interview 03

憲法改正へのアプローチ

鈴木隼人議員 学生部長 衆・東京10区

20年後の社会の姿をイメージしたとき、まず今やっておくべきことはなんだと思いますか。

先ほどの議論で、仕事や家族のあり方を含め、ライフスタイルの多様化が多くの方から指摘されました。そうならば、今ホットな話題ですが、私は日本国憲法をどうするかが大事になっていると思います。さまざまな選択肢があるなかで、安全保障だったり、社会保障や教育の問題だったり、日本はこれから何を大切にして進んでいくのか、一本の軸をつくって国の内外に知らせなければならないのでは。

土井 紫さん 愛知県連学生部長 名古屋大学3年
佐々木紀議員 青年局長代理 衆・石川2区

憲法について自民党の議員のなかには、伝統的な家族観を大事にすべきだといって「家族の助け合い」を新たに盛り込むべきだという意見もある。一方で、憲法の規定は最小限にして、個人の生き方をなるべく縛らないほうがいいという考えもあります。

私は土井さんの問題意識には同感ですが、憲法がスタイルを定めすぎるのはよくないと思う。自由や多様性は尊重されるべきです。ただ、今の憲法には明らかに時代に合っていないところがあって、たとえば、大地震が起きて国じゅうがパニックになっているときどうするか決めるべきでしょう。

鈴木馨祐議員 青年局長 衆・神奈川7区
滝波宏文議員 青年局長代理 参・福井県

れと地方の衰退を防ぐという観点からも、参議院の「合区の解消」は重要です。つまり、これまで一県に少なくともひとりの参議院議員が選出されていたのに、前回の選挙から人口の少ない県の選挙区が統合されてしまった。愛着のある故郷や国土の代表がいない国会でいいのか、国のあり方が問われる問題です。

では20年後に描く自分の夢を実現するために必要なことは?
これは議員にうかがいます。

鈴木隼人議員 学生部長 衆・東京10区
吉川ゆうみ議員 国際部副部長 参・三重県

私は、若いうちにもっと失敗の経験をするべきだと思う。ふだんの生活でできないのであれば、失敗から教訓などを学び以後の人生に役立てる「失敗学」を教育の中に取り入れたらいい。大手化粧品会社の人材教育の責任者だった方がある女子大で教えていて、学生にビジネスアイデアを出させるのですが、どんな提案にもまずはダメと言って却下するそうです。すると学生たちは泣きながら何回も出してくる。こうした修羅場を乗り越え、1年間の授業でハートが随分強くなり、代替案を考えることができるようになるそうです。

私がおすすめしたいのは、健全な思い込みと健全なうぬぼれ(笑)。自分がやりたいことは、最初は思い込みで、自分に対する自信はうぬぼれなんです。でも、これがないと一歩踏み出すことはできません。

鈴木馨祐議員 青年局長 衆・神奈川7区
吉川ゆうみ議員 国際部副部長 参・三重県

その条件に、私はピッタリだったかも(笑)。最初、国会議員になると宣言したとき、知り合いもいないくせにと笑われました。でも私は、学生時代から環境や農業、食の安全といった自分のテーマを決めていて、そうした仕事のキャリアを積むなかで、問題解決には立法府に入って国の法律や制度を変えるしかないと考えるようになったのです。そして言い続けることで道はだんだん開けてきました。

私の場合は逆に、どういう仕事に就きたいか、何をやりたいかといった目的意識を持つことなく学生時代をすごしてしまった。今思うと、もったいなかったし、可能ならもう1回やり直したいと本気で思います。卒業して会社に就職するという道は選ばず、起業して友人と輸入ビジネスを始めました。もちろん、そううまくいくはずもありません。月5万円ほどの売り上げしかなくて、どうすればいいのかと毎日考えていました。ただ、そうした修羅場の経験は今の自分の力になっていると確信しています。

佐々木紀議員 青年局長代理 衆・石川2区

※この座談会は平成29年12月18日、自由民主党本部にて行われました。

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