開催日 :平成27年8月5日
講 師 :野田聖子 前総務会長
テーマ :「女性が輝く社会の実現に向けてIII −真の女性の活躍とは--」
司会進行:北村経夫 参議院議員
8月5日(水)、第3回まなびとwomenが開催されました。今回も中央政治大学院副学院長の北村経夫参議院議員の司会進行により、講師には、前総務会長を務めた野田聖子衆議院議員を迎え、「女性が輝く社会の実現に向けてIII −真の女性の活躍とは--」と題して講演を頂き、その後、参加者とディスカッションを行いました。
野田議員からは、「私は32歳で国会議員に初当選した。そして『子どもの権利を守る』ことをワイフワークにしようと思い、今日に至る。しかし、守るべき子供の数が減っている。皆、言葉ではわかっても、ピンとこないことが、『少子化は国を滅ぼす』ことに直結している。そして、少子は40年前から指摘されていたが、見ないふりをしてきてしまった。この10年間位で大きな問題となっているが、遅きに失した感がある。しかしやらないよりやった方がましだ。少子化の原因について、色々と聞くものの、これだという原因はわからない。国家による家族形成の根本が間違えたのかもしれないし、女性が戦後、教育をつけられて文字通りの自立を果たしているからかもしれない。本来、政府与党たる自民党は、国民に夢と希望を与えなければならないが、少子化による国家の衰退、国家の崩壊がわかっている以上は、夢や希望は語れない。その代り、真実は語るべきだと思う。
若い人が少なくなっている現状で、現役世代が高齢者を負担する賦課方式の年金をはじめとする社会保障制度も、大幅に見直さなければ、制度そのものの維持も困難だ。そもそも、人口が増え続けている前提で年金制度が成り立っているので、その根本が成り立たない。そして今、女性の社会進出というが、要は多様性(ダイバシティー)を受け入れるかどうかの過渡期にきていると思う。多様性とは、自分と違う価値観を持つ他者を受け入れるというっことだ。女性の社会進出や活躍も、そうした流れから考えないと成り立たない。数年前まで、官僚や企業の採用試験を行うと、テストだけでは女性が優秀だとなる。しかし、面接で落とす結果、男性が多く採用されている。これは、女性を軽視しているわけではなく、やはりそうせざるを得ない社会手にな状況が背景にあったのだと思うので、女性自身の考え方を変えないと、女性の活躍は望めない。また、国の衰退を食い止めるために、経済を成長させなければならないが、その要素の中核は個人消費だ。これが国の経済の6割を支えている。しかし、少子化と人口減では、個人消費も落ち込む。そこで、日本は1700兆円近い個人金融資産があるが、その6割以上が65歳以上の高齢者が持っていて、高齢者はそれほど、消費しない。その資産の循環を真剣に考えないと、消費を支えるべき若い世代も消費できない状況になっている」と解説されました。
講演後には、参加者と野田前総務会長、北村参議院議員も加わり、ディスカッションが行われ、「女性の議員を増やすためにはどうしたらいいか」「女性の活躍と言っても、世代によって異なるのでは」「諸外国の事例」などについて、闊達な議論が開陳されました。