産コスト改革を断行します。見える化を進めるとともに、生産資材の価格の引下げと、農業者が安定して有利に仕入れることができる環境をつくります。農産物を有利に販売できる流通・加工構造を構築します。
  • 「輸出」を新たな稼ぎの柱とします。「2020年輸出額1兆円」目標の前倒し達成と更なる拡大に向け、総合的輸出戦略を策定し、海外の市場開拓や、検疫・規制の課題解決を進めます。
  • 全国に農業経営塾(仮称)を設置し、地域で営農しながらマーケティング、経営ノウハウ等を学べるようにします。
  • 若者の農業分野での定着(年間1万人)を倍増します。このため、若者が農業分野で「就職・就農・起業」できる環境を整えます。先人の知恵と科学に基づき、持続可能な土壌・農業基盤を構築します。
  • 全ての加工食品について、実行可能な方法で原料原産地を表示します。そして、国民の日々の選択が、日本の食と農を支える社会をつくります。
  • チェックオフ制度の検討を進めます。生産者等が主体的に国産品の需要拡大や輸出促進、研究開発に取り組むことを促します。
  • 食料自給率及び食料自給力を維持向上させます。
  • 閣議決定された食料・農業・農村基本計画で掲げた飼料用米の生産努力目標(平成37年産110万トン)を確実に達成し、飼料用米生産の持続的な拡大が食料自給率の向上と畜産のブランド力強化につながる理想的なサイクルを実現します。
  • 米の直接支払交付金(7,500円/10a)が、平成30年産からの米政策の見直しにあわせ平成29年産までの時限措置となっていることを踏まえ、その財源も活用し、水田フル活用の予算は責任をもって恒久的に確保します。
  • TPP協定発効後の国別枠の輸入量の増加が国産の主食用米の需給及び価格に与える影響を遮断するため、輸入量に相当する国産米を政府が備蓄米として買い入れます。
  • 力強い日本の畜産・酪農を構築します。中小家族経営を含む地域ぐるみの畜産クラスターの構築等により所得向上を図ります。家畜伝染病や病害虫の侵入・まん延防止を徹底します。
  • 産地パワーアップ事業を推進します。全ての農作物を対象に、コスト低減や高収益作物・栽培体系への転換を図るなどそれぞれの地域の強みを活かした戦略的な取組みを支援します。
  • 6次産業化・地産地消・農商工連携を推進します。2020年に6次産業の市場規模を10兆円に拡大し、農業・農村の所得増大を目指します。
  • 担い手の経営発展を支援します。2023年までに全農地面積の8割を担い手に集積・集約化するため、農地中間管理機構をフル稼働させます。収入減少時のセーフティネットとして、収入保険制度を導入します。2023年までに法人経営体数を2010年比約4倍の5万法人にします。
  • 農協の改革を後押しします。農協が自ら創意工夫して、農業者の所得向上、農業の成長産業化に全力を挙げることができるようにします。
  • コスト低減を図りつつ農業農村整備事業を着実に推進します。農業農村整備予算を平成22年度の大幅削減前の水準に可及的速やかに復活させることを目指します。「特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法」を延長し、特殊土壌地帯の保全と農業生産力の向上を図ります。
  • 農山漁村のにぎわいを取り戻します。「日本型直接支払制度」を着実に推進します。特に中山間地域においては、直接支払制度の運用改善のほか、農産物のブランド化、観光振興、6次産業化などの取組みを支援します。鳥獣被害対策に全力で取り組み、捕獲鳥獣のジビエ活用を推進します。
  • 都市農業振興基本法の制定を踏まえ、都市農業の安定的な継続と都市農地の保全が可能となるような制度的枠組みや税制上の措置を検討します。
  • 農業イノベーションを創出します。ロボット、ICT、人工知能(AI)の活用など、国・都道府県・大学・民間企業の「知」の総力を結集し、新品種や超省力生産体系の開発を進めます。

(林業)

  • 森林を守り、林業の成長産業化を実現します。新規就業者の確保等により、多様な担い手を育成します。施業集約化の推進やCLT、セルロースナノファイバーなど新需要の開拓により国産材の利用拡大を図ります。森林吸収源対策として、皆伐後の再造林の仕組みの構築や森林環境税(仮称)の導入を検討するほか、違法伐採対策に取り組みます。
  • 花粉症ゼロ社会を実現します。花粉症対策苗木の植替えや広葉樹の導入など、花粉飛散防止技術の開発・実用化を推進します。

(水産業)

  • 国際環境の変化に対応するため、TPP対策の基金等により「広域浜プラン」に基づく漁船導入等を進め、漁業・養殖業を持続可能な収益性の高い操業体制へ転換し、水産日本の復活を目指します。
  • 担い手の育成・確保対策、収入安定対策や燃油・配合飼料対策を実行し、浜の機能再編、国産水産物の流通・消費の拡大や海外輸出を促進するほか、水産加工業を振興します。
  • わが国漁業の実態を踏まえた資源管理や漁場環境の保全等を推進し、増養殖対策を講じます。
  • 「浜プラン」を進め、多面的機能の発揮対策や離島漁業再生に向けた漁業集落の活動を推進し、漁港・漁村地域を活性化します。
  • 鯨類をはじめとする水産資源の持続的活用の方針を堅持し、商業捕鯨の早期の再開を目指します。

Ⅳ.安全安心

復興の加速で「新しい東北」の実現

  • 「復興・創生期間」(平成28~32年度)においても効果的、積極的に復興を加速化できるよう、復興財源6.5兆円を積み増し、32兆円としました。これからの5年間は、地域住民と市町村、県、国が共通の認識・目標を持って取り組む「オールジャパン体制」を一層強化し、「地方創生」のモデルとなるような「新しい東北」の実現を目指します。
  • 福島の復興・再生は中長期的対応が必要であり、「復興・創生期間」後も継続して、国が前面に立って取り組みます。
  • 住まいの再建を着実に推進します。また、避難生活の長期化、災害公営住宅への転居の本格化を踏まえ、心のケアやコミュニティ形成などの生活支援のほか、商業施設、教育・医療・介護施設を整備するなど、地域社会の再生を目指します。
  • 復興道路・復興支援道路等の主要道路をはじめ、鉄道、港湾・漁港など、復興に欠かせないインフラの早期整備に引き続き全力で取り組みます。
  • 産業・生業の再生、中でも風評被害が大きい観光の振興や一次産業の再生、水産加工品の販路回復に重点的に取り組みます。また、科学的根拠を伴わない輸入規制については、外交交渉を通じ粘り強く撤廃を求めます。
  • 福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策をはじめ、中間貯蔵施設整備や指定廃棄物の処理、被災者の方々への支援などについては、引き続き国が前面に立って取り組みます。
  • 原発事故被災地の方々が将来の見通しを持てるよう、福島イノベーション・コースト構想、福島新エネルギー社会構想、福島相双復興官民合同チームの取組みを強化します。

持続的な社会保障制度の確立

  • 「自助」・「自立」を第一に、「共助」と「公助」を組み合わせ、税や社会保険料を負担する国民の立場に立って、持続可能な社会保障制度を構築するとともに、弱い立場の方には、援助の手が差し伸べられるよう社会保障を充実します。
  • 国民皆保険を堅持します。
  • 医師の診療科目別・地域別の偏在を是正するため、医療に携わる人材や高度医療機器等の医療資源を確保するとともに、その適正配置を図り、地域で必要な医療を確保します。
  • 健康寿命の延伸に向け、予防医療、介護予防、データヘルスなど健康管理事業を推進します。
  • 再生医療の実用化の促進、遺伝子情報を活用した個別化医療の推進、がん対策の更なる充実、効果的な認知症の治療法の開発などに取り組みます。
  • エボラ出血熱やMERSなどの感染症は、国境のない国際的な課題であることから、人間の安全保障の理念のもと、公衆衛生危機に強い国際社会の実現、生涯を通じた基本的保健サービスの切れ目のない利用の確立に努めます。
  • 日本の優れた知見・医療機器・サービスの活用などによる海外での早期発見・封じ込め等の感染症対策を含めたグローバルな連携体制の構築や保健医療環境の向上に、リーダーシップを発揮します。
  • 医療や介護が必要な状態になっても、住み慣れた地域で、その有する能力に応じ自立した生活を続けることができるよう、医療、介護の様々なプロフェッショナルが関わることにより、医療・介護・予防・住まい・生活支援が確保された「地域包括ケアシステム」を構築します。
  • 自治体ごとの特徴や課題、取組みを客観的かつ容易に把握できるよう、介護・医療関連情報の共有(見える化)のためのシステム構築を推進します。
  • 認知症高齢者が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができるよう、認知症サポーターの養成や、認知症初期集中支援チームの設置促進など容態に応じた適時・適切な医療・介護の提供、認知症カフェを通じた介護者への支援などを推進します。
  • 質の高い介護サービスの提供のため、介護に携わる方の確保と離職防止に取り組み、処遇改善や研修等の支援に継続的に取り組みます。
  • 障害者が自らの望む地域生活を営むことができるよう、「生活」と「就労」に対する支援を一層充実します。
  • 65歳に至るまで長期間にわたり障害福祉サービスを利用していた低所得の高齢障害者に対し、介護保険サービスの利用者負担を軽減します。
  • 医療的ケアを必要とする障害児が地域で必要な支援を受けられるようにします。
  • 重度の障害等のために外出が著しく困難な障害児を支援するため、居宅を訪問して発達支援を行うサービスを創設します。

雇用と所得の拡大

  • 労働生産性の向上を支援し、更なる賃上げにつなげるとともに、最低賃金について時給1,000円(全国加重平均)を目指します。
  • 同一労働同一賃金の実現により、非正規労働者の処遇を改善し、正規・非正規の格差を是正します。また、中小企業の取引条件を改善し、中小企業と大企業との賃金格差を是正します。
  • 正規雇用への転換を希望する非正規労働者の方々のキャリアアップ等を図る取組みを推進し、正規雇用への転換を果断に進めます。
  • 待遇を確保しつつ、失業を経ない形で、成熟分野から成長分野への円滑な労働移動を進めます。
  • 柔軟に仕事ができるテレワークの推進も含め、働き手が時間や場所に制約されない効率的で多様な働き方を実現します。
  • 育児・介護休業を取得しやすく、仕事と子育て・介護を両立できる制度の導入を進めます。これにより、希望出生率1.8と介護離職ゼロを目指します。
  • ブラック企業に対する監督指導強化や職場でのメンタルヘルス対策を進めるとともに、終業と始業の間のインターバルの確保や総労働時間の短縮に向けた企業の取組みを進めます。
  • 未来を担う若者が希望する職業に就いて活躍できるよう、企業による職場情報提供の取組みを着実に進め、若者の採用・育成に積極的な企業を増やします。
  • 定年延長などの企業の取組みを促進し、高齢者の多様な就業機会を確保することにより、意欲のある高齢者の方が働ける環境を整備します。また、就業機会と生きがいの両方を確保できるシルバー人材センターについて更なる活用を進めます。
  • 労働力人口が減少し、現行制度でも外国人労働者の大幅な増加が見込まれる中で、日本人だけでは労働力が不足し社会に深刻な悪影響が生じる分野について、外国人労働者が適切に働ける制度を整備します。

子育て支援

  • 保育の受け皿については、平成29年度末までの整備目標40万人分に10万人分上積み(計50万人)し、着実に整備を進めます。
  • 待機児童の解消を進め、さらに今後のニーズに対応するため、自治体が設置する保育園等への支援、企業主導型保育事業の積極的展開など受け皿の拡大を図ります。
  • 保育士の人材確保対策・処遇改善を行い、保育の質を確保します。
  • 病気になった子供等を病院・保育所などの専用スペースで看護師が一時的に保育する病児保育事業もさらに推進します。
  • 放課後の子供の受け皿を大幅に拡大(平成26年度から31年度末までに約30万人分増)し、小学生のいる家庭も安心して働き続けられる環境を創ります。
  • 地方創生により、地域で安定した雇用と収入が得られるようにすることで、若者世代が結婚し、安心して楽しく子育てできるような環境を創っていきます。
  • パートや派遣で働く方々も含めて、育児休業が取りやすくなるよう環境の整備を進めます。
  • 乳幼児健診や小児医療、長期の療養を必要とする子供への医療費助成を着実に実施します。
  • 子供の命と未来を守るため、児童虐待の早期発見、児童の保護に迅速に取り組み、家庭的な環境で養育できる体制づくりを進めます。
  • 児童扶養手当の第二子・第三子以降の加算や、母子家庭の母等の長期雇用促進のための助成金の活用など、経済的に厳しい状況に置かれたひとり親家庭や多子世帯を応援します。
  • 子供の貧困を解消するため、学習支援を行うなど、未来ある子供たちにチャンスあふれる社会を創ります。

未来を築く教育

  • 教育は国家の基本であり、わが国の次代を担う全ての子供が質の高い教育を受けることができる社会を実現するため、教育投資の抜本的拡充・教育財源の確保に取り組みます。
  • 幼児教育の振興と無償化、高校生等奨学給付金の充実、大学生等への給付型奨学金制度の創設等、教育費負担の軽減や原則無料の学習支援の充実に取り組み、教育の機会均等を実現します。
  • アクティブ・ラーニング(主体的・協働的な学び)にも資するICT環境整備を進めます。また、社会で自立し活躍する力を育むため、キャリア教育・職業教育を充実します。
  • いじめや不登校、発達障害等への対応力を強化するために、教員の能力をさらに高めるとともに、スクールカウンセラーや特別支援教育支援員の配置拡充に取り組みます。
  • 学校施設は子供の学習の場であるとともに、地域コミュニティや防災の拠点としての役割も果たすため、引き続き耐震化対策やトイレ等の老朽化対策、空調設備等の環境整備を推進します。

文化芸術立国

  • 魅力ある日本文化の発信、子供の文化芸術体験機会の確保、文化芸術の担い手の育成、国立文化施設の機能強化、文化財の保存・活用等を通じ、「文化芸術立国」を実現します。
  • 芸術祭等の文化芸術活動や食文化、メディア芸術、日本遺産等、わが国の誇る文化資源の掘り起こし・活性化・国内外への発信を観光とも連携して推進し、文化GDPの拡大に貢献します。

国土強靱化、社会資本整備

  • あらゆる自然災害等からかけがえのない国民の生命と財産を保護し、国民生活と国民経済を守るため、「国土強靱化基本法」に基づき、事前防災・減災、老朽化対策を強力に推進します。
  • 首都直下地震、南海トラフ地震や巨大津波に備えるため、住宅・建築物、道路、堤防、港湾等のインフラの耐震化やリダンダンシー(代替性)の確保等により、国土強靱化の取組みを推進します。
  • 「世界津波の日」の理念を全世界に展開させ、世界の多くの国で共有される津波の脅威に対し、国際社会が津波の理解と津波対策の重要性に関する理解を深め、相互に協力することにより、津波による犠牲者の数を減少させる取組みを推進します。
  • 上下水道の老朽化対策や耐震化等のライフラインの防災対策、ゲリラ豪雨に備えた下水道等の排水施設の効果的な整備を進めるとともに、豪雪地帯における除排雪や融雪に対する支援を推進します。
  • 安定的・持続的な見通しを持って計画的に必要な公共投資を行うとともに、改正品確法等に則り建設産業の担い手の確保・育成を図ります。
  • 「第4次社会資本整備重点計画」に基づき、インフラ老朽化対策、既存ストックの活用を図りながら、中長期的な見通しを持って、ストック効果の高い事業への選択と集中を推進します。
  • 戦略的なインフラマネジメントを進め社会のベースの生産性を高めること等により、生産性革命を推進します。
  • 工事現場において、調査・測量、設計、施工及び維持管理・更新のあらゆるプロセスにICTを取り入れることで、現場の生産性を大幅に向上させます。
  • 「無電柱化基本法案」を成立させ、電柱・電線の無い状態が標準であるとの認識のもと、国民的な取組みとして無電柱化を推進します。
  • 国土強靱化に資する高速道路のミッシングリンクの解消や四車線化等、従来の事業評価にとらわれることなく、国民に約束した基幹ネットワークの整備を進めます。
  • 高速料金は利用重視の観点から、実施目的が明確で効果の高い割引を行った上で、適切な維持管理・更新へ対応するとともに、大都市圏と地方の道路利用の状況を鑑み、地方創生に資するわかりやすい料金に整理します。
  • 官民連携のもと、ITS技術の活用により自動運転の実用化やそのための地図データの整備に取り組みます。
  • 漁港施設の地震・津波対策及び長寿命化対策を進め、自然災害に強い漁村づくり、国土強靱化を実現します。
  • 災害事象の監視体制の強化と防災情報の提供の迅速化を図るとともに、消防団を中核とした地域防災力の充実・強化に取り組み、災害対応の標準化及び防災教育訓練施設の充実を図ります。

治安・テロ対策

  • 2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、治安関係の人的・物的基盤の拡充、外国機関との連携の強化等を通じて、わが国へのテロ攻撃を予防する取組みを促進しつつ、国内の組織・法制のあり方について研究・検討を不断に進め、「世界一安全な国、日本」を実現します。
  • 中東情勢の激変や国際テロの脅威増大を受け、新設した「国際テロ情報収集ユニット」を効果的に活用しつつ、官邸を司令塔に省庁横断的な情報収集・分析・発信を一層推進し、在外邦人・企業・学校・公館等の安全を確保します。また、警戒・警備体制、水際対策、地域社会との連携等を強化し、国内でのテロ発生を未然に防ぐ態勢を早急に拡充します。
  • 国民が安心してICTを利活用するために、サイバーセキュリティを一層強化するとともに、保険制度など新たな試みを推進します。

地球にやさしい環境

  • 地球温暖化を食い止めるため、昨年取りまとめたパリ協定の実施に貢献します。世界最高水準の気候変動予測技術や環境エネルギー技術の開発に取り組むとともに、わが国の優れた環境技術の海外普及を推進し、世界市場の獲得を目指します。
  • 2030年度26%CO2削減目標達成に向け、全国的な運動を展開し、低炭素型商品・サービスの拡大・創出や、再生可能エネルギーの導入等を進めます。
  • 廃棄物処理施設の広域化・集約化、老朽化施設の更新、余熱利用の推進等を通じ、地域の安全・安心を確保します。また、浄化槽の普及を通じ、暮らしやすいまちづくりを目指します。
  • 食品廃棄物の横流し問題には厳しい姿勢で対応し、再発防止と食品ロス削減の取組みを強化します。
  • 関係国・自治体と連携したPM2.5対策や、化学物質と健康に関する調査等を通じ、国民が健康に暮らせる環境づくりに努めます。
  • 恵み豊かな森里川海を守るとともに、国立公園や世界自然遺産の保全・整備を進め、観光の振興を図ります。
  • 愛護動物の遺棄や虐待等をなくすため、動物取扱業への監視・指導等に努めるとともに、飼い主等への啓発、適正譲渡の推進などに取り組みます。

社会・生活・消費者

  • 法の支配を徹底し国民の権利や国益を守るため、予防司法や国際的な法的紛争対応の支援など、国の訟務機能を強化します。
  • 刑務所出所者等の仕事と居場所の確保など、再犯防止に向けた施策をさらに強化します。特に、薬物犯罪については、医療・保健機関等と連携した支援体制を全国的に整備し、再犯防止対策を強化します。
  • わが国の良好な治安を支える保護司など更生保護に携わる民間協力者の活動が一層充実するよう、更生保護サポートセンターの増設置など支援を強化します。
  • わが党は人権問題として新たに、①ヘイトスピーチ問題、②年齢差別問題、③部落差別問題の3つの課題に取り組んできました。ヘイトスピーチ問題については、「ヘイトスピーチ解消法案」を先の国会で成立させ、年齢差別問題については中間とりまとめを行い一定の方向性を打ち出しました。また、部落差別問題については、「部落差別の解消の推進に関する法律案」を取りまとめ国会に提出しましたが、継続審議となったため、次期臨時国会においてその成立を目指します。
  • 性的指向・性自認に関する広く正しい理解の増進を目的とした議員立法の制定とともに、各省庁が連携して取り組むべき施策を推進し、社会全体が多様性を受け入れていく環境を目指します。
  • 消費者の安全で安心な暮らしを守るために、消費者行政の強化を目指します。
  • 消費者と事業者双方の信頼関係を構築していくとともに、自立した消費者を育成し、公正で持続可能な社会環境をつくります。
  • 高速バス・貸切バス等の一層の安全性向上のため、全国規模の迅速かつ集中的な安全強化策の実施や継続的なフォローアップを通じ、事故の再発防止・利用者の信頼回復を図るとともに、陸・海・空における運輸安全の確保・強化に全力で取り組みます。

Ⅴ.国の基本

地球儀を俯瞰した積極的平和外交の展開

  • 国際協調主義に基づく積極的平和主義のもと、地球儀を俯瞰して戦略的な外交を展開し、日米同盟を基軸に、豪州、インド、ASEAN、欧州など普遍的価値を共有する国々との連携を強化するとともに、わが国の領土等に関し必要な主張を行いつつ、戦略的利益を共有する韓国をはじめ、中国、ロシア等の近隣諸国との関係改善の流れを一層加速し、地域や国際社会の平和、安定及び発展に一層貢献します。
  • 北朝鮮の挑発的行為に対して、制裁措置の厳格な実施と更なる検討も含めた対応を行うとともに、米国議会における拉致関連決議の採択に向けた要請をはじめ、米韓との連携強化や国連への主体的な働きかけなど、あらゆる手段を尽くして被害者全員の即時帰国を実現し、拉致問題の解決を目指します。
  • 北方領土、竹島、尖閣諸島といったわが国固有の領土、歴史認識、積極的平和主義等について第三者機関を新設し、歴史的・学術的な調査・研究の成果を活用するなど客観的事実を世界に示しつつ、平和、女性の活躍、人権等の分野におけるわが国の貢献をアピールするとともに、いわれなき非難には断固反論するなど、わが国の名誉と国益を守るため、戦略的対外発信を強化します。
  • 関係国と連携して国連改革を推進し、わが国の安保理常任理事国入りの実現に向けた取組みを強化します。また、国際機関に対する分担金・拠出金を適切に確保し、その質を高める評価を行い、邦人職員の増強とともに、発信力やプレゼンスの強化に努めます。
  • 国益をより重視した新たな大綱のもと、ODAを省庁横断的に積極的かつ戦略的に活用し、その成果の評価を行い納税者の理解を得られる効果的な開発協力を推進します。
  • 自由貿易や国益に即した経済連携交渉、投資協定・租税条約の締結を推進して、諸外国の活力をわが国の成長に取り込み、力強い経済成長を達成するとともに、国益確保の観点からグローバルなルールの策定への貢献を推進します。また、中小企業を含む日本企業及び地方自治体の海外展開支援を強化します。
  • 多岐にわたる外交課題に取り組み、わが国の国益を確保するため、積極的な議員外交の展開とあわせて、外交実施体制を欧米主要国並みに整備するなど、わが国の外交力を強化します。
  • アジアを中心とした国々において、法の支配やグッドガバナンス(良い統治)が実現し、その国の持続的な成長に貢献するための法制度整備支援に積極的に取り組みます。

揺るぎない防衛体制の確立

  • 北朝鮮や中国の動向を受け、わが国の安全保障環境に地殻変動とも言える変化が生じる中、「不戦の誓い」を将来にわたって守り続け、国民の命や平和な暮らし、領土・領海・領空を断固守り抜くため、関係国との連携強化を含め万全の態勢を整えます。
  • 平和安全法制の施行に伴い、あらゆる事態に切れ目のない対応が可能な態勢を構築するとともに、新ガイドラインのもと日米同盟を不断に強化し、友好国との戦略的防衛協力を推進するなど、わが国の抑止力の向上に努めます。
  • 弾道ミサイル防衛システムの強化や、南西地域への部隊配置等による島嶼防衛の強化など、脅威に対処できる態勢を整備します。
  • 自衛隊の人員・装備の増強など防衛力の質と量を拡充・強化し、統合機動防衛力の構築を目指します。隊員の名誉や処遇の向上にも引き続き取り組みます。
  • 新設の防衛装備庁や防衛装備移転三原則のもと、戦略的に研究開発や友好国との防衛装備・技術協力を推進し、技術的優越の確保と防衛生産・技術基盤の維持・強化に努めます。
  • PKOや海賊対策、後方支援等を通じて、国際社会の平和と安定の確保に積極的に貢献していきます。
  • 平和安全法制により、領域国の同意等のもと、在外邦人の救出が可能となったことを受け、自衛隊の対応能力の向上を図り、邦人の安全確保に万全を期します。
  • 日米安保体制の抑止力を維持しつつ、沖縄等の基地負担軽減の実現のため、日米合意に基づく普天間飛行場の一刻も早い返還を期し、名護市辺野古への移設を推進するとともに、米海兵隊のグアム移転など在日米軍再編を着実に進めます。
  • 基地周辺対策を強化し、再編特措法の延長をはじめ、関係自治体に対する特別な配慮・施策を実施します。
  • 米国政府と連携して、米軍人・軍属の綱紀粛正及び事件・事故防止を徹底するとともに、日米地位協定については、あるべき姿を検討します。
  • わが国の安全保障に資する宇宙利用やサイバーセキュリティ対策を促進し、人材・運用基盤の拡充や研究開発、官民連携・国際連携等を強化します。
  • わが国の安全に関わる対外的な情報収集を専門的に行うため、国家の情報機能と体制を強化します。
  • 尖閣諸島周辺海域での外国公船への対応、遠方離島周辺海域での外国漁船の不法行為に対する監視・取締体制の強化等、海上保安庁・水産庁の体制を強化します。
  • 国境画定の起点等遠隔離島における活動拠点の整備等を推進します。

国民のための真の行政改革

  • 行政機能や政策効果を向上させるという本来の目的に沿った「真の行政改革」を政治主導で進め、受益者たる国民に信頼される質の高い行政を実現します。
  • ビッグデータやICT等の利活用を推進し、マイナンバーを活用した手続きの簡素化等の国民の利便性向上と行政の効率化、証拠=エビデンスに基づく政策立案のための統計データの精度向上等を行います。
  • 国の事業の意義や効果を総点検し、無駄の排除や効率化を求める「行政事業レビュー」の精度を高め、予算のPDCAサイクルを定着させます。
  • 会計検査院のチェック機能を高めるための体制強化等について検討します。
  • 基金や特別会計、独立行政法人についての不断の見直しを行い、その余剰資金等を精査し、一般会計等の財源としての活用等を行います。
  • 多様で優秀な人材が国家公務員としての使命感や誇りを持って、国家・国民のために行動できる体制整備を進めます。
  • データ駆動型社会実現に向けた規制制度改革の司令塔機能を新たに構築し、既存の規制制度の総点検を実施した上で必要な規制改革を速やかに実施します。
  • 人生100年時代の到来を見据え、社会・経済状況の変化による新たな行政需要ならびに社会保障等の制度整備の必要性と既存の行政体系との関係等を整理し、各省庁の業務内容のあり方を検証することにより、省庁再々編を含めた中央省庁改革について検討を進めます。

(道州制)

  • 道州制の導入に向けて、国民的合意を得ながら進めていきます。導入までの間は、地域の自主自立を目指し活力が発揮できるよう、地方公共団体間での広域的な連携の取組みを後押しするため、広域連合の活用、道州制特区法の活用などを検討します。

(家族のあり方)

  • 婚姻時における夫婦の姓や親子関係のあり方など、家族に関わる様々な課題について、国民的な議論を深めます。

(若い世代の政治参加)

  • 選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたことを踏まえ、被選挙権年齢の引下げについて検討します。また、若い世代の政治参加の環境を整え、政治に挑戦しやすいよう、選挙における供託金のあり方や、インターネット活用の可能性等についても検討を進めます。

参議院選挙制度改革

都道府県が、歴史的にも文化的にも政治的にも意義と実態を有している中で、二院制における参議院のあり方、役割を踏まえ、参議院の選挙制度については、都道府県から少なくとも一人が選出されることを前提として、憲法改正を含めそのあり方を検討します。

国民合意の上に憲法改正

わが党は、結党以来、自主憲法の制定を党是に掲げています。憲法改正においては、現行憲法の国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の3つの基本原理は堅持します。

現在、憲法改正国民投票法が整備され、憲法改正のための国民投票は実施できる状況にありますが、憲法改正には、衆参両院の3分の2以上の賛成及び国民投票による過半数の賛成が必要です。

そこで、衆議院・参議院の憲法審査会における議論を進め、各党との連携を図り、あわせて国民の合意形成に努め、憲法改正を目指します。

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