開催日:平成23年12月8日
講師:義家弘介参議院議員
テーマ:「日本のあり方を考える―教育問題(特に教育現場の実情)の解決に向けて―」
11月24日(木)、中央政治大学院主催 第3回まなびとスコラを開催しました。義家弘介参議院議員を講師に、「日本のあり方を考える―教育問題(特に教育現場の実情)の解決に向けて―」について講演され、その後、ディスカッションを行いました。当日は、まなびとスコラ登録者中、30名のビジネスマンや大学生が出席しました。講義で義家議員からは、教育現場での様々な問題点や日教組の諸活動などについて豊富な資料を例示され、問題点の本質とその解決に向けた方法などをお話し頂きました。参加者からは、盛んな質問が義家議員に寄せられるなど、盛んな意見交換を行いました。
義家弘介議員の発言要旨と質疑応答については以下の通りです。
◎歴史の教科書に何が書かれているか
私は今も高校で現代社会を、そして大学で教師を志す学生達のゼミを担当しながら政治活動をしています。社会科の教科書に国家についてはどう書いてあるのか。どういうものを国家とすると書いてあるのか。疑問を抱くものばかりです。
中学校の歴史の教科書で最初に出てくるのは「人類の起り」です。猿人から類人猿になり、新人になるというダーウィンの進化論です。進化論自体が正しいのかどうか議論ある中で、公教育の一丁目一番地に出てくるわけです。ダーウィンを使うのならば、本来、理科の教科書だと思います。国の起りから書いていなければ、歴史の教科書としておかしいわけですが、国の起りは一切書いていない。ダーウィンの進化論が終わったら、四大文明で多くの教科書は、中国の黄河文明だけで触れています。世界最古の土器が青森県から出土していることは、現時点で一切書かれていません。その後、縄文時代、弥生時代、渡来人が日本の礎を作ったと書いてありますが、日本で一番最初に教科書に出て来る日本人は「卑弥呼」です。しかも日本の歴史の中には卑弥呼が存在した記載は一切なく、魏志倭人伝の中で、つまり中国の歴史書の中に出てくるものの引用です。しかも名前の字を見たら「卑しい」と呼ばれる女、邪馬台国は邪道だと、つまり大国史観の記載をそのまま引用しているのであって、日本の歴史書の引用ではないのです。だから邪馬台国がどこにあるか、日本では分かるわけがありません。嘘かもしれない外国(中国)の文献がそのまま教科書にでてきます。いかに日教組が教科書作りに圧力をかけているかの一例です。
日本の歴史の教科書に最初に出てくる国名は「倭奴国」です。「倭」というのは中国ではせせこましい、小さいという意味。「奴」は奴隷、属国と言う意味で、倭奴国王は金印をもらったとあります。しかも日本で一番最初に出てくる天皇は推古天皇です。推古天皇の前は天皇という尊号ではなくて、大王、大君という名前が出てきて、いきなり推古天皇という女帝が出てくる。今の子供達が国際社会に行って、2671年連綿と続いてきている日本の天皇制について、最初の天皇を聞かれたら、真面目に勉強して、先生の言う事を聞いていた子供達はみんな、推古天皇と答えるでしょう。なぜならそれは教科書に最初に出てくる天皇だからです。自分で関心を持って調べない限りこういうことになるわけです。果たしてこれが公教育の教科書でいいのかという話になるわけです。皆さんはあまり疑問を持たずに勉強されたかと思いますが、私はものすごい疑問を持って、大人になり、一人の社会人となり、教師となって検証しても、どう考えてもおかしい教科書が当たり前のように我々に与えられて、何も知らない子供達に教えているわけです。
◎日教組の教育方針について
私は教員時代に日教組の方々にものすごい批判をされた事件がありました。自民党森内閣の時、森元総理が「日本は天皇を中心とした神の国」という発言をされ、失言としてニュースやワイドショーで叩かれました。あの時、私はちょうど政治の授業をしていましたので、黒板に「天皇を中心とした神の国」と書いてどこが間違いなのかと生徒に言ったのです。日本は、連綿と続く天皇制で、それを補佐する支配階級が貴族から武士になったり色々と代わっても、他国では国王を殺して新しい国家を作り、民族を追放して新しい国家を作ったりしていますが、日本の天皇家・皇室は遥かに長い歴史があり、日本はずっと天皇を背骨に抱きながら、その時代ごとに支配階層が代わっても歴史を紡いで来た、世界の奇跡の国です。そしてこの国は、歴史的に八百万の神々、全ての物事に神が宿っている、トイレにも神様がいる、庭木にも神がいる、あらゆるものに神様がいる、全てと共存しながら生きて行こう、全てを大切に生きて行こうと、歴史を紡いで来たのです。これが日本ではないのか。どこが間違いなのかと説明しました。その後、左翼系の教師たちから社会科準備室に呼ばれ、「お前は戦争ができる国を作ろうとしているのか」と聞かれました。私は「どうして事実を歪曲するのか。天皇制は日本の歴史でなくなったことがあるのか。八百万の神の国ではないのか。本当に真の教育者だったら日本の歴史を、当たり前のことを当たり前に教えるのが大事ではないのですか」という話をしました。当時の政治家も含めて、あの時は誰も森総理を擁護しませんでした。日本は天皇を中心とした神の国であるのに、身内の自民党からも適切な発言が無く、失言だったということで、内閣支持率が消費税のように10%を切るわけです。一体この国はどうなっているのかと思いました。正しい事を言って叩かれる国家って何なのだろうと思いました。自民党は本来あるべき姿を失って、ポピュリズムに走ってしまった結果、政権を失ったのだと思います。
◎国家の3要素(領土・国民・主権)は日本にあるのか
社会科・現代社会の教科書には、国家とは何たるかが書いてあり、3つの要件が国家には求められるのですが、1つは「領土」(国際社会の中で認知されている)があること。その領土に暮らす人々がこれは国なのだという誇りを持っている「国民」がいること。そして自分たちの事は自分たちで決めるという「主権」が存在することです。この「領土・国民・主権」の3要件が揃った時に国家が成立するというものです。
戦後日本は3要件がある国家だったのでしょうか。例えば領土問題。北方領土は当時のソ連に占領され不法占拠されています。世界中の地図を国会図書館から探して検証してみました。アメリカ国務省の地図でも色分けされて、ロシア領になっていました。一方、日本領となっている地図は、中国の地図に多かったのですが、日本の領土になっているところは、このように書かれています。Occupied by Russia since 1945,claimed by Japan. 和訳すると、「1945年来ロシアに占領されていると日本が言っている」と書いてあるのです。これに対して抗議しない国は一体何だということを沖縄北方委員会で聞いたところ、外務省は、昭和50年代は世界の地図を見て調べましたが、今は何十年も行っていないと牧歌的な有様です。これは竹島の問題しかり、尖閣の問題しかり、領土を曖昧にしているのです。
国民にしても永住外国人の地方参政権が議論されていますが、憲法で選挙権は我が国、国民の固有の権利なのに、なぜ選挙権・被選挙権が帰化していない外国の方に議論されているのでしょうか。国民の定義さえ、残念ながらこの国家は結論が出ていない。憲法には規定されていますし、判決も出ていますが、政治のレベルで言えば、国民とは何たるかという定義さえ明確に示していないのです。
主権もそうです。尖閣事件で日本に主権はあったのでしょうか。あるいは今回のTPPに関しても果たして主権はあるのでしょうか。
以上のように教科書で教えている国家の3要件をきちっとした国家として日本が持っているのかというと甚だ疑問です。自分の国を自分で守る事すらできない、日本は小さな極東の島国だとテレビでも言っています。しかし、日本は排他的経済水域を入れたら、世界6位の大国なのです。だとしたら、その海域を守る事が日本の生命線なので、少なくとも海軍を持っていないとおかしいです。海上自衛隊、海上保安庁が全てを警備するということ自体がまやかしで、その根幹についての議論も戦後65年間、まともに行って来ていないから、尖閣事件や竹島の問題が起きるわけです。根幹となる憲法問題にしても、占領政策下で成立した法律は独立した後、無効になる等の主張をしていますが、日本国憲法は60年以上放置したのだから時効取得で、無効だと騒ぐのならば、1950年代に騒がなければならなかったのです。今更のように西暦が2000年を超えて、無効だから憲法は意味がないと言っても、国民が憲法として受け入れている以上、それをどうするかという議論からスタートしていかなければならないと思います。
◎国家3要素の前提となるもの
国家3要素論は本来、国会で行わないとなりません。それを守るための大前提がいくつかありますが、まず食料問題。私は自分の国の国民を食べさせられなかったら国家として成立しないと思っています。TPP大丈夫なのでしょうか。米には778%関税がかかっています。仮に撤廃することになると、いざ有事となったら国民に食べさせられません。例えば何故大東亜戦闘に突入したのかを検証すると、日本に輸出規制をかけて、鉄鉱石や原油を輸出しなくなった結果、このABCD包囲網によって日本は戦争へ突入してしまったという歴史からも、少なくとも自分の国民が食べられる政策をした上で、TPPをどうするかという話をしないといけないと思います。これもアメリカから言われたから、仕方なく、これから意見を反映させていくということですが、愚の骨頂です。
2つめは、国家があったとして、前提としなければならないのはエネルギーです。原発の事故は深刻だったので、あのような事故が起こると、反対運動が起き、日本人は完全にポピュリズム化しているので、政治家は脱原発・再生可能エネルギーという話になる。これも現実に考えれば、資源のない我が国が、発展した先進国としてエネルギー政策を堅持しなければ、本来、脱原発・原発に頼らない社会は理想かもしれないけれども、政治家は現実を見据えて、世界一安全な原子力発電所をどう模索して行くのか具体的に議論しなければならないのです。この国の国民は、原発は気に食わない一方で、計画停電になったら、計画停電も嫌だと言います。一体、どうしろと言うのかです。
3つめとして、防衛・安全保障問題ですよ。領土を守るためには安全保障をしっかりしなければならないのに、結局アメリカに全部頼って、自分たちの領土を自分たちで守れない。己の身を己で守れないで、自立しているなどとは教育の世界で言えません。日本も国家としてどう自分の国を守っていくか、具体的政策がなくてはならないのに、アメリカの傘の下でまともな議論もせず、防衛費に掛けるお金を全部経済政策に投入したので、経済的には豊かになり、先進国になりましたが、果たして良かったのか、検証をしなければならないと思っています。
そして国家を支えて行く上で、最も大切なのは教育です。どういう国で、どういう方法、どういう担い手として子供たちを育てていかなければならないのか。まともな教育というものを行っていかなければ、まともな国家の存続はありえないですよね。
これらの前提となる議論を国会でやっていたら煮詰らないかもしれませんし、言葉だけでごまかすこともできます。しかし、これをしっかり確定しない限り、国家の再生はありえないと私は思います。それができるのは自由民主党しかないのです。
◎学校現場の副教材について
必ず日教組問題の話をするときに、「昔は日教組はひどかった。今は組織率も減っていて、それほど過激な活動をしていない」と、言ってごまかす学者や評論家がいます。評論家たちにとっては、組合員を動員してくれるので、非常に大事になってきます。つまり地方に講演に行ったら、先生方が大量に来てくれるので、講演会がなりたつのです。政治家もポスター貼りを手伝ってくれるから大事にします。しかしこの数年間で、「こんなおかしな取り組みから、私たちを開放させてください」と言って、教育現場から日教組の組合員が色々と届けてくれるのですが、日教組を脱会したら、人事介入や冷遇などをされるので、脱会もできない。だから先生方は日教組の組合費は、月々1万円ぐらいですが、これは教師生命保険だと言って、何かあった時に助けてもらえる保険として、仕方なく納めている。しかし本音では、もやっていられないと、資料を届けてくれるわけです。
小学校1・2年生の副教材・性教育の資料です。本来倫理を教えなければならない時期に、性への興味だけ押し付けている例です。男女は同権ですが、性差はあります。小学校の着替えは男女一緒に着替えさせ、幼稚園だとパンツ一丁でグラウンドを走らせています。その結果、夏の渋谷をあるいて見て下さい。恥じらいのない売春婦のような格好をした女子が現れるのも当たり前でしょう。
それから次に保護者にもらった資料を紹介します。今年の春、小学校1年生の授業で行われた資料ですが、「私の体を知ろう」。目とか髪とか鼻とか書いてあってまたワギナ、ペニスですよ。日教組では性教育をしっかりやっていこうと言っていますが、これを小学校1年生に教える教師の感覚に理解に苦しみます。日教組が作る副教材は、女性が下で組敷かれていると、差別にあたるとして女性上位なのです。完全に常軌を逸していると、まともな人なら思うはずです。これが教育のがんでなかったら何なのですか。しかし、保護者は、子供の点数には興味があっても、子供がどんな中身の教育をされているか、全く興味がないのです。だから結果的にこんなものが放置されているのです。
◎各県の日教組教育
1.大分県の場合(組織率90%超)
「建国記念日は、日の丸・君が代を統制して、国家を戦争に駆り立てた記念日で、建国記念の日は、戦前は紀元節と呼ばれ、大日本帝国憲法もこの日に合わせて作られたものであり、戦争に繋がるもので、戦争を賛美する日」だと、学校の教師が平然と教えています。2.11の指標統制の試案について、「小学1年生に対しては一部の人の意見に動かされるようになると、たくさんの人の幸せが奪われてしまう。2年生になると一部の意見に動かされるようになると、自分の考え方が出せなくなるだけでなく、たくさんの人の幸せが奪われてしまう。3年生になってくると戦時下の学校生活の様子を知り、天皇制と深く結びついた事を教える。4年生になると戦時下の国民生活が、天皇制の影響下にあったことを知り、多くの人の苦しみに気づくようにする。5年生になると絶対的な天皇の力により戦争を起こされ、多くの人たちの命が奪われたことを知る。6年生になると日の丸・君が代が果たして来た役割・天皇制の問題点を教える。」とあります。こういった左翼活動は市民活動家としてすることで、公務員が税金で公教育の場で教えるべきではないと思います。
2.兵庫県の場合(日教組の政治団体・日政連から大臣補佐官と厚生労働副大臣が選出)
教頭はここ数年、教頭任用者の殆どが組合出身者です。組合が人事介入していますというビラを配っていて、人事権を持っているから組合には先生方が誰も逆らわれなくなっているという事実です。また私が指摘したので止めましたが、法律で禁止されているストライキを画策していました。ストライキ中に生徒達に次のような説明をするように、文章まで配られていました。「先生達は組合で給料や待遇を決める交渉があります。この交渉で先生達が納得できないならば、先生達は明日の朝2時間の集会に参加します。その場合、みなさんには校長が指示しますのでそれに従ってください。納得できるようであれば普通に授業を行います」と。また当日は、組合員は一斉待機、無断で不参加の場合は救護対象にならない、身体的理由で集会参加が困難な場合は、集会参加者と合流してから職場に復職することとし、どんな理由があっても一緒の行動を取らなければ、仲間外れにしますと言うマニュアルまで出しています。
3.山梨県の場合(日教組のドン輿石東議員の地元)
昨年の夏の参議院選挙の際には、輿石東の民主党に指示を求める文章を自分の小学校の封筒に直筆の文字を書いて、指示をお願いしますというビラを配っています。同じく携帯電話に名簿に載せる名前をだけ貸して欲しいというようなメールも送っているケースもあります。
4.三重県の場合(中川正春文部科学大臣の地元、日教組組織率約100%)
1939年の創氏改名令について、韓国語抹殺の言語政策が行われ、金は「金田」「金本」、田は「田中」「福田」、辺は「渡辺」、林は「大林」、張は「張本」、高は「高橋」「高山」になったと、平然と教えています。また外国人の犯罪は現在日本で行っている犯罪の1.42%だから、外国人が犯罪を犯すのは嘘だ、外国人は素晴らしいということを独善的に教えています。日本人とは何たるかを教えないで、外国人は何たるかを教えている訳です。
5.横浜市の場合(日教組の組織率80%以上)
3年前の採択で教科書研究会という名前で、新しい教科書でどう教えるかという裏マニュアルを出していた。採択に基づいた教科書を使うのは教師の義務なのに、「二宮金次郎は国民教育に一役買ったとんでもない銅像で撤廃すべき」。「赤穂浪士は暗殺事件なので美談にする日本人はおかしい」。「天照大神は女帝で皇室の先祖神にあたる女系天皇について云々」という内容は、全く違った資料を使って授業をしているわけで違法になります。また、学校ポストという学校間の郵送に使う税金を使って、この資料を全教員に配布しました。組合による公費横領です。
6.北海道の場合(北教祖問題)
3月3日に鳩山元総理に勤務時間中に組合活動をしている内容のFAXの追及をしたら、翌日、「提出物の確認と自民党からの組織破壊攻撃を許さない当面の取組について」という文章を出しています。内容は、自民党は日高支部に対して手に入れたFAX 送信表「日の丸・君が代方針案」を物証として、「国会での義家による追及、道議会の追及を一気に強めています」という内容の文章を出していました。「日の丸・君が代の卒業式での方針は変えない。報道機関にはノーコメントで対応徹底するように指示し、これからは基本的には郵送・電話で行う、FAXでは行わない」との内容を作成しています。
以上のようにとんでもない状況が現在の公教育の現場で起きています。公教育とは何のための教育なのかという問題にも直結していると思います。皆さんと今の教育問題について考えたいと思います。
○質疑応答
Q1:昨年PTAの会長をした。先生達が子供達に気を使い過ぎ、注意すべき時に注意しないのは何故か。(中3と小5の親)
A1:義家弘介参議院議員
教師の権威の問題。先生というのは特別な人達で子供達の為に奉職しているという権威を、日教組自身が「自分たちが労働者だ」という運動を展開して行った結果、失ってしまった。そしてマスコミの影響を受けすぎて、いじめの問題などで学校現場がモンスター・ペアレンツを作っているのではないか。またPTAの集会は、校長と教頭とPTAの担当だけで、担任の先生が休みの権利を主張して出てこない状況なので、このことも保護者と先生がうまく行かなくなる一つの要因だと思う。
Q2:体罰についてどう思うか。
A2:義家弘介参議院議員
体罰はするが反対です。教育は生徒全員に同じようにしなければなりません。全員に同じようにできる自信がある人だけ体罰を肯定すると言ってもいいと思います。いけないことではあるけれども、自分の責任でもって、時には体をはって教えなければならないこともあると思います。
Q3:勉強する喜びを感じられない子供達について
A3:義家弘介参議院議員
そもそも教科担当はその学問の素晴らしさを伝えるのが第一義。自分の教える教科に誇りと喜びを持てず、教師が嫌々授業をしているから、そういうことになるのではないか。戦後の日本は伝え方が全て自虐的で、マイナス思考的なところから教育が発展していっているように思う。喜びが語れないのは政治家も一緒。政治家は忙しくて、大変で、苦しくてという人が殆どで、議席を預かって、立法府で動けるという喜びを、目をキラキラさせて話す政治家はいないから国民が信じないのと同じ。
Q4:教師の質についてどう思うか。
A4:義家弘介参議院議員
第二次ベビーブーマー世代は、「でもしか」先生などが大量にいたため先生の質は変わっていない。いい高校に入り、いい大学に入り、いい企業に入ればそれなりで幸せな人生が保証されるという、教育を支えてきた社会神話が崩壊してしまった。以前、先生達は魔法の杖を持っていて、高校行けないぞ、内申書に響くぞといって、生徒と接せずに、一定の距離を持って畏怖観を刷り込めば良かったが、バブルが崩壊して、その神話を支えなくなってしまった。教師の指導力を高めるために「教員免許更新制」というものを導入した。教師のスキルや指導力を高めるのが新時代の教育の課題。
Q5:戦争に対する考えや結論を出す必要があるのではないか。
A5:義家弘介参議院銀
歴史というのは多面性があり、多面的に判断したら善悪の判断ができなくなる。一方でこの国の議論は悪の議論しかできない。なぜなら敗戦国なので悪としか言えない。例えば、大臣が善と言ってしまったら、大臣は罷免させられてしまう。世論がむしろ喚起してくれればいいと思うが、自虐的な歴史観で育った優秀な子達は議論に興味がない。
Q6:.教育は情報収集という知識を得て、自分で考え判断するようなパラダイムシフトにするためにはどうすべきか。
A6:義家弘介参議院議員
私は逆の考え方を持っていて、世の中で一番怖いものは無知だと思った。知恵は知識となるベースがないと出てこない。基礎となる知識をどれだけ手に入れることができるかは初等中等教育においてマストだと思っている。今の質問のような教育は高校からであればいいと思うが、初等中等教育と高校・大学教育は分けるべきだと思う。対応力・テクニックを身につけるという実学としての教育は必要だと思うが、その根底には道徳がなければならない。根底として正義とか確固たる信念を教えた上で、手段として様々なものを使っていくのかということが必要だと思う。
アメリカが一番注目している業界は福祉と教育で、日本だったら安定的に顧客として1学年に100万人いるので、ビルゲイツもソフトバンクもIT化を進めている。しかし、教えてもらえなければわからない人間になってほしくない。自分で苦労して探すという無駄なことを安心させてやらせる教育が重要な事だと思っている。過去の日本の企業は教育機能を持っていて、人ひとりを教育して育てていたが、今はそういうことも無くなっている。パラダイムシフトとして、逆の意味で昔の日本型企業経営に戻るべきだと思っている。自分の能力を高めてくれて、利益はなくても自分の企業を愛する心を育てる経営は本当に素晴らしいと思う。国に対しても、愛国心があれば歯を食いしばって未来に希望を持って生きて行くこともできると思う。
Q7:日本の教育を変えるためには日教組を変えるべきなのか、つぶすべきなのか、どうすべきなのか。
A7:義家弘介参議院議員
教育基本法が安倍内閣で変わったけれども、根幹法が変わっただけで、関連法は変わっていない。教育基本法を変えた責任政党として、関連法を変えて行くべきだと思っている。日教組がいけないと言っているのではなく、違法な活動がいけないのであり、それを是正させればいいと思う。このことについても法案を国会に提出している。教育公務員の政治活動と子供を巻き込んだ偏向教育に罰則規定を、そして地域の人事委員会に毎年収支報告を会計監査に出すことを義務付けること等、「新教育3法」と位置づけて進めている。
もう一つは6・3・3制の解体。私は4・4・4制、小学校1から4年生までの初等教育、小学校5年生から責任を持った教科担任制にすべきで、小学校5年生から中学校2年生までが前期中等教育、これによって高校受験の仕組みが抜本的に変わり、中学3年生から高校2年生までが後期中等教育。残り18歳までがモラトリアム期間として、留学する、高校へ残る人は残って補習を受け、進学する人は飛び級で行ける、奉仕活動する人は活動するというギャップイヤーとして位置付けてはどうかと考えています。このことをする事によって、日教組は小学校の先生がほとんどなので崩壊します。この明治以来の「学制の改革」をするか否かは自由民主党の力量がためされるところだと思う。
Q8:どうしたら制度を改革できるのか。
A8:義家弘介参議院議員
やはり世論だ。政治家が命をかけて、世論がもりあがったらできると思う。絶対正義だとして解散総選挙をする。一国のトップが教育にそれぐらいの覚悟を持つのは当たり前だと思っている。私は日本人の99%がおかしいと言っている教育を政治家が放置するのはおかしい。私は日本の未来に希望を持っているので教育をテーマに解散総選挙してもいいと思う。