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月刊誌「りぶる」 1月号より

スペシャルインタビュー
河野太郎 広報本部長に聞く

河野太郎 広報本部長に聞く
3本柱を立て広報活動を展開

河野太郎 広報本部長

広報本部長に就任した河野太郎衆議院議員に、党の広報の在り方、来る参議院議員通常選挙に向けた広報活動などについて聞きました。

取材日:令和3(2021)年11月19日
※取材は、感染症対策を十分に実施した上で行っています

次の参議院議員通常選挙に向け、発信力を強化
デジタル力、海外メディアへの対応にも力を入れる

―広報本部長に就任され、党の広報をどのように展開していくお考えですか。

河野10月1日に広報本部長に就任し、その後すぐに衆議院議員総選挙が始まって、慌ただしい日々でした。選挙戦が終わってようやく落ち着き、これからじっくりと新たな広報本部を立ち上げていこうと思っています。
 党の広報活動の主な方向性を次の3本柱で考えています。
 一つ目は、令和4(2022)年夏に行われる参議院議員通常選挙対策です。次の選挙戦に向けて自民党としての発信力を、さらに強化していかなければなりません。
 二つ目はデジタル力です。衆議院議員総選挙では、応援演説をしながら各地を走り回りました。日頃からSNSを活用している候補者は、私が「応援に行く」と予告すると、その情報をかなり広めてくれました。しかし、SNSを使っていない候補者の所は、短い期間にどれだけの有権者に伝わっていたのか正直分かりませんでした。今後はデジタルを駆使し、その瞬発力を生かした広報を展開していくべきだと感じました。
 実際、SNSをやっていない議員は少なくなく、たとえやっていても使いこなせていない人がいます。SNSを使った情報発信は、国会議員はもちろん、都道府県議会議員、市町村議会議員にとっても大事ですから、党としてサポート体制をしっかりと構築してまいります。
 三つ目は海外メディアへの対応です。自民党はこれまで、海外メディアをあまり活用していませんでした。国際社会において日本の存在感がますます強くなる中、今こそ自民党を世界に向けて発信していく時だと考えています。
 海外メディアは、時として日本の実情と異なる内容や、やや斜に構えて報道することがあります。党の広報本部が積極的に海外メディアに情報発信することで、正確な報道につなげていく狙いもあります。
 欧米はもちろん、今後は東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々の地元メディアにも情報を発信していければと考えます。日本への観光客が多いシンガポールやマレーシアなどに、観光情報にプラスして、政治や経済の情報も伝えていきたいからです。

河野太郎 広報本部長

政治と国民がコミュニケーションを取り
政治に対する信頼を回復していく

―広報活動をする上で、大切にされていることは何ですか。

河野分かりやすく説明することを心掛けています。
 例えば、新型コロナワクチンの時は、とにかく情報をたくさん国民に出すことを徹底しました。メリットもデメリットも隠さずどんどん伝えたことが、成功の一つの鍵だったと思います。広報活動も同様に、情報をどんどん出し、政策を分かりやすく説明してまいります。
 振り返ってみると、政策決定の背景や目的がうまく国民に伝わらず、批判されたことがありました。
 例えば「特定秘密保護法」が制定された時、メディアなどで大きく反発されました。しかし、あの法律がなければ、今、北朝鮮のミサイル情報は関係各国と共有できていなかったでしょう。結果として、日本国民を危険にさらすことになりかねませんでした。やはり、その政策が必要な理由を、丁寧に分かりやすく説明していくことが大事だと思います。
 また、政治と国民の間で、しっかりコミュニケーションを取ることも大事にしています。これによって政治に対する信頼回復につなげていきたいと考えます。
 しかし、党の情報発信力はまだ弱いと感じています。さらなる強化に努めた上で、われわれが発信した情報に対する国民の皆さんの声をどう受け止めるのかを次のステップとして考えていきます。

―具体的には、どのように情報発信を進めますか。

河野党が発行する女性誌『りぶる』や機関紙『自由民主』、そしてインターネットは、メディアを介さず国民に直接説明することができます。その中で『りぶる』は、女性にターゲットを絞って情報を伝えられる貴重なツールとして、今後も重要な媒体になってきます。
 性別や年代など、各媒体のターゲットをしっかり見極め、それに合った情報を発信するとともに、われわれが投げたボールをたくさんの人に打ち返していただくには、購読者、視聴者をもっと広げていく必要があります。各媒体の発信力のさらなる強化に努めます。
 それに加えてスピードも考慮するべきです。インターネットは瞬時に情報公開できますが、『自由民主』は週刊、『りぶる』は月刊なので、当然内容が異なります。
 『りぶる』は最新情報についてはインターネットにかないませんが、落ち着いてじっくり読んでもらえるという強みがあります。最新情報をマシンガンのように次々と出すよりは、話題を絞って深く掘り下げた情報提供が向いていると思います。
 政策決定の背景や目的に至るまで丁寧に掲載することで、『りぶる』読者が周りの人たちに「〇〇〇の理由で、この法律が必要なのよ」と説明しやすくなり、かつ広めることができます。女性のネットワーク力を生かせる、口コミの材料を提供することも広報の大事な役割の一つです。

―重点的に広報すべきとお考えの政策はありますか。

河野先ほど述べました特定秘密保護法のように、今後も誤解されやすい政策が出てくるでしょうから、その都度対応していきます。
 また、参議院議員通常選挙については、訴求する政策やテーマなどが見えてきた段階で、具体的に考えてまいります。
 現時点で新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いてきて、これから経済対策が本格化していきます。例えば特例の融資などでは、返済のスタートを少し遅らせるという情報が伝わらずに、返済を始めてしまう事態が起こりました。そうならないよう、肝心なトピックをしっかり伝えていくことを党としても注力していきたいと思います。

―都道府県連との連携については、いかがお考えですか。

河野各都道府県連に広報の部署を立ち上げる予定です。まずは広報やSNSを担当する方を決めていただき、連携を強化していきたいと思っています。
 また、自民党には女性の力が不可欠です。広報本部では、それぞれの都道府県連女性局が感じている政策課題などを吸い上げ、それらの声を政策などに生かしていきたいと考えています。そのために『りぶる』を通じて、女性の皆さんがどんな政策に関心を持っていて、どう考えているのかを知りたいのです。
 広報というと、拡声器で一方的に情報を発信しているイメージをお持ちの方がいるかもしれませんが、私はコミュニケーションによる“双方向性”を強力にし、そして大切にしていきたい。人に寄り添い、ぬくもりのある社会を実現するためにも、互いに分かり合うことが何よりも重要です。

河野太郎 広報本部長

インタビューの続きはりぶる本誌でご覧ください

りぶる1月号

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