第30回まなびとプロジェクト（憲法スペシャル：講座①・講座②）を開催しました

　5月31日（木）、6月1日（金）の両日、第30回まなびとプロジェクトが開催されました。今回は「憲法スペシャル」と題し、4月28日の主権回復60周年を記念して自民党が発表した「憲法改正草案」について、2夜連続で4講座実施しそれぞれの分野についてのポイントを分かりやすく講演頂きました。

　講座に先立ち、中央政治大学院長の古屋圭司衆議院議員が挨拶に立ち、「わが党は憲法改正が立党以来の党是です。野党に転じ、谷垣総裁の下、伊吹文明先生を中心にまず、新しい綱領を策定しました。そこには、進歩する保守主義として、世界に貢献できる新憲法の制定をめざすと明示された。そして、その新綱領に基づいて主権回復60年に当たる4月28日憲法改正草案を作り上げました。その中で特に、現行憲法では一旦緩急の際には対応が出来ない現実を直視し、安全保障や尖閣等の領土問題、教育等にも対応できていません。日本をまともな方向に進めるために、我々はこの憲法改正の成就のために、皆さんと一緒に頑張って参りたい」と述べられました。

　講座①　講師：保利耕輔　自民党憲法改正推進本部長
　自民党憲法改正推進本部長の保利耕輔衆議院議員より、「憲法改正のポイント」と題して講演されました。保利本部長からは、「自分は昭和9年の生まれで太平洋戦争を体現しています。その後の占領と現行憲法の制定から戦後の時代を直接、体験して来た思いと今回の憲法改正案の議論を重ね合わせる思いもありました」と戦中、戦後のご自身の体験を冒頭に述べられ、以下、①「ポツダム宣言―マッカーサー草案と現行憲法―」②「現行憲法の問題点　前文と安全保障」③「緊急事態条項」④「天皇、国旗・国歌について」⑤「国会のあり方―一院制か二院制か―」⑥「改正条項、現行憲法96条」⑦「憲法審査会と国民投票」などについて、分かりやすく解説されました。そして保利本部長から最後に、「平成17年の立党50年を記念して策定された憲法改正案を基に54回もの議論を重ねてまいりました。更に昨年3月11日におきた東日本大震災・大津波・原発事故といった危機管理が問われたことが、党内での議論をより積極的なものにしたことは間違いありません」と、丁寧な議論を重ねたプロセスについても述べられました。

　講座②　講師：佐藤正久　参議院議員
　佐藤正久参議院議員より、「憲法9条の改正、国防軍の役割」と題して講演されました。佐藤議員からは、「わが国は当たり前の議論をしてこなかった。緊急事態条項を今回の改正案に盛り込んだが、東日本大震災がきっかけとなったのは言うまでもありません。しかし本来、敵国が攻めてきたらどうするかを前提にしています。しかし、現行憲法では、我々の生命や財産を他国に委ねているわけです。新憲法草案では、『わが国の平和と独立並びに国民の安全』と書かれていますが、国家の独立があって初めて平和が保たれるわけです。そして義務があっての権利、責任があっての自由があるはずです。ここが戦後67年でブレてしまっていると思います。また、憲法改正草案では『国防軍』と書きました。その『国』とは国民だけを指すものではありません。国家、国柄などの全ての国を意味します。つまり国防軍は、国家の独立と平和だけを守るのではなく、日本国の伝統や文化をも守るのです」と、国防軍の意味や役割について解説されました。